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なぜSONYはVAIO事業を売却しなければならないのか?

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『ビジネスマン必読!1日3分で身につけるMBA講座』 発行部数:25901部
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こんにちは!『ビジプロ通信』ナビゲーターの安部です。


先週の週末、東京はすごい大雪でしたねぇ。

私は土曜日に仕事でオフィスに来ていたのですが、
雪が激しくなってきたので17時過ぎに帰宅の途につきました。

ところが、すでにかなりの雪が積もっていて、
階段などは超危険地帯と化していました・・・

案の定、二度も階段から転げ落ち、
尾?骨を強打してかなりのダメージを負いました。(^^;

お蔭で日曜日は自宅療養ということで
一日中安静にしていなければならないはめに・・・

ニュースによれば戦後4番目の積雪だったそうで、
道理でこれまで経験したことのない気象条件だったのですね。

自然を甘く見ると大変な目に遭うといういい教訓になりました。(苦笑)

みなさんは大丈夫だったでしょうか?

まだまだ歩道などは雪が残っているところもありますので、
滑って転ばないようくれぐれもお気を付け下さいね。(^^)


それでは、今回のメルマガも張り切ってお届けしていきますので
最後までお付き合いの程よろしくお願い致します!m(_ _)m

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【オールバウトで人気記事ランキングNo.1を獲得しました!】


今回のテーマは『任天堂の業績不振で浮き彫りとなった
ブルーオーシャン戦略の弱点』について。

任天堂はブルーオーシャン戦略を駆使して、急成長を遂げてきたと
されていますが、ここに来て業績に急ブレーキがかかっています。

「その原因は何なのか?」また、「どうすれば今後復活できるのか?」を
MBA的な視点から検証してみました。

私自身は、先日岩田社長の発表した任天堂の今後の方向性は正しいと
感じましたが、先週大前研一氏のメルマガを読むと「任天堂の方向性は
間違っている」と指摘していました。(^^;

果たしてどちらが正しいのか?(笑)

是非ともお読みいただいて皆様のご意見をお聞かせ下さいませ。(^^)

『任天堂の不振で判明したブルーオーシャン戦略の弱点』
http://allabout.co.jp/gm/gc/439373/


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■ コラム:“MBAの視座・視野・視点”
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■ なぜSONYはVAIO事業を売却しなければならないのか?-
ファイブフォース分析で読み解く


SONYがVAIO事業の売却を発表しました。

VAIOのデビューは1997年。

紫に輝く筐体は従来のパソコンとは一線を画し、さすがSONYが本腰を入れて
スタートする事業だと多くのユーザーから注目を浴びたものです。

私自身も初期のスリムなB5サイズのノートパソコンを所有していましたが、
デザイン的にも優れ、所有欲を満たすブランドでした。

ところが、そのVAIOもここ数年はタブレットなどに押され販売台数が大幅に
減少します。2014年3月期も当初は750万台の販売を計画していましたが、
下方修正を繰り返し580万台と大幅な計画未達に終わる見込みです。

このような販売不振からここ数年パソコン事業は営業赤字の状況であり、
テレビ事業と並びSONY全体のお荷物的な事業となっていたようです。

残念ながらパソコン事業から撤退することを決定したSONYですが、
今回はファイブフォース分析の観点からなぜSONYがパソコン事業から撤退を
決めたのかを検証して行くことにしましょう。

ファイブフォース分析とは、ハーバード・ビジネス・スクールのマイケル・
ポーター教授が考案した事業の魅力度(その事業で高い収益を上げることが
できるかどうか?)を5つの要因から分析するツールであり、事業戦略を
立てるうえで有効なフレームワークになります。

5つの要因には『売り手の力』『買い手の力』『代替品の脅威』
『新規参入業者の脅威』『業界内の競争の程度』があり、それぞれの力関係を
分析することによりその事業の魅力度を図ることができるのです。

それではこのファイブフォース分析を使って実際にパソコン業界を
分析していくことにしましょう。


まず『売り手の力』では、パソコンメーカーと供給業者の力関係を
見ていきます。

パソコンメーカーにとって供給業者は、OSを提供するマイクロソフトや
CPUを供給するインテルなどが挙げられるでしょう。

ここで力関係を見ると圧倒的に売り手の方が強いことがわかります。

パソコンメーカーはマイクロソフトやインテルなど主要な原材料供給業者に
対して強気の価格交渉はできないのです。つまり、価格の決定権は売り手側に
あるということになります。


続いて『買い手の力』はどうでしょうか?

買い手とはパソコンを購入してくれる顧客のことです。パソコンメーカーの
主要な買い手はヤマダ電機など家電量販店ということができるでしょう。

ここでパソコンメーカーと家電量販店との力関係を見ると家電量販店の方が
強いといえます。大量に販売してくれる家電量販店に対してパソコンメーカー
は大幅なディスカウントを提示するなど卸値の決定権は買い手側にある
というわけです。


次は『代替品の脅威』について見て行きましょう。

代替品とは、同じような機能を備えた別の製品です。

たとえば、パソコンのメールやインターネット、表計算やワープロなどの
機能に着目すると、スマートフォンやタブレットなどが代替品として
挙げられるでしょう。

ここで、パソコン代替品であるスマートフォンやタブレットを見ていくと、
今や携帯電話会社を通して購入すると、安いものでは一括0円で購入できる
機種もあります。

また市販の物でも、GoogleのNexus7などは最新鋭の機種で3万円弱で
購入できるなど非常に安価で、パソコンとあまりに価格差があるようだと
パソコンを所有せずに、スマートフォンやタブレットで用を済まそうという
人も多くなるはずです。

また、電源を入れてすぐに使える手軽さもスマートフォンやタブレットに
軍配が上がるといえるでしょう。

すなわち、パソコンにとってスマートフォンやタブレットは価格面や機能面に
おいて大いなる脅威であり、パソコンメーカーが価格と価値のバランスを
考えておかなければ、多くの顧客がスマートフォンやタブレットに流れる
可能性も高くなるということになるのです。


続いて『新規参入業者の脅威』の見ていきましょう。

Windowsパソコンにおいては、原材料さえ仕入れれば、
誰でも事業を開始することができるといっても過言ではないでしょう。

極端な話、個人でも秋葉原の電気街でマザーボードやCPU、ハードディスク、
メモリ、OSやディスプレイなど原材料を仕入れて、自宅で組み立て、Yahoo!
オークションなどで販売するパソコン事業を営むこともできるのです。

つまり、パソコン事業は参入障壁が限りなく低いために、利益率が高ければ、
数多くの企業が参入してきて競争が激化し、収益の悪化につながる可能性が
高くなるというわけです。


そして、最後の『業界の競争の程度』ですが、前の要因で見てきたように、
パソコン自体は規格商品のため差別化が難しい業界であり、激しい競争が
繰り広げられるのを避けることは難しいと結論付けることができるでしょう。


以上、ファイブフォース分析を活用して5つの要因を分析していくと、
パソコン業界は極めてメーカーにとって不利な条件が多く、
利益を上げることは至難の業であることがわかります。

このような理由から、SONYを始めパソコン業界に属する多くの企業、
それはリーダーであったHPやDellにとっても同じですが、
高い収益を上げられずに業績不振に喘ぐことになるのです。

つまり、パソコン業界自体は一般的に高い収益を上げることができない
構造のため、規模の拡大を目指し、薄利多売の事業戦略を選択しなければ、
生き残ることさえ難しいといえるでしょう。


この事業戦略の基本に則ってレノボなどは買収や提携で規模の拡大を図り、
今や18%を超える世界No.1のパソコンメーカーに躍進しています。

一方でSONYは2013年の第4四半期でグローバル市場でのシェアがわずか1.8%と
リーダーとは10倍程度の開きができてしまいました。

さらにSONYにとって致命的なのは成長率がマイナス20%以上と、
市場の落ち込みである7%以上にシェアを落としているところにあります。

規模が確保できなければ収益を上げることが難しいパソコン業界で、シェアを
上げることさえできないSONYにとって、VAIO事業からの撤退はある意味、
必然であったということもできるのではないでしょうか。


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※ 次回はファイブフォース分析の上級編で、どのようにしてパソコン業界で
高い収益を実現するかをお伝えしていきます。

お楽しみにお待ち下さい!(^^)

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ご紹介いただき、どうもありがとうございました!


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■ 編集後記:
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SONYがVAIO事業を売却するというニュースは衝撃的でしたね。

私自身、大学時代からSONYのファンであり、少しですが株主でもあり、
今もVAIOのユーザーなので、何だかさみしい気がしました。(ToT)

ここ最近はSONYも資産の切り売りが進んで事業のスリム化を図っていますが、
この先本当に大丈夫なんですかね?

かつてAppleが業績不振からSONYに被買収の提案を行ったという話も
聞いたありますが、今や立場が逆転してしまいましたね。

Appleのように復活を遂げるためには、やはりスティーブ・ジョブズのような
強力なリーダーシップを発揮できる人財をトップに起用しなければ
難しいでしょうね。

恐らくそうなると外部から招聘ということになるんでしょうが、SONYには
悪しき前例があるので、それさえもトラウマになっているのでしょうか?(^^;

いずれにしろ、強くてかっこいいSONYの復活に期待しています!(^^)


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最後までお読みいただきましてありがとうございました。 m(_ _)m


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それでは、また次回あなたにお会いできるのを楽しみにしています!(^-^)


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『ビジネスマン必読!1日3分で身につけるMBA講座』(ビジプロ通信)

編集長: 安部 徹也

発行元:
株式会社 MBA Solution - The Best Solution for Your Business! -
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-12-1渋谷マークシティW22階

URL : http://www.mbasolution.com

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