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採用満足度も低下 売り手市場鮮明な採用戦線 

採用満足度も低下 売り手市場鮮明な採用戦線 

 日経新聞が主要企業95社を調査したところ、来春の大卒新入社員の採用で一部業種が「売り手市場」になっていることが25日わかりました。約4割の企業が今も採用活動を続行中です。理由は「内定者が予定数に達していない」ためで、景気回復や業績好調を背景に今春実績を大幅に上回る人数の採用をめざしているためです。
今年4月に日経新聞が実施した「06年度採用計画調査」では、大卒の新卒採用は23.9%増と3年連続増を記録。電機、自動車など製造業のほか非製造業が前年度を大幅に上回る大量採用を計画していることがわかりましたが、改めて人材確保にしのぎを削っている現状が浮き彫りになりました。
また25日朝日新聞に掲載された毎日コミュニケーションズの調査では、内定者数を募集人数で割った企業の採用充足率が86.9%となり、昨年度を4ポイント下回っています。未上場企業の採用充足率は79.7%で、上場企業の93.3%を13.6ポイント下回り、格差が出ていることもわかりました。
 このため、企業の採用満足度も低下し、「質・量とも満足」という企業の割合は昨年度より5.6ポイント低い32.8%にとどまっています。内定を出す基準を「昨年より緩くした」と答えた企業は5.8ポイント増えて10.6%になりました。

 活発な採用は大卒だけではありません。26日の日経新聞では、製造業が高等専門学校(高専)や専門学校から新卒採用を増やして現場に送り込んでいる。日本の工場が競争力を回復、さらに強くなろうとしていることの表れだという記事を掲載しています。
高専の2004年度卒業生に対する求人倍率は12.6で、5年間で4ポイント以上も上昇。製造業からの引き合いが強まっているそうです。
日本の製造業は高度成長期に高校新卒者を大量採用、生産ラインに据えています。ただその後の採用減でこうした層が高齢化。2007年に始まる団塊の世代の大量退職を控え、技術・技能維持へ採用を増やす必要に迫られています。
しかし大学への進学率40%以上の現在では高卒の絶対数が少なく、欲しい人材を選べる状況ではありません。このため企業は高専や専門学校へ採用の幅を広げざるを得なくなったのです。
新卒採用の変化は、大量退職に備えるほか、高付加価値の部品、最先端製品などは結局国内工場で生産する方が効率的との考えに回帰した製造現場の高度化に対応するのが目的でもあります。

こうした活発な採用は若者の失業改善に貢献し大いに歓迎すべきことですが、希望する職に就けなかったなど様々な理由で入社後数年で退職する人も後を立たないようです。
失業したりした後、4年ほどは職を求め続けるが、この間に気に入った職業に就職できず、あきらめ、職探し、職業訓練もしない若者「ニート」になる傾向があるという指摘もあります。

せっかく苦労して採用した人材ですから、きちんと定着し戦力化し、企業を担う人材として育成して欲しいものです。

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