2,「人」に対する給与
年功序列
賃金が廃止されるというニュースがよく流れます。定期昇給は、理屈の上では
人件費の上昇につながらないのですが、実際の社員の分布は理屈通りではなく、年齢によっ
て
ばらつきが有ります。その
ばらつきが定期昇給による人件費増加を招いています。年功
序列
賃金は、簡単に言えば、勤続年数が長くなればなる程給与の額が高くなる仕組ですか
ら、定期昇給と切っても切れない関係に有ります。
それが最近廃止されようとしています。理由の1つは、先程上げた人件費の上昇を食止
めたいという経営判断でしょう。しかし、理由はそれだけではありません。そもそも年功
序列
賃金は、勤続年数が長くなればそれだけ仕事にも慣れて、能力が上がるから給与も上
がるという理屈の上に成立っています。その理屈が成立しないのではないかと考えられて
きたのです。
日本では、戦後以降の長い間、勤続年数と能力は比例すると見なされてきました。そし
て、給与は仕事に対して払うのではなく、「人」に対して払うものだとされてきました。
つまり、仕事に精通してきたとか、この社員の能力からすれば良くできたとか、この社員
の家族は何人だとか、学歴がどうだとか、性別がどうだとか、何歳になったとか、能力の
向上がどうなったとかを給与額や昇給の判断材料にしてきました。社員一人一人の状況に
合せて給与を決めてきたとも言えます。「人」に対する給与とはこういう意味です。この
考え方は、実は会社の組織の事情に上手くマッチしていました。一人の人にいくつもの種
類の仕事を与え、会社の事情で
配置転換や転勤をしてきました。なぜそんなことができる
のでしょうか。様々な仕事を経験することは、管理職へのステップだと位置づけられてい
ましたから、余程の個人的な理由がない限り、拒むとかえって社員にとってマイナスにな
ります。さらに、一人の人がいくつもの仕事をすることは、人材を会社の事情に合わせて
活用できる組織が作れます。例えるなら、あの社員は
人事が専門だから経理の仕事は回せ
ないから経理の社員を
採用しなければということはなく、人材が不足しているから
人事を
しながら経理も仕事として与えようということが可能だということです。
「人」に対して給与を支払う仕組ではこのような場合、
人事だけの仕事をしていた時よ
り
人事と経理の仕事をしている時の方が能力が上がっただろうから給与も上げようと決め
ることができるのです。そして、何年も同じ仕事をしていると当然仕事にも慣れて上手く
なるから給与を上げようと決るわけです。
この考え方を変えてしまおうとしているのが、最近の年功序列
賃金の廃止の動きなので
す。これは会社にとっても個人にとっても大地震です。
人事戦略研究所 吉田幸司
http://homepage.mac.com/koujiyosida/
2,「人」に対する給与
年功序列賃金が廃止されるというニュースがよく流れます。定期昇給は、理屈の上では
人件費の上昇につながらないのですが、実際の社員の分布は理屈通りではなく、年齢によっ
てばらつきが有ります。そのばらつきが定期昇給による人件費増加を招いています。年功
序列賃金は、簡単に言えば、勤続年数が長くなればなる程給与の額が高くなる仕組ですか
ら、定期昇給と切っても切れない関係に有ります。
それが最近廃止されようとしています。理由の1つは、先程上げた人件費の上昇を食止
めたいという経営判断でしょう。しかし、理由はそれだけではありません。そもそも年功
序列賃金は、勤続年数が長くなればそれだけ仕事にも慣れて、能力が上がるから給与も上
がるという理屈の上に成立っています。その理屈が成立しないのではないかと考えられて
きたのです。
日本では、戦後以降の長い間、勤続年数と能力は比例すると見なされてきました。そし
て、給与は仕事に対して払うのではなく、「人」に対して払うものだとされてきました。
つまり、仕事に精通してきたとか、この社員の能力からすれば良くできたとか、この社員
の家族は何人だとか、学歴がどうだとか、性別がどうだとか、何歳になったとか、能力の
向上がどうなったとかを給与額や昇給の判断材料にしてきました。社員一人一人の状況に
合せて給与を決めてきたとも言えます。「人」に対する給与とはこういう意味です。この
考え方は、実は会社の組織の事情に上手くマッチしていました。一人の人にいくつもの種
類の仕事を与え、会社の事情で配置転換や転勤をしてきました。なぜそんなことができる
のでしょうか。様々な仕事を経験することは、管理職へのステップだと位置づけられてい
ましたから、余程の個人的な理由がない限り、拒むとかえって社員にとってマイナスにな
ります。さらに、一人の人がいくつもの仕事をすることは、人材を会社の事情に合わせて
活用できる組織が作れます。例えるなら、あの社員は人事が専門だから経理の仕事は回せ
ないから経理の社員を採用しなければということはなく、人材が不足しているから人事を
しながら経理も仕事として与えようということが可能だということです。
「人」に対して給与を支払う仕組ではこのような場合、人事だけの仕事をしていた時よ
り人事と経理の仕事をしている時の方が能力が上がっただろうから給与も上げようと決め
ることができるのです。そして、何年も同じ仕事をしていると当然仕事にも慣れて上手く
なるから給与を上げようと決るわけです。
この考え方を変えてしまおうとしているのが、最近の年功序列賃金の廃止の動きなので
す。これは会社にとっても個人にとっても大地震です。
人事戦略研究所 吉田幸司
http://homepage.mac.com/koujiyosida/