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常にVA的発想をもって業務に邁進する!

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     シリーズ「コスト意識の強化で仕事のできる人の集団を作る!」

   <第406回>[(第5話)「常にVA的発想をもって業務に邁進する!」]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の
必要性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは「コスト対
応力とコンピテンシー!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事
を紹介していきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の
方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論
1.VAの公式をレビューする!
2.VA的発想力を磨く!
3.高付加価値品を高価格で販売する戦略もある!
【3】「顧客重視力」を高めるために!
【4】今日のポイント
【5】編集後記

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VAとはValue Analysisの略で価値分析のことである。
VE(Value Engineering)も同義語として使われることが多いがやはり少し
意味が違う。

VEは「1st.ルックのVA」だ。つまり設計段階で価値が高まるように工夫
すると言うことだ。例えばネジを4ケ所締めるように設計するか2ケ所締め
るように設計するかで価値は違ってくる。ネジ2本分コストが下がり、組み
立て工数もネジ2本分節減される。指定する材料のグレードも最高級を指定
するか中級品を指定するかで価値が違ってくる。機能・性能に問題がなけれ
ば中級品でいいはずだ。だが、設計者のプライドとして最高級のグレードを
指定したがるものだ。

設計が完了して量産に移行してしまってからのVAを「2nd.ルックのVA」
と称する。生産技術的に治工具や作業方法をカイゼンして価値を上げること
が主流になる。あるいは現場からの改善提案を採用することで価値を高める
ことも「2nd.ルックのVA」に貢献する。

購買部門(の担当者)も購買方法を変えたり、ベンダー(取引先)を変える
(転注)ことで価値を高めることに貢献できる。

ビジネスマンはいつでもどこでも常に「VA的発想」を持って業務に邁進す
ることが大事なのだ。

そこで今回は「コスト意識の強化で仕事のできる人の集団を作る!」の第5
回目として「常にVA的発想をもって業務に邁進する!」と題して解説する
ことにする。



【1】心に刻んでおきたい言葉

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ビジネスの世界で成功の反対は失敗ではなく「何もしないこと」ですよ。何
かしようとこの歳になっても毎日「何かないか」考えている。


       長谷川一彦

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【2】メルマガ本論

[(第5話)常にVA的発想をもって業務に邁進する!]


VE的発想、つまり「1st.ルックのVA」を強く意識して設計している会社
は意外にも少ない。機能・性能を追求することで頭がいっぱいなのだろうか。
老舗の家電メーカーが利益を上げられずに苦戦を強いられ、これまでの儲け
頭だった商品から撤退する例が多い。

一方、新興メーカーが家電分野にまで進出し、儲け頭の商品を次々世に送り
出している。この差は何か。

新商品を世に送り出すまでのスピードがめちゃ早いことと顧客価値創造に成
功していることだ。例えばアイリスオーヤマなどはいくらなら売れるかを検
討して売価を決め、利益を差し引いたコストでどうすれば量産可能かを徹底
的に研究する。モックアップ品(未完成品状態のサンプル)をホームセンタ
ーや家電量販店に持ち込んでデモをやり、バイヤーの意見を引き出して設計
的に顧客価値を盛り込んでいる。発売してみたら案の定ヒット商品だ。この
差は大きいのではないか。


1.VAの公式をレビューする!

* 価値(V:Value)=機能(F:Function)/コスト(C:Cost) *
という公式が役に立つ。

この公式は、次のことを我々に教えてくれる。

◆コストは現状のままで、機能を向上させれば価値は上がる。

◆機能は現状のままで、コストを下げれば価値は上がる。

◆機能を上げ、同時にコストを下げれば、価値は大幅に向上する。

コンペティターとの厳しい競争を勝ち抜いて「勝ち組」企業になるためには、
より差別化された顧客価値の高い商品・サービスを提供していかなければな
らないわけだ。

2.VA的発想力を磨く!

ビジネスマンはただ漫然と会社に行き、定型業務をやって帰ると言うのでは
寂しすぎる。メーカーに限らず商社でもサービス業でも常にVA的発想をも
って自分の仕事に邁進することが大事だ。


□ コストは現状のままで機能を向上させる

例えば、食品や日用品の場合などでは売価は据え置いて増量したり、もっと
味をよくする。例えば、家電品などの場合は売価は据え置いて今ある機能の
性能を上げたり、新しい機能を付加する、などが考えられる。しかし、いず
れもコストアップになる要因を含んでいるからどこでコストを吸収して帳尻
を合わせるかがポイントになる。

部材費や外注費などの変動費のコストダウンを図り、同時に生産性を向上し
て少ない人数でたくさん生産できる(固定費のコストダウン)ように知恵を
出さなければならない。


□ 機能は現状のままコストダウンをする

機能・性能は現状のままでコストを下げなければならない。例えば牛丼各社
は期間限定などで価格を下げたりする。主要原材料である牛肉の仕入れ価格
を何らかの方法で下げることができたのだろう。あるいは設備を改良したり
して店員を減員することに成功したのだろう。つまり前述のように「変動費
や「固定費」を下げることに成功しなければならない。安売り競争のアリ地
獄、つまり体力勝負では会社は持たないからだ。

工場の場合なら、コストダウン活動の中に「不良の撲滅」や「5S運動によ
るムダ撲滅」もメニューに加えることだ。この二つはコストダウンに相当貢
献するはずだ。


□ コストダウンと機能向上をコンカレントに達成する

コンカレント(Concurrent)とは同時並行で行うと言う意味に解釈してほし
い。これが実現できれば顧客価値は大幅に向上するから競争力で優位に立て
る。

例えば家電メーカーがDVDプレーヤーを一体化した薄型テレビを販売した。
今多くのお客様は録画しておいて後で見たり、何度でも見たいときに見るこ
とを楽しみにしている。二つの製品がセパレートになっていれば素人が接続
するのは難しい。買ったときは業者が設置してくれるが引っ越したときは大
変だ。

二つの製品を足し算した価格よりも例えば30%安くDVD内蔵型薄型テレビ
を提供すればメーカーもコストダウンと機能向上をコンカレントに達成でき
るがお客様にも大きな価値を提供できるだろう。


3.高付加価値品を高価格で販売する戦略もある

VAの番外編としてお客様にとっての価値をアップしてその分高く販売する
戦略を考えることも大切だと思う。これで成功している例は結構多い。


□ 健康エコナマヨネーズタイプ・・・他社同等品の約2.5倍の価格で販売
  (花王)

健康エコナクッキングオイルを使用し、コレスティロールが体内に蓄積しな
い健康調味料であることを前面に出して訴求し、ヒット商品に育てた。


□ ヘルシア緑茶・・・他社同等品の約1.5倍の価格で販売(花王)

茶カテキンの含有量を他社同等品の2倍にし、体脂肪が蓄積せずむしろ漸減
することを前面に出して訴求し、ヒット商品に育てた。発売後10年近く経つ
のに今もギャラの高そうな俳優を使いテレビCMを流し続けている。

いずれも“顧客にとっての価値やベネフィット”を訴求することにより、高
価格でヒット商品にしている点はベンチマーク(最高に学ぶ)に値する。



【3】「顧客重視力」を高めるために!

「顧客重視力」なるコンピテンシーの現状レベルをチェックしてみてはどう
か。

定義付けの例は、「さまざまな方法で情報を収集し、顧客のニーズをよく理
解し、商品やサービスの価値をアップすること」としてはどうだろうか。

行動基準の例は「接客を通じて対象商品の価値やベネフィトを丁寧に分かり
やすく説明することに全力を尽くす」、「顧客企業からコストダウンの要請
がいつ出されてもいいように先手を打って常にVA的発想でカイゼンに邁進
すること」などとしてはどうだろうか。


===================================


自動車メーカーやその他のセットメーカーに部品等を納入しているメーカー
では毎年定期的にコストダウンの要請が来ることになっている。要請がきて
からあわててコストダウン活動に着手しても遅いだろう。コストダウンに応
じることも「顧客重視」につながる。

常に「顧客価値」を提供できるように準備している会社は次の仕事もきっと
戴けるはずだ。



【4】今日のポイント

(1)VAの公式は社内のコストダウン活動ばかりでなく、顧客価値を高め
   る方法論を示してくれていること。

(2)最終商品を製造販売する会社なら是非「1st.ルックのVA」活動を
   重視すべきこと。

(3)顧客にとっての価値やベネフィットを向上して高価格で販売し、ヒッ
   ト商品にする戦略もベンチマークすべきであること。



【5】編集後記

シャープはパソコンから撤退した。パナソニックはプラズマテレビから撤退
することになった。勝ち目がないと判断したら、できるだけ早めに撤退する
ことも戦略の一つだろう。だがなぜあれほどの老舗メーカーが衰退したのか
を検証して次に生かすことが大事ではないか。もしアイリスオーヤマがプラ
ズマテレビをやればきっと儲け頭になるような気がしてならない。

商品・サービスの価値を創造するマーケティング活動は重要だ。顧客の立場
で顧客価値創造力コンピテンシーを発揮できた企業がサバイバルゲームを勝
ち残るのである。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp



次回に続く。


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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
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