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2008年56月16日発行 第1・第3週月曜日発行
メールマガジン:経営のパートナー VOL3
<経営学で企業を再生する>
【発行責任者】
経営テクノ研究所 代表 舘 義之
【E-mail】
tate@agate.plala.or.jp
【H P】
http://www9.plala.or.jp/keiei-techno
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■CONTENTS■
VOL3.マーケティング
●時間管理と自己啓発
●閑話休題「人生はコンテストではない」
●追記「多田富雄さんの聞くより」
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●時間管理と自己啓発
最初に、時間管理ですが、セールス活動でよく耳にする言葉があります。
「時間がない」「もっと時間がほしい」といった時間がない悩みです。しか
し、悩んでいるばかりでは、どうしょうもありません。
そこで、多忙なセールス活動に適応するには時間のムダを省き、効率化し
ていくことが必要となります。つまり、積極的に時間をつくり出していかな
ければなりません。
次は、自己啓発です。3キの法則という言葉があります。それは、
●技能(セールスの腕)
●勤勉(努力量)
●基盤(担当地域)
の三つで、セールスの成績は、この相乗効果にあるというわけです。
セールスマンは、決められたとおりの仕事をやっていればよいのではなく、
3キの法則を自分で創造していくことが必要となります。それが自己啓発な
のです。
それでは、まず、時間管理のやり方から説明していくことにします。
1.時間管理
厚生労働省の調査によると、一般社員の残業時間は06年では月16.4
時間で、5年間連続で増え続けているそうです。リストラで人員は減らされ
てきましたが、景気が上向き人手不足のおかげで仕事量は増えており、そこ
で、残業時間の増加に歯止めをかけてコストダウンを狙う大手各社は、残業
減らしを進めているとのことです。
たとえば、音響メーカー「パイオニア」本社や工場では、02年から毎週
水曜日と25日の給料日は、「定時退社日」にし、どうしても残業しなけれ
ばならないときは、事前に上司に申請書を提出して許可をもらうようにして
います。
国際航空貨物や海上貨物を手がける「近鉄エクスプレス」では、07年末
までに「残業時間25%削減」を打ち出しました。本社社員20人で結成さ
れた社長専属の「タイムマネジメントプロジェクト」チームと外部のコンサ
ルタントが共同で全国80事業所のそれぞれの仕事の中身を分析し、効率の
向上を目指しています。
また、「キヤノン」は、07年1月から、一般社員は、上司に自分が作成
した1週間分の「時間外管理表」を提出します。この表を見て上司は、部下
の残業が必要か否かを判断します。そして、残業の多い人の仕事をほかの人
にまわすことにしています。
石油元売りの「新日本石油」は、02年8月から社員が入退時にIDカー
ドを差し込むカードリーダーの記録を
人事部のPCに保存しています。「直
行」や「直帰」は後日、カードリーダーで打ち込めるようになっています。
これらのコストダウンを成功させるためには、まず、「マネジメント意識」
を持つことが、なによりも必要となります。その意識が時間効率性の成果に
大きな違いを与えるからです。
では、マネジメント意識とは、どのようなものでしょうか。以下、紹介し
ていくことにします。
1.生産性向上を意識する
時間の効率性を高めるためには、まず、生産性を上げなければなりません。
生産性とは、
●生産性=仕事のアウトプットの質×仕事のアウトプットの量÷インプット
の
労働時間
で表わすことができます。
したがって、生産性の向上を図るためには、次の三つのことが考えられます。
●アウトプットの質を上げる
●アウトプットの量を上げる
●インプット
労働時間を短くする
アウトプットの質・量を上げる、ということは今の人員・時間で、より多
くの仕事を行うことです。インプットの
労働時間を短くする、ということは
今の仕事を、より少ない人員・時間でやれるように仕事のやり方を変えるこ
とです。
2.時間の予算を意識する
その次に、大事なことは、自分自身の運行表(ダイヤグラム)をつくり、
「時間の予算」をつくることです。
時間の予算という奇妙な言葉を使ったのは、時間は誰にとっても、二度と
繰返しのできない貴重なものだからです。
お金の予算なら、金を儲ければやり直しがききますが、時間では、それが
できないのです。1日は24時間、その中、あることに十分使えば、その時
間の支出は、もう変更できないのです。
時間にも二通りあります。一つは他者と協働して行う時間であり、もう一
つは自分一人で行う時間です。まず、協働の時間からいうと、打合せ、会議、
顧客や見込客との接触などの時間で、どんどん時間が取られてしまいます。
自分一人の時間は、通信、書類整理、資料作成、郵便物処理などに費やす
もので、ここで、考えなければならないのは、個人の時間の使い方が、協働
の時間にどのくらい、大きな影響を及ぼすか、ということです。常に、あら
ゆる時間の必要性を考え、どれに使いすぎたか、また、節約すべきものは何
であったかを、反省して是正していくようにしなければなりません。
3.協働時間をうまく節約することを意識する
協働時間の中で大きな割合を占めるのが、会議や会合の時間です。一般社
員で5~15%、管理職で20~25%、トップでは40%を費やしている、
といわれています。
会議における議論中は、必ず俯瞰的な見方を取る必要があります。話し合
いが論理的で、管理されているかを確認します。話し合いは、事実、解釈、
結論という流れを取ります。事実から結論へ飛ぶことを避けなければなりま
せん。解釈なくしては話し合いは脱線するばかりです。
また、会議時間を限定する方法もあります。ニューヨーク大学が行った会
議に関する調査によると、大部分の会議は1時間半以上続けるべきではない、
という結論が出ています。1時間半以上続けると疲労感や退屈感がつのり、
会議に対する出席者の関心が薄らいでくるそうです。
会社によっては、全ての会議を30分に限定したり、会議の出席者に制限
時間を告げたりすることによって、出席者の間に緊張感が生まれ、真剣な態
度で会議に臨む気持を起こさせたりしています。
4.優先順序づけを意識する
人は、どうしても難しくて所要期間の長いものを敬遠する傾向があります。
いやな重要仕事よりも精神的に負担の少ない、しかも成果の小さい仕事を優
先的にやりがちとなります。そこには、優先順位はありません。
重要な仕事は、常に切迫感を与え、追い立てられるような気持になります。
そして、毎日、毎日、仕事をどれくらい、どんなにやったかを反省すること
です。この反省と自己監視を怠ったら、上司の方からは、次第に問題にされ
なくなり、下の方からは馬鹿にされてきます。
ところで、ゴヴィ(7つの習慣)という人は、物事の優先順位を、次のよ
うな基準でつけています。
(1)緊急度が高く、重要度が高い
(2)緊急度が高く、重要度が低い
(3)緊急度が低く、重要度が高い
(4)緊急度が低く、重要度が低い
そして、(1)→(3)→(2)→(4)の順番で優先順位をつけていた
ら、忙しさから脱却できる、といっています。さらに、(3)をつぶしてい
くことで結果的に(2)が減る、ということです。
5.遊びの時間を意識する
斬新な考え方ができる人は、心にゆとりの人です。毎日、残業ばかりして、
よい考えの生まれる人は、ほとんどいないといってよいでしょう。適当に緊
張をホグラかして、休養を取り、次の場を待つことが大切です。
心にゆとりがあると、肉体的にも、精神的にも、自分をコントロールでき
ます。こういう人は、部下や
従業員がどんな難題を持ち込んでも、驚いたり、
慌てふためいたりしません。逆に、上司から、きびしい命令を受けても、悠
々とそれを引き受けることができます。
現代のペーパーワークは、スクリーニングといって全部、いるものと、い
らないものを分類することから始まっています。つまり、数多く出される報
告や書類を、どうやって処理するかということです。
こんなことは、心にゆとりがあり、バランスの取れた精神状態にある人な
ら、なんでもないことです。現代の忙しさが、現代に相応する心の安定をつ
くりあげていないのです。
ともかく、端的にこれを身につけるのだったら、始めは、もちろん見せか
けでもかまいません。ゆとりのあるように行動することです。それが、次第
に心の均衡をつくりあげて、ついには本物になります。長期的に、これをつ
くりあげるものは、やはり自信と豊富な経験ということになります。
2.自己啓発
自己啓発は、常に自分の能力を自分で開発し、実践していくことです。そ
のためには、創造力を伸ばしていくことが必要です。全ての仕事に創造力は
必要ですが、特に、セールス活動においては、創造力は極めて大切であり、
また、そうしなければ、仕事はマンネリ化し、つまらないものになってしま
います。
したがって、ぼんやりと惰性だけで仕事をしていては駄目です。積極的に
自分自身を啓発していく努力が必要なのです。
では、どうしたら、自己啓発が図れるでしょうか。実践的な自己啓発の進
め方を、いくつか紹介することにします。
(1)目標を定め、将来のビジョンを描く
目標のない人は、舵のない船のようなものです。目標のないところに、努
力は存在しないし、自己のビジョンを描くこともできません。目標は、人に
やる気を与える源泉なのです。
目標をつくる場合、「なにを」「どこまでやるか」、いいかえれば、どん
な「期待する成果」を生み出そうとしているのかを、はっきりと決めておく
ことが大切です。
そして、期限を設定することです。目標達成までの行動計画が決められる
ようになるからです。また、過程におけるチェック時にも、期限は必要にな
ります。
(2)読書をする
ベーコンは、「読書するということは、完全な人間をつくり、話をすると
いうことは、機転のきく人間をつくり、書くということは、正確な人間をつ
くる」といっています。
「読む」ということは、「考える」ことにも通じます。さらに、考えなが
ら読めば、もっとすばらしいものになります。
読むものには、いろいろあます。新聞・単行本・雑誌・資料などがありま
す。これらを求めて読むことによって、人間的にも、知識的にも、豊かさが
出てきて大変な格差が出てくるはずです。
(3)記録せよ
記憶より記録のほうが確かです。計画も頭で考えると同時に、文字で書き
表すことが大事です。すこし極端な言い方をすると、探すとか、思い出すと
か、いった努力は、精力の消耗にすぎないからです。
したがって、いろいろな情報を内容別に整理しておけば、必要な実務情報
を誰よりも多く持てるようになります。
(4)能力以上の仕事をせよ
自分の持っている能力以内の仕事をしていては、伸びが止まります。「自
分の能力を急速に向上させたかったら、難しい仕事を引き受けて、それをや
り遂げることである」という言葉があるように、20%、30%増しの仕事
に取り組んでみることです。
(5)生涯の師を持ち、他人に学べ
賢者とは、全ての人々から学びうる人を意味しているようですが、それに
は、まず、謙虚な心が大切です。
なるべく多方面に友人を持つようにするとよいのですが、その際、自分の
仕事に直接関係のない友人ができればベターです。
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●閑話休題「人生はコンテストではない」
人生は、コンテストでもなければ競争でもないのです。各人が各人の意志
によってそれぞれ個性を発揮して、悠久に続く歴史の一コマとして生活して
いるのに、
成果主義のみが生きがいである、といった思考法を持ち込んでし
まったのが間違いのもとなのです。
構成員の多くが
成果主義にとりつかれている組織は、強そうに見えて弱く、
特に混迷に遭遇すると弱体化してしまいます。
これと反対に
成果主義を離れて、各人が各人の部署に全力を尽くしている
組織は強い、つまり成果よりも自分の本分を尽くすことに生きがいをる止め
ている人がたくさんいるからです。
成果主義にとりつかれている人は、身と心から人間的な情味に吸い取られ
ていることがわからないのです。ぬけがらような成果のみに頭の固まった人
生街道の走り方は、もし、そのコースにハードルが出現したら、ハードルに
引っ掛ってしまうことは確かです。
それよりも、同僚が先に走って行ってもかまわない、落ち着いて、確実に
自分の足もとを固め、実績を積み上げていく人の方が最後のゴールに安着す
ることになります。
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●追記「多田富雄さんの聞くより」
以下の文章は、東大名誉教授の多田富雄さんが、朝日新聞に掲載していま
す第一回目の文章の一文を紹介します。
多田富雄さん(74)は、世界的な免疫学者で「能」作者、文筆家にして、
第1級の障害者である。脳梗塞に倒れて7年。日々、後遺症と闘いながら、
何とか左手だけでパソコンを打ち、命の言葉を紡いできた。最近、社会に向
けた発言が増えている。パソコンを通じて聞いた。
~略 戦後の復興期には、私たちも貧しかったが、少なくとも人間らしい
健康な日常がありました。そして誰もが意見をもっていた。学生だって、時
には反体制の運動に走るくらい元気がありました。
ところが最近は、暮らしの原理ともいえる憲法を改正する国民投票法が強
行採決されても、文句も出ないし、デモらしいデモも起こらない。
昭和の日本には社会の中心となる健全な中流が育っていました。日本はこ
の健全な中流に支えられていたのです。それが過剰な競争と能率主義、成果
主義、市場原理主義で「格差」が広がり、もはや中流はろくに発言できなく
なった。健康な社会ではなくなった。~略
日本はいつからこんな冷たい国になってしまったのでしょう。病にかかっ
ているとしか見えません。
連載も6回目になりますが、後4年で
後期高齢者医療制度の対称になる私
は、胸が痛くなるとともに、同感することが多々あります。この中略しまし
た一文だけをお読みになった読者の皆さんは、どのようにお考えでしょうか。
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■コンサルティング・講演会などお任せください。
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★生産方式の改善・セル生産方式への移行したい!
★部品・仕掛品・製品在庫の削減をしたい!
★開発・設計期間の短縮をしたい!
★セールス活動の効率化を図りたい!
★商談技術を強化したい!
★市場開拓への戦略構想をつくりあげたい!
★
目標管理の導入・定着を図りたい!
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人事評価制度を策定したい!
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