労働実務事例
[ 質問 ]
現在、障害厚生・基礎年金を受給している人がいて、まもなく老齢厚生年金の受給年齢に達します。この場合、どのような形で年金を受け取ることになるのでしょうか。
高知・S社
[ お答え ]
年金は、1人1年金が原則で、同一事由に基づく年金(たとえば、障害厚生年金と障害基礎年金)を除けば、どちらか選択が原則です(厚年法第38条)。ですから、お尋ねの方が60歳代前半の老齢厚生年金の受給権を得たときは、障害厚生・基礎年金という組み合わせと60歳代前半の老齢厚生年金のどちらか1つを選んで、受給を開始します。
しかし、65歳以上になると、今度は老齢基礎年金と(正規の)老齢厚生年金の受給権が発生します。この段階では、併給の選択が可能となります。障害基礎年金と老齢厚生年金、または老齢基礎年金と障害厚生年金という組み合わせも可能です。もちろん、障害厚生・基礎年金または老齢厚生・基礎年金を選ぶこともできます。
障害基礎年金と老齢厚生年金をセットで受給する選択をしたとします。このときに注意が必要なのは、仮にその方に加給年金額の対象となる子供がいた場合の扱いです。
老齢厚生年金については、ご承知のとおり、18歳到達年度末日(3月31日)までの子、20歳未満で1・2級の障害の状態にある子の生計を維持していた場合、子の加給年金額が支給されます。一方、障害に関しては、障害厚生年金に配偶者加給年金額が加算され(厚年法第50条の2)、障害基礎年金に子の加給年金額が加算される(国民年金法第33条の2)仕組みとなっています。
つまり、老齢厚生年金、障害基礎年金の両方で、子の加給年金額の権利が発生することになります。しかし、厚年法第44条第1項ただし書きの規定により、「障害基礎年金に子の加算が行われているときは、老齢厚生年金の加算を支給停止とする」と規定されています。ダブルで加給年金額が支払われることはありません。
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