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■
行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第60号/2005/7/17>■
1.はじめに
3.「
会社法務」編(特別企画)―「
会社法のポイント(4)」
4.編集後記
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1.はじめに
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皆様、こんにちは。
行政書士の津留信康です。
2005/7/6、財団
法人行政書士試験研究センター(※1)HP上に、
「平成17年度
行政書士試験の概要」が、公示されました。
本年度の受験を予定されている方は、10/23(日)の試験日までの約3ヶ月間、
ご自分を信じて、是非頑張ってください。ご健闘をお祈り申し上げます。
一方、先般当メルマガでもご紹介しましたが、
総務省(※2)HP上に、平成18年度以降の
行政書士試験の見直しの一環として、
「改正案に対する意見募集」の告知が掲載されています。
現行の試験内容は、本年度が最後になる可能性が高いようですので、
ご興味のある方は、同省HPをご覧ください。
※1)
http://gyosei-shiken.or.jp/annai/index.html
※2)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050617_2.html
それでは、今回もどうぞ最後までお付き合いください。
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3.「
会社法務」編(特別企画)―「
会社法のポイント(4)」
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■
株式会社の設立手続き―(3)機関設計の柔軟性アップ!
□現行
商法における機関設計について
1.
株主総会は、必置機関です。
2.いかなる
株式会社も、3人以上の
取締役が必要であり(第255条)、
その任期は、2年を超えることができません(第256条第1項)。
また、
取締役で構成された
取締役会は、
会社の業務執行に関する議決等を行い(第260条第1項)、
同会の決議によって選出された
代表取締役は、会社を代表し、
会社の業務を執行します(同条第3項第1号、第261条第1項)。
3.
監査役の員数に関する現行
商法の規定はありませんが、
大会社以外の会社(小・中会社)は、1人以上の
監査役が必要であり(※)、
その任期は、就任後4年以内の最終
決算期に関する定時総会終結時まで、
となります(第256条第1項)。
※)
商法特例法(
株式会社の監査等に関する
商法の特例に関する法律)
大会社では、3人以上の
監査役が必要と規定されています(第18条)。
□
会社法における機関設計について
1.
会社法においても、
株主総会は、必置機関です。
2.
株式会社には、1人または2人以上の
取締役が必要です(第326条第1項)が、
取締役会などの機関の設置は、任意となりました(同上第2項)。
ただし、
公開会社(※1)などには、
取締役会の設置義務がある(第327条第1項)ため、
その設置の有無が自由となるのは、
株式譲渡制限会社(※2)となります。
※1.
公開会社
公開会社とは、その発行する全部または一部の株式の内容として、
譲渡による当該株式の取得について
株式会社の承認を要する旨の、
定款の定めを設けていない
株式会社です(第2条第5号)。
※2.
株式譲渡制限会社
株式譲渡制限会社とは、発行する全部の種類の株式の譲渡について、
会社の承認を要する旨の
定款の定めのある
株式会社です。
3.
取締役の任期は、原則として、選任後2年以内に終了の事業年度のうち、
最終のものに関する
定時株主総会の終結時までです(第332条第1項本文)。
しかし、
公開会社でない
株式会社の場合は、その任期を、
定款によって、
選任後10年以内に終了の事業年度のうち、
最終のものに関する定時総会の終結時まで、伸長できます(同条第2項)。
4.
取締役は、
株式会社を代表し、
取締役が2人以上の場合には、
取締役は、各自、
株式会社を代表します(第349条第1項・2項)が、
取締役の中から、
代表取締役を定めることもできます(同条第3項)。
5.
取締役会設置会社には、
監査役の設置義務があります(第327条第2項)が、
取締役会を設置しない会社では、
監査役の設置は任意となります。
□以上のように、
会社法では、現行
商法に比べ、柔軟な機関設計を行うことが可能となり、
会社の実態に合わせて、様々なパターンを選択することができます。
一概には申し上げられませんが、本メルマガの主要読者層と思われる、
ベンチャー創業者や中小企業経営者の方々の会社であれば、
まず、簡易な機関設計(※)の会社からスタートし、
事業のご発展にあわせて、組織の見直しを行うことが、求められるでしょう。
※)
取締役1人(任期10年)、
監査役なし・・・など。
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4.編集後記
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■第60号は、いかがでしたか?
ところで、現在、10/16実施予定の「平成17年度宅建主任者試験」の受験申込が、
各都道府県の協力機関ごとに、7/29まで受け付けられています。
宅建は、財団
法人行政書士試験研究センターの分析資料Q5(※1)によると、
行政書士受験生が保有する資格の中では、保有率約10%と、
約1%以下の他の資格に比べ、断トツの保有率を誇っています。
※1)
http://gyosei-shiken.or.jp/bunseki/quest16.html
また、宅建の出題法令の中には、宅建業法、国土利用計画法、農地法など、
行政書士の主要業務の1つ、許認可に関する根拠法令も多く、
行政書士開業者にとっても、なじみの深い資格といえます。
ご興味のある方は、国土交通大臣の指定試験機関である、
財団
法人不動産適正取引推進機構(※2)のHPをご覧ください。
※2)
http://www.retio.or.jp/siken.html
★事務所からのご案内
「当メールマガジンへのご意見・ご要望」や「業務のご依頼・ご相談」は、
事務所HP(トップ)のメールリンクから、ご送信ください。
■次号(第61号)の発行予定
⇒2005/8/1、「
会社法務」編―「創業者・経営者のための資金調達情報源(10)」
■編集責任者:
行政書士 津留信康
http://www.n-tsuru.com
■ブログ:「徒然なるままに」
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/
■発行システムは、「まぐまぐ」
http://www.mag2.com/ を利用しています。
■購読の解除は、
http://www.mag2.com/m/0000106995.htm からできます。
■当メールマガジンの無断転載等を禁じます。
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■行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第60号/2005/7/17>■
1.はじめに
3.「会社法務」編(特別企画)―「会社法のポイント(4)」
4.編集後記
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1.はじめに
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皆様、こんにちは。行政書士の津留信康です。
2005/7/6、財団法人行政書士試験研究センター(※1)HP上に、
「平成17年度行政書士試験の概要」が、公示されました。
本年度の受験を予定されている方は、10/23(日)の試験日までの約3ヶ月間、
ご自分を信じて、是非頑張ってください。ご健闘をお祈り申し上げます。
一方、先般当メルマガでもご紹介しましたが、
総務省(※2)HP上に、平成18年度以降の行政書士試験の見直しの一環として、
「改正案に対する意見募集」の告知が掲載されています。
現行の試験内容は、本年度が最後になる可能性が高いようですので、
ご興味のある方は、同省HPをご覧ください。
※1)
http://gyosei-shiken.or.jp/annai/index.html
※2)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050617_2.html
それでは、今回もどうぞ最後までお付き合いください。
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3.「会社法務」編(特別企画)―「会社法のポイント(4)」
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■株式会社の設立手続き―(3)機関設計の柔軟性アップ!
□現行商法における機関設計について
1.株主総会は、必置機関です。
2.いかなる株式会社も、3人以上の取締役が必要であり(第255条)、
その任期は、2年を超えることができません(第256条第1項)。
また、取締役で構成された取締役会は、
会社の業務執行に関する議決等を行い(第260条第1項)、
同会の決議によって選出された代表取締役は、会社を代表し、
会社の業務を執行します(同条第3項第1号、第261条第1項)。
3.監査役の員数に関する現行商法の規定はありませんが、
大会社以外の会社(小・中会社)は、1人以上の監査役が必要であり(※)、
その任期は、就任後4年以内の最終決算期に関する定時総会終結時まで、
となります(第256条第1項)。
※)商法特例法(株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律)
大会社では、3人以上の監査役が必要と規定されています(第18条)。
□会社法における機関設計について
1.会社法においても、株主総会は、必置機関です。
2.株式会社には、1人または2人以上の取締役が必要です(第326条第1項)が、
取締役会などの機関の設置は、任意となりました(同上第2項)。
ただし、公開会社(※1)などには、
取締役会の設置義務がある(第327条第1項)ため、
その設置の有無が自由となるのは、株式譲渡制限会社(※2)となります。
※1.公開会社
公開会社とは、その発行する全部または一部の株式の内容として、
譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の、
定款の定めを設けていない株式会社です(第2条第5号)。
※2.株式譲渡制限会社
株式譲渡制限会社とは、発行する全部の種類の株式の譲渡について、
会社の承認を要する旨の定款の定めのある株式会社です。
3.取締役の任期は、原則として、選任後2年以内に終了の事業年度のうち、
最終のものに関する定時株主総会の終結時までです(第332条第1項本文)。
しかし、公開会社でない株式会社の場合は、その任期を、定款によって、
選任後10年以内に終了の事業年度のうち、
最終のものに関する定時総会の終結時まで、伸長できます(同条第2項)。
4.取締役は、株式会社を代表し、取締役が2人以上の場合には、
取締役は、各自、株式会社を代表します(第349条第1項・2項)が、
取締役の中から、代表取締役を定めることもできます(同条第3項)。
5.取締役会設置会社には、監査役の設置義務があります(第327条第2項)が、
取締役会を設置しない会社では、監査役の設置は任意となります。
□以上のように、
会社法では、現行商法に比べ、柔軟な機関設計を行うことが可能となり、
会社の実態に合わせて、様々なパターンを選択することができます。
一概には申し上げられませんが、本メルマガの主要読者層と思われる、
ベンチャー創業者や中小企業経営者の方々の会社であれば、
まず、簡易な機関設計(※)の会社からスタートし、
事業のご発展にあわせて、組織の見直しを行うことが、求められるでしょう。
※)取締役1人(任期10年)、監査役なし・・・など。
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4.編集後記
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■第60号は、いかがでしたか?
ところで、現在、10/16実施予定の「平成17年度宅建主任者試験」の受験申込が、
各都道府県の協力機関ごとに、7/29まで受け付けられています。
宅建は、財団法人行政書士試験研究センターの分析資料Q5(※1)によると、
行政書士受験生が保有する資格の中では、保有率約10%と、
約1%以下の他の資格に比べ、断トツの保有率を誇っています。
※1)
http://gyosei-shiken.or.jp/bunseki/quest16.html
また、宅建の出題法令の中には、宅建業法、国土利用計画法、農地法など、
行政書士の主要業務の1つ、許認可に関する根拠法令も多く、
行政書士開業者にとっても、なじみの深い資格といえます。
ご興味のある方は、国土交通大臣の指定試験機関である、
財団法人不動産適正取引推進機構(※2)のHPをご覧ください。
※2)
http://www.retio.or.jp/siken.html
★事務所からのご案内
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■次号(第61号)の発行予定
⇒2005/8/1、「会社法務」編―「創業者・経営者のための資金調達情報源(10)」
■編集責任者:行政書士 津留信康
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