2026年6月8日号 (no. 1248)
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■別の職場でも仕事をしたら、社会保険も追加加入する?
1つの会社で、
例えば、週40時間で勤務していたとすると、
その会社だけで社会保険に加入している状態になりますよね。
つまり、加入している社会保険は1つだけです。
一方で、
週40時間働きつつ、
別の職場でも週10時間働いているとすると、
この人の社会保険はどうなるのか。
2つの会社で働いているから、
社会保険も2つ入らなきゃいけないのか。
それとも、
社会保険は1つだけで足りるのか。
給与所得者の身分で、
複数の仕事をしている方には関心のあるところで、
社会保険の扱いがどうなるのか悩む場面ですね。
■報酬を合算するのか、しないのか
2つ以上の会社で働いていると、
報酬額を合算して、標準報酬月額を決めて、
社会保険料が決まる。
一応それが原則です(健康保険法42条)。
けれども、
先ほどの例のように、
例えば、事業所Aで週40時間働いて、
事業所Bの方では週10時間だけ働いている場合、
社会保険料を計算するとき、
週50時間働いた時の報酬でもって社会保険料が決まるのか。
それとも、
週40時間の方の報酬だけで社会保険料が決まるのか。
ここが気になるところです。
社会保険料が変わりますからね。
2つ以上の職場で働いていると、
「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届(健康保険法施行規則2条)」
という届出が必要なんじゃないか、
と考えるところです(健康保険法44条)。
今回の例のように、
事業所Aで週40時間、
事業所Bで週10時間という働き方をしている時に、
この届出が必要なのかどうか。
■報酬が合算されて社会保険料が決まる条件
この被保険者所属選択・二以上事業所勤務届が必要になるのは、
いずれの会社でも社会保険の被保険者取得の条件を満たしている必要があります。
例えば、
極端な例ですけれども、
事業所Aで週40時間働いて、
事業所Bでも週40時間働いているとすると、
どちらの事業所でも社会保険の被保険者資格を取得する条件を満たしていますから、
被保険者所属選択・二以上事業所勤務届を出す必要があります。
この届出を出すと、
報酬額を合算した上で、標準報酬月額を算定し、
社会保険料が決まります。
つまり、
週80時間働いた時の報酬で社会保険料が決まります(健康保険法161条、健康保険法施行令47条)。
事業所Aでは、
週40時間分の社会保険料を事業主と従業員で折半。
事業所Bでも、
週40時間分の社会保険料を事業主と従業員で折半。
とはいえ、
週80時間働くような方は、
給与所得者の身分では少ないだろうと考えます。
給与所得の仕事と事業所得の仕事を組み合わせるなど、
副業だとこういう形もありますからね。
■どの事業所でも社会保険加入するかどうかが判断基準
先ほどの例に戻ると、
事業所Aで週40時間、
事業所Bで週10時間働いた場合、
事業所Aでは、
社会保険の被保険者資格を取得する条件を満たしていますので、
事業所Aの方の報酬で社会保険料を払います。
一方、
事業所Bの方は、
週10時間勤務ですから、
社会保険の被保険者資格を取得する条件を満たしていません。
たとえ短時間労働者であったとしても、
週20時間に達していないため、
短時間労働被保険者になるかどうかを考えた場合でも、
社会保険の被保険者資格を取得する条件を満たしていません。
となると、
被保険者資格を取得する条件を満たしてるのは事業所Aだけ。
被保険者所属選択・二以上事業所勤務届を出す必要はなく、
社会保険料は、週40時間勤務の方の報酬で標準報酬月額が算定されて、決まります。
兼業・副業等により2カ所以上の事業所で勤務する皆さまへ
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/hihokensha1/20131022.files/2kashoijyokinmu.pdf
日本年金機構のリーフレットを見ると、
「A社、B社それぞれで社会保険の加入要件を満たすと、、、」
という文言があります。
標準フォントなので見つけにくいですが、
A社、B社それぞれで社会保険の加入要件を満たす、
という点が判断基準。
■2つ以上の仕事をするときは、勤務時間を調整する
2つ以上の会社で働いているから、
被保険者所属選択・二以上事業所勤務届が必ず必要というわけではないんですね。
いずれの会社でも社会保険に加入する条件を満たしていた場合は、
被保険者所属選択・二以上事業所勤務届は必要になります。
しかし、
1つの会社だけで社会保険に加入する条件を満たしている場合は、
他の会社の方は計算の対象外になりますから、
被保険者所属選択・二以上事業所勤務届は必要ないのですね。
もし、
プラスアルファで仕事をしたいと考えている方は、
今回の例のように、
メインで働く会社を決めて、
それ以外の会社では勤務時間をぐっと少なく抑える。
短時間労働被保険者にならないぐらいの勤務時間、
今回の例だと週10時間程度に抑えておくと、
社会保険の手続きは増えませんので、後からの負担が少なくなります。
参考:
複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/hihokensha1/20131022.html
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