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中年会計士の、ちょっとだけ聞いて欲しい独り言(13)

■Vol.133  2007-8-29 毎週水曜日配信                   
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□□■    いまさら聞けない!お金と人と組織のこと 
■■■  ― 経営者、起業準備の方必見です!―
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■■■ 「中年会計士の、ちょっとだけ聞いて欲しい独り言(13)」
□□■           
■■■――――――――――――――――――――――――――――――――

 
 最近、暗闇が静かなブームだそうです。
 電気を消して、ろうそくに火を灯し、食事をしたり、語り合ったり。
 周りが暗い為、集中でき、食事も「味を探す」という感覚になるそうです。
 
 省エネルギーなどの議論には、必ず、
 「人間が暗闇の生活に戻れる訳が無い」という話がでますが、これなどは、
 人間が自然に戻りたいと思っている一つの表れかもしれません。


 
 企業の不祥事なども、そこにいる人達が望んでやっていることとは思えま
 せん。原点に立ち返る勇気を持つことも必要かもしれません。
 今回は、公認会計士の富田先生から企業の不正についてです。
 

 
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   「中年会計士の、ちょっとだけ聞いて欲しい独り言(13)」
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酷暑の中、皆様方、お元気でおいででしょうか?
つい先日、40度を超える暑さに見舞われた地域もあるようで、相当地球も異
常を来しているようです。加えて相次ぐ企業の不祥事などを見ておりますと、
地球全体の異常は、人々の行いが普通にあるべきところから大きく逸脱して
いるのが遠因ではないかと思えてきてなりません。ちょっとセンチメンタル
かもしれませんが、人は土から生まれ、死んで土に帰るわけで、いってみれ
ば地球の一部のようなものです。万物の霊長である人間がおかしくなれば、
地球もおかしくなる、これはある意味ごく自然なことなのかもしれませんね。


前回ご説明したマンション建設を得意とする建設会社の不正の件をもう少し
詳しく説明しましょう。会社は「工事進行基準」を悪用し、架空原価の計上
により、これに応じた売上を計上していました。
また、このようにして過大に計上した原価について下請け会社等に実際に支
払を行い、下請け会社にはこのうち一定の取り分を不正への協力代、つまり
自分の取り分を控除し、残りを会社の裏口座へ振り込ませるということまで
やっていました。


建設業では工事着工から完成までの期間が1年以上にわたる長期工事で一定の
規模以上のものは、その間の各事業年度において発生した原価に対応して売
上高を計上するという「工事進行基準」という基準が売上高の計上基準とし
採用される場合があります。つまり、工事の総原価をあらかじめ見積り、
その工事の進捗度合いを原価の発生額であるとみなしてその事業年度に発生
した原価の額に応じて売上高を計上する方法であるため、実際より多額の原
価が発生したと仮装して会計処理を行えばその余分にかかった分だけ過大に
利益を計上することになります。


例えば、当初ある工事にかかる完成までに発生が予想される原価が80,予
想利益が20と見積もられていたとしましょう。当期に発生した原価を40
とすると、進捗率は50%ですので、全体の予想利益が20であれば、当期
に計上しうる利益は10ということになります(=20×50%)。一方、下請業
者と共謀して発生した原価が60として仮装経理処理を行うと、計上しうる
利益は15(=20×60/80)となり、利益を5だけ過大に計上できることに
なるでしょう。


建設会社だけではなく、造船会社、特殊な大型機械等を製造する会社で原価
を個別に計算している場合には、実在する原価が適切に配分されているかど
うか、原価台帳や積算表などにより慎重にチェックを行うことが大事になっ
てきます。


次回はこのような不正をどのようにして防止できるかを考えてみたいと思い
ます。

皆さん、「暑い!暑い!」といってももう立秋を過ぎました。今しばらくの
辛抱でこの夏を乗り切りましょう!富田でした。



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