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休眠特許(きゅうみんとっきょ)

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    わかっちゃう! 知的財産用語    No.181

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こんにちは!  わかっちゃう弁理士 西川幸慶です。


 ☆ 本日の知的財産用語



 [休眠特許(きゅうみんとっきょ)]


 使用されていない特許のことです。未使用特許とも呼ばれます。



(1)
 日本には有効な特許権が100万件程度ありますが、その
約2/3は実施もライセンスもされていない休眠特許であると言わ
れています。




(2)
 特許を取得するためには、研究・開発費特許出願の費用特許
料など、色々と費用がかかります。


 特許により独占的に発明を実施するか、ライセンス収入を得られ
れば良いのですが、休眠特許では収入を得ることができません。


 折角、手間や費用をかけて特許を取得したのに、勿体ない話しで
すね。



(3)
 近年では、大企業等の休眠特許を積極的に活用しようとする動き
が活発になってきたようです。


 大企業ではある程度の規模の売り上げが期待できないものは製品
化,事業化しないことが多いのですが、中小企業が小さな規模,ニ
ッチな分野でうまく事業化できる場合もあります。



(4)
 休眠特許の内、権利者が他人に譲渡やライセンスしても良いと考
えている特許は、「開放特許」と呼ばれます。これについては以前
説明しました。

 (参照)「開放特許http://www.jpat.net/Y67.htm 



(5) その他

 「特許流通フェア」のように、特許権者と企業とのマッチングを
するイベントが開催されています。


 休眠特許を仕入れてきて、その特許を利用できそうな企業に販売
するような会社も有ります。


 また、特許権者と 特許導入を希望する企業とを引き合わせる「
お見合い」のような仕事をして仲介手数料を取っている会社もあり
ます。


      ☆              ☆

[関連事項と経験談]

(1)
 「休眠特許」だから「有効利用されていない」という考え方は
 短絡的です。


 権利者が実施しなくても、「他人に実施させない」ということが、
戦略上の意味を持つ場合も有るからです。



(2)
 「休眠特許は宝の山だ!」みたいな話をよく聞きますが、もとも
休眠特許は「理論はともかく実際には実施しにくい」,「利益を
出しにくい」,「他にもっと優れたアイデアがある」,「市場のニ
ーズに合致しない」,「他の法律の規制がある」等の理由により休
眠状態になっているケースが多いようです。


 ですから無責任に「宝の山」というのは誤解を与える表現のよう
にも思えます。


 確かに宝も有るのですが、個人的には「ガラクタの山の中に宝石
の原石が眠っている」というようなイメージを持っています。



(3)
 大学にもたくさんの休眠特許が有ります。大学の特許の有効利用
については以前「TLO」の説明の際に少し解説しました。

(参照)TLO: http://www.jpat.net/Y73.htm 



(4)
 昔、企業に勤務していた頃は 研究者には「年間*件特許出願」
のような目標がありました。


 特許件数の多さで企業の技術レベルの高さをアピールするという
意味がありましたし、「研究成果は特許として残すのが当たり前」
という考えもありました。


 当時は、

 「とにかく特許件数が多いのは良いことだ」

という考えの下、特許出願が奨励されていたように思います。


 でも、知財部門で特許管理をしていた私は、お金を使うだけで儲
けてくれない「金食い虫」の休眠特許をたくさん見て、「勿体ない
なー」と思うこともありました。


 只、休眠特許が「クロスライセンス」の材料として役だったこと
が有り、そのときは「休眠特許も役立つときがあるのだなー」と 
ちょっと見直したことはありました。



(5)
 休眠特許をどう活用するかも大切ですが、休眠特許を増やさない
ように出願や、維持する特許権を厳選することも大切だと思います。



 例えば事業化との関係で権利化する必要性が低い発明については、
あえて特許を取らないということも考えられます。


 また、特許権を維持するために「年金」と呼ばれる特許料を納付
し続ける必要があるのですが、本当に年金を納付してまで維持する
必要があるのか よく検討する必要も有るでしょう。


 その際には、知財部門,研究所,技術部門だけで判断するのでは
なく、経営,企画などの部署も一緒に検討すべきだと思います。



 先日、大企業の知財担当者と 話しをしていたのですが、特許
の維持を検討する際に

 「もし自分の判断で特許権を消滅させた後に、その特許権が必要
となった場合には責任問題になる。だから無難に特許権を維持して
おこう。」

と考える傾向があるそうです。確かに減点主義的な評価の下では、
こういう考え方になるのかもしれませんね。



(6)
 特許法の改正により、近く特許利用の引き下げが有ります。特に
10年目以降の年金が安くなります。でも、これは大企業の休眠特
許を増やすだけのような気もします。



(7)
 米国では、休眠特許を買い取り、その特許権を使って訴訟を起こ
し、高額の損害賠償やライセンス料を取る「パテント・エンフォー
サー」というビジネスが有るそうです。

 
 なんだか おっかなそうな商売ですが、お金になりそうな休眠特
許を探し出してくるというのは 凄い目利きですね。



(8)
 「休眠特許」という名前は、特許がグーグー寝ているみたいで、
なんとなく可笑しいですね。


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 「わかっちゃう! 知的財産用語」

  発行   西川特許事務所 ( http://www.jpat.net/
       兵庫県西宮市東山台3丁目9-17  
       電話 0797-61-1841、 FAX 0797-61-1821 
  発行人  弁理士 西川 幸慶  pat@jpat.net
   
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  (C) 2008 Nishikawa Yukiyoshi 
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[編集後記]


 休日に近所の公園に弁当を持って花見に行きました。

 昼から ビールとワインを 飲んでいたら 妙に気持ちよくなっ
て1時間以上 寝てしまいました。


 同じアルコール量でも、昼間に飲むと まわりやすいような気が
しますが、どうしてでしょう?

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