金融機関は債権回収した予告手当原資の返還に応じる義務はあるか

こんにちは

私見です。

基本的に金融機関は融資額については、取引先企業との約款で、会社の経営状況をみて預金と相殺できる契約を結んでいます。今回の解雇予告手当の件は、会社倒産に係るリスクとして、単に契約上の履行をしただけに過ぎないでしょう。
銀行は振り込み受付をしましたが、例えば、複数の振り込み依頼があったものの、解雇予告手当の分の振り込み依頼だけを拒否したわけではないです。
おそらく、倒産のリスクから預金と融資の相殺条項を適用して、残高ゼロで、その結果振り込みができなくなったというような言い分になるのではないでしょうか。
預金は金融機関と企業の間の契約です。その企業従業員のことまでは関知しません。
一般的に、社員は企業の細かい財務内容までは把握することは難しいです。
例えば、今回の件を参考にして、労働組合が自分たちの労働債権を確保するために、当該金融機関の会社預金に対して事前に「差し押さえ」をしようとしても、金融機関は差し押さえに対して「預金と融資の相殺」を行いますので回収できません。
そもそも、会社が融資を受けている金融機関での対応でしたが、それが融資を受けていない金融機関からの送金であればできたはずです（他行預金や現金があれば）。





> 私の知り合いの、倒産した会社の、労働者と取引金融機関の話です。
> 経営再建をあきらめた会社の経営者は、月末に労働者に解雇を通告し、解雇予告手当を翌月一日に各自の口座に振り込んで支払うと約束しました。
> 経営者は、月末に取引金融機関に、労働者への解雇予告手当の送金の手続きをし、金融機関も通常のように受け付けたようです。
> しかし実際には、その金融機関は、自身の債権を会社口座から取り立てたため、翌日（翌月一日）と経営者が労働者に約束していた振込は行われず、それに気づいた労組の、解雇予告手当を送金してほしいとの銀行への要請も断っているようです。
>
> 解雇予告手当は労働債権として扱われることもあるようですが、取引金融機関が自身の債権をあらかじめ取り立てたなら、ひどい話だと思いますが、金融機関ですから、会社の財務や倒産手続きを開始する様子などを知る機会はあったと思います。　しかし、月末まで知らされることのなかった労働組合からの要請を断ることは、法的どうなのかと思っています。

早速のご返答ありがとうございます。　

やはり、法的に返還に応じる義務はないということですね。

経営者があらかじめ金融機関と交わした契約とはいえ、法的には、金融機関が融資を回収した残りの「貧乏くじ」しか労働者は受け取れないというのは、やはり、残念に思います。　

法の限界なら、労組と管財人と、金融機関の協議によるしかないのですね。

融資先の労働者含め、競合する債権者と競争しながら、ほかより、どのように早く多く回収するかは、銀行マンのスキルですが、その労働者たちもひょっとしたら自行の預金者かもしれないことに思いをはせてもらい、真摯に協議に臨んでほしいと思います。