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シリーズ「企業のパワーを倍増するためにやるべきこと!」
<第485回>(第10話)「いすみ鉄道公募社長の奮闘で儲かる会社に変身!」
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今話題の「会社を救う
コンピテンシー」とは何かと
コンピテンシーの導入の必要性に
ついて、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは「企業のパワーを倍増するた
めにやるべきこと!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介してい
きます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、
人事
担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。
===========================
今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】2年で業績が回復しなければ廃線の運命!
【3】公募社長は観光鉄道として復活を期す!
【4】赤字ローカル線のサバイバル術教えます!
【5】編集後記
===========================
顧客価値を探しあぐねている会社は多いように思う。例えば居酒屋でも繁盛している
居酒屋もあれば閑古鳥状態の居酒屋もある。
「鳥貴族」は大いに繁盛しているが他の焼き鳥をベースにした居酒屋も繁盛している
かといえば決してそうではない。鳥貴族は昼間の時間帯に各店舗でパートさんを使っ
て串刺し、その他の仕込みをやる。工場で串指しをやった冷凍ものではないから鮮度
が違う。しかも一般の焼き鳥の倍以上のボリュームがあり、しかも美味しい。
タレは工場で仕込み、各店舗に配送しているそうだ。
顧客価値には三つの視点があるのではないかと思う。つまり「普遍的価値」、「既存
の価値」、「新しい価値」に分けて考えると分かりやすい。
「普遍的価値」はあまねく誰もが求める価値だから美味しくてリーズナブルな価格、
それに注文したら早くに出てくることなどだ。「既存の価値」は自社がこれまで提供
して来た顧客価値をリストアップしてみればいい。それに対して「新しい価値」を作
り出す必要があるわけだ。鳥貴族では
従業員の「元気さ」や「心地よい接客」を「新
しい価値」と考えているようだ。
【1】心に刻んでおきたい言葉
***********************************************************************
加藤諦三氏は「価値あるものを持ちながらその価値に気付かない人には、それはな
いも同然である」と言っていた。いすみ鉄道の鳥塚社長は「眠れる価値」に気付い
てお客様を呼ぶことに成功した。
下山明央
***********************************************************************
【2】2年で業績が回復しなければ廃線の運命!
地方のローカル線は赤字で苦しみ、第三セクターに衣替えした鉄道も多い。ただ単
に第三セクターにしただけでお客様が増え、黒字に浮上できるわけではない。
例えば猫(たま)を駅長にしたことで人気に火が着き、見事?字回復したのが和歌山
電鉄の貴志川線だ。そのほかにおもちゃ列車を走らせて子供たちを呼び寄せること
にも成功した。
千葉県のいすみ鉄道もご多分に漏れず、苦境にあえいでいた。いすみ鉄道の前身は
1930年に開業した国鉄木原線だが長年赤字で苦しんでいた。1987年の国鉄民営化と
同時に自治体と企業が出資する第三セクターとして再出発した。それでもピーク時
は年間100万人以上の乗客がいたが徐々に客足が落ち、3分の1にまで減った。2008
年にあと2年で業績が回復できなければ廃線にすることが決まった。
第三セクターは最後の賭けとして社長を公募することにした。
【3】公募社長は観光鉄道として復活を期す!
公募に名乗りを上げた一人が鳥塚亮氏だった。彼は1960年東京生まれで根っからの
鉄道マニアで、鉄道会社に入りたかったが運悪く就職できず、イギリスの航空会社
に入社した。
しかし、相変わらず鉄道マニアだった鳥塚氏は廃線になった路線で使用されていた
行き先看板やさまざまな鉄道グッズを収集して自宅に陳列していた。彼の経歴から
判断されてのことだろうか、公募社長に
採用されたのである。
鳥塚社長は時代の流れとして
通勤客や学生が年々減少していくのはいたし方のない
ことと理解していた。そこで目をつけたのが「観光列車」だった。
例えば、ゴールデンウィークに行きたい「感動列車」として「桜と菜の花街道」を
ローカル列車でゆっくり旅することを企画した。これが大変な人気となった。5月
には水田とアジサイの中をゆっくり走るローカル列車の旅を企画したところこれも
大当たりした。
ただローカル列車に乗るだけでは飽きられる。そこで、ご当地グルメに舌鼓を打ち
ながら乗ってもらうことにした。丸ごと伊勢海老を満喫できる「感動列車」にした
のである。
さらに列車の車体にはムーミン一家のキャラクターを描き、売店ではムーミングッ
ズを販売した。ムーミングッズの品揃えは日本一と言うことだ。ムーミングッズだ
けでも多い月は200万円も売上があると言うから驚く。
気をよくした鳥塚社長は次々イベント列車を開発した。地元の魚をふんだんに使っ
た「大量盛り(二人前)列車」、「居酒屋列車」も走らせている。土日には旧型の
「キハ」と言うディーゼル列車を走らせることにした。往年のフアンにはバカ受け
だ。乗るだけでなく沿道には撮り鉄がカメラをセットして立ち並び、決定的瞬間を
待つと言う具合だ。
【4】赤字ローカル線のサバイバル術教えます!
鳥塚氏は50歳目前で応募し、社長に就任した。長年の夢だった鉄道会社の社長に就
任することができたのである。鳥塚社長は「絶対にお客様を呼び込む自信があった」
と語っている。いすみ鉄道とその環境が持つ「眠れる価値」を理解していたからで
ある。
例えば、線路を枕木に固定するため打ち付ける犬釘がある。さび付いた犬釘を一本
300円で売店に陳列したところ、これが人気だ。
さらに線路に敷かれている石がある。鉄粉にまみれた赤茶色の石に価値があるのだ。
これを専門用語で「バラスト石」と言うそうだが、なんとこの石を三個入りの缶詰
にして「パワーストーン」と命名して売店に置いたところ、これも売れ筋になった。
キャッチコピーは「いすみ鉄道には何もないがあります」だそうだ。全く当を得た
キャッチコピーではないだろうか。
【5】編集後記
子供のころ、鳥塚社長の愛読書は列車の時刻表だったそうだ。塾の帰りにブルーと
レインを見送った。あのブルーとレインは今頃どこを走っているか気になるから時
刻表を見る。
それほどの鉄道マニアが社長に就任したのだ。ローカル鉄道はこれからも乗客は減
り続けるだろう。だから観光列車に目をつけたのは正しかった。今、売上は2億3千
万円まで回復してきている。全国の赤字ローカル線復活のヒントはいすみ鉄道にあ
るのではないか。
=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
今回の記事は、テレビ東京の「カンブリア宮殿」も参考にさせて頂いた。
「人財育成」のご支援を承ります。
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3223898301@jcom.home.ne.jp
次回に続く。
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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
彩愛コンサルピア代表 下山明央
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<第485回>(第10話)「いすみ鉄道公募社長の奮闘で儲かる会社に変身!」
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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要性に
ついて、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは「企業のパワーを倍増するた
めにやるべきこと!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介してい
きます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、人事
担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。
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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】2年で業績が回復しなければ廃線の運命!
【3】公募社長は観光鉄道として復活を期す!
【4】赤字ローカル線のサバイバル術教えます!
【5】編集後記
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顧客価値を探しあぐねている会社は多いように思う。例えば居酒屋でも繁盛している
居酒屋もあれば閑古鳥状態の居酒屋もある。
「鳥貴族」は大いに繁盛しているが他の焼き鳥をベースにした居酒屋も繁盛している
かといえば決してそうではない。鳥貴族は昼間の時間帯に各店舗でパートさんを使っ
て串刺し、その他の仕込みをやる。工場で串指しをやった冷凍ものではないから鮮度
が違う。しかも一般の焼き鳥の倍以上のボリュームがあり、しかも美味しい。
タレは工場で仕込み、各店舗に配送しているそうだ。
顧客価値には三つの視点があるのではないかと思う。つまり「普遍的価値」、「既存
の価値」、「新しい価値」に分けて考えると分かりやすい。
「普遍的価値」はあまねく誰もが求める価値だから美味しくてリーズナブルな価格、
それに注文したら早くに出てくることなどだ。「既存の価値」は自社がこれまで提供
して来た顧客価値をリストアップしてみればいい。それに対して「新しい価値」を作
り出す必要があるわけだ。鳥貴族では従業員の「元気さ」や「心地よい接客」を「新
しい価値」と考えているようだ。
【1】心に刻んでおきたい言葉
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加藤諦三氏は「価値あるものを持ちながらその価値に気付かない人には、それはな
いも同然である」と言っていた。いすみ鉄道の鳥塚社長は「眠れる価値」に気付い
てお客様を呼ぶことに成功した。
下山明央
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【2】2年で業績が回復しなければ廃線の運命!
地方のローカル線は赤字で苦しみ、第三セクターに衣替えした鉄道も多い。ただ単
に第三セクターにしただけでお客様が増え、黒字に浮上できるわけではない。
例えば猫(たま)を駅長にしたことで人気に火が着き、見事?字回復したのが和歌山
電鉄の貴志川線だ。そのほかにおもちゃ列車を走らせて子供たちを呼び寄せること
にも成功した。
千葉県のいすみ鉄道もご多分に漏れず、苦境にあえいでいた。いすみ鉄道の前身は
1930年に開業した国鉄木原線だが長年赤字で苦しんでいた。1987年の国鉄民営化と
同時に自治体と企業が出資する第三セクターとして再出発した。それでもピーク時
は年間100万人以上の乗客がいたが徐々に客足が落ち、3分の1にまで減った。2008
年にあと2年で業績が回復できなければ廃線にすることが決まった。
第三セクターは最後の賭けとして社長を公募することにした。
【3】公募社長は観光鉄道として復活を期す!
公募に名乗りを上げた一人が鳥塚亮氏だった。彼は1960年東京生まれで根っからの
鉄道マニアで、鉄道会社に入りたかったが運悪く就職できず、イギリスの航空会社
に入社した。
しかし、相変わらず鉄道マニアだった鳥塚氏は廃線になった路線で使用されていた
行き先看板やさまざまな鉄道グッズを収集して自宅に陳列していた。彼の経歴から
判断されてのことだろうか、公募社長に採用されたのである。
鳥塚社長は時代の流れとして通勤客や学生が年々減少していくのはいたし方のない
ことと理解していた。そこで目をつけたのが「観光列車」だった。
例えば、ゴールデンウィークに行きたい「感動列車」として「桜と菜の花街道」を
ローカル列車でゆっくり旅することを企画した。これが大変な人気となった。5月
には水田とアジサイの中をゆっくり走るローカル列車の旅を企画したところこれも
大当たりした。
ただローカル列車に乗るだけでは飽きられる。そこで、ご当地グルメに舌鼓を打ち
ながら乗ってもらうことにした。丸ごと伊勢海老を満喫できる「感動列車」にした
のである。
さらに列車の車体にはムーミン一家のキャラクターを描き、売店ではムーミングッ
ズを販売した。ムーミングッズの品揃えは日本一と言うことだ。ムーミングッズだ
けでも多い月は200万円も売上があると言うから驚く。
気をよくした鳥塚社長は次々イベント列車を開発した。地元の魚をふんだんに使っ
た「大量盛り(二人前)列車」、「居酒屋列車」も走らせている。土日には旧型の
「キハ」と言うディーゼル列車を走らせることにした。往年のフアンにはバカ受け
だ。乗るだけでなく沿道には撮り鉄がカメラをセットして立ち並び、決定的瞬間を
待つと言う具合だ。
【4】赤字ローカル線のサバイバル術教えます!
鳥塚氏は50歳目前で応募し、社長に就任した。長年の夢だった鉄道会社の社長に就
任することができたのである。鳥塚社長は「絶対にお客様を呼び込む自信があった」
と語っている。いすみ鉄道とその環境が持つ「眠れる価値」を理解していたからで
ある。
例えば、線路を枕木に固定するため打ち付ける犬釘がある。さび付いた犬釘を一本
300円で売店に陳列したところ、これが人気だ。
さらに線路に敷かれている石がある。鉄粉にまみれた赤茶色の石に価値があるのだ。
これを専門用語で「バラスト石」と言うそうだが、なんとこの石を三個入りの缶詰
にして「パワーストーン」と命名して売店に置いたところ、これも売れ筋になった。
キャッチコピーは「いすみ鉄道には何もないがあります」だそうだ。全く当を得た
キャッチコピーではないだろうか。
【5】編集後記
子供のころ、鳥塚社長の愛読書は列車の時刻表だったそうだ。塾の帰りにブルーと
レインを見送った。あのブルーとレインは今頃どこを走っているか気になるから時
刻表を見る。
それほどの鉄道マニアが社長に就任したのだ。ローカル鉄道はこれからも乗客は減
り続けるだろう。だから観光列車に目をつけたのは正しかった。今、売上は2億3千
万円まで回復してきている。全国の赤字ローカル線復活のヒントはいすみ鉄道にあ
るのではないか。
=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
今回の記事は、テレビ東京の「カンブリア宮殿」も参考にさせて頂いた。
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次回に続く。
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彩愛コンサルピア代表 下山明央
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