★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
シリーズ「優れた経営者の
コンピテンシーを学ぶ!」
<第318回>[(第16話)「小売業再生の鬼、大久保恒夫氏のコーチング力!」
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
今話題の「会社を救う
コンピテンシー」とは何かと
コンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「優れた経営者の
コンピテンシーを学ぶ!」と題して様々な角度から鋭く分析した記事を紹介して
いきます。中小企業の経営者の方、管理者の方、
人事担当者の方に是非ともお読
みいただきたいと思います。
===========================
今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論
1.イトーヨーカドーで「小売のイロハ」を学ぶ!
2.提案書に対して全部やると言ってくれたユニクロ柳井会長!
3.成城石井の社長としての再生活動!
【3】今日のまとめ
【4】編集後記
===========================
首都圏を中心に65店舗展開する成城石井という老舗のスーパーがある。激安ス
ーパーとは一線を画しちょっと贅沢、ちょっとこだわりの顧客に支持され繁盛し
てきた。
ところがこのスーパーの経営者が焼肉チェーン牛角を運営する経営者に代わって
から、下降線をたどっていた。大久保氏はあるファンドから声が掛かり成城石井
の社長に就任することになった。社長に就任して2年で利益を3倍に伸ばした。
小売業再生の鬼である。
大久保氏は大学卒業後イトーヨーカドーに入社した。1979年のことである。学生
時代はフォークソングとマージャンに明け暮れ、ろくに勉強しなかったそうだ。
大学の同級生たちはほとんどが一流の銀行や大手商社に入社してバリバリ働いて
いた。「大久保、小売なんかに入ってしまって大丈夫なのか」と心配してくれる
人もいたという。
大久保氏は子供のときから会社の社長になるのが夢だった。イトーヨーカドーで
は業務改革の主要メンバーとしてセブンイレブンを創設した鈴木敏文さん(現セ
ブン&アイ・ホールディングス会長)を補佐しながら経営の実践を学んだ。この
ことが後々大久保氏の大きな財産になった。
社長になるといっても地盤がないからまずはコンサルタントから出発しようと考
え、33歳でイトーヨーカドーを
退職し外資系のコンサルタント会社に転職した。
この会社のスタッフは全員がMBA(経営学修士)を持っていたが現場での実践
経験がなく自分のほうが経営戦略においては抜きん出ていた。このコンサルタン
ト会社には結局1年もいないで去り、縁あって財団
法人流通経済研究所に入所、
そして1年半後にはついにコンサルティング会社「リテイルサイエンス」を設立
することになった。
その後ユニクロや良品計画の改革に携わり、特に柳井会長には提案書に対して
「全部やります」と言わしめ、ユニクロのV字回復に貢献することとなった。
今回は大久保恒夫氏の「コーチング力」なる
コンピテンシーに迫ってみる。
【1】心に刻んでおきたい言葉
***********************************************************************
変えるのではなく変わるのを待つ。そのためのきっかけを与える。
大久保恒夫
***********************************************************************
【2】メルマガ本論
[(第16話)小売業再生の鬼、大久保恒夫氏のコーチング力!]
1.イトーヨーカドーで「小売のイロハ」を学ぶ!
大久保氏がイトーヨーカドーに入社した当時、イトーヨーカドーは飛ぶ鳥を落と
す勢いだった。GMS(General Merchandize Store:総合スーパー)の老舗で
あった。GMSでは食糧品、衣料品、日用雑貨品を約3:3:3の割合で構成す
る。そのため小売のほぼ全てのカテゴリーについて学べる環境にあった。
鈴木敏文氏は大手書籍卸から転職した人で、新規事業としてセブンイレブンを立
ち上げコンビニという業態を根付かせた偉人でもある。そのような偉人を補佐し
て仕事をすることは小売を勉強する上で最高の舞台だった。
2.提案書に対して全部やると言ってくれたユニクロ柳井会長!
コンサルティング会社を立ち上げたもののしばらくは大規模な仕事は舞い込んで
こなかった。そんな時知人を通してユニクロを運営するファーストリテイリング
の柳井会長から仕事が舞い込んだ。当時ファーストリテイリングは新規事業を多
数手がけ、既存事業が伸び悩んでいた。
仕事はもらったものの柳井会長はコンサルタントが大嫌いな人として有名だった
という。その柳井会長に提案書をプレゼンしたとき、柳井会長は同席した
役員に
対して一人ひとり意見を求めた。
役員たちはこれまでのユニクロを否定する内容
の提案書に対して無難な返事に明け暮れ、煮え切らなかった。柳井会長の切り返
しが怖かったのかもしれない。そのとき柳井会長は「全部やります」と答えた。
例えば当時の売り場では売れ筋商品が品切ればかり起こし、死に筋商品ばかりが
たくさん陳列されていたという。本部主導の品揃えと配送で売れ筋が品薄だった
のである。しかも店長に権限はなく本部の指示待ちで動いていた。たくさんの改
革を実施し、フリースのヒットとあいまってたちまちV字回復に向かうことにな
った。
3.成城石井の社長としての再生活動!
2007年1月、成城石井の社長に就任した。小売の社長をやりたいという思いがつ
いに実現したのである。
商品開発力も低下していたが特に小売の現場にまで
成果主義の悪い面がはびこり、
店長とスタッフの絆はなかった。そのため元気な挨拶すらできず、職場は疲弊し
ていた。そんな店舗があっちにもこっちにもあり、業績が低迷していたのである。
まず店長を中心とした「チーム力」を立て直すことに力を注いだ。大久保氏が掲
げる小売の成功3原則は明確だ。
□ 明るく挨拶すること
□ 清潔であること(クリーンネス)
□ 品切れを起こさないこと
の三つだ。
店舗の棚には人気商品を陳列する「優位置」と不人気だが必要な商品を陳列する
「劣位置」がある。それからお客が選ぶことに喜びを感じてくれる「見せ筋」も
配慮して棚割りを決めなければならない。客層は店舗ごとの立地によって異なる。
お客の層や店舗内のお客の動線を観察しながら店長とスタッフのチームワークで
改善していかなければならない。
店長が店作りに対する自分の思いをスタッフに伝える。スタッフの共感と支持を
得る。このプロセスがうまく機能するように店長にアドバイスを送る。「解」は
店長が自分で見つけて実行する。
大久保氏は社長の席にいることは少ない。店舗回りに明け暮れるからだ。決して
怒鳴ったり命令したりはしない。ヒントを与え、考えさせる。自ら考えて動く人
を育てようとしている。変えるのではなく、変わるのを辛抱強く待つ。大久保氏
の「コーチング力」なる
コンピテンシーが疲弊した店舗を次々再生させるのだ。
【3】今日のまとめ
1.鈴木敏文氏のような日本を代表する経営者の補佐をしながら経営戦略やその
実践を学んだことが大久保氏の大きな財産になっていること。
2.ファーストリテイリングの柳井会長からコンサルティングの仕事をもらい、
誠心誠意提案書にまとめて提出した結果「全部やります」と言われたときの
感動は忘れられないこと。コンサルタント冥利に尽きること。
3.小売は特に気持ち、心が大切であること。「元気な挨拶」、「清潔」、「品
切れを起こさない」の三つは必須条件であること。
コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒
3223898301@jcom.home.ne.jp
【4】編集後記
大久保氏がある店舗を巡回したとき売り場のショーケースが品薄状態だった。店
長にしてみれば売れ残りが出るのが心配なのだ。大久保氏は店長会議で「あえて
ロスを出しなさい。豊富な品揃えでたくさん売れればロスは問題ではありません」
と指示した。
分かりやすく説得力のあるアドバイスに皆納顔だ。その後この店舗の業績は急回
復した。
大久保氏は「人間は成功しても失敗しても必ず成長しますから」と力強く言って
いたのが印象的だ。
<この記事はNHKの2009年11月放送の「プロフェッショナル 仕事の流儀」も参考にしています。>
=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
次回に続く。
***********************************************************************
発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから
3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
こちらから
http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/
(協)さいたま総合研究所のHPはこちらから
http://www.ss-net.com
***********************************************************************
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
シリーズ「優れた経営者のコンピテンシーを学ぶ!」
<第318回>[(第16話)「小売業再生の鬼、大久保恒夫氏のコーチング力!」
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「優れた経営者の
コンピテンシーを学ぶ!」と題して様々な角度から鋭く分析した記事を紹介して
いきます。中小企業の経営者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読
みいただきたいと思います。
===========================
今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論
1.イトーヨーカドーで「小売のイロハ」を学ぶ!
2.提案書に対して全部やると言ってくれたユニクロ柳井会長!
3.成城石井の社長としての再生活動!
【3】今日のまとめ
【4】編集後記
===========================
首都圏を中心に65店舗展開する成城石井という老舗のスーパーがある。激安ス
ーパーとは一線を画しちょっと贅沢、ちょっとこだわりの顧客に支持され繁盛し
てきた。
ところがこのスーパーの経営者が焼肉チェーン牛角を運営する経営者に代わって
から、下降線をたどっていた。大久保氏はあるファンドから声が掛かり成城石井
の社長に就任することになった。社長に就任して2年で利益を3倍に伸ばした。
小売業再生の鬼である。
大久保氏は大学卒業後イトーヨーカドーに入社した。1979年のことである。学生
時代はフォークソングとマージャンに明け暮れ、ろくに勉強しなかったそうだ。
大学の同級生たちはほとんどが一流の銀行や大手商社に入社してバリバリ働いて
いた。「大久保、小売なんかに入ってしまって大丈夫なのか」と心配してくれる
人もいたという。
大久保氏は子供のときから会社の社長になるのが夢だった。イトーヨーカドーで
は業務改革の主要メンバーとしてセブンイレブンを創設した鈴木敏文さん(現セ
ブン&アイ・ホールディングス会長)を補佐しながら経営の実践を学んだ。この
ことが後々大久保氏の大きな財産になった。
社長になるといっても地盤がないからまずはコンサルタントから出発しようと考
え、33歳でイトーヨーカドーを退職し外資系のコンサルタント会社に転職した。
この会社のスタッフは全員がMBA(経営学修士)を持っていたが現場での実践
経験がなく自分のほうが経営戦略においては抜きん出ていた。このコンサルタン
ト会社には結局1年もいないで去り、縁あって財団法人流通経済研究所に入所、
そして1年半後にはついにコンサルティング会社「リテイルサイエンス」を設立
することになった。
その後ユニクロや良品計画の改革に携わり、特に柳井会長には提案書に対して
「全部やります」と言わしめ、ユニクロのV字回復に貢献することとなった。
今回は大久保恒夫氏の「コーチング力」なるコンピテンシーに迫ってみる。
【1】心に刻んでおきたい言葉
***********************************************************************
変えるのではなく変わるのを待つ。そのためのきっかけを与える。
大久保恒夫
***********************************************************************
【2】メルマガ本論
[(第16話)小売業再生の鬼、大久保恒夫氏のコーチング力!]
1.イトーヨーカドーで「小売のイロハ」を学ぶ!
大久保氏がイトーヨーカドーに入社した当時、イトーヨーカドーは飛ぶ鳥を落と
す勢いだった。GMS(General Merchandize Store:総合スーパー)の老舗で
あった。GMSでは食糧品、衣料品、日用雑貨品を約3:3:3の割合で構成す
る。そのため小売のほぼ全てのカテゴリーについて学べる環境にあった。
鈴木敏文氏は大手書籍卸から転職した人で、新規事業としてセブンイレブンを立
ち上げコンビニという業態を根付かせた偉人でもある。そのような偉人を補佐し
て仕事をすることは小売を勉強する上で最高の舞台だった。
2.提案書に対して全部やると言ってくれたユニクロ柳井会長!
コンサルティング会社を立ち上げたもののしばらくは大規模な仕事は舞い込んで
こなかった。そんな時知人を通してユニクロを運営するファーストリテイリング
の柳井会長から仕事が舞い込んだ。当時ファーストリテイリングは新規事業を多
数手がけ、既存事業が伸び悩んでいた。
仕事はもらったものの柳井会長はコンサルタントが大嫌いな人として有名だった
という。その柳井会長に提案書をプレゼンしたとき、柳井会長は同席した役員に
対して一人ひとり意見を求めた。役員たちはこれまでのユニクロを否定する内容
の提案書に対して無難な返事に明け暮れ、煮え切らなかった。柳井会長の切り返
しが怖かったのかもしれない。そのとき柳井会長は「全部やります」と答えた。
例えば当時の売り場では売れ筋商品が品切ればかり起こし、死に筋商品ばかりが
たくさん陳列されていたという。本部主導の品揃えと配送で売れ筋が品薄だった
のである。しかも店長に権限はなく本部の指示待ちで動いていた。たくさんの改
革を実施し、フリースのヒットとあいまってたちまちV字回復に向かうことにな
った。
3.成城石井の社長としての再生活動!
2007年1月、成城石井の社長に就任した。小売の社長をやりたいという思いがつ
いに実現したのである。
商品開発力も低下していたが特に小売の現場にまで成果主義の悪い面がはびこり、
店長とスタッフの絆はなかった。そのため元気な挨拶すらできず、職場は疲弊し
ていた。そんな店舗があっちにもこっちにもあり、業績が低迷していたのである。
まず店長を中心とした「チーム力」を立て直すことに力を注いだ。大久保氏が掲
げる小売の成功3原則は明確だ。
□ 明るく挨拶すること
□ 清潔であること(クリーンネス)
□ 品切れを起こさないこと
の三つだ。
店舗の棚には人気商品を陳列する「優位置」と不人気だが必要な商品を陳列する
「劣位置」がある。それからお客が選ぶことに喜びを感じてくれる「見せ筋」も
配慮して棚割りを決めなければならない。客層は店舗ごとの立地によって異なる。
お客の層や店舗内のお客の動線を観察しながら店長とスタッフのチームワークで
改善していかなければならない。
店長が店作りに対する自分の思いをスタッフに伝える。スタッフの共感と支持を
得る。このプロセスがうまく機能するように店長にアドバイスを送る。「解」は
店長が自分で見つけて実行する。
大久保氏は社長の席にいることは少ない。店舗回りに明け暮れるからだ。決して
怒鳴ったり命令したりはしない。ヒントを与え、考えさせる。自ら考えて動く人
を育てようとしている。変えるのではなく、変わるのを辛抱強く待つ。大久保氏
の「コーチング力」なるコンピテンシーが疲弊した店舗を次々再生させるのだ。
【3】今日のまとめ
1.鈴木敏文氏のような日本を代表する経営者の補佐をしながら経営戦略やその
実践を学んだことが大久保氏の大きな財産になっていること。
2.ファーストリテイリングの柳井会長からコンサルティングの仕事をもらい、
誠心誠意提案書にまとめて提出した結果「全部やります」と言われたときの
感動は忘れられないこと。コンサルタント冥利に尽きること。
3.小売は特に気持ち、心が大切であること。「元気な挨拶」、「清潔」、「品
切れを起こさない」の三つは必須条件であること。
コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒
3223898301@jcom.home.ne.jp
【4】編集後記
大久保氏がある店舗を巡回したとき売り場のショーケースが品薄状態だった。店
長にしてみれば売れ残りが出るのが心配なのだ。大久保氏は店長会議で「あえて
ロスを出しなさい。豊富な品揃えでたくさん売れればロスは問題ではありません」
と指示した。
分かりやすく説得力のあるアドバイスに皆納顔だ。その後この店舗の業績は急回
復した。
大久保氏は「人間は成功しても失敗しても必ず成長しますから」と力強く言って
いたのが印象的だ。
<この記事はNHKの2009年11月放送の「プロフェッショナル 仕事の流儀」も参考にしています。>
=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
次回に続く。
***********************************************************************
発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから
3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
こちらから
http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/
(協)さいたま総合研究所のHPはこちらから
http://www.ss-net.com
***********************************************************************