• HOME
  • コラムの泉

コラムの泉

このエントリーをはてなブックマークに追加

専門家が発信する最新トピックスをご紹介(投稿ガイドはこちら

“会社法”等のポイント(107)

**********************************************************************
行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第163号/2010/9/4>■
 1.はじめに
 2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(107)」
 3.編集後記
**********************************************************************
**********************************************************************
 1.はじめに
**********************************************************************
 こんにちは。行政書士の津留信康です。

 気象庁によると、今年は、統計史上最も暑い夏だったとのことですが、
皆様、いかがお過ごしだったでしょうか?
 9月に入っても、猛暑、酷暑の勢いは、なかなか収まる気配がありませんので、
引き続き、熱中症等の暑さ対策を、くれぐれもお忘れなきよう・・・。

 なお、本号につきましては、
先月30日発生の共用ネットの回線・設備トラブルにより、
接続不可状態が続いた上に、
管理者側の復旧対応が極めて悪く、発行が遅延してしまいました。
 どうぞご容赦ください。

 それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。

★コラム★
 今回は、「会社設立」がテーマですので、起業予定者様向けに一言。
 起業予定者様とお話していると、「会社設立ありき」の方が少なくありませんが、
 ここは、もう少し慎重にお考えになるのが良さそうです。
 もちろん、事業の性格上法人であることが必須条件の場合や
 短期間に一定の売上を確保できることが確定的な場合であれば別ですが、
 脱サラや専業主婦による起業初体験の場合、
 個人事業主として、事業の将来性を見極めた上で、
 売上¥1,000万前後を目安として、法人成りを検討する・・・
 という流れが、ベターと思われます。

**********************************************************************
 2.「会社法務編─中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(107)」
**********************************************************************
★本稿では、「平成22年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
 “会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
 第1回は、「発起設立と募集設立の異同」に関する問題です。
  ※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
    ご了承ください。

■発起設立と募集設立の異同に関する次の記述のうち、
 正しいものはどれか(午前─第27問)。
1.発起人は、発起設立の場合には、
  設立時発行株式を1株以上引き受けなければならないが、
  募集設立の場合には、設立時発行株式を1株も引き受けないことができる。
 □正解: ×
 □解説
  株式会社は、
  「発起設立/発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式)
  の全部を引き受ける方法」、または、
  「募集設立/発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、
  設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法」
  のいずれかの方法により設立することができます(会社法25条1項)が、
  各発起人は、株式会社の設立に際し、いずれかの方法の場合も、
  設立時発行株式を1株以上引き受けなければなりません(同法同条2項)。

2.発起人は、払込みの取扱いをした銀行、
  信託会社その他これに準ずるものとして法務省令に定めるものに対し、
  発起設立の場合には、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書
  の交付を請求することができないが
  募集設立の場合には、当該証明書の交付を請求することができる。
 □正解: ○
 □解説
  募集設立の場合、会社法64条1項に、
  当該証明書の交付請求について、規定されています。
  しかし、発起設立の場合、払込取扱機関の払込金保管証明の義務は、
  廃止されています(※H18.3.31先例・第2部‐第1‐1‐(5))
  ※)http://www.moj.go.jp/MINJI/minji108.html

3.設立時発行株式の数は、
  発起設立の場合には、発起人全員の同意によって定めるが、
  募集設立の場合には、創立総会の決議によって定める。
 □正解: ×
 □解説
  発起人は、株式会社の設立に際して、
  発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数等、
  一定の事項を定めようとするときは、
  その全員の同意を得なければなりません(会社法32条1項)が、
  これは、発起設立、募集設立のいずれの場合にも、共通です。
  また、発起人が、設立時発行株式を引き受ける者の募集をするときは、
  その都度、設立時募集株式について、
  設立時募集株式の数等、一定の事項を定めなければならず、
  その際には、発起人全員の同意を要します(同法58条1項・2項)。

4.設立時取締役は、
  発起設立の場合には、発起人全員の同意によって選任されるが、
  募集設立の場合には、創立総会の決議によって選任される。
 □正解: ×
 □解説
  発起設立の場合、設立時取締役の選任は、
  発起人の議決権の過半数をもって決定します(会社法40条1項)。
  また、募集設立の場合、設立時取締役の選任は、
  創立総会の決議によって行わなければなりません(同法88条)。
  なお、種類株式発行株式会社の場合については、
  それぞれ、同法41条1項、90条1項を参照のこと。

5.検査役の調査を経た場合を除き、
  現物出資の目的財産の価額が定款に記載された価額に著しく不足しているときに
  発起人が会社に対して当該不足額を支払う義務は、
  発起設立の場合には、
  当該発起人が、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明すれば、
  当該発起人が現物出資をした者でない限り、免れることができるが、
  募集設立の場合には、当該発起人が、
  その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したとしても、
  免れることができない。
 □正解: ○
 □解説
  出資された財産等の価額が不足する場合の責任(会社法52条1項)について、
  発起設立の場合の免責事由が、
  検査役の調査を経た場合(同法同条2項1号)と
  当該発起人がその職務を行うについて注意を怠らなかったこと
  を証明した場合(同法同条同項2号)であるのに対し、
  募集設立の場合の免責事由は、
  検査役の調査を経た場合のみです(同法103条1項)。

★次号では、「株式の譲渡等」について、ご紹介する予定です。

**********************************************************************
 3.編集後記
**********************************************************************
★いよいよ、宅建・行書・マン管・管理業等、秋の受験シーズンに突入です。
 受験生にとって、「ラストスパートとなるこの時期の過ごし方が合否を左右する」
 といっても過言ではありませんので、
 「ラストスパート直前予想問題集(※)」を効果的に活用して、
 合格の栄冠を勝ち取ってください!!
 ちなみに、行書版は、私も、執筆に参加しています。
※)http://m-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/22-0cab.html
■本号は、いかがでしたか?
 次号の発行は、2010/9月中旬を予定しております。
■編集責任者:行政書士 津留信康
 □津留行政書士事務所 http://www.n-tsuru.com
 □当事務所へのご連絡は、
  上記Webサイト・トップページのメールリンクをご利用ください。
■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(http://www.mag2.com/)」を利用しており、
 購読の解除は、「http://www.mag2.com/m/0000106995.html」からできます。
■当メールマガジンの無断転載等を禁じます。

絞り込み検索!

現在22,944コラム

カテゴリ

労務管理

税務経理

企業法務

その他

≪表示順≫

※ハイライトされているキーワードをクリックすると、絞込みが解除されます。
※リセットを押すと、すべての絞り込みが解除されます。

スポンサーリンク

経営ノウハウの泉より最新記事

スポンサーリンク

労働実務事例集

労働新聞社 監修提供

法解釈から実務処理までのQ&Aを分類収録

注目のコラム

注目の相談スレッド

スポンサーリンク

PAGE TOP