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■
行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第109号/2007/8/1>■
1.はじめに
2.「
会社法務編/中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(53)」
3.「市
民法務編/ビジネスに役立つ“
民法”の基礎(36)」
4.編集後記
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1.はじめに
**********************************************************************
皆様、こんにちは。
行政書士の津留信康です。
梅雨明け後の宮崎市内は、連日35℃以上の猛暑日ですが、
皆様のお住まいの地域ではいかがでしょうか?
今夏は“冷夏”・・・という予想もあるようですが、
今のところこちらでは、あまりの酷暑に、早くも夏バテ気味です。
いずれにしても、冷房のかけすぎ、ビールの飲みすぎなどには注意して、
元気に夏を乗り切りたいものです。
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
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2.「
会社法務編―中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(53)」
**********************************************************************
★「2007/4/15発行の第102号」より、
「平成18年度以前の
司法書士試験問題」の解説を通じて、
“
会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
第8回目は、「持分会社」に関する問題です。
※)法改正等に応じて、
問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■次の1~5の記述のうち、誤っているものはどれか(H17-
商法・
会社法)。
1.
合資会社は、
合名会社の社員になることはできないが、
合資会社の有限責任社員になることはできる。
□正解: ×
□解説
会社法では、
「旧
商法第55条の規定(会社は他の会社の無限責任社員にはなれない)」
は削除されており、
法人は、
持分会社(
合名会社・
合資会社・
合同会社)の社員となることができます。
2.
合名会社のすべての退社員は、
退社の
登記をする前に生じた
債務について、常に責任を負う。
□正解: ○
□解説
会社法第612条第1項を参照のこと。
なお、
合資会社の有限責任社員および
合同会社の社員は、
その出資の価額を限度として、
会社の
債務を
弁済する責任を負います(同法第580条第2項)。
3.
合資会社が、業務を執行する社員の
債務を保証する場合には、
他の社員の過半数の承認が必要である。
□正解: ○
□解説
持分会社(
合名会社・
合資会社・
合同会社)の業務執行社員は、
会社との利益相反行為をする場合には、
他の社員の過半数の承認を要します(
会社法第595条第1項第2号)。
4.
合名会社のすべての社員は、
金銭以外の財産を出資の目的とすることができる。
□正解: ○
□解説
持分会社(
合名会社・
合資会社・
合同会社)のすべての社員は、
「現物出資(金銭以外の財産を出資の目的とする)」
をすることができます(
会社法第576条第1項第6号括弧書)。
5.
合資会社の社員が死亡したときは、
その
相続人が、当該社員に代わって、当然に社員となることができる。
□正解: ○
□解説
持分会社(
合名会社・
合資会社・
合同会社)の社員は、
原則として、死亡により退任します(
会社法第607条第1項第3号)が、
定款に定めがあれば、
その
相続人が社員となることができます(同法第608条第1項・第2項)。
★次号(2007/8/15発行予定の第110号)のご紹介内容は、未定です。
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3.「市
民法務編―ビジネスに役立つ“
民法”の基礎(36)」
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★本号から、「平成18年度
司法書士試験問題」の解説を通じて、
民法各編についての理解を深めていただきますが、
第6回目は、「
時効と
登記」に関する問題です。
※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■Aは、B名義で
登記されているB所有の甲土地につき、平成元年4月1日、
所有の意思をもって、善意で、過失なく、平穏に、かつ、公然と占有を開始し、
その後も、その占有を継続している。
この事例に関する次の1~5の記述のうち、
判例の趣旨に照らして、Cの請求が認められないものはどれか。
なお、Aの占有は、次の1~5のの各請求の時まで継続しているものとし、
Cは、Aの占有につき善意であったものとする。
また、Aにつき、甲土地の
時効取得が成立する場合には、
Aは、
時効取得を援用したものとする。
1.平成5年4月1日に、Bから甲土地を買い受けて、
同日、
所有権の移転の
登記をしたCは、
平成10年5月1日、Aに対し、
所有権に基づき、甲土地の明渡しを請求した。
□正解: ○(Cの請求が認められる)
□解説
10年間、
所有の意思をもって、
平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、
その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、
その
所有権を取得します(第162条第2項)。
また、
時効は、当事者が援用することによって、
その起算日に遡って、効力が発生します(同法第144条・第145条)。
本問の場合、
平成10年5月1日時点では、
平成元年4月1日に占有を開始したAの
時効は完成していませんので、
Cの請求は、認められます。
2.平成5年4月1日に、Bから甲土地を買い受けて、
同日、
所有権の移転の
登記をしたCは、
平成12年5月1日、Aに対し、
所有権に基づき、甲土地の明渡しを請求した。
□正解: ×(Cの請求が認められない)
□解説
判例(※S41.11.22)では、
「原権利者から、
時効完成前に不動産を取得した第三者に対しては、
その後、
取得時効が完成して権利を取得した者は、
登記なくして、その
所有権を対抗することができる」
とされていますので、
Aの
時効完成後の平成12年5月1日にした第三者Cの請求は、
認められません。
※)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=27941&hanreiKbn=01
3.平成11年11月1日に、Bから甲土地の贈与を受けて、
同日、
所有権の移転の
登記をしたCは、
平成12年5月1日、Aに対し、
所有権に基づき、甲土地の明渡しを請求した。
□正解: ○(Cの請求が認められる)
□解説
判例(※S33.8.28)では、
「原所有者から、
時効完成後に不動産を譲り受け、
登記をなした者に対しては、
時効取得者は、その
所有権を対抗することができない」とされていますので、
Cの請求は、認められます。
※)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=29557&hanreiKbn=01
4.平成11年11月1日に、Bから甲土地を買い受けて、
同日、
所有権の移転の
登記をしたCは、
平成21年5月1日、Aに対し、
所有権に基づき、甲土地の明渡しを請求した。
□正解: ○(Cの請求が認められる)
□解説
判例(※S36.7.20)では、
「第三者が、原所有者から、
時効完成後に不動産を譲り受け、
登記をなした日から、
さらに
時効取得に必要な期間の占有を継続したときには、
再度の
取得時効完成時の権利者に対しては、
登記なくして、再度の
時効による
所有権の取得を対抗することができる」
とされていますので、
時効完成前の平成21年5月1日のCの請求は、認められますが、
時効完成後の平成22年5月1日のCの請求は、認められません。
※)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=28872&hanreiKbn=01
5.平成11年11月1日に、Bから甲土地の贈与を受けて、
同日、
所有権の移転の
登記をしたCは、
平成22年5月1日、Aに対し、
所有権に基づき、甲土地の明渡しを請求した。
□正解: ×(Cの請求が認められない)
□解説
設問肢4の解説を参照のこと。
★次号(2007/8/15発行予定の第110号)のご紹介内容は、未定です。
**********************************************************************
4.編集後記
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★業務のご案内★
当事務所の「原稿執筆業務」に関しては、
「こちら(
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_3cdf.html)」
をご覧ください。
■第109号は、いかがでしたか?
次号(第110号)は、2007/8/15発行予定です。
■編集責任者:
行政書士 津留信康
□津留
行政書士事務所
http://www.n-tsuru.com
□ご連絡専用アドレス
n-tsuru@mbr.nifty.com
■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(
http://www.mag2.com/)」を利用しており、
購読の解除は、「
http://www.mag2.com/m/0000106995.html」からできます。
■当メールマガジンの無断転載等を禁じます。
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■行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第109号/2007/8/1>■
1.はじめに
2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(53)」
3.「市民法務編/ビジネスに役立つ“民法”の基礎(36)」
4.編集後記
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1.はじめに
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皆様、こんにちは。行政書士の津留信康です。
梅雨明け後の宮崎市内は、連日35℃以上の猛暑日ですが、
皆様のお住まいの地域ではいかがでしょうか?
今夏は“冷夏”・・・という予想もあるようですが、
今のところこちらでは、あまりの酷暑に、早くも夏バテ気味です。
いずれにしても、冷房のかけすぎ、ビールの飲みすぎなどには注意して、
元気に夏を乗り切りたいものです。
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
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2.「会社法務編―中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(53)」
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★「2007/4/15発行の第102号」より、
「平成18年度以前の司法書士試験問題」の解説を通じて、
“会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
第8回目は、「持分会社」に関する問題です。
※)法改正等に応じて、
問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■次の1~5の記述のうち、誤っているものはどれか(H17-商法・会社法)。
1.合資会社は、合名会社の社員になることはできないが、
合資会社の有限責任社員になることはできる。
□正解: ×
□解説
会社法では、
「旧商法第55条の規定(会社は他の会社の無限責任社員にはなれない)」
は削除されており、法人は、
持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)の社員となることができます。
2.合名会社のすべての退社員は、
退社の登記をする前に生じた債務について、常に責任を負う。
□正解: ○
□解説
会社法第612条第1項を参照のこと。
なお、合資会社の有限責任社員および合同会社の社員は、
その出資の価額を限度として、
会社の債務を弁済する責任を負います(同法第580条第2項)。
3.合資会社が、業務を執行する社員の債務を保証する場合には、
他の社員の過半数の承認が必要である。
□正解: ○
□解説
持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)の業務執行社員は、
会社との利益相反行為をする場合には、
他の社員の過半数の承認を要します(会社法第595条第1項第2号)。
4.合名会社のすべての社員は、
金銭以外の財産を出資の目的とすることができる。
□正解: ○
□解説
持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)のすべての社員は、
「現物出資(金銭以外の財産を出資の目的とする)」
をすることができます(会社法第576条第1項第6号括弧書)。
5.合資会社の社員が死亡したときは、
その相続人が、当該社員に代わって、当然に社員となることができる。
□正解: ○
□解説
持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)の社員は、
原則として、死亡により退任します(会社法第607条第1項第3号)が、
定款に定めがあれば、
その相続人が社員となることができます(同法第608条第1項・第2項)。
★次号(2007/8/15発行予定の第110号)のご紹介内容は、未定です。
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3.「市民法務編―ビジネスに役立つ“民法”の基礎(36)」
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★本号から、「平成18年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
民法各編についての理解を深めていただきますが、
第6回目は、「時効と登記」に関する問題です。
※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■Aは、B名義で登記されているB所有の甲土地につき、平成元年4月1日、
所有の意思をもって、善意で、過失なく、平穏に、かつ、公然と占有を開始し、
その後も、その占有を継続している。
この事例に関する次の1~5の記述のうち、
判例の趣旨に照らして、Cの請求が認められないものはどれか。
なお、Aの占有は、次の1~5のの各請求の時まで継続しているものとし、
Cは、Aの占有につき善意であったものとする。
また、Aにつき、甲土地の時効取得が成立する場合には、
Aは、時効取得を援用したものとする。
1.平成5年4月1日に、Bから甲土地を買い受けて、
同日、所有権の移転の登記をしたCは、
平成10年5月1日、Aに対し、所有権に基づき、甲土地の明渡しを請求した。
□正解: ○(Cの請求が認められる)
□解説
10年間、所有の意思をもって、
平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、
その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、
その所有権を取得します(第162条第2項)。
また、時効は、当事者が援用することによって、
その起算日に遡って、効力が発生します(同法第144条・第145条)。
本問の場合、
平成10年5月1日時点では、
平成元年4月1日に占有を開始したAの時効は完成していませんので、
Cの請求は、認められます。
2.平成5年4月1日に、Bから甲土地を買い受けて、
同日、所有権の移転の登記をしたCは、
平成12年5月1日、Aに対し、所有権に基づき、甲土地の明渡しを請求した。
□正解: ×(Cの請求が認められない)
□解説
判例(※S41.11.22)では、
「原権利者から、時効完成前に不動産を取得した第三者に対しては、
その後、取得時効が完成して権利を取得した者は、
登記なくして、その所有権を対抗することができる」
とされていますので、
Aの時効完成後の平成12年5月1日にした第三者Cの請求は、
認められません。
※)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=27941&hanreiKbn=01
3.平成11年11月1日に、Bから甲土地の贈与を受けて、
同日、所有権の移転の登記をしたCは、
平成12年5月1日、Aに対し、所有権に基づき、甲土地の明渡しを請求した。
□正解: ○(Cの請求が認められる)
□解説
判例(※S33.8.28)では、
「原所有者から、時効完成後に不動産を譲り受け、
登記をなした者に対しては、
時効取得者は、その所有権を対抗することができない」とされていますので、
Cの請求は、認められます。
※)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=29557&hanreiKbn=01
4.平成11年11月1日に、Bから甲土地を買い受けて、
同日、所有権の移転の登記をしたCは、
平成21年5月1日、Aに対し、所有権に基づき、甲土地の明渡しを請求した。
□正解: ○(Cの請求が認められる)
□解説
判例(※S36.7.20)では、
「第三者が、原所有者から、時効完成後に不動産を譲り受け、
登記をなした日から、
さらに時効取得に必要な期間の占有を継続したときには、
再度の取得時効完成時の権利者に対しては、
登記なくして、再度の時効による所有権の取得を対抗することができる」
とされていますので、
時効完成前の平成21年5月1日のCの請求は、認められますが、
時効完成後の平成22年5月1日のCの請求は、認められません。
※)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=28872&hanreiKbn=01
5.平成11年11月1日に、Bから甲土地の贈与を受けて、
同日、所有権の移転の登記をしたCは、
平成22年5月1日、Aに対し、所有権に基づき、甲土地の明渡しを請求した。
□正解: ×(Cの請求が認められない)
□解説
設問肢4の解説を参照のこと。
★次号(2007/8/15発行予定の第110号)のご紹介内容は、未定です。
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4.編集後記
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★業務のご案内★
当事務所の「原稿執筆業務」に関しては、
「こちら(
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_3cdf.html)」
をご覧ください。
■第109号は、いかがでしたか?
次号(第110号)は、2007/8/15発行予定です。
■編集責任者:行政書士 津留信康
□津留行政書士事務所
http://www.n-tsuru.com
□ご連絡専用アドレス
n-tsuru@mbr.nifty.com
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http://www.mag2.com/)」を利用しており、
購読の解除は、「
http://www.mag2.com/m/0000106995.html」からできます。
■当メールマガジンの無断転載等を禁じます。