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シリーズ「カイゼン活動で仕事のできる人の集団を作る!」
<第419回>[(第10話)「IE手法による改善活動の全社的展開を!」]
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今話題の「会社を救う
コンピテンシー」とは何かと
コンピテンシーの導入の
必要性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは「カイゼン
活動で仕事のできる人の集団を作る!」と題して様々な角度から鋭く分析し
た良質の記事を紹介していきます。きっとお役に立てると思います。中小企
業の経営者の方、管理者の方、
人事担当者の方に是非ともお読みいただきた
いと思います。
===========================
今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】IE手法の理解を深める!
【3】6つのムダをなくすことを考える!
【4】IEの目指すものは生産手段の能力の最大化!
【5】編集後記
===========================
IE(Industrial Engineering)は結構古い学問だが、今の時代にもカイゼ
ン活動にはなくてはならない手法と言える。工場の生産技術担当は、カイゼ
ン手法の“いろは”として必ずIEの研修を受けている。当然オフィスのカ
イゼンにも立派に通用する考え方だ。
IEは、古くは1920~30年代のテーラーの科学的管理法に遡る。テーラーは、
作業者にいかに多くの仕事をさせ、一方支払う
賃金は極小に抑えたいと考え
た。
例えば貨車に石炭を積み込む作業で、大・中・小のスコップを用意し、どの
スコップで作業させると効率が最も高くなるかを測定した。大きなスコップ
だと一回あたりのすくう量が多くなるが直ぐに疲れてしまうから効率が悪い。
小さければ疲労度は小さいが、これまた効率が悪い。
テーラーは、働く人の「人間性」は置き去りにして寝ても覚めても効率化だ
けを追求した。当然科学的管理法は行き詰まることになった。
【1】心に刻んでおきたい言葉
***********************************************************************
自分たちのムダをなくせば値段は下げられる。だが、これが一番難しい。
正垣泰彦
***********************************************************************
【2】IE手法の理解を深める!
IEは、作業カイゼン・工程カイゼンの考え方・手法と言うことになる。製
造現場では生産技術の一環としてIE手法が採り入れられてきた。この考え
方は、ホワイトカラーの仕事にも十分応用できる。
□ 無意識にやっているIEの考え方
IEなるキーワードを知らなくとも賢い人なら無意識のうちにIEを採り入
れている。例えば、主婦は洗濯機をまわしながら台所仕事をやっている。通
勤電車の中で読書をしたり新聞を読む人がいる。時間を上手に使っているわ
けだ。会社での仕事となるとこの考え方を上手に採り入れない人が多いから
不思議だ。
□ 効率を意識して仕事をせよ
ビジネスでは必ず「アウトプット」、つまり「成果」を求められる。「人」、
「設備・道具」、「方法」、「時間」の積(掛け算)となって「成果」が現
れる。人の能力と設備・道具を効率のよい方法で活用すれば、投入する時間
当たりの成果は大きくなる。すなわち、生産性がアップするわけだ。
* 生産性(効率)=(産出高/投入高)×100 *
□ IEの世界ではデジタル的に表現すること
社員同士の会話を聞いているとあいまいな「形容詞」が飛び交うことが多い。
例えば「だいたい」、「わりと小さく」、「比較的大きく」などアナログ的
な表現だ。IEの世界ではこのようなアナログ的な表現はご法度だ。
「不良率2%」、「品種は国内向け256品種、輸
出向け321品種」、「顧客別
資料作成時間の平均は、1社あたり30分」などとなれば、感覚的な話ではな
く定量的な話になる。このようにデジタル的に表現しなければならない。
【3】6つのムダをなくすことを考える!
カイゼンの進んでいる企業では、「何がムダであるか」が明確に示されてい
る。しかし、カイゼンの進んでいない企業では、「何がムダであるか」が明
確に示されていない。ただなんとなく「効率化」を念仏のように唱えて仕事
をしている感じだ。
□ 仕事をやり直すムダ
工場なら不良が発生して作り直すムダがある。オフィスでも部下が作成した
資料が使い物にならず、上司が作成し直したりする。仕事をやり直すことは
全くのムダだ。
□ 歩行のムダ
工場でもオフィスでも歩行はムダだ。レイアウトがまずいために頻繁に歩行
が生じたり、5Sができていないためにもの探しとセットで歩行が生じてい
る。もの探しや歩行をなくすカイゼンが必要だ。
□ 取り付け、取り外すムダ
これは主として工場の生産現場で発生しやすいムダだ。治具にワーク(加工
すべき部材)を取り付け、一つの作業終わるごとに取り外すのはムダだ。取
り置きのムダもカイゼンの対象にすべきだ。一見効率的に見える流れ作業も
実は問題が多いのだ。
□ 運搬のムダ
工場や倉庫で多く見られる現象だ。社内物流がカイゼンの対象になる。ムダ
な在庫移動はまだまだ多くの企業で見られる光景だ。オフィスでも似たよう
な光景は見られる。私はカイゼンの進んでいる企業では「社内物流はコスト
ダウンの最後の秘境」と説いている。
□ 探すムダ
もの探しは工場でもオフィスでも頻繁に生じている。5Sができていない職
場、識別表示管理ができていない職場の象徴だ。全社員の意識改革から入る
必要がある。
□ 待つムダ
仕事は何人かの手を経て、フィニッシュに向かう。前の人の仕事が終わらな
ければ次の人に待ち時間が生じる。工程フロー、業務フローを確立し、「標
準時間」を設定して効率管理をし、よどみなく流れるようにカイゼンすべき
だ。
【4】IEの目指すものは生産手段の能力の最大化!
IEは、「人」、「時間・方法」、「設備・道具」と言った生産手段の能力を
最大限に活用するための手法と言える。
□ 人
目指すところは、仕事を楽にする。短い時間でできるようにすることだ。着
眼点は、動作のムダ、ムリな姿勢での作業、取り置きのムダ、探すムダ、作
業方法の違いによる非効率などをカイゼンすることが重要だ。
□ 時間・方法
目指すところは、「リードタイムの短縮」、「在庫の削減」だ。着眼点は、
「レイアウトのカイゼン」、「生産管理のカイゼン」、「スペースの有効活
用」、「ものや仕事の停滞防止」、「非効率な多品種微量生産のリードタイ
ムの短縮」を挑戦することが重要だ。
□ 設備・道具
目指すところは、「稼働率のアップ」、「不良率の低減」、「ミス撲滅」だ。
着眼点は、低稼働率、不良やミスの発生、手順によらない非効率な作業など
をカイゼンすることが重要だ。
「IE志向」が強くなりすぎて「働く人の人間疎外」を生じさせてはならな
い。「人間は考える葦である」と言った哲学者がいた。できるだけ力量に見
合った権限を委譲し、自由裁量の余地を確保してあげることを忘れてはなら
ない。
【5】編集後記
会社だろうと役所だろうとIEというキーワードは知らなくとも常に「効
率」を意識して仕事をすることが重要だ。
そのためには上から下まで「意識改革」が絶対に必要だ。意識改革のこと
を「マインドイノベーション」と称する。「マインドイノベーション」が
進めば仕事のやり方が改善されていく。つまり「プロセスイノベーション」
が進むわけだ。
「プロセスイノベーション」が進めばその会社の生み出す商品やサービス
は画期的なものになる。つまり「プロダクトイノベーション」が図られる
ことになる。
=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒
3223898301@jcom.home.ne.jp
次回に続く。
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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから
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<第419回>[(第10話)「IE手法による改善活動の全社的展開を!」]
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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の
必要性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは「カイゼン
活動で仕事のできる人の集団を作る!」と題して様々な角度から鋭く分析し
た良質の記事を紹介していきます。きっとお役に立てると思います。中小企
業の経営者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読みいただきた
いと思います。
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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】IE手法の理解を深める!
【3】6つのムダをなくすことを考える!
【4】IEの目指すものは生産手段の能力の最大化!
【5】編集後記
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IE(Industrial Engineering)は結構古い学問だが、今の時代にもカイゼ
ン活動にはなくてはならない手法と言える。工場の生産技術担当は、カイゼ
ン手法の“いろは”として必ずIEの研修を受けている。当然オフィスのカ
イゼンにも立派に通用する考え方だ。
IEは、古くは1920~30年代のテーラーの科学的管理法に遡る。テーラーは、
作業者にいかに多くの仕事をさせ、一方支払う賃金は極小に抑えたいと考え
た。
例えば貨車に石炭を積み込む作業で、大・中・小のスコップを用意し、どの
スコップで作業させると効率が最も高くなるかを測定した。大きなスコップ
だと一回あたりのすくう量が多くなるが直ぐに疲れてしまうから効率が悪い。
小さければ疲労度は小さいが、これまた効率が悪い。
テーラーは、働く人の「人間性」は置き去りにして寝ても覚めても効率化だ
けを追求した。当然科学的管理法は行き詰まることになった。
【1】心に刻んでおきたい言葉
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自分たちのムダをなくせば値段は下げられる。だが、これが一番難しい。
正垣泰彦
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【2】IE手法の理解を深める!
IEは、作業カイゼン・工程カイゼンの考え方・手法と言うことになる。製
造現場では生産技術の一環としてIE手法が採り入れられてきた。この考え
方は、ホワイトカラーの仕事にも十分応用できる。
□ 無意識にやっているIEの考え方
IEなるキーワードを知らなくとも賢い人なら無意識のうちにIEを採り入
れている。例えば、主婦は洗濯機をまわしながら台所仕事をやっている。通
勤電車の中で読書をしたり新聞を読む人がいる。時間を上手に使っているわ
けだ。会社での仕事となるとこの考え方を上手に採り入れない人が多いから
不思議だ。
□ 効率を意識して仕事をせよ
ビジネスでは必ず「アウトプット」、つまり「成果」を求められる。「人」、
「設備・道具」、「方法」、「時間」の積(掛け算)となって「成果」が現
れる。人の能力と設備・道具を効率のよい方法で活用すれば、投入する時間
当たりの成果は大きくなる。すなわち、生産性がアップするわけだ。
* 生産性(効率)=(産出高/投入高)×100 *
□ IEの世界ではデジタル的に表現すること
社員同士の会話を聞いているとあいまいな「形容詞」が飛び交うことが多い。
例えば「だいたい」、「わりと小さく」、「比較的大きく」などアナログ的
な表現だ。IEの世界ではこのようなアナログ的な表現はご法度だ。
「不良率2%」、「品種は国内向け256品種、輸出向け321品種」、「顧客別
資料作成時間の平均は、1社あたり30分」などとなれば、感覚的な話ではな
く定量的な話になる。このようにデジタル的に表現しなければならない。
【3】6つのムダをなくすことを考える!
カイゼンの進んでいる企業では、「何がムダであるか」が明確に示されてい
る。しかし、カイゼンの進んでいない企業では、「何がムダであるか」が明
確に示されていない。ただなんとなく「効率化」を念仏のように唱えて仕事
をしている感じだ。
□ 仕事をやり直すムダ
工場なら不良が発生して作り直すムダがある。オフィスでも部下が作成した
資料が使い物にならず、上司が作成し直したりする。仕事をやり直すことは
全くのムダだ。
□ 歩行のムダ
工場でもオフィスでも歩行はムダだ。レイアウトがまずいために頻繁に歩行
が生じたり、5Sができていないためにもの探しとセットで歩行が生じてい
る。もの探しや歩行をなくすカイゼンが必要だ。
□ 取り付け、取り外すムダ
これは主として工場の生産現場で発生しやすいムダだ。治具にワーク(加工
すべき部材)を取り付け、一つの作業終わるごとに取り外すのはムダだ。取
り置きのムダもカイゼンの対象にすべきだ。一見効率的に見える流れ作業も
実は問題が多いのだ。
□ 運搬のムダ
工場や倉庫で多く見られる現象だ。社内物流がカイゼンの対象になる。ムダ
な在庫移動はまだまだ多くの企業で見られる光景だ。オフィスでも似たよう
な光景は見られる。私はカイゼンの進んでいる企業では「社内物流はコスト
ダウンの最後の秘境」と説いている。
□ 探すムダ
もの探しは工場でもオフィスでも頻繁に生じている。5Sができていない職
場、識別表示管理ができていない職場の象徴だ。全社員の意識改革から入る
必要がある。
□ 待つムダ
仕事は何人かの手を経て、フィニッシュに向かう。前の人の仕事が終わらな
ければ次の人に待ち時間が生じる。工程フロー、業務フローを確立し、「標
準時間」を設定して効率管理をし、よどみなく流れるようにカイゼンすべき
だ。
【4】IEの目指すものは生産手段の能力の最大化!
IEは、「人」、「時間・方法」、「設備・道具」と言った生産手段の能力を
最大限に活用するための手法と言える。
□ 人
目指すところは、仕事を楽にする。短い時間でできるようにすることだ。着
眼点は、動作のムダ、ムリな姿勢での作業、取り置きのムダ、探すムダ、作
業方法の違いによる非効率などをカイゼンすることが重要だ。
□ 時間・方法
目指すところは、「リードタイムの短縮」、「在庫の削減」だ。着眼点は、
「レイアウトのカイゼン」、「生産管理のカイゼン」、「スペースの有効活
用」、「ものや仕事の停滞防止」、「非効率な多品種微量生産のリードタイ
ムの短縮」を挑戦することが重要だ。
□ 設備・道具
目指すところは、「稼働率のアップ」、「不良率の低減」、「ミス撲滅」だ。
着眼点は、低稼働率、不良やミスの発生、手順によらない非効率な作業など
をカイゼンすることが重要だ。
「IE志向」が強くなりすぎて「働く人の人間疎外」を生じさせてはならな
い。「人間は考える葦である」と言った哲学者がいた。できるだけ力量に見
合った権限を委譲し、自由裁量の余地を確保してあげることを忘れてはなら
ない。
【5】編集後記
会社だろうと役所だろうとIEというキーワードは知らなくとも常に「効
率」を意識して仕事をすることが重要だ。
そのためには上から下まで「意識改革」が絶対に必要だ。意識改革のこと
を「マインドイノベーション」と称する。「マインドイノベーション」が
進めば仕事のやり方が改善されていく。つまり「プロセスイノベーション」
が進むわけだ。
「プロセスイノベーション」が進めばその会社の生み出す商品やサービス
は画期的なものになる。つまり「プロダクトイノベーション」が図られる
ことになる。
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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
彩愛コンサルピア代表 下山明央
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