◆◆
コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆
<第376回>賢人の
コンピテンシーをベンチマークする!<その69>
==■「清掃と言う天職を得て今輝いている残留孤児の娘の人間力!」■==
===================================
人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れとなり、成
果に結び付けられない人が実に多いのです。
「賢人の
コンピテンシーをベンチマークする」と題して分かりやすく解説していきます。
コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・管理者・
社員の皆様、そして求職中の
離職者の方や就職を目指す学生さんにも是非ともお読みいただ
きたいと思います。
===================================
■忙しい人はとりあえず流し読みして下さい。後でゆっくり読み直していただくと理解が一
層深まります。(
コンピテンシー宣教師より)■
<今回のメニュー>
=================================
【1】中国でもいじめ、日本に来ても差別に苦しむ!
【2】就ける仕事は清掃しかなかった!
【3】清掃の技能選手権日本一に輝く!
【4】2年連続「世界一清潔な空港」に選ばれた羽田空港!
【5】賢人から学ぶべきこと!
【6】編集後記
=================================
賢人と呼ぶにふさわしい人は、すばらしい「行動特性」を持って行動している。だからすば
らしい仕事の結果を出すことができるのだ。我々は賢人の
コンピテンシーをベンチマークし
ない手はないのだ。
【1】中国でもいじめ、日本に来ても差別に苦しむ!
日本一の称号を持つ清掃のプロがいる。新津春子氏だ。彼女は中国の瀋陽で生まれた。父は
第二次世界大戦のとき、旧満州に取り残された日本人残留孤児で母は中国人だ。そんな境遇
に生まれ、中国にいたときも壮絶ないじめを受けて育った。「アイツは日本人だ」っていじ
められたのだ。
日本に来てからも差別に苦しんだ。「アイツは中国人だ」ってどんなときでも差別された。
「悔しかったですよ。中国にも日本にも居場所はなかった」と涙ぐむ。
今でこそ日本語を流暢に話せるようになったが、きたばかりの頃は言葉の壁もあった。彼女
に就職口はなかったのだ。
【2】就ける仕事は清掃しかなかった!
就くことができたのは唯一清掃の仕事だった。「清掃員は中国でも地位が低かった。もちろ
ん日本でも・・・。自分は一体何なのだろうか」と悩む日々が続いた。誰かに認められたく
て昼夜を問わず一生懸命清掃と言う仕事に励んだ。
羽田空港で清掃するときでも彼女は通行人の邪魔にならないように気を使いながら作業をし
ている。行き交う人から「
ご苦労様」、「きれいですね」と声を掛けられるようになったと
き、ふと「この清掃と言う仕事こそが、ずっと探し求めていた“居場所”なのだ」と気付い
た。
日本に来て早27年、清掃と言う仕事を極めると言うゴールに向けて、もう決して歩みを止め
ることはない。
【3】清掃の技能選手権日本一に輝く!
新津春子氏、彼女の朝は早い。
通勤時、エスカレーターを使わず50段の階段を駆け上がり、
職場についたら鉄アレイを持って20分以上も体力づくりに励む。そして洗剤80種類ほどをカ
ートに積み込む。清掃対象物の材質や汚れの種類によって洗剤を使い分けるのだ。
汚れが取れても清掃の対象物に傷をつけては何にもならない。材質に対して優しく清掃して
あげると本来のつやも出てくると確信しているのだ。
思い返せば、23歳のときから羽田空港の清掃員として働き始めた。そこで鈴木優氏と出会う。
汚れや洗剤に関して分からないことは何一つないと言う清掃のエキスパートだった。鈴木氏
は彼女の師匠になるが、もうこの世にはいない。
鈴木氏の指導を受けているうちに清掃は奥があって面白いと思うようになった。自分にはこ
の仕事が向いている。この清掃と言う仕事を極めようとのめり込んで行った。
ところが彼女がいくら頑張っても鈴木氏は彼女の仕事振りを一度も褒めることはなかった。
「もっと心を込めなさい」。返ってくる言葉はいつもこの決めセリフばかりだった。「こん
なにきれいになったのに何で褒めてくれないの? どこがいけないの?」と自問自答を繰り
返した。それでも彼女はめげずに頑張った。
がむしゃらに精進して3年が経った。ある日、鈴木氏から「全国の清掃員が集まる全国大会
があるから出てみないか」と打診された。「全国ビルクリーニング技能協議会」だ。彼女は
二つ返事で「参加させてください」と言った。絶対に一位になれると思ったのに予選会は2
位だった。鈴木氏に「心に余裕がなければ、いい清掃はできませんよ」と言われた。
技術だけでなく、トイレでも洗面台でもそれを使う人のことを思いやり、邪魔にならない身
のこなし方を体得し、見えない個所にも気配りする姿勢が大切だと気付かされた。そして鈴
木氏の指導の下、二ケ月間特訓に励んだ。その結果、全国大会で見事日本一に輝いた。
真っ先に鈴木氏に結果を報告した。内心褒めてほしかった。ところが鈴木氏は「優勝するの
は分かっていましたよ」とあっさり言われた。全てお見通しだったのだ。
【4】2年連続「世界一清潔な空港」に選ばれた羽田空港!
羽田空港は2年連続で「世界一清潔な空港」に選ばれた。その栄光を陰で支えたのがもちろん
彼女だ。
床はもちろんトイレも洗面台も換気扇も排水溝もピッカピカだ。メーカーと共同開発した特
殊なブラシも持っている。そのブラシも大活躍だ。
彼女は今、後進の指導にも当たっている。「10個教えて1個覚えてくれれば嬉しいじゃない。
やっぱり命令じゃなくて本人が感じたことを心を込めてやってくれれば一番嬉しいじゃない」
と無邪気な表情を浮かべて言う。
「プロフェッショナルとは?」の取材スタッフの問いに対して「目標を持って日々努力し、
どんな仕事でも、心を込めてできる人だと思います」ときっぱり言った。
【5】賢人から学ぶべきこと!
清掃と言う仕事の地位はまだまだ低い。その仕事の地位を高めてきた彼女の功績は大きい。
彼女は、天職を得て幸福を手に入れたのだから新たな幸福を探す必要は全くない。
残留孤児の娘として日本に来ては見たものの居場所がなく、差別にも遭い、心が折れそうな
日々を送った新津春子氏。就ける仕事は清掃以外になかったが、やがて清掃のプロフェッシ
ョナル鈴木優氏に出会う。
人間誰でも必ず出会いがある。その出会いで「清掃を極める」と言う闘志に火がついた。あ
の出会いがなければ、いや出会いがあってもそれを生かさなければただの一清掃員で終わっ
たことだろう。それにしても清掃技能日本一と言う称号は重い。新津春子氏の「人間力」は
大いに参考になる。
【6】編集後記
シンガポールでは道路の清掃員は国家
公務員だ。シンガポールが世界一きれいな街として有
名だが、それを支えているのが国家
公務員の清掃員なのだ。
中には私服の清掃員がいるが、彼は犯罪を犯した人間だ。罰金が払えず、勤労で罰金を支払
っているのだ。(笑)
ビルの清掃員の女性がコツコツお金を貯めて、そのビルの会社の株を買い溜めし、やがて筆
頭
株主になり、社長に就任する。そんな出来事があったらどんなに痛快だろう。
今回の記事は、「NHKのプロフェッショナル・仕事の流儀」も参考にしています。
================================
次回に続く
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
本メールマガジンは「まぐまぐ」と「melma」を通して発行しております。
「まぐまぐ」での登録・退会はこちらから
⇒
http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/melmag.html
「melma」での登録・退会はこちらから
⇒
http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/melmag2.html
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから
3223898301@jcom.home.ne.jp
*************************************************************************
メールマガジン「仕事のできる人の集団作り戦略」好評配信中!登録はこちら
⇒
http://www.melma.com/backnumber_59181/
ブログにも味深い記事を掲載しています。こちらをクリック!
⇒
http://blog.livedoor.jp/shimo1873/
⇒
http://blog.goo.ne.jp/saiaiconsul/
*************************************************************************
◆◆コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆
<第376回>賢人のコンピテンシーをベンチマークする!<その69>
==■「清掃と言う天職を得て今輝いている残留孤児の娘の人間力!」■==
===================================
人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れとなり、成
果に結び付けられない人が実に多いのです。
「賢人のコンピテンシーをベンチマークする」と題して分かりやすく解説していきます。
コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・管理者・
社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す学生さんにも是非ともお読みいただ
きたいと思います。
===================================
■忙しい人はとりあえず流し読みして下さい。後でゆっくり読み直していただくと理解が一
層深まります。(コンピテンシー宣教師より)■
<今回のメニュー>
=================================
【1】中国でもいじめ、日本に来ても差別に苦しむ!
【2】就ける仕事は清掃しかなかった!
【3】清掃の技能選手権日本一に輝く!
【4】2年連続「世界一清潔な空港」に選ばれた羽田空港!
【5】賢人から学ぶべきこと!
【6】編集後記
=================================
賢人と呼ぶにふさわしい人は、すばらしい「行動特性」を持って行動している。だからすば
らしい仕事の結果を出すことができるのだ。我々は賢人のコンピテンシーをベンチマークし
ない手はないのだ。
【1】中国でもいじめ、日本に来ても差別に苦しむ!
日本一の称号を持つ清掃のプロがいる。新津春子氏だ。彼女は中国の瀋陽で生まれた。父は
第二次世界大戦のとき、旧満州に取り残された日本人残留孤児で母は中国人だ。そんな境遇
に生まれ、中国にいたときも壮絶ないじめを受けて育った。「アイツは日本人だ」っていじ
められたのだ。
日本に来てからも差別に苦しんだ。「アイツは中国人だ」ってどんなときでも差別された。
「悔しかったですよ。中国にも日本にも居場所はなかった」と涙ぐむ。
今でこそ日本語を流暢に話せるようになったが、きたばかりの頃は言葉の壁もあった。彼女
に就職口はなかったのだ。
【2】就ける仕事は清掃しかなかった!
就くことができたのは唯一清掃の仕事だった。「清掃員は中国でも地位が低かった。もちろ
ん日本でも・・・。自分は一体何なのだろうか」と悩む日々が続いた。誰かに認められたく
て昼夜を問わず一生懸命清掃と言う仕事に励んだ。
羽田空港で清掃するときでも彼女は通行人の邪魔にならないように気を使いながら作業をし
ている。行き交う人から「ご苦労様」、「きれいですね」と声を掛けられるようになったと
き、ふと「この清掃と言う仕事こそが、ずっと探し求めていた“居場所”なのだ」と気付い
た。
日本に来て早27年、清掃と言う仕事を極めると言うゴールに向けて、もう決して歩みを止め
ることはない。
【3】清掃の技能選手権日本一に輝く!
新津春子氏、彼女の朝は早い。通勤時、エスカレーターを使わず50段の階段を駆け上がり、
職場についたら鉄アレイを持って20分以上も体力づくりに励む。そして洗剤80種類ほどをカ
ートに積み込む。清掃対象物の材質や汚れの種類によって洗剤を使い分けるのだ。
汚れが取れても清掃の対象物に傷をつけては何にもならない。材質に対して優しく清掃して
あげると本来のつやも出てくると確信しているのだ。
思い返せば、23歳のときから羽田空港の清掃員として働き始めた。そこで鈴木優氏と出会う。
汚れや洗剤に関して分からないことは何一つないと言う清掃のエキスパートだった。鈴木氏
は彼女の師匠になるが、もうこの世にはいない。
鈴木氏の指導を受けているうちに清掃は奥があって面白いと思うようになった。自分にはこ
の仕事が向いている。この清掃と言う仕事を極めようとのめり込んで行った。
ところが彼女がいくら頑張っても鈴木氏は彼女の仕事振りを一度も褒めることはなかった。
「もっと心を込めなさい」。返ってくる言葉はいつもこの決めセリフばかりだった。「こん
なにきれいになったのに何で褒めてくれないの? どこがいけないの?」と自問自答を繰り
返した。それでも彼女はめげずに頑張った。
がむしゃらに精進して3年が経った。ある日、鈴木氏から「全国の清掃員が集まる全国大会
があるから出てみないか」と打診された。「全国ビルクリーニング技能協議会」だ。彼女は
二つ返事で「参加させてください」と言った。絶対に一位になれると思ったのに予選会は2
位だった。鈴木氏に「心に余裕がなければ、いい清掃はできませんよ」と言われた。
技術だけでなく、トイレでも洗面台でもそれを使う人のことを思いやり、邪魔にならない身
のこなし方を体得し、見えない個所にも気配りする姿勢が大切だと気付かされた。そして鈴
木氏の指導の下、二ケ月間特訓に励んだ。その結果、全国大会で見事日本一に輝いた。
真っ先に鈴木氏に結果を報告した。内心褒めてほしかった。ところが鈴木氏は「優勝するの
は分かっていましたよ」とあっさり言われた。全てお見通しだったのだ。
【4】2年連続「世界一清潔な空港」に選ばれた羽田空港!
羽田空港は2年連続で「世界一清潔な空港」に選ばれた。その栄光を陰で支えたのがもちろん
彼女だ。
床はもちろんトイレも洗面台も換気扇も排水溝もピッカピカだ。メーカーと共同開発した特
殊なブラシも持っている。そのブラシも大活躍だ。
彼女は今、後進の指導にも当たっている。「10個教えて1個覚えてくれれば嬉しいじゃない。
やっぱり命令じゃなくて本人が感じたことを心を込めてやってくれれば一番嬉しいじゃない」
と無邪気な表情を浮かべて言う。
「プロフェッショナルとは?」の取材スタッフの問いに対して「目標を持って日々努力し、
どんな仕事でも、心を込めてできる人だと思います」ときっぱり言った。
【5】賢人から学ぶべきこと!
清掃と言う仕事の地位はまだまだ低い。その仕事の地位を高めてきた彼女の功績は大きい。
彼女は、天職を得て幸福を手に入れたのだから新たな幸福を探す必要は全くない。
残留孤児の娘として日本に来ては見たものの居場所がなく、差別にも遭い、心が折れそうな
日々を送った新津春子氏。就ける仕事は清掃以外になかったが、やがて清掃のプロフェッシ
ョナル鈴木優氏に出会う。
人間誰でも必ず出会いがある。その出会いで「清掃を極める」と言う闘志に火がついた。あ
の出会いがなければ、いや出会いがあってもそれを生かさなければただの一清掃員で終わっ
たことだろう。それにしても清掃技能日本一と言う称号は重い。新津春子氏の「人間力」は
大いに参考になる。
【6】編集後記
シンガポールでは道路の清掃員は国家公務員だ。シンガポールが世界一きれいな街として有
名だが、それを支えているのが国家公務員の清掃員なのだ。
中には私服の清掃員がいるが、彼は犯罪を犯した人間だ。罰金が払えず、勤労で罰金を支払
っているのだ。(笑)
ビルの清掃員の女性がコツコツお金を貯めて、そのビルの会社の株を買い溜めし、やがて筆
頭株主になり、社長に就任する。そんな出来事があったらどんなに痛快だろう。
今回の記事は、「NHKのプロフェッショナル・仕事の流儀」も参考にしています。
================================
次回に続く
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
本メールマガジンは「まぐまぐ」と「melma」を通して発行しております。
「まぐまぐ」での登録・退会はこちらから
⇒
http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/melmag.html
「melma」での登録・退会はこちらから
⇒
http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/melmag2.html
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから
3223898301@jcom.home.ne.jp
*************************************************************************
メールマガジン「仕事のできる人の集団作り戦略」好評配信中!登録はこちら
⇒
http://www.melma.com/backnumber_59181/
ブログにも味深い記事を掲載しています。こちらをクリック!
⇒
http://blog.livedoor.jp/shimo1873/
⇒
http://blog.goo.ne.jp/saiaiconsul/
*************************************************************************