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★★★ 新・
行政書士試験 一発合格! Vol. ’06-34 ★★★
【レジュメ編】 行政法(その13〔2〕〔情報公開法〕)
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■■■ 情報公開法 ■■■
■■■
不服申立て等
■■■
行政書士試験 ■■■
■■■ お願い ■■■
■■■ 編集後記 ■■■
■■■ お詫び ■■■
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■■■ 情報公開法 ■■■
■■■
不服申立て等
■■ 審査会への諮問
第十八条 開示決定等について
行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による
不服申立てがあったときは、当該
不服申立てに対する裁決又は決定をすべき行政機関の
長は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、情報公開・
個人情報保護審査会(不
服申立てに対する裁決又は決定をすべき行政機関の長が
会計検査院の長である場合にあ
っては、別に法律で定める審査会)に諮問しなければならない。
一
不服申立てが不適法であり、却下するとき。
二 裁決又は決定で、
不服申立てに係る開示決定等(
開示請求に係る行政文書の全部を
開示する旨の決定を除く。以下この号及び第二十条において同じ。)を取り消し又は変
更し、当該
不服申立てに係る行政文書の全部を開示することとするとき。ただし、当該
開示決定等について反対意見書が提出されているときを除く。
★ 開示決定等が「処分」に当たることから、
開示請求に対する「不作為」の不服申立
ての場合には、情報公開・
個人情報保護審査会への諮問は必要ない。これは、開示
決定等の
不服申立ての場合は、不開示情報に該当するかどうかが問題であるのに対
して、不作為の
不服申立ての場合は、事務処理の促進を求めるに過ぎないためであ
る。
★
不服申立てに対する裁決または決定については、さらに
不服申立てをすることがで
きないため(
行政不服審査法4条)、反対意見書を提出した利害関係人は、取消訴
訟を提起することになる。そこで、こうした場合にも、情報公開・
個人情報保護審
査会を設置した趣旨に基づいて、必ず諮問し、審査会で、反対意見書を踏まえた調
査審議を行わなければならないとされている。
■ 第三者の
不服申立て
・開示決定等には処分性があるため、
行政不服審査法による
不服申立てができる。
・全部開示決定の場合でも(
開示請求者には不利益は生じていないが)、行政文書に第
三者の情報が含まれている場合、当該第三者は
不服申立てができる。
→
行政不服審査法では執行停止原則を
採用していないので(34条1項)、
不服申立て
を提起しても、開示決定の効力は当然には停止しない。
■ 自由選択主義
情報公開法は不服申立前置主義を
採用していないので、
行政不服審査法による不服申立
てを行うことなく、直ちに行政事件訴訟法による訴訟を提起することもできる。
・情報公開・
個人情報保護審査会:
行政不服審査法に基づく
不服申立ての審理の一環と
して審査を行うので、開示決定等の適法性のみならず、不当な処分であったかどうか
も審査することができる。
■ 諮問機関
行政機関の長は、情報公開・
個人情報保護審査会の答申を受けたうえで、
不服申立てに
対する裁決または決定を行うことになる。ただし、情報公開・
個人情報保護審査会は諮
問機関なので、諮問した行政機関の長は、その内容に拘束されない。
■■ 諮問をした旨の通知
第十九条 前条の規定により諮問をした行政機関の長は、次に掲げる者に対し、諮問を
した旨を通知しなければならない。
一 不服申立人及び参加人
二
開示請求者(
開示請求者が不服申立人又は参加人である場合を除く。)
三 当該
不服申立てに係る開示決定等について反対意見書を提出した第三者(当該第三
者が不服申立人又は参加人である場合を除く。)
■■ 第三者からの
不服申立てを棄却する場合等における手続
第二十条 第十三条第三項の規定は、次の各号のいずれかに該当する裁決又は決定をす
る場合について準用する。
一 開示決定に対する第三者からの
不服申立てを却下し、又は棄却する裁決又は決定
二
不服申立てに係る開示決定等を変更し、当該開示決定等に係る行政文書を開示する
旨の裁決又は決定(第三者である参加人が当該行政文書の開示に反対の意思を表示
している場合に限る。)
・
不服申立ての却下・棄却等の裁決又は決定と、開示実施日の間には、少なくとも二週
間を置かなければならない。
(*)第13条
3 行政機関の長は、前二項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者が当
該行政文書の開示に反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、開示決
定をするときは、開示決定の日と開示を実施する日との間に少なくとも二週間を置
かなければならない。この場合において、行政機関の長は、開示決定後直ちに、当
該意見書(第十八条及び第十九条において「反対意見書」という。)を提出した第
三者に対し、開示決定をした旨及びその理由並びに開示を実施する日を書面により
通知しなければならない。
■■ 訴訟の移送の特例
第二十一条 行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第十二条第四項 の規
定により同項 に規定する特定管轄裁判所に開示決定等の取消しを求める訴訟又は開示
決定等に係る
不服申立てに対する裁決若しくは決定の取消しを求める訴訟(次項及び附
則第二項において「情報公開訴訟」という。)が提起された場合においては、同法第十
二条第五項 の規定にかかわらず、他の裁判所に同一又は同種若しくは類似の行政文書
に係る開示決定等又はこれに係る
不服申立てに対する裁決若しくは決定に係る抗
告訴訟
(同法第三条第一項 に規定する抗
告訴訟をいう。次項において同じ。)が係属してい
るときは、当該特定管轄裁判所は、当事者の住所又は所在地、尋問を受けるべき証人の
住所、争点又は証拠の共通性その他の事情を考慮して、相当と認めるときは、申立てに
より又は職権で、訴訟の全部又は一部について、当該他の裁判所又は同法第十二条第一
項 から第三項 までに定める裁判所に移送することができる。
2 前項の規定は、行政事件訴訟法第十二条第四項 の規定により同項に規定する特定
管轄裁判所に開示決定等又はこれに係る
不服申立てに対する裁決若しくは決定に係る抗
告訴訟で情報公開訴訟以外のものが提起された場合について準用する。
(1)特定管轄裁判所制度は一般化され、行政事件訴訟法に規定された(平成16年)。
→ これに伴い、情報公開法からは当該規定が削除された。
〔行政事件訴訟法〕
(管轄)
第12条
4 国又は独立行政
法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項 に規定する
独立行政
法人若しくは別表に掲げる
法人を被告とする取消訴訟は、原告の普通裁判籍の
所在地を管轄する
高等裁判所の所在地を管轄する
地方裁判所(次項において「特定管轄
裁判所」という。)にも、提起することができる
■■ 行政文書の管理
第二十二条 行政機関の長は、この法律の適正かつ円滑な運用に資するため、行政文書
を適正に管理するものとする。
2 行政機関の長は、政令で定めるところにより行政文書の管理に関する定めを設ける
とともに、これを一般の閲覧に供しなければならない。
3 前項の政令においては、行政文書の分類、作成、保存及び廃棄に関する基準その他
の行政文書の管理に関する必要な事項について定めるものとする。
■■
開示請求をしようとする者に対する情報の提供等
第二十三条 行政機関の長は、
開示請求をしようとする者が容易かつ的確に
開示請求を
することができるよう、当該行政機関が保有する行政文書の特定に資する情報の提供そ
の他
開示請求をしようとする者の利便を考慮した適切な措置を講ずるものとする。
2
総務大臣は、この法律の円滑な運用を確保するため、
開示請求に関する総合的な案
内所を整備するものとする。
・
開示請求をしようとする者の請求がない場合であっても、行政機関の長は、情報の提
供その他の適切な措置を講じなければならない。
→
行政手続法9条2項の場合と異なり、「求めに応じ」に相当する規定がない。
〔
行政手続法〕
(情報の提供)
第9条
2 行政庁は、申請をしようとする者又は申請者の求めに応じ、申請書の記載及び添付
書類に関する事項その他の申請に必要な情報の提供に努めなければならない
★
開示請求をしようとする者に対する情報提供(23条)と、
開示請求をした者(開示
請求者)に対する補正のための情報提供(ただし、努力義務。)(4条)がある。
■■ 施行の状況の公表
第二十四条
総務大臣は、行政機関の長に対し、この法律の施行の状況について報告を
求めることができる。
2
総務大臣は、毎年度、前項の報告を取りまとめ、その概要を公表するものとする。
・
総務大臣は、行政機関の長が行う報告ではなく、これを取りまとめた「概要」を公表
する。
・「平成16年度における情報公開法の施行の状況について(概要)」は、つぎのURLを
参照のこと。
http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/jyohokokai/jyouhou_sikou16.html
・「平成16年度における情報公開法の施行の状況について」は、つぎのURLを参照のこ
と。
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/pdf/050913_02_02.pdf
■■ 行政機関の保有する情報の提供に関する施策の充実
第二十五条 政府は、その保有する情報の公開の総合的な推進を図るため、行政機関の
保有する情報が適時に、かつ、適切な方法で国民に明らかにされるよう、行政機関の保
有する情報の提供に関する施策の充実に努めるものとする。
■■ 地方公共団体の情報公開
第二十六条 地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その保有する情報の公開に
関し必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならない。
★ 「必要な施策」とは、情報公開条例を制定することである。また、制定済みの場合
には、当該条例の見直し等を行うことを意味している。
★ 昨年のデータであるが(平成17年7月29日発表)、
総務省が取りまとめた平成17年
4月1日現在の都道府県及び市区町村における情報公開条例(要綱等)の制定状況
は、都道府県と市区町村を合わせた地方公共団体全体(2465団体)では、2380団体が
条例(要綱等)を制定しており、制定率は、97%となっています。また、全ての都道
府県が情報公開条例を制定している。
★★ 参考情報
情報公開法については、
総務省のつぎのURLが分かりやすい情報を掲載しています。
(1)情報公開法の概要:
http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/jyohokokai/gaiyo.html
(2)
開示請求制度:
http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/jyohokokai/kaijiseikyu.pdf
(3)
開示請求できる文書:
http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/jyohokokai/kaiji.html
(4)
不服申立て:
http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/jyohokokai/huhuku.pdf
■■■
行政書士試験 ■■■
この7月7日に、
行政書士試験研究センターから「平成18年度
行政書士試験の実施に
ついて」が公表されました。ポイントは2つあります。読者の皆さんからもご照会を頂
きましたので、簡単に私の考えをまとめてみました。
■
商法
『
商法については、平成18年4月1日現在施行されている法令に関して出題します
が、
会社法(平成17年法律第86号)により実質的な改正が行われた部分について
は、原則出題しないものとします。』
このことは、今年に限っては、
商法の出題数が若干減る可能性があるのではないかと思
われます。そして、その分だけ
民法(および行政法)の出題が増えるのではないかと思
われます。また、来年以降の
会社法は、新法から全面的に出題されるので、相当に大変
です。これだけが理由にはなりませんが、とにかく今年頑張って合格するようにすべき
です。まだ時間は十分にあります。
また、出題対象である「実質的な改正が行われた部分」以外の部分については、各予備
校の答練や公開模試で集中して取り組み、範囲をしっかり絞りきることが大切です(問
題の収集を行い、その出題された箇所を、復習を中心に集中的に取組むのも、効率性の
観点からは、お勧めです。)。相当に範囲が狭められることになるので、今年に限って
は、
商法は得点源とすべきです。
■ 記述式問題
『記述式は、40字程度で記述するものを出題します。』
これまでの記述式問題からすれば、字数の点では大幅アップです。しかしながら、40字
という数量を考えて下さい。この40字で一体何が書けるでしょうか。無論、私見です
が、あまり大きな影響は生じないのではないかと思っています。
先ず、字数からして大したことは書けないこと。特に、意見等の論理的思考能力を判断
することは、ほぼ不可能ではないかと思われます(この文章では「先ず」から「判断
す」までで既に40字です。)。したがって、記述式問題で完璧(全問正解)を期すので
なければ、キーワードを押さえれば十分ではないかと思います。例えば、「○○○は、
●●●と▲▲▲の取引が
利益相反取引に該当するので、認められない。」(これだけ、
句読点を入れて37字です。)という解答を考えて見て下さい。
次に、法的に考えることを実施し、重要語句の丸暗記だけをしていないことです。法学
試験としての
行政書士試験に取組み、内容を法的に理解し、かつ条文と判例を関連付け
て理解していれば、むしろ40字では不足するはずです。
この記述式問題を甘く見ることは、当然、昨今の
行政書士試験では命取りになる懸念が
ありますが(この点は従来と全く同じです。)、必要以上に恐れる必要はありません。
そのためだけの準備をするのであれば、むしろ基礎体力をしっかり養成し、キーワード
を確実に押さえる勉強をすべきです。その方が確実に合格に近づけるはずです。
■■■ お願い ■■■
継続して発刊するためには読者の皆様のご支援が何よりの活力になります。ご意見、ア
ドバイス、ご批判その他何でも結構です。内容、頻度、対象の追加や変更等について
も、どうぞ何なりと
e-mail@ohta-shoshi.com までお寄せください。
質問は、このメールマガジンの趣旨の範囲内のものであれば、大歓迎です。ただし、多
少時間を要する場合があります。
■■■ 編集後記 ■■■
今回は情報公開法です。情報公開法も、絶対に満点を期すべき科目です。以下、情報公
開・
個人情報保護審査会設置法、
個人情報保護法と続く予定です。
繰り返しになりますが、今は夏休み直前の最後の踏ん張りどころです。これまで半年間
もの間続けて勉強してきたのですから、その蓄積は相当なものになっているはずです。
どうかこのペースを崩さないで、夏休みを迎えてください。
■■■ お詫び ■■■
昨日、誤って問題編をお送りしてしまいました。内容は、今回お送りしたものと全く同
じです。大変失礼致しました。
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マガジンタイトル:新・
行政書士試験 一発合格!
発行者:
行政書士 太田誠 東京都
行政書士会所属(府中支部)
発行者Web:
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★★★ 新・行政書士試験 一発合格! Vol. ’06-34 ★★★
【レジュメ編】 行政法(その13〔2〕〔情報公開法〕)
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■■■ 情報公開法 ■■■
■■■ 不服申立て等
■■■ 行政書士試験 ■■■
■■■ お願い ■■■
■■■ 編集後記 ■■■
■■■ お詫び ■■■
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■■■ 情報公開法 ■■■
■■■ 不服申立て等
■■ 審査会への諮問
第十八条 開示決定等について行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による
不服申立てがあったときは、当該不服申立てに対する裁決又は決定をすべき行政機関の
長は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、情報公開・個人情報保護審査会(不
服申立てに対する裁決又は決定をすべき行政機関の長が会計検査院の長である場合にあ
っては、別に法律で定める審査会)に諮問しなければならない。
一 不服申立てが不適法であり、却下するとき。
二 裁決又は決定で、不服申立てに係る開示決定等(開示請求に係る行政文書の全部を
開示する旨の決定を除く。以下この号及び第二十条において同じ。)を取り消し又は変
更し、当該不服申立てに係る行政文書の全部を開示することとするとき。ただし、当該
開示決定等について反対意見書が提出されているときを除く。
★ 開示決定等が「処分」に当たることから、開示請求に対する「不作為」の不服申立
ての場合には、情報公開・個人情報保護審査会への諮問は必要ない。これは、開示
決定等の不服申立ての場合は、不開示情報に該当するかどうかが問題であるのに対
して、不作為の不服申立ての場合は、事務処理の促進を求めるに過ぎないためであ
る。
★ 不服申立てに対する裁決または決定については、さらに不服申立てをすることがで
きないため(行政不服審査法4条)、反対意見書を提出した利害関係人は、取消訴
訟を提起することになる。そこで、こうした場合にも、情報公開・個人情報保護審
査会を設置した趣旨に基づいて、必ず諮問し、審査会で、反対意見書を踏まえた調
査審議を行わなければならないとされている。
■ 第三者の不服申立て
・開示決定等には処分性があるため、行政不服審査法による不服申立てができる。
・全部開示決定の場合でも(開示請求者には不利益は生じていないが)、行政文書に第
三者の情報が含まれている場合、当該第三者は不服申立てができる。
→ 行政不服審査法では執行停止原則を採用していないので(34条1項)、不服申立て
を提起しても、開示決定の効力は当然には停止しない。
■ 自由選択主義
情報公開法は不服申立前置主義を採用していないので、行政不服審査法による不服申立
てを行うことなく、直ちに行政事件訴訟法による訴訟を提起することもできる。
・情報公開・個人情報保護審査会:行政不服審査法に基づく不服申立ての審理の一環と
して審査を行うので、開示決定等の適法性のみならず、不当な処分であったかどうか
も審査することができる。
■ 諮問機関
行政機関の長は、情報公開・個人情報保護審査会の答申を受けたうえで、不服申立てに
対する裁決または決定を行うことになる。ただし、情報公開・個人情報保護審査会は諮
問機関なので、諮問した行政機関の長は、その内容に拘束されない。
■■ 諮問をした旨の通知
第十九条 前条の規定により諮問をした行政機関の長は、次に掲げる者に対し、諮問を
した旨を通知しなければならない。
一 不服申立人及び参加人
二 開示請求者(開示請求者が不服申立人又は参加人である場合を除く。)
三 当該不服申立てに係る開示決定等について反対意見書を提出した第三者(当該第三
者が不服申立人又は参加人である場合を除く。)
■■ 第三者からの不服申立てを棄却する場合等における手続
第二十条 第十三条第三項の規定は、次の各号のいずれかに該当する裁決又は決定をす
る場合について準用する。
一 開示決定に対する第三者からの不服申立てを却下し、又は棄却する裁決又は決定
二 不服申立てに係る開示決定等を変更し、当該開示決定等に係る行政文書を開示する
旨の裁決又は決定(第三者である参加人が当該行政文書の開示に反対の意思を表示
している場合に限る。)
・不服申立ての却下・棄却等の裁決又は決定と、開示実施日の間には、少なくとも二週
間を置かなければならない。
(*)第13条
3 行政機関の長は、前二項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者が当
該行政文書の開示に反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、開示決
定をするときは、開示決定の日と開示を実施する日との間に少なくとも二週間を置
かなければならない。この場合において、行政機関の長は、開示決定後直ちに、当
該意見書(第十八条及び第十九条において「反対意見書」という。)を提出した第
三者に対し、開示決定をした旨及びその理由並びに開示を実施する日を書面により
通知しなければならない。
■■ 訴訟の移送の特例
第二十一条 行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第十二条第四項 の規
定により同項 に規定する特定管轄裁判所に開示決定等の取消しを求める訴訟又は開示
決定等に係る不服申立てに対する裁決若しくは決定の取消しを求める訴訟(次項及び附
則第二項において「情報公開訴訟」という。)が提起された場合においては、同法第十
二条第五項 の規定にかかわらず、他の裁判所に同一又は同種若しくは類似の行政文書
に係る開示決定等又はこれに係る不服申立てに対する裁決若しくは決定に係る抗告訴訟
(同法第三条第一項 に規定する抗告訴訟をいう。次項において同じ。)が係属してい
るときは、当該特定管轄裁判所は、当事者の住所又は所在地、尋問を受けるべき証人の
住所、争点又は証拠の共通性その他の事情を考慮して、相当と認めるときは、申立てに
より又は職権で、訴訟の全部又は一部について、当該他の裁判所又は同法第十二条第一
項 から第三項 までに定める裁判所に移送することができる。
2 前項の規定は、行政事件訴訟法第十二条第四項 の規定により同項に規定する特定
管轄裁判所に開示決定等又はこれに係る不服申立てに対する裁決若しくは決定に係る抗
告訴訟で情報公開訴訟以外のものが提起された場合について準用する。
(1)特定管轄裁判所制度は一般化され、行政事件訴訟法に規定された(平成16年)。
→ これに伴い、情報公開法からは当該規定が削除された。
〔行政事件訴訟法〕
(管轄)
第12条
4 国又は独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項 に規定する
独立行政法人若しくは別表に掲げる法人を被告とする取消訴訟は、原告の普通裁判籍の
所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所(次項において「特定管轄
裁判所」という。)にも、提起することができる
■■ 行政文書の管理
第二十二条 行政機関の長は、この法律の適正かつ円滑な運用に資するため、行政文書
を適正に管理するものとする。
2 行政機関の長は、政令で定めるところにより行政文書の管理に関する定めを設ける
とともに、これを一般の閲覧に供しなければならない。
3 前項の政令においては、行政文書の分類、作成、保存及び廃棄に関する基準その他
の行政文書の管理に関する必要な事項について定めるものとする。
■■ 開示請求をしようとする者に対する情報の提供等
第二十三条 行政機関の長は、開示請求をしようとする者が容易かつ的確に開示請求を
することができるよう、当該行政機関が保有する行政文書の特定に資する情報の提供そ
の他開示請求をしようとする者の利便を考慮した適切な措置を講ずるものとする。
2 総務大臣は、この法律の円滑な運用を確保するため、開示請求に関する総合的な案
内所を整備するものとする。
・開示請求をしようとする者の請求がない場合であっても、行政機関の長は、情報の提
供その他の適切な措置を講じなければならない。
→ 行政手続法9条2項の場合と異なり、「求めに応じ」に相当する規定がない。
〔行政手続法〕
(情報の提供)
第9条
2 行政庁は、申請をしようとする者又は申請者の求めに応じ、申請書の記載及び添付
書類に関する事項その他の申請に必要な情報の提供に努めなければならない
★ 開示請求をしようとする者に対する情報提供(23条)と、開示請求をした者(開示
請求者)に対する補正のための情報提供(ただし、努力義務。)(4条)がある。
■■ 施行の状況の公表
第二十四条 総務大臣は、行政機関の長に対し、この法律の施行の状況について報告を
求めることができる。
2 総務大臣は、毎年度、前項の報告を取りまとめ、その概要を公表するものとする。
・総務大臣は、行政機関の長が行う報告ではなく、これを取りまとめた「概要」を公表
する。
・「平成16年度における情報公開法の施行の状況について(概要)」は、つぎのURLを
参照のこと。
http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/jyohokokai/jyouhou_sikou16.html
・「平成16年度における情報公開法の施行の状況について」は、つぎのURLを参照のこ
と。
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/pdf/050913_02_02.pdf
■■ 行政機関の保有する情報の提供に関する施策の充実
第二十五条 政府は、その保有する情報の公開の総合的な推進を図るため、行政機関の
保有する情報が適時に、かつ、適切な方法で国民に明らかにされるよう、行政機関の保
有する情報の提供に関する施策の充実に努めるものとする。
■■ 地方公共団体の情報公開
第二十六条 地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その保有する情報の公開に
関し必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならない。
★ 「必要な施策」とは、情報公開条例を制定することである。また、制定済みの場合
には、当該条例の見直し等を行うことを意味している。
★ 昨年のデータであるが(平成17年7月29日発表)、総務省が取りまとめた平成17年
4月1日現在の都道府県及び市区町村における情報公開条例(要綱等)の制定状況
は、都道府県と市区町村を合わせた地方公共団体全体(2465団体)では、2380団体が
条例(要綱等)を制定しており、制定率は、97%となっています。また、全ての都道
府県が情報公開条例を制定している。
★★ 参考情報
情報公開法については、総務省のつぎのURLが分かりやすい情報を掲載しています。
(1)情報公開法の概要:
http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/jyohokokai/gaiyo.html
(2)開示請求制度:
http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/jyohokokai/kaijiseikyu.pdf
(3)開示請求できる文書:
http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/jyohokokai/kaiji.html
(4)不服申立て:
http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/jyohokokai/huhuku.pdf
■■■ 行政書士試験 ■■■
この7月7日に、行政書士試験研究センターから「平成18年度行政書士試験の実施に
ついて」が公表されました。ポイントは2つあります。読者の皆さんからもご照会を頂
きましたので、簡単に私の考えをまとめてみました。
■ 商法
『商法については、平成18年4月1日現在施行されている法令に関して出題します
が、会社法(平成17年法律第86号)により実質的な改正が行われた部分について
は、原則出題しないものとします。』
このことは、今年に限っては、商法の出題数が若干減る可能性があるのではないかと思
われます。そして、その分だけ民法(および行政法)の出題が増えるのではないかと思
われます。また、来年以降の会社法は、新法から全面的に出題されるので、相当に大変
です。これだけが理由にはなりませんが、とにかく今年頑張って合格するようにすべき
です。まだ時間は十分にあります。
また、出題対象である「実質的な改正が行われた部分」以外の部分については、各予備
校の答練や公開模試で集中して取り組み、範囲をしっかり絞りきることが大切です(問
題の収集を行い、その出題された箇所を、復習を中心に集中的に取組むのも、効率性の
観点からは、お勧めです。)。相当に範囲が狭められることになるので、今年に限って
は、商法は得点源とすべきです。
■ 記述式問題
『記述式は、40字程度で記述するものを出題します。』
これまでの記述式問題からすれば、字数の点では大幅アップです。しかしながら、40字
という数量を考えて下さい。この40字で一体何が書けるでしょうか。無論、私見です
が、あまり大きな影響は生じないのではないかと思っています。
先ず、字数からして大したことは書けないこと。特に、意見等の論理的思考能力を判断
することは、ほぼ不可能ではないかと思われます(この文章では「先ず」から「判断
す」までで既に40字です。)。したがって、記述式問題で完璧(全問正解)を期すので
なければ、キーワードを押さえれば十分ではないかと思います。例えば、「○○○は、
●●●と▲▲▲の取引が利益相反取引に該当するので、認められない。」(これだけ、
句読点を入れて37字です。)という解答を考えて見て下さい。
次に、法的に考えることを実施し、重要語句の丸暗記だけをしていないことです。法学
試験としての行政書士試験に取組み、内容を法的に理解し、かつ条文と判例を関連付け
て理解していれば、むしろ40字では不足するはずです。
この記述式問題を甘く見ることは、当然、昨今の行政書士試験では命取りになる懸念が
ありますが(この点は従来と全く同じです。)、必要以上に恐れる必要はありません。
そのためだけの準備をするのであれば、むしろ基礎体力をしっかり養成し、キーワード
を確実に押さえる勉強をすべきです。その方が確実に合格に近づけるはずです。
■■■ お願い ■■■
継続して発刊するためには読者の皆様のご支援が何よりの活力になります。ご意見、ア
ドバイス、ご批判その他何でも結構です。内容、頻度、対象の追加や変更等について
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質問は、このメールマガジンの趣旨の範囲内のものであれば、大歓迎です。ただし、多
少時間を要する場合があります。
■■■ 編集後記 ■■■
今回は情報公開法です。情報公開法も、絶対に満点を期すべき科目です。以下、情報公
開・個人情報保護審査会設置法、個人情報保護法と続く予定です。
繰り返しになりますが、今は夏休み直前の最後の踏ん張りどころです。これまで半年間
もの間続けて勉強してきたのですから、その蓄積は相当なものになっているはずです。
どうかこのペースを崩さないで、夏休みを迎えてください。
■■■ お詫び ■■■
昨日、誤って問題編をお送りしてしまいました。内容は、今回お送りしたものと全く同
じです。大変失礼致しました。
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マガジンタイトル:新・行政書士試験 一発合格!
発行者:行政書士 太田誠 東京都行政書士会所属(府中支部)
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