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“会社法”等のポイント(114)

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行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第170号/2010/12/15>■
 1.はじめに
 2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(114)」
 3.編集後記
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 1.はじめに
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 こんにちは。行政書士の津留信康です。

 2010年今年の漢字(※(財)日本漢字能力検定協会)は、
「暑」だったとのことですが、
確かに、今年は、思考能力が減退するぐらいの猛暑でしたね。
 個人的には、来年こそは、ただ「暑い」だけでなく、
何かに集中して、全身全霊で取り組むことができる、
「熱い」1年にしたいと思っています。
※)http://www.kanken.or.jp/years_kanji/index.html

 それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
 そして、来年もよろしくお願い致します。

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 2.「会社法務編─中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(114)」
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★本稿では、「平成22年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
 “会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
 第8回は、「会社法上の訴え」に関する問題です。
  ※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
    ご了承ください。

会社法上の訴えに関する次の記述のうち、判例の趣旨に照らして、
 誤っているものはどれか(午前─第34問)。
1.株主は、募集に係る株式の発行が、
  それを差し止める旨の仮処分命令に違反してされた場合には、
  当該仮処分命令に違反することを無効原因として、
  新株発行の無効の訴えを提起することはできない。
 □正解: ×
 □解説
  一定の場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、
  株主は、株式会社に対し、
  募集に係る株式の発行をやめることを請求することができ(会社法210条)、
  株主は、新株発行の無効の訴えを
  提起することができます(同法828条2項2号、834条2号)。
  そして、判例(最判平成5年12月16日)は、
  「新株発行差止めの仮処分命令に違反して新株発行がされたことは、
  新株発行無効の訴えの無効原因となる」と判示しています。

2.株主は、株主総会の決議の取消しの訴えを提起した場合において、
  当該株主総会の決議の日から3ヶ月が経過したときは、
  新たな取消事由を追加主張することはできない。
 □正解: 〇
 □解説
  一定の場合において、株主は、株主総会の決議の日から3ヶ月以内に、
  訴えをもって当該決議の取消しを請求することができます(会社法831条1項)。
  そして、判例(最判昭和51年12月24日)は、
  「株主総会の決議の取消しの訴えにおいて、
  法定の期間経過後に新たな取消事由を追加主張することは、許されない」
  と判示しています。

3.株主は、退任後もなお役員としての権利義務を有する者については、
  その者が職務の執行に関し不正の行為をした場合であっても、
  解任の訴えを提起することができない。
 □正解: 〇
 □解説
  判例(最判平成20年2月26日)は、
  「退任後もなお会社の役員としての権利義務を有する者(会社法346条)の
  職務の執行に関し不正の行為または法令もしくは定款に違反する重大な事実
  があった場合において、同法854条を適用または類推適用して、
  株主が、株式会社役員解任の訴えをもって、
  その解任請求をすることは許されない」と判示しています。

4.株主は、募集に係る株式の発行がされた後は、
  当該株式の発行に関する株主総会の決議の無効確認の訴えを
  提起することはできない。
 □正解: 〇
 □解説
  判例(最判昭和40年6月29日)は、
  「新株がすでに発行された後は、
  新株発行無効の訴(会社法828条1項2号、834条2号)を提起しないかぎり、
  当該新株の発行を無効とするに由なく、
  新株発行に関する株主総会決議無効確認の訴(同法830条2項)は、
  確認の利益がない」と判示しています。

5.株主は、他の株主に対する株主総会招集手続瑕疵を理由として、
  株主総会の決議の取消しの訴えを提起することはできない。
 □正解: ×
 □解説
  判例(最判昭和42年9月28日)は、
  「株主は、他の株主に対する招集手続瑕疵を理由として、
  株主総会決議取消の訴(会社法831条1項)を提起することができる」
  と判示しています。

★次号では、「一般社団法人または一般財団法人登記」について、
 ご紹介する予定です。

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 3.編集後記
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★2010年ラストの発行となる本号は、いかがでしたか?
 今後、来年5月ごろまでは、業務繁忙期となるため、
 発行ペースを、月2回の定期発行から、
 月1回程度の不定期発行にシフト致しますので、どうぞご了承ください。
■編集責任者:行政書士 津留信康
 □津留行政書士事務所 http://www.n-tsuru.com
 □当事務所へのご連絡は、
  上記Webサイト・トップページのメールリンクをご利用ください。
■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(http://www.mag2.com/)」を利用しており、
 購読の解除は、「http://www.mag2.com/m/0000106995.html」からできます。
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