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当日請求の年休

◆事例:当日請求の年休

 当日の朝になってから電話等で年休を請求する従業員がおり困っています。
そのため就業規則に「事前の届出」を義務づけ、違反した場合は取得を認めな
いことにしたいのですが可能でしょうか。

◇回答----------------------------------------------------------------
 年休の当日請求は、事業主の時季変更権を行使できないこととなるため、こ
の請求を拒否することができます。事前届出の定めも可能ですが、一般的には
前日の終業時刻までに届け出ることを義務づけることが多いようです。但し急
病等の場合は当日請求も認めた方がいいでしょう。後日診断書等を求めること
は可能です。

■解説----------------------------------------------------------------
 年休は労働者の基本的権利であり、原則として本人が請求した時季に取得で
きます。事業主はこれに対し「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り他の時
季に変更を命ずることができます。これは時季変更権と呼ばれています。

 当日の年休請求は、事業主にとって代替者の配置等の措置を講じることが時
間的に困難であり、実質的に時期変更権の行使が不可能となってしまいます。
このような年休の請求は労働者の正当な権利の行使とは認められず、かかる年
休の請求は拒否することができるものと考えられます。判例でも同様の立場を
とっています。(S57.3.18最高裁第一小法廷)

 すると、年休はいつまでに請求すればよいのかということになりますが、事
業主が休暇に伴う措置を取るための最小限の時間的余裕を考えることが必要で
す。いたずらに早い時期に届出を義務づけた場合は、年休の取得制限と見なさ
れる恐れがあり好ましくありません。遅くとも「前日の終業時刻」までとする
のが一般的でしょう。

 また、当日請求の年休を認めなかったにもかかわらず労働者が休んでしまっ
た場合、これを欠勤の取り扱いとしても問題ありません。

 ただ問題なのは、急病とか事故等の場合です。このようなやむを得ない状況
の場合まで一律に「当日請求はダメ」というのは問題ありです。昔は「這って
でも出てこい!」なんて事例もありましたが、今やればトラブルに発展します。
年休の請求時期に例外項目を設け、後日診断書等の証明を提出することを条件
して認めることをお奨めします。

 一番悪いのは、人によって認めたり認めなかったりというケースです。就業
規則がなかったり、これらのことを記載していないのが大きな原因。もっと悪
いのは、規則どおりに運用しないこと。以外と多いんです、こういう例。


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