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【テンプレート付】「スキルマップ」とは?作り方や活用方法を解説

2023.02.09

新しい人材を採用するだけでなく、今いる人材を活用することも会社の成長には重要な考え方です。社員としても自身の成長を感じられないと働くモチベーションが低下してしまうでしょう。今回は、会社と個人それぞれを成長させるために必要な”スキルマップ”の作成方法について解説します。

「スキルマップ」とは

組織の未来像の実現に向けて、人材育成や業務改善を行なう際に役立つツールとして”スキルマップ”があります。事業計画とスキルマップを紐づけて、自社の要員計画を定めることができます。組織に属する社員一人ひとりが保有しているスキルを見える化するだけではなく、完全に習得するまでに要する期間や更に習得が期待されるスキルなどを検討する材料として活用することもでき、組織全体で人材育成への意識を高めることも可能です。

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「スキル」とは

そもそもスキルとは、Skill(技能、腕前、熟練仕事)という英語を日本のビジネスシーンでも用いるようになった言葉で、仕事する上で習得している技能・技術、あるいは資格や知識を指します。職務や業種によって必要とされるスキルは異なるため、スキルマップを作成することで、採用活動を行う上でも活用することができます。

スキルマップの作り方

スキルマップは、以下の段取りで作成すると良いでしょう。

①スキルマップに用いるスキル項目を決める

現場の業務を経験・理解しているメンバーをまじえて洗い出していくと良いでしょう。事業・部門ごとに分け、どの程度まで細分化するか決めて、業務ごとに必要なスキルを考えていきます。あまり細かく考え過ぎると、際限がなくなってしまいますので、ある程度大まかなところまで決めておき、③を考えていく段階で必要になれば都度スキル項目を追加したり精査していくと良いでしょう。

②各スキル項目について、基準を決める

それぞれのスキルについて、習得度合い・発揮度合いを表す基準(レベル)を決めます。添付のスキルマップを参考にしてください。

③それぞれのメンバーに関し、スキルレベルを決める

各スキル項目に関し、メンバーのレベルがどの程度なのか話し合っていきます。ここでも、なるべく現場のメンバーをまじえて考えていきましょう。

④社内に共有する

スキルマップの内容を周知するだけでなく、作成した目的や導入の意図、今後の活用策、アップデートしていくスケジュールなどについても共有していくことが重要です。

⑤随時アップデートする

事業内容の変化や社内外の状況によって、スキル項目も変化してゆきます。また、各メンバーの成長によってスキルレベルも上がっていくはずです。一年に一度など期間を定めて、会議で時間を設けるなど見直しの場をあらかじめ設定し、アップデートしていくようにしましょう。

幹部や人事部だけではなく、さまざまな部署や現場のメンバーもまじえて策定していくことで、参画意識が芽生え、スキルマップ完成後に後述の新人育成プログラム等を運用していく際にもプロジェクトメンバーとして関わりやすくなります。他人ごとだと継続性がありませんので、なるべく”自分たちごと”として取り組んでいく空気感をつくることも重要です。

>>>スキルマップのテンプレートはこちら

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スキルマップ活用のすべ

スキルマップは、作成して完了ではありません。要員計画を立てるために活用していくことはもちろんですが、職場の日常に取り入れていくことが重要です。例えば、現状のスキルレベルを踏まえて強化するスキルを1on1ミーティング等で話し合ったり、採用後の新入社員の育成に活かしていくこともできます(新人育成プログラム)。

社会経験の少ない新卒社員が入社した場合、まず社会人としての基礎から教えなければなりません。また、中途入社の社員に関しても、前職で培った価値観や経験を一度リセットし、自社の企業文化に早くなじんで自社でのキャリアを明確にイメージできるようにしなければなりません。重要なのは、”仕事の内容”ではなく、”仕事の意義や意味”、”働く喜び”で社員同士のつながりを強めていくことです。

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組織全体での運営を

しかし、育成を現場任せにしてしまうと、仕事上の技術はもとより、新人の仕事観や会社の見方、そして定着率までもが、現場のリーダーの力量次第となってしまいます。そこで、現場の社員全員を巻き込んだ育成体制を作ることで、現場のリーダー任せになることを防ぎ、自社の企業文化に即した社員を育てていくことができます。

【手順1】プログラム作成メンバー(現場の社員+リーダー)で集まる
【手順2】成長を期待する期間を定め(6ヶ月~1年)、スキルマップを踏まえて新人が習得すべき項目を決める
【手順3】手順2の内容を「成長シート」にまとめると共に、期間ごとの「到達チェックシート」を作成する

新人のスキル習得の進捗度合いやできた項目・できない項目を色分けし、視覚的に表現することも効果的です。クラウドツールを使うことで、新人に関わるメンバー皆で共有することができます。色分けされた表をみて、当人の承認欲求や心理的安全性を補完することができ、周りの先輩達も新人を積極的に指導するというプラスの相乗効果を職場の中に生じさせることができます。

「リスキリング」の活用

また、スキルマップを定期的に更新していく過程で、”リスキリング”にも活用していくことができるでしょう。リスキリングとは、働き方の変化によって、今後発生する業務で必要となるスキルや知識取得のため、社員に勉強してもらう取り組みのことです。いま、国もリスキリングに力を入れ始め、各企業・社員における新たなスキル習得のための学びの機会づくりを後押ししています。例えば、自社の今後の新規事業展開において、デジタル化やグリーン化(グリーン・カーボンニュートラル化)などを検討していく上で、どのようなスキルが必要なのかを考え、スキルマップ化していくことで、人材育成や採用計画を幅広く考えていくことができるでしょう。

まとめ

今の20代~30代は、子供時代にゲームに親しんで育ってきた人も多く、さまざまなアイテムを搭載してゲームを楽しんでいく感覚で、”仕事を通して新たなスキルを習得し自身のキャリアを強化していく”という思考をもつ人が多いともいわれています。これから社会に出る若手世代ともなれば、さらにその傾向は強まるでしょう。

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社員の主体性を向上させる

スキルマップを作成して各自のスキルが見える化されることで、本人にとっても「来年はこのスキルを習得できるようにがんばろう」「3年後にはある程度のスキルを指導できるようにしよう」と目標意識をもって仕事に取り組めるようになります。また、「Will・Can・Must」というキャリアの三つの視点で考えると、スキルを習得していくことは”Can(できること)”を増やしていくことでもあります。その職務・業務を担う以上は、役割として”やるべきこと(Must)”に取り組み、”できること(Can)”へと変化させることが重要です。そして、経験を積んで自身の”できること(Can)”を広げていくことが、”やりたいこと(Will)”を増やすことにもつながり、それら三つの重なりが大きくなることで当人の主体性も高まるといわれています。

現代におけるキャリアの考え方

しかし、これからの時代、業務プロセスや情報の多様化・複雑化は進み、世の中の変化のスピードも速まり、キャリアにおいても一人で”三つの輪”を完結させることは難しくなるともいえます。一人ひとりのスキルをチームの共有資産と捉えて、Will・Can・Mustの三つの輪もチームの中で重なりを増やしていく、という思考を持ってみることも重要です。そのためには、まずはチーム・組織における自身の「やりたいこと」を考え、それに対してお互いに「どのようなことをサポートできるか」「どのような点で応援したいか」を対話した上で、そのために必要なスキルを皆で洗い出してスキルマップを作成し、役割を明確化したり(Must)、スキルも補い合いながら全体でWillを実現していく、という考えかたで捉えていくことも大切ではないかと思います。以下から汎用的な書き方例を示したスキルマップのテンプレートをダウンロードいただけます。ぜひスキル部分を自社にあった内容にカスタマイズしてご活用ください。

>>>スキルマップのテンプレートはこちら

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