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ビジネスに直結する実践的判例・法律・知的財産情報
石下雅樹法律・
特許事務所 第67号 2011-08-23
http://www.ishioroshi.com/
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事務所概要
http://www.ishioroshi.com/btob/lawyer_officeb.html
弊所取扱分野紹介(英文
契約書翻訳・英語法律文書和訳)
http://www.ishioroshi.com/btob/jisseki_honyakub.html
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1 今回の判例 椅子デザインの模倣と応用美術(2)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
東京地裁 平成22年11月18日判決
本件は、本マガジン第65号で取り上げたものです。
本件は、我が国には昭和52年から輸入されていた特徴のある椅
子(X社製品)を製造・販売・輸出していたX社と他の1社が、こ
の椅子を模倣した製品を販売しているとして、Y社に対しY社製品
の製造販売の差止と
損害賠償を請求したものです。
X社の主張は、主に、(1)Y社によるX社製品の著作権侵害の
主張、(2)周知な商品等表示であるX社製品の形態を使用する不
正競争行為に該当するという主張、でした。
第65号では、(1)について取り上げましたので、本稿では(2)
について取り上げます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2 裁判所の判断
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(1)原告製品の形態の周知性については、
● X社製品の特徴的な形態
● 販売数量の経年的増加
● 新聞や雑誌への広告等の掲載実績
● 宣伝広告記事やパンフレットへのX社の表示の実績
などを考慮し、X社製品の形態は、X社の「商品等表示」として、
遅くとも平成17年10月31日までには周知なものになっていた。
(2)X社製品の形態とY社製品は、両製品の共通点を総合判断す
れば、類似する。
(3)混同のおそれの有無については、両製品の用途(子供用のい
す)、主な需要者(小さな子供を持つ親たち)、価格帯の共通性な
どから、Y社製品に接した需要者が、Y社製品がX社製品(または
X社の関連会社の製品)であると誤信するおそれがある。
(4)以上から、Y社製品の製造販売は、不正競争防止法2条1項
1号の不正競争行為に該当する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
3 解説
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(1)商品デザインと周知表示混同惹起行為
意匠登録等されていない製品のデザインについても、法的に保護
される(他者に対し類似のデザインの製品の製造販売を禁止できる
)場合があります。
この点、不正競争防止法2条1項1号は、「他人の商品等表示と
して需要者の間で広く認識されているものと同一・類似の商品等表
示を使用し、他人の商品または営業と混同を生じさせる行為」を不
正競争行為として禁止しています。
具体的には、以下の要件を満たす必要があります。
(a)商品表示性
商品の形態が特徴的で、商品の印(しるし)として機能する
必要があります
(b)周知性
商品の形態が需要者の間で広く認識されている必要がありま
す。
(c)類似性
商品形態が、全体として類似する必要があります。
(d)混同のおそれ
需要者が両者の商品の間で混同を起こすおそれがあることが
必要です。
(a)(b)についていえば、商品の形態が特徴的で、かつ需要
者(この商品の取引に関わる人々)の間で周知となっており、この
特徴的な形態を見れば、特定の
事業者の商品であると認識される程
度に知られている場合である必要があります。実際に、商品形態の
保護が認められた例としては、ルービックキューブ、チョロQ、i
Macなどがあります。
(2) 商品形態の保護と証拠の収集保存
本マガジン第65号で述べたとおり、商品形態の保護のためには、
可能なら意匠登録することが望ましいと考えられます。もっとも、
意匠登録にも一定の要件がありますから必ずしも登録ができないよ
うなケースもあるでしょう。
この場合、不正競争防止法による商品形態の保護も検討しなけれ
ばならない場面が生じるかもしれません。ここで重要となってくる
要素の一つは「周知性」の立証です。つまり、訴訟においては、あ
る商品形態が需要者の間で周知(知られている)ことを立証しなけ
れば成りませんが、そのためには、普段の証拠の収集と保存が大き
くものをいうことがあります。
自社の当該製品について、周知性についての主な立証手段として
は以下のようなものがあります。
● 販売期間・販売地域の資料
●
売上高の資料
● 宣伝広告費の金額
● 市場シェアの資料
● 販売店数、製品流通量
● 新聞・雑誌・書籍・テレビ・ラジオにおける当該製品が取り
上げられた記事(多ければ多いほどよい)
● 宣伝・広告の地域・量・内容に関する資料(多ければ多いほ
どよい)
● 需要者に対するアンケート調査
以上のような資料は、紛争が生じてから収集できるものもあるか
もしれませんが、そうではないものもあるでしょう。そのため、い
ざ紛争が生じたときに立証手段に窮し、受けられるべき保護が受け
られなくなる、といった事態が生じるかもしれません。
この点、普段の業務過程で生じる資料を保存しておくことで、そ
のような事態をできる限り防ぎ、自社の正当な利益の保護につなが
ることになるかもしれません。
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本マガジンの無断複製、転載はご遠慮ください。
ただし、本マガジンの内容を社内研修用資料等に使用したいといっ
たお申出については、弊所を出典として明示するなどの条件で、原
則として無償でお受けしています。この場合、遠慮なく下記のアド
レス宛、メールでお申出ください。
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【編集発行】石下雅樹法律・
特許事務所
〒220-0011 神奈川県横浜市西区高島2-10-13
横浜東口ビル4階
mailto:
info@ishioroshi.com
弁護士紹介
http://www.ishioroshi.com/btob/lawyer_ishioroshib.html
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契約(
顧問料)についての詳細
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本件は、我が国には昭和52年から輸入されていた特徴のある椅
子(X社製品)を製造・販売・輸出していたX社と他の1社が、こ
の椅子を模倣した製品を販売しているとして、Y社に対しY社製品
の製造販売の差止と損害賠償を請求したものです。
X社の主張は、主に、(1)Y社によるX社製品の著作権侵害の
主張、(2)周知な商品等表示であるX社製品の形態を使用する不
正競争行為に該当するという主張、でした。
第65号では、(1)について取り上げましたので、本稿では(2)
について取り上げます。
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2 裁判所の判断
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(1)原告製品の形態の周知性については、
● X社製品の特徴的な形態
● 販売数量の経年的増加
● 新聞や雑誌への広告等の掲載実績
● 宣伝広告記事やパンフレットへのX社の表示の実績
などを考慮し、X社製品の形態は、X社の「商品等表示」として、
遅くとも平成17年10月31日までには周知なものになっていた。
(2)X社製品の形態とY社製品は、両製品の共通点を総合判断す
れば、類似する。
(3)混同のおそれの有無については、両製品の用途(子供用のい
す)、主な需要者(小さな子供を持つ親たち)、価格帯の共通性な
どから、Y社製品に接した需要者が、Y社製品がX社製品(または
X社の関連会社の製品)であると誤信するおそれがある。
(4)以上から、Y社製品の製造販売は、不正競争防止法2条1項
1号の不正競争行為に該当する。
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3 解説
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(1)商品デザインと周知表示混同惹起行為
意匠登録等されていない製品のデザインについても、法的に保護
される(他者に対し類似のデザインの製品の製造販売を禁止できる
)場合があります。
この点、不正競争防止法2条1項1号は、「他人の商品等表示と
して需要者の間で広く認識されているものと同一・類似の商品等表
示を使用し、他人の商品または営業と混同を生じさせる行為」を不
正競争行為として禁止しています。
具体的には、以下の要件を満たす必要があります。
(a)商品表示性
商品の形態が特徴的で、商品の印(しるし)として機能する
必要があります
(b)周知性
商品の形態が需要者の間で広く認識されている必要がありま
す。
(c)類似性
商品形態が、全体として類似する必要があります。
(d)混同のおそれ
需要者が両者の商品の間で混同を起こすおそれがあることが
必要です。
(a)(b)についていえば、商品の形態が特徴的で、かつ需要
者(この商品の取引に関わる人々)の間で周知となっており、この
特徴的な形態を見れば、特定の事業者の商品であると認識される程
度に知られている場合である必要があります。実際に、商品形態の
保護が認められた例としては、ルービックキューブ、チョロQ、i
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可能なら意匠登録することが望ましいと考えられます。もっとも、
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この場合、不正競争防止法による商品形態の保護も検討しなけれ
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る商品形態が需要者の間で周知(知られている)ことを立証しなけ
れば成りませんが、そのためには、普段の証拠の収集と保存が大き
くものをいうことがあります。
自社の当該製品について、周知性についての主な立証手段として
は以下のようなものがあります。
● 販売期間・販売地域の資料
● 売上高の資料
● 宣伝広告費の金額
● 市場シェアの資料
● 販売店数、製品流通量
● 新聞・雑誌・書籍・テレビ・ラジオにおける当該製品が取り
上げられた記事(多ければ多いほどよい)
● 宣伝・広告の地域・量・内容に関する資料(多ければ多いほ
どよい)
● 需要者に対するアンケート調査
以上のような資料は、紛争が生じてから収集できるものもあるか
もしれませんが、そうではないものもあるでしょう。そのため、い
ざ紛争が生じたときに立証手段に窮し、受けられるべき保護が受け
られなくなる、といった事態が生じるかもしれません。
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