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「正解がない」or 「適切な質問が浮かんでいない」?

総務の森』コラムをご覧のみなさま


こんにちは! 合同会社5W1Hの高野潤一郎と申します。

プロフィールとバックナンバーは、こちらからご覧いただけます。
http://www.soumunomori.com/profile/uid-97755/


本コラムでは、弊社配信の無料ニューズレター第126号(2012年10
月19日配信)で公開した記事の一部をシェア差し上げます。
今回のタイトルに興味をお持ちいただけた方は、是非、お役立てく
ださい。

<以下、抜粋記事となります。その旨、予めご了承くださいませ。
 なお、システム上、本コラムでご紹介できない『図表』などを含
 めた『全文』は、後述のリンク先より、無料で、何の登録手続き
 もなく、ご覧いただけますので、ご安心ください。>

============================================================

(前略)

今回は、「唯一最善解がない時代」「正解がない時代」といった表
現が指すものについて考え、それにどう対処すれば良いのか、「自
分たちの認知バイアスを排除し、継続的・予防的にプロジェクトの
世話をするコミュニケーション」とは何を指し、それが「正解がな
い」問題への対処とどう関係するのかなどについて、弊社なりの考
えをご紹介しようと思います。


■「正解がない」とは?

最近では、「唯一最善解がない時代」「正解がない時代」といった
表現に食傷氣味の方も多いのではないでしょうか?

それくらい、当たり前に使われるようになってきている表現ですが、
同時に、用いる人によって異なる内容を指していることにも氣づく
ことが増えてきています。

例えば、「正解(正しい解釈・解答)がない」と言うときにもいろ
いろあって、「○○(人生、マネジメント、etc.)に正解はない」
という表現で、「○○分野における『常識』(その分野の多くの人
が、暗黙の内に共有している知識や思慮分別)がない」を指すこと
もあれば、

「正解はない」という表現で、「近似解、暫定解、特殊解はあるけ
れど、『一般解』はない」ということを指す場合もありますし、

「正解はない」といった表現で「正解は1つではない」ことを指す
こと(→「意思決定」の問題だと認識しているということ)もある
わけです。


また、「これが正解であると誰かが決めても、それに同意できない
場合が増えている」=「他者と自分の正解が異なる」という場合、

すなわち、「価値観が多様化している」という背景があって、提供
コンテンツ・サービスの価値が何であり、その価値を認めてくださ
る対象者を明確に描けているかどうかなどについて考えることが大
切という場面に遭遇された経験もお持ちかもしれませんね。


さらに、「デザイン思考」に関する書籍などを読んでいると、
「Wicked Problem」(※1)についても紹介されていて、こういっ
た種類の問題への対応が求められる場面が増えてきていることも、
「唯一最善解がない時代」「正解がない時代」という認識が受け入
れられてきている背景にあるように感じています。

※1 Wicked Problem (ウィキッド・プロブレム;一部では「難問」
などと区別するため「やっかいな問題」と訳されている場合もある)

 単に、解決に至るまでに多くの手順や時間が求められるとか、関
 係者が多くて問題の構造が複雑であるなどというだけでなく、分
 析思考・線形思考だけに頼っていては解決できない問題のこと。
 さまざまな原因が絡まり合って複雑な状況を生み出しているだけ
 でなく、関係者によって何を問題と見なすかが異なっていたりす
 るなど、「問題設定を明確に行うことが困難」であるため、なぜ
 現在直面しているような状況が起きているのかが不明であったり、
 独特の特徴や条件などを備えているため過去の問題解決策が適用
 できなかったり、問題解決に向けた試験的な取り組みを実施する
 ことで、対象とする状況などが変化してしまうために改めて問題
 設定を行う必要が生じたり、どういう状況になったら「問題が解
 決した」と見なせるのか判断するのが困難…などといった特徴
 (のどれか、またはいくつか)を備えた問題のこと。

 例:高齢化問題、頭脳流出問題、肥満問題、移民問題、地球温暖
 化問題、持続可能社会の実現問題、テロリスト対策問題、貧困対
 策問題など


あなたの身の回りでは、どういった場面で「唯一最善解がない」
「正解がない」と感じられ、そういった状況/対象にどのように対
応されているでしょうか? そして、望ましい結果を手に入れてい
らっしゃるでしょうか?

(「正解がない」という表現を用いることによって、「対象につい
 て考え抜くことを放棄」したり「入念な対策や準備を軽視」した
 りする場合、「関係者に同意を求め、関係者の意欲を削ぐ」よう
 な場合もあります。どういう意図で「正解がない」という表現を
 用いるのか、知らず知らずのうちに周囲に影響を与えているのか
 についても考える必要がありそうですね。)


■「正解がない」のではなく「適切な質問が浮かんでいない」?

前段のようなことを考えると、「正解があるのかないのか」を氣に
していても物事は解決しないのだし、「どんな問題意識を持って現
状を認識しているのか」「目的に応じた適切な課題設定ができてい
るか」「適切な問いを立てているか」などに意識を向けることがよ
っぽど建設的であると改めて感じます。

ここで思い出したのが博士号取得の話です。博士号を取得する時に
は、自分の研究テーマを考え、「こういうことを、こういう方法で
研究すると、こういう結果が得られるのではないか」と、論文審査
委員や他の研究室の院生などの前で提案したりする機会が生じます。
(日本の大学院では、まだ指導教官が研究テーマを与えることも多
いですが。)

そして、こういった提案が承認され、実際の研究内容や成果に認め
るべきものがあると承認されて初めて、博士号の取得が可能となり
(学問の世界で「研究者の卵」と認められ)ます。

逆に言うと、大学院以前の学校教育では、「与えられた問題を解く」
(決められた枠組みで、素早く問題を解く)練習ばかりしてきて、
「問題を創る」「自分で課題を設定する」(目的を達成するために、
対象として扱う事柄・要素・関係者などを広すぎないよう狭すぎな
いように選択し、前提条件・初期条件・境界条件などが多すぎない
よう少なすぎないように設定する)練習は、ほとんどしてきていな
いということです。

社会人になって初めて、あるいは身近な人の事故・大病や死、社会
や所属組織の大きな変化などに遭遇して初めて、事業の目的や達成
したい目標、大切なものを普段から大切にすること、望ましい人間
関係、人生設計などについて考えた(「自分で課題を設定する」と
いう本番を経験した)という人も多いのではないでしょうか。

…「適切な問題設定」について考える際には、アルバート・アイン
 シュタインの言葉「すべてのものは可能な限り単純化すべきだ。
 しかし、単純化しすぎてはいけない。」(Everything should
 be made as simple as possible, but not simpler.)も思い出
 してみましょう!


「与えられた問題を解く」ことにばかり慣れていると、社会を生き
ていく上で求められる力が衰えてしまっている可能性が高くなりま
す。

つまり、ある目的を達成するために「その『問題設定が適切かどう
か』と、『前提』を確認する」という姿勢が欠けがちなのです。

これは例えば、「競合他社に比べて、ウチは営業力が弱い」という
話が出ると、「では、営業力強化の研修を実施しよう」と研修プロ
グラムを組むことに意識を向け、自社が本当は何に取り組むことが
重要なのかを確認しようとしない姿勢を指しています。

一方、「問題設定が適切かどうか」前提を確認する姿勢を持ってい
ると、意識の焦点が異なるところに向けられ、例えば次のような質
問が生まれ、関係者の間でこれまでとは異なる話し合いが始まりま
す。

例)ここで言っている営業力とは何を指すのか、どうなったら営業
力が上がったとわかるのか、売上高・利益率・市場シェアなどいろ
いろな切り口から事業について考えることもできるが本当は何をど
うしたくて営業力について考えようと思ったのか、氣にしているの
は顧客数・顧客単価・購買回数(頻度)・クチコミ紹介数などいろ
いろある要素のどれを氣にしているのか、来月までに何とかしたい
という話なのか3ヵ年計画で段階的に対処したい話なのか、営業の
やり方を変えるということなのか営業の人数を増やすということな
のか、同じ営業のやり方でいいのか見込み客ごとに異なる営業方法
を検討すべきなのか、営業の手順の無駄を省くという話なのか、営
業成績の悪い人たち向けの底上げ教育法を考えるという話なのか、
自社で営業をせずにすべてアウトソーシングするとどうなるのか、
営業部門をなくしたらどういった事態が起きそうか、営業部と刻印
された名刺を渡された見込み客はどういった心理状態になるのか、
営業という名称を変更した方がいいのか、ベテラン営業パーソンを
1人解雇する代わりにやる氣の高い若手外国人を2人雇うことにつ
いてはどんなメリットとデメリットがあるのか…など。

【注意】もっともっとたくさんの質問が浮かぶと思います。しかし、
思いついた質問をそのまますべて相手にぶつけていては、「質問力」
があるとは言えません。


実は、「正解がない」のではなく、「目的やヴィジョンが明確にな
っていない」とか「適切な質問が浮かんでいない」とか「適切に問
題設定がなされていない」といった事情のために、「正解というも
のが存在しないように見えている」いうことはないでしょうか?

「正解がない」といった表現が指す内容について確認した上で、
「明確な目的があり、目的達成に向けて適切な質問があり、取り組
むべき課題が適切に設定されているか」についても、併せて確認さ
れることをお勧めしたいと思います。

(中略)

従来の延長線上にはなかった新たな価値や、競合他社などと一線を
画す卓越した質を生み出すのに有効な形で、適切な問題設定を行え
ているかどうかという視点が大切です。

そしてこの問題設定の段階では、自分(たち)の認知バイアス(慣
れ親しんだ思考パターン、業界の常識、過去の成功体験や狭い視野
に基づく思い込みほか)をできるだけ排除し、コンテンツ・サービ
スなどの利用者の立場になって状況を把握したり、解決策について
考えたりすることが有益ではないかと、私は考えています。

また先日の「コーチング演習パートナーシップ」では、「『唯一最
善解』がないのだったら、その都度、信念・価値観などに照らし合
わせて『納得』して前進する(仮説と検証のサイクルを回し、問題
についての理解を深め、より適切な対応を選択することができるよ
うになっていく)ことが大切ではないか」という話をしていました。


認知バイアスを排除し、継続的・予防的に世話をする

さて、ここまでお伝えしてきたような段階を経て、「明確な目的が
あり、目的達成に向けて適切な質問があり、取り組むべき課題が適
切に設定されている」としましょう。すると、ここにきてようやく
「問題解決」の段階となるわけです。

(中略)

問題解決で扱う「問題」と言ってもいろいろありますが、ニューズ
レター第121号では、「組織の問題」=「コミュニケーション不全」
!? という話をご紹介していました。

もし、経営戦略・組織の運営・プロジェクト管理などといった文脈
で登場する「マネジメント」というものが、突発的に組織の大手術
を行うものであるというよりも、「継続的・予防的に、戦略・組織・
プロジェクトの世話をするもの」だと認識する方が適切であるとす
るならば、

「自分(たち)の認知バイアスを排除し、継続的・予防的にプロジ
ェクトの世話をするコミュニケーション」、すなわち、弊社で言う
ところの「コーチング」が「マネジメントを行う上で重要な役割を
担う」ことに氣づかれるのではないでしょうか。

(中略)

「正解がある」問題に対しては、決められた枠組みの中で、望む結
果を再現性高く、効率的に、早く得られる「定式化された手法」で
解決に臨めば良いと思います。

例えて言うなら、「正解がある」問題に対しては、定時性と輸送密
度が高い(スケジュール通りに目的地に到着し、かつ、一度にある
いは単位時間当たりに多くの人や物を輸送できる)「鉄道」型の問
題解決策を用いるのが良いということになるでしょうか。

一方、「正解がない」問題に対しては、従来の枠組みから飛び出し、
その都度、「これは大切にしたい!これは妥協したくない!」とい
う信念・価値観や自分(たち)なりの哲学など主観的な判断基準に
照らし合わせ、新たな取り組みに「納得」して前進する(仮説と検
証のサイクルを回し、問題についての理解を深め、より適切な対応
を選択することができるようになっていく)ことが問題解決を進め
る上で重要であると考えています。

例えて言うなら、「正解がない」問題に対しては、砂地・泥濘・岩
場・荒れ地・積雪地帯・凍結路などでの走行に適した「四輪駆動車」
型の問題解決策を用いるのが良いということになるでしょうか。
(「正解がない」問題に対してであっても、途中までは鉄道で四輪
駆動車を運び、未踏の地に到着してからは四輪駆動車で真実・解決
策を探求するのが適切という場合もあると思います。)

このように、「組織の問題」(コミュニケーション不全)を解決す
るために、「マネジメント」(自分たちの認知バイアスを排除し、
継続的・予防的にプロジェクトの世話をするコミュニケーション=
弊社流コーチング)を行うといった場合にも、「鉄道」型のアプロ
ーチと「四輪駆動車」型のアプローチを使い分けたり、組み合わせ
て用いたりすることが求められます。

(ここまでお読みいただけると、「コーチングに『○○モデル』と
 いうのがあるので、そのモデルの通りに話を進めたり情報収集し
 たりしなければならない」と考えるコーチというのは、すべての
 問題を「鉄道」型アプローチだけで扱おうとしているわけで、力
 量不足であることがご理解いただけると思います。)

また、鉄道での移動に比べて、四輪駆動車での移動には、運転手
(問題解決者)の性格や力量などが色濃く反映されます。つまり、
運転が荒っぽかったり、穏やかだったり、計画的だったり、行き当
たりばったりだったり…と、変化に富むのです。

(中略)

コーチング(自分たちの認知バイアスを排除し、継続的・予防的に
プロジェクトの世話をするコミュニケーション)でも同様に、その
コーチなりの力量などが成果の差となって表れてきます。

もしかすると、コーチの力量の差が最も大きく表れるのは、「既存
のモデルを過信せず、認知バイアスを低減した問題設定を丁寧に適
切に行えるかどうか」といった部分なのかもしれません。

(中略)

弊社では、ミッションとして「自律共栄の納得人世」の実現に貢献
すること(納得できるように、物事を主体的に変えていく力を持っ
た人・組織を増やすこと)を掲げていることもあり、「正解がない」
のであれば、自分(たち)なりの信念・価値観・哲学などに照らし
合わせ、新たな取り組みに「納得」して前進することを選ぶことが
大切であり、その手法として弊社流のコーチングで採用している考
え方(「四輪駆動車」型のアプローチ)が重要だと信じています。

是非、あなた自身あるいは所属組織における「正解がない」問題へ
の対処方法について、改めて考えるきっかけとして今回ご紹介した
話をご活用ください。

(後略)

============================================================


冒頭でご案内差し上げましたように、本記事の『全文』は、下記
よりご覧いただけます。上記抜粋記事をご覧になった上で、詳細
についてお知りになりたい方は、是非ご活用くださいませ。

●ニューズレター第126号
「正解がない」のではなく「適切な問いがない」?
 鉄道と四輪駆動車
 → http://5w1h.hatenablog.jp/entry/126(ブログ版)
 → http://www.5w1h.co.jp/newsletter/no126.pdf(PDF版)
============================================================
出典を明記していただき、『著作権法』で認められる『引用』の
範囲を超えなければ、許可なしで部分引用可能です。
また、内容を改変せず、元のままの形(あるいは上記リンク先)
であれば、お知り合いなどに転送していただいて構いません。
============================================================


以上、何か少しでも、『総務の森』コラムをご覧のみなさまの
お役に立てることがあれば幸いです。

お忙しいところ、目を通していただき、ありがとうございました!

               高野潤一郎@合同会社5W1H

P.S.1

●6月15日(日)ほか: 月に一度、日曜朝の「教養醸成の会」
 http://www.5w1h.co.jp//pl/CGG.html

●6月28日(土)~29日(日)
 「フレームワーク質問力(総論)」セミナー
 http://www.5w1h.co.jp/pl/saimf.html

●8月9日(土)~10日(日)
 2日間「コーチング漬け」体験
 http://www.5w1h.co.jp/pl/two_days_coaching.html


P.S.2
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 「自律共栄の納得人世」の実現に向け、
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         代表 高野 潤一郎 [ 博士(先端科学技術) ]

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