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経営者

新しい働き方「ABW」を導入し成功!SO Technologies株式会社の代表取締役・荒木 央氏インタビュー

時代の最先端をひた走る経営者に、経営の本質に関わる“5つの問い”を投げかけ、成功の秘訣を紐解くのが本連載「成功を掴んだターニングポイント」。今回は、SO Technologies株式会社の代表取締役・荒木 央氏にお話を伺いました。

同社は「稼ぐ力をこの国のすみずみまで。」をミッションに掲げ、日本全国の中小企業向けにマーケティングテクノロジーを提供しています。運用型広告を統合管理する広告会社支援SaaS「ATOM」や、広告会社向けにネット広告の媒体仕入・提案・運用を支援する「AG-Boost」など多数のサービスを開発し、広告運用の効率化や事業拡大をサポートしています。そんなSO Technologies株式会社の荒木氏に“5つの問い”を投げかけてみました。

<プロフィール>
SO Technologies株式会社
代表取締役
荒木 央

オーバーチュア株式会社(現Yahoo! JAPAN)に入社し大手Web専業代理店の営業に従事。2015年株式会社サーチライフ(SO Technologies株式会社の前身企業)へ入社。ソーシャルメディアの仕入、運用代行、レポーティングを一気通貫で提供するパッケージ商材の開発と営業責任者、運用代行事業の責任者を務める。その後、取締役に就任。2019年7月より、SO Technologies株式会社で執行役員と兼務で「AG-Boost」と「CUSTA」のプロダクトオーナーとして従事。2023年1月より現職。

Q1.貴社の事業について教えてください

日本全国に「稼ぐ力」を届けるため、我々の得意なデジタルマーケティングのノウハウと、テクノロジーを掛け合わせたサービスを広告会社に提供し支援を行っています。広告会社の抱える課題には、営業課題や人材課題、業務効率課題などがありますが、弊社はそれぞれの課題に対応するサービスを持っています。

たとえば、広告にはテレビCMや新聞広告などさまざまな種類がありますが、その中でもネット広告は他の広告と比べるとまだ後発です。広告会社によっては得意領域ではないため「とっつきにくい」と感じていたり、何から始めてよいかわからないと悩まれていたりする場合もあります。「AG-Boost」は、そのようなネット広告に力を入れたい広告会社向けに提供しています。

弊社のユニークな点としては、都市圏ではない地域や中小企業を中心に支援しているところです。いわゆる地方・中小企業は、大手企業と比べると、デジタルマーケティングへの知識がそこまでない場合が多く、商品やサービスは魅力的なのに、なかなかよさを伝えられていないケースがあります。そこを我々が広告会社を通じて支援することで、そのビジネスをどんどん拡大、活性化させることに繋がります。

Q2.創業から「組織づくり」における苦労はありましたか?

弊社は、2019年7月に「株式会社サーチライフ」と「株式会社テクロコ」という2社が合併してできた会社なのですが、2社の文化をどのようにして融合させていくかは、経営陣でかなり議論しました。さまざまな議論を交わしたのですが、結論として、すごくスムーズに行きました。

その要因としては、2社の“採用基準”が似ていたところにあります。私が在籍していた株式会社サーチライフでは、シンプルかつカジュアルにいうと「いいやつ」というのが採用のポイントでした。要するに「素直で、謙虚に学ぶ姿勢があるか」というところを見ていました。優秀かどうかよりも、そういった姿勢や性格を重視するようにしていて、一緒に働いて議論したり、プレゼンしたりするところを想像できるかどうかを面接時に見ていました。

2社ともに働いている人の性質が似ていることもあってか、すぐにコロナ禍に入ったにも関わらず合併はスムーズにいきました。たとえば、コロナ禍以前のことですが広告運用メンバーとエンジニアの飲み会中に話題に挙がった「広告運用の困りごと」をもとに、 エンジニアが翌日には悩みを解決できるソフトウェアのベータ版をつくってきたという話もありました。

Q3.オフィス移転のきっかけとその後の変化は?

2020年11月に、フルリモートワーク・フルフレックスタイム主体の新しい働き方に合わせたオフィスに移転しました。コロナ禍での設計、施工、移転であったため、Withコロナ、Afterコロナに対応できるオフィスになっています。「ABW+3C」(Activity Based Working + Communication,Collaboration,Covid-19)をコンセプトにしています。ABWとは、働く人が作業をするために最適な場所を自分で選ぶことができるワークスタイルのことです。

個室ブースが多数あったり、大型セミナールームやカフェスペース、リフレッシュスペースなど多様なスペースが設けられています。今後は、社会情勢の変化と社員の声を反映してチューニングしていきたいと考えています。

また弊社では、自宅、オフィス、サテライトオフィスなど、それぞれの特徴を踏まえて生産性の高い働き方を模索しています。

オフィス移転直後は「出社したら朝から夜までデスクに向き合うことが多いエンジニアが“ABWオフィス”を使いこなせるのか」と懸念していましたが、その日の気分でさまざまな環境で働くことができるので気分転換になってよいと好評でした。

自宅であれば移動時間がないという意味で効率的な側面はありますし、会社に出社すればさまざまなシーンに対応できるオフィス環境が整っていますので、他の社員とのコラボレーション、コミュニケーションが取れるという意味で生産的な業務が行えます。会社のオフィスだけでなく、社会全体を通してABWを実践していると考えています。

Q4.企業の成長につながるオフィス環境とはどんなものでしょうか。

個々の社員が持っている力を最大限発揮でき、また他の社員との業務連携による相乗効果を発揮できるオフィス環境だと思います。

もう少し具体的にいうと、営業職であればクライアントとの折衝がストレスなく行える、集中して提案書を作成できること、エンジニアであれば、集中してプログラミングができることや、他のメンバーと闊達なディスカッションができること、そしてリフレッシュできるスペースも用意されていることなどです。

このように画一的なものではなく、社員自身がパフォーマンスを高められる場所を自ら選択できるオフィス環境が必要だと考えています。

Q5.今後の展望について教えてください

日本には約9,000社程度の広告会社があるといわれていますが、そのすべてに我々のサービスが入り支援することが展望の一つです。

もう一つは、47都道府県に必ず社員が1人以上いるという状態をつくりたいと考えています。現時点でも、居住地を問わないフルリモート採用を行っているだけでなく、オフィス近郊から地元やその他地域に移住しているメンバーもおり、着実に全国各地にメンバーが増えています。全国各地にメンバーが住んでいて、全国のお客様を細やかに支援する体制を整えていきたいです。

***

今回はコロナ禍の最中にオフィス移転に踏み切った企業のリアルなお話を聞くことができました。社会情勢や社員たちの働き方の変化によって、オフィスの在り方も変化させていく姿勢は学ぶべきものがあるのではないでしょうか。ぜひ参考にしてみてください。

【その他経営者インタビューはこちら】

Interview&Photo/Takanobu Sasaki

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