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譲渡制限株の買戻し請求について

著者 知ろうと集団 さん

最終更新日:2008年07月05日 15:07

会社の業績が芳しくなくなり、会社都合で退職しました。入社の際、非上場で譲渡制限のある株を(増資分割当てで購入)買っていましたので、買戻しを請求しましたら、会社が赤字なので無理であり、対応が難しい、社員間で個人的に売買してくれと言われましたが、持ち株会がある訳ではなく、取引の相手方の当てもなくて困っています。株式の取扱い規程では、社員しか株を保有できないこと、退職の際は取得額で買い戻すことが定められていたと記憶しています。具体的にどういう手続きをどこに対してしたら良いのか、また会社の義務はどうあるのかについてお教え頂ければありがたいのですが。宜しくお願いいたします。

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Re: 譲渡制限株の買戻し請求について

> 会社の業績が芳しくなくなり、会社都合で退職しました。入社の際、非上場で譲渡制限のある株を(増資分割当てで購入)買っていましたので、買戻しを請求しましたら、会社が赤字なので無理であり、対応が難しい、社員間で個人的に売買してくれと言われましたが、持ち株会がある訳ではなく、取引の相手方の当てもなくて困っています。株式の取扱い規程では、社員しか株を保有できないこと、退職の際は取得額で買い戻すことが定められていたと記憶しています。具体的にどういう手続きをどこに対してしたら良いのか、また会社の義務はどうあるのかについてお教え頂ければありがたいのですが。宜しくお願いいたします。

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株式の譲渡制限についてはご理解いただいていると思いますが、株式譲渡の自由の例外として、定款に定めることにより、株式譲渡にあたって承認権限を有する機関による決議を要するとする制限を設けることと決められています。(会社法107条2項1号、108条1項4号、108条2項4号)

従来の商法では取締役会を承認機関としていたが、現在では取締役会を設置している会社では取締役会、それ以外の会社では株主総会を原則的な承認機関とし、定款の定めにより他の機関(例:代表取締役)を承認機関とすることができるとしています(会社法139条1項)。

譲渡制限を付された株式の譲渡を希望する者の譲渡希望が承認されない場合、譲渡希望者は、会社または会社の指定する者に買取を請求することができるとみなされます。
会社は、その行使を行う義務を負っています。
会社が買い取る場合の譲渡価格は1株当たり純資産額となる場合が多いと思います。

Re: 譲渡制限株の買戻し請求について

著者知ろうと集団さん

2008年07月06日 21:35

akijin様
早速にご回答を頂戴し、ありがとうございます。

社内手続きについては、退職(予定)者の株を買い取る(自己株取得)旨を6月の取締役会で承認されたように聞いています。ただ会社として買い戻す原資が無いことを理由に、ズルズルと時間が経過している状況です。今後すみやかに買取りを履行してもらえるかと言う点で、若干頼りない面もありますので、御説明戴いたような買取請求を内容証明郵便で送り付けようかと考えています。
買取価格は1株当たり純資産額と仰られましたが、6月末開催された株主総会で配られた3月決算の事業報告に1株当たり純資産額が明記されておりますので、これを根拠とし買取価格を当方から申し立てるのは乱暴でしょうか。退職時の説明では、株式取扱規程(事実かどうかは確認していません)に基づき、取得価額で買い戻すとのことでしたが。

すみませんが、もう一度ご教示お願いいたします。
よろしくお願い申し上げます。

Re: 譲渡制限株の買戻し請求について

> akijin様
> 早速にご回答を頂戴し、ありがとうございます。
>
> 社内手続きについては、退職(予定)者の株を買い取る(自己株取得)旨を6月の取締役会で承認されたように聞いています。ただ会社として買い戻す原資が無いことを理由に、ズルズルと時間が経過している状況です。今後すみやかに買取りを履行してもらえるかと言う点で、若干頼りない面もありますので、御説明戴いたような買取請求を内容証明郵便で送り付けようかと考えています。
> 買取価格は1株当たり純資産額と仰られましたが、6月末開催された株主総会で配られた3月決算の事業報告に1株当たり純資産額が明記されておりますので、これを根拠とし買取価格を当方から申し立てるのは乱暴でしょうか。退職時の説明では、株式取扱規程(事実かどうかは確認していません)に基づき、取得価額で買い戻すとのことでしたが。
>
> すみませんが、もう一度ご教示お願いいたします。
> よろしくお願い申し上げます。

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 従業員持株会で一番問題になるのは、退職した従業員からいくらで自社株を買い取るかということですね。
一般的には配当還元価額が多いように思われますが、中には額面金額のところもあります。よく問題になるのは、取得したときは額面金額で行ったものの、買い取るときにはどうするかということです。
 (イ) 取得時が額面金額だから買い取るときも額面金額である。
 (ロ) 取得時は取得時、買い取るときはその時の時価である配当還元価額である。
 (ハ) 従来から1株500円で買い取ってきたから、今回もそれにならい、過去からの慣行を貫く。
などいろいろな主張があると思います。
 要は、従業員株主がいくらで納得するかですね。納得する基準を設けたなら、それを従業員持株会の規約の中で買取価格として明記しておくことが少しでもトラブルを避ける対策となります。
 では、オーナー一族が従業員から買い取る場合には、税務上の時価は財産評価基本通達による原則的評価方法とされています。これれによる株価は非常に高いものとなります。もし、これよりも低い金額で買うとすれば、オーナー一族の者が贈与を受けたとして贈与税がかかります。
 それでは課税上の問題がなく買い取るにはどうすればよいかというといいますと、従業員持株会の理事長がいったん買い取り、それ以後の日に買い取った持株を従業員持株会に加入している他の従業員に売却する方法をとればよいわけです。この方法なら買う人は従業員ですから、財産評価基本通達における時価は配当還元価額となりますので問題は発生しないと考えます。

 商法の改正により、会社も自己株式を取得することができるようになりました。そこで、退職した従業員から自社株を買う場合には金庫株の買取りの規程を利用し、会社自身が自社株を買います。そうして自己株式にした後、その自己株式従業員持株会に所属している他の従業員に売却します。このときの税務上の時価は、通達により従業員ならば配当還元価額でよいとされています。

通常では、退職等による持ち株会買取につい「持ち株会規則」で決められていると思います。その規定が完全でなく、裁判等により問題が多数発生しています。そのため、その規定を求めることが企業の責務ともいえます。

Re: 譲渡制限株の買戻し請求について

著者知ろうと集団さん

2008年07月07日 09:59

akijin様
重ね重ね懇切な回答を頂戴し、恐縮です。

持ち株会が無いのが難点ですが、再度、会社側と交渉をしてみます。場合によっては、監査役(社外、弁護士)に善処を求めようかと考えています。
ありがとうございました。

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