こんにちは。特定
社会保険労務士の田中です。
就業規則の規定ひとつで、会社が損害を受けることもあります。
この「
就業規則の勘所」では、良く見られる「
就業規則の落とし穴」をご紹介します。
ぜひ、自社の
就業規則をご確認ください。
【 トラブル発生! 】
B社は、ゲームソフトを販売する店舗を3ヶ所、運営しており、
日常の販売管理は商品の発注を含めて、各店長に任せています。
また、
現金を扱う仕事のため、パートタイマーを含め、
従業員全員から入社時に
身元保証書を提出させています。
さて先日、そのうちの1店舗の店長(勤続4年・店長になって1年強)Yが、
数ヶ月に渡り在庫商品を転売して、まとまったお金を着服したことが発覚しました。
Yは、パチスロ店に毎日のように通っており、着服したお金もすでに、
パチスロに使っていました。
B社は、Yを
懲戒解雇するとともに、着服した全額を回収しようとしましたが、
Yは貯金もほとんど無く、回収できません。そこで、
総務経理担当Cは、
オーナー社長の強い指示を受け、入社時に
保証人となっている兄に電話連絡して、
支払いを求めました。
Yの兄は、「まずは弟に確認を取る。」との事で一旦、電話を切りました。
その2日後にYの兄からCに電話があり、
「弟の入社時に提出した
身元保証書には期間が書かれていないので、
その有効期間は3年になるはずだ。すでに4年が経過しているので、
私にそちらの損害額を支払う義務はない。これ以上の連絡は迷惑だし無意味なので止めて欲しい。」と、けんもほろろに断られました。
Cは、
身元保証の期間については知識としては知っていましたが、
問題が発生するとは思いもせずに、期間の書いていない
書式を使い続けていたのです。
総務経理担当Cは、店長に抜擢したYが不祥事を起こしたため、烈火の如く怒っている社長に、
着服金の回収ができない事を報告するために、重い足取りで社長室にむかいました。
【 ポイント 】
身元保証書は、期間の定めのない場合は3年間、
期間を定める場合でも5年間のみ有効となります。
【 アクション 】
次の事項を、
就業規則で明記するか、
明記しない場合は運用ルールとすることをお奨めします。
・「入社時に必要な書類」として
身元保証書も明記した上で、期間を5年間とする。
・資力のある人を原則とするが、念のために複数人に
保証人となってもらう
・5年を超えた時点で、職務の内容などで
保証人が引き続き必要な社員だけ更新をする。
・
従業員の業務や勤務場所が変更されて、金銭的なリスクなどが高まる場合は、
身元保証人に通知する。
(今回の場合は、店長就任によって、権限が拡大した結果、取り扱う金品の額も増えたので、
リスクが高まったといえる。)
【 補足 】
・資力のある
保証人と
身元保証書をきちんと締結していても、必ずしも会社の損失分を
全額、
保証人から回収できる訳ではありません。
身元保証書は、トラブル発生時の対策としても有効ですが、
むしろ
従業員自らの自覚を促す「抑止力」としての効果を期待した方が良いでしょう。
☆☆☆☆☆ 『
就業規則の勘所』 ☆☆☆☆☆
その1 『パートタイマーや
契約社員用の
就業規則も作りましょう』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-153786/
その2 『
身元保証には期限が有ります。必要に応じて更新しましょう。』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-154137/
その3 『試用期間について、免除・短縮・延長の規定を検討しましょう。』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-154342/
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☆☆ 櫓櫂のたたぬ海はない。 ☆☆
労務管理の悩みは尽きません。しかし、解決策は必ずあります。
貴社の
就業規則のリスク診断をします!
http://www.tanakajimusho.biz/pc/contents19.html
社会保険労務士 田中事務所 田中理文
自らが、
従業員を雇用する創業経営者だからこそのアドバイスをしています。
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こんにちは。特定社会保険労務士の田中です。
就業規則の規定ひとつで、会社が損害を受けることもあります。
この「就業規則の勘所」では、良く見られる「就業規則の落とし穴」をご紹介します。
ぜひ、自社の就業規則をご確認ください。
【 トラブル発生! 】
B社は、ゲームソフトを販売する店舗を3ヶ所、運営しており、
日常の販売管理は商品の発注を含めて、各店長に任せています。
また、現金を扱う仕事のため、パートタイマーを含め、
従業員全員から入社時に身元保証書を提出させています。
さて先日、そのうちの1店舗の店長(勤続4年・店長になって1年強)Yが、
数ヶ月に渡り在庫商品を転売して、まとまったお金を着服したことが発覚しました。
Yは、パチスロ店に毎日のように通っており、着服したお金もすでに、
パチスロに使っていました。
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Yは貯金もほとんど無く、回収できません。そこで、総務経理担当Cは、
オーナー社長の強い指示を受け、入社時に保証人となっている兄に電話連絡して、
支払いを求めました。
Yの兄は、「まずは弟に確認を取る。」との事で一旦、電話を切りました。
その2日後にYの兄からCに電話があり、
「弟の入社時に提出した身元保証書には期間が書かれていないので、
その有効期間は3年になるはずだ。すでに4年が経過しているので、
私にそちらの損害額を支払う義務はない。これ以上の連絡は迷惑だし無意味なので止めて欲しい。」と、けんもほろろに断られました。
Cは、身元保証の期間については知識としては知っていましたが、
問題が発生するとは思いもせずに、期間の書いていない書式を使い続けていたのです。
総務経理担当Cは、店長に抜擢したYが不祥事を起こしたため、烈火の如く怒っている社長に、
着服金の回収ができない事を報告するために、重い足取りで社長室にむかいました。
【 ポイント 】
身元保証書は、期間の定めのない場合は3年間、
期間を定める場合でも5年間のみ有効となります。
【 アクション 】
次の事項を、就業規則で明記するか、
明記しない場合は運用ルールとすることをお奨めします。
・「入社時に必要な書類」として身元保証書も明記した上で、期間を5年間とする。
・資力のある人を原則とするが、念のために複数人に保証人となってもらう
・5年を超えた時点で、職務の内容などで保証人が引き続き必要な社員だけ更新をする。
・従業員の業務や勤務場所が変更されて、金銭的なリスクなどが高まる場合は、
身元保証人に通知する。
(今回の場合は、店長就任によって、権限が拡大した結果、取り扱う金品の額も増えたので、
リスクが高まったといえる。)
【 補足 】
・資力のある保証人と身元保証書をきちんと締結していても、必ずしも会社の損失分を
全額、保証人から回収できる訳ではありません。
身元保証書は、トラブル発生時の対策としても有効ですが、
むしろ従業員自らの自覚を促す「抑止力」としての効果を期待した方が良いでしょう。
☆☆☆☆☆ 『就業規則の勘所』 ☆☆☆☆☆
その1 『パートタイマーや契約社員用の就業規則も作りましょう』
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その2 『身元保証には期限が有ります。必要に応じて更新しましょう。』
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その3 『試用期間について、免除・短縮・延長の規定を検討しましょう。』
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社会保険労務士 田中事務所 田中理文
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