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譲渡承認請求の承認をせず、発行会社自らが株式を買取る場合

著者 kantona さん

最終更新日:2025年07月11日 21:01

お世話になっております。
株主からの譲渡承認請求に対し、取締役会で譲渡を承認せず、発行会社自らが株式を買取る場合に、株主総会の決議が必要になりますが、この株主総会で3分の2の議決が取れず不承認になると次は指定買取人を指定する手続きに移るのでしょうか。
それとも、今回の株主からの譲渡承認請求はできないという考えになるのでしょうか。
よろしくお願いいたします。

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Re: 譲渡承認請求の承認をせず、発行会社自らが株式を買取る場合

著者Srspecialistさん

2025年07月13日 17:36

> お世話になっております。
> 株主からの譲渡承認請求に対し、取締役会で譲渡を承認せず、発行会社自らが株式を買取る場合に、株主総会の決議が必要になりますが、この株主総会で3分の2の議決が取れず不承認になると次は指定買取人を指定する手続きに移るのでしょうか。
> それとも、今回の株主からの譲渡承認請求はできないという考えになるのでしょうか。
> よろしくお願いいたします。


株式譲渡制限会社における譲渡承認請求の流れ

株式譲渡制限会社では、株主が株式を第三者に譲渡する際、会社の承認が必要です(会社法第139条)。この承認手続きには以下の選択肢があります。

1. 取締役会が譲渡を承認する
2. 会社が自ら株式を買い取る(会社法第140条第1項)
3. 会社が指定買取人を定めて買い取らせる(同条第2項)



株主総会決議が必要な場面

会社が自ら株式を買い取る場合、その買い取りには原則として株主総会特別決議(3分の2以上の賛成)が必要です(会社法第140条第4項)。

ご質問の論点:株主総会で否決された場合の次のステップ

株主総会で会社による買取が否決された場合、次の選択肢は以下の通りです:

指定買取人による買取に移行することが可能です。

会社は、譲渡承認をしない代わりに、指定買取人を定めて株式を買い取らせることができます(会社法第140条第2項)。
この場合、会社は譲渡請求を拒否する代わりに、譲渡希望株主に対して「誰が買い取るか」を通知する義務があります。

譲渡請求が無効になるわけではありません。

株主の譲渡承認請求は有効に継続しており、会社は譲渡を承認するか、会社または指定買取人による買取を実施する義務があります。
会社がいずれの対応も取らない場合、株主は会社に対して譲渡承認を求める訴訟を提起することも可能です(会社法第139条第2項)。


実務上のポイント

株主総会で会社による買取が否決された場合、会社が速やかに指定買取人を定めるか、譲渡を承認するかの判断をする必要があります。
指定買取人による買取も実現できない場合、会社は譲渡を承認せざるを得ない可能性があります。



結論

株主総会で会社による買取が否決された場合でも、譲渡承認請求は無効にはならず、会社は指定買取人による買取手続きに移行することができます。それもできない場合は、最終的に譲渡を承認する義務が生じる可能性があります。

Re: 譲渡承認請求の承認をせず、発行会社自らが株式を買取る場合

著者kantonaさん

2025年07月14日 20:06

回答ありがとうございます。
わかりやすく説明いただき理解できました。

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