■Vol.119 2007-5-23 毎週水曜日配信
■■■――――――――――――――――――――――――――――――――
□□■ いまさら聞けない!お金と人と組織のこと
■■■ ― 経営者、起業準備の方必見です!―
□□■
■■■ 「中年
会計士の、ちょっとだけ聞いて欲しい独り言(10)/
内部統制監査 (4)」
■■■――――――――――――――――――――――――――――――――
「麻疹(はしか)」が流行しているようです。
今の10代、20代の人は、予防接種が義務付けられていなかった上、感染す
る機会がなかったため、今頃かかっているようです。
普通子供が罹るとされている病気に大人が罹ると重症化し、生死にかかわ
ることもあるとか。
誰でも一度は経験するという場合に、「はしかのようなもの」という言い
方をしますが、既に実情とは違っているようです。
企業内部の不正も、小さな芽のうちに摘んでしまえばよいですが、重症化し
てからでは、命取りに。できれば、罹らずにワクチンで済ませたいものです。
企業のワクチン、
内部統制について、シリーズ4回目です。
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「中年
会計士の、ちょっとだけ聞いて欲しい独り言(10)/
内部統制監査 (4)」
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皆さん、お元気ですか。
公認会計士の富田です。
ここ何回かは「
内部統制」について少々くどくご説明してきました。
そこで、しばらくは、この「
内部統制」の不備で具体的にどのような不正や
間違いが起きるのかを事例によりご説明したいと思います。
もう10年以上前になりますが、D銀行がニューヨーク支店での不祥事により
平成8年3月期の
決算で総額1,491億円にものぼる特別損失を計上しました。
新聞の他様々のメディアで取り上げられましたので今でも記憶しておられる
方も多いかと存じます。
1人の銀行員が、不正な投機取引に手を出し、そこで発生した損失の穴埋めを
するために無断で有価証券を売却していたという驚愕の事実が明るみになっ
たのです。
銀行といいますと大変お堅い業界で、大蔵省(現在の金融庁)検査、日銀考査、
監査法人監査、行内検査と、これでもかと言うくらい様々な機関からチェック
が入っていました。
それにも拘わらず、このような不正が行われたということは相当高度なテクニ
ックを使い、裏の裏を画く工作が行われたのではないかと想像されることでし
ょう。
しかし、実態は以下のようなものでした。
D銀行のニューヨーク支店では、営業上の都合で一般の営業業務はミッド・タウ
ン(マンハッタンの中央部)で、証券保管業務はダウンタウン(マンハッタンの南
端-証券街)でそれぞれ分離して行われていました。
このうち、ダウンタウンでは証券投資売買業務、管理記帳事務、証券保管事務、
証券取引
決済事務、送金事務、調整事務という証券に関わるほぼ全ての業務が犯
人の独占的な管理の下行われるようになっていたのです。
このような管理組織でどういったことができるかは、皆さんも容易に想像するこ
とができるのではないでしょうか。
不正に債券の売買取引を行ったとしても、取引に係る払込等
決済、伝票作成、記
帳、全て思いのままに操作し、どれだけの損失が発生してもこれをいくらでも先
送りすることができるわけです。
卑近な例で申し上げれば、現
預金の取扱担当者と記帳担当者はそれぞれ別の担当
者にすべきだということはよく言われることですが、管理の厳しいはずの銀行で
まさにこれと同じ状況になってしまっていたのです。
業務を複数人で分担して行わせるという組織組成のイロハのイを怠ったために、
これほどに大きな損失が発生してしまったのです。
D銀行での不正は、10年以上もの長い間にわたってずっと行われていたそうです。
それでは、文頭で申し上げました各検査機関は一体何をしていたのでしょうか?
次回は、この点をご説明したいとともいます。
富田でした。
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◆本メルマガへの意見、質問、感想、ご相談など
→
info@c3-c.jp
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C Cubeでは、税務、
会計だけでは解決しないさまざまのことを、
「人」の問題として考えています。
何か足らないとお思いの方は、弊社のホームページにヒントがある
かもしれません。
ホームページはこちら ⇒
http://www.c3-c.jp
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内部統制監査 (4)」
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「麻疹(はしか)」が流行しているようです。
今の10代、20代の人は、予防接種が義務付けられていなかった上、感染す
る機会がなかったため、今頃かかっているようです。
普通子供が罹るとされている病気に大人が罹ると重症化し、生死にかかわ
ることもあるとか。
誰でも一度は経験するという場合に、「はしかのようなもの」という言い
方をしますが、既に実情とは違っているようです。
企業内部の不正も、小さな芽のうちに摘んでしまえばよいですが、重症化し
てからでは、命取りに。できれば、罹らずにワクチンで済ませたいものです。
企業のワクチン、内部統制について、シリーズ4回目です。
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内部統制監査 (4)」
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皆さん、お元気ですか。公認会計士の富田です。
ここ何回かは「内部統制」について少々くどくご説明してきました。
そこで、しばらくは、この「内部統制」の不備で具体的にどのような不正や
間違いが起きるのかを事例によりご説明したいと思います。
もう10年以上前になりますが、D銀行がニューヨーク支店での不祥事により
平成8年3月期の決算で総額1,491億円にものぼる特別損失を計上しました。
新聞の他様々のメディアで取り上げられましたので今でも記憶しておられる
方も多いかと存じます。
1人の銀行員が、不正な投機取引に手を出し、そこで発生した損失の穴埋めを
するために無断で有価証券を売却していたという驚愕の事実が明るみになっ
たのです。
銀行といいますと大変お堅い業界で、大蔵省(現在の金融庁)検査、日銀考査、
監査法人監査、行内検査と、これでもかと言うくらい様々な機関からチェック
が入っていました。
それにも拘わらず、このような不正が行われたということは相当高度なテクニ
ックを使い、裏の裏を画く工作が行われたのではないかと想像されることでし
ょう。
しかし、実態は以下のようなものでした。
D銀行のニューヨーク支店では、営業上の都合で一般の営業業務はミッド・タウ
ン(マンハッタンの中央部)で、証券保管業務はダウンタウン(マンハッタンの南
端-証券街)でそれぞれ分離して行われていました。
このうち、ダウンタウンでは証券投資売買業務、管理記帳事務、証券保管事務、
証券取引決済事務、送金事務、調整事務という証券に関わるほぼ全ての業務が犯
人の独占的な管理の下行われるようになっていたのです。
このような管理組織でどういったことができるかは、皆さんも容易に想像するこ
とができるのではないでしょうか。
不正に債券の売買取引を行ったとしても、取引に係る払込等決済、伝票作成、記
帳、全て思いのままに操作し、どれだけの損失が発生してもこれをいくらでも先
送りすることができるわけです。
卑近な例で申し上げれば、現預金の取扱担当者と記帳担当者はそれぞれ別の担当
者にすべきだということはよく言われることですが、管理の厳しいはずの銀行で
まさにこれと同じ状況になってしまっていたのです。
業務を複数人で分担して行わせるという組織組成のイロハのイを怠ったために、
これほどに大きな損失が発生してしまったのです。
D銀行での不正は、10年以上もの長い間にわたってずっと行われていたそうです。
それでは、文頭で申し上げました各検査機関は一体何をしていたのでしょうか?
次回は、この点をご説明したいとともいます。
富田でした。
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