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サプライヤーとの上手な交渉が自社の営業力を左右する!

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     シリーズ「コンピテンシーが営業力・販売力を左右する!」

<第397回>[(第11話)「サプライヤーとの上手な交渉が自社の営業力を左右する!」]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「コンピテンシーが営業力・販売力を左右する!」と題して様々な角度から鋭く分析した記事を紹介していきます。中小企業の経営者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論
1.サプライヤーとの交渉!
2.コストダウンの交渉!
3.品質・納期のカイゼンの交渉!
【3】編集後記

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サプライヤーとは供給者だ。すなわち仕入先(購買先)と言うことになる。メーカー、商社、小売業を問わずどんな企業でも必ずサプライヤーを抱えている。取引契約締結の交渉から始まって、品質・納期・コストの細部の取引条件の交渉や品質不良、納期遅延などの問題解決の交渉が重要になる。

バイイングパワーという言葉がある。その意味するところは、「ウチは、買ってやっている」というスタンスで威圧的に、相手にとって不利な条件での購入を迫ることだ。今でもデパートなどでは、売れ残り品を返品する古い商習慣が横行している。責任を持って売り切る、あるいは売れ残り品は自分たちの責任で処置するという考えが希薄なのだ。口ではサプライヤーをパートナーシップと言っているが実態は“いじめ”に近い。

SCM(Supply Chain Management:供給連鎖の経営管理)の時代になって久しい。川上であるメーカー、川中である卸・商社、川下である小売までの供給連鎖を焼き鳥のように串刺しした状態のネットワークを形成し、在庫や物流のムダを全て省こうという考え方だ。そうなるとサプライヤーとバイヤーの関係は益々「Win Winのパートナーシップの関係」を構築しなければならないことは言うまでもない。

バイヤーとその技術部門のスタッフはサプライヤー側の担当者とさまざまな交渉をやって「共生」を図っていくことが求められる。「共生」だから当然Win Winの関係を成立させなければならない。

そこで今回は、バイヤー(仕入れ担当者)および技術部門のスタッフ全員にスポットを当て、「サプライヤーとの上手な交渉が自社の営業力を左右する!」と題して、「交渉ごと成功のコツ」について考察する。



【1】心に刻んでおきたい言葉

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議論で相手を負かすことなら、ある種の交渉テクニックを身につければできる。だが、相手に勝つことは力ずくで押し切ることとは違う。ビジネスの世界では相手を納得させる力だ。

       犬伏泰夫

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【2】メルマガ本論

[(第11話)サプライヤーとの上手な交渉が自社の営業力を左右する!]

1.サプライヤーとの交渉!

バイヤー側は仕入れ部門のビジネスマンが主役となる。バイヤーを技術面から支援するのが技術部門のスタッフだ。交渉相手はサプライヤーだ。バイヤー側のビジネスマンにとってサプライヤーとの交渉はきわめて重要だ。前述したようにバイイングパワーにものを言わせて無理やり服従させる式のビジネススタイルは厳に慎むべきなのだ。

□ 交渉の合意内容を遵守する

バイヤーのミッションは「品質のよい物をどこよりも安く買うこと」だ。そのことにより、自社の商品の差別化や販売力を左右する。だが、その方法論が問題だ。

ある大手製造業は、発注個数別に見積もりを出させる。例えば、100個、1,000個、10,000個というようにだ。当然10,000個の見積価格は安い。だが実際に注文書を出す段になると注文数は100個なのに単価は10,000個の単価を注文書に印字する。中小企業は忙しいから、つい伝票のチェックを怠ってしまう。知らない間に安く買い叩かれているのだ。これは詐欺なのである。訴えられれば社名が公表されて改善命令を受ける。

サプライヤーと交渉して合意した内容は絶対に遵守することだ。

□ コストダウンを相互プロジェクト活動としてやる方法

しっかりした会社のバイヤーは技術部門とサプライヤーとで「コストダウンプロジェクトチーム」を組むことが多い。サプライヤー側の言い分や提案を真摯に受け入れ、加工しやすいように図面も改定する。詐欺まがいのことは一切やらない。活動して下がったコストを折半するWin Winのやり方だ。

例えば、農機具メーカーのクボタは上記のようなやり方を採用している。小生もビジネスマン現役時代、よく採用したやり方だ。一緒に活動して下がったコストを折半(Win Win)するという考えはサプライヤー側に受け入れられやすい。


2.コストダウンの交渉!

コストダウンの交渉を申し入れるとサプライヤーはどこもしかめっ面になる。そして「わが社の苦しい内情をどううまく説明するか」をまずもって考えるわけだ。「当初から出血価格で協力した」、「材料費が値上がっている」、「注文の数が少ない」、「努力の限界にある」ことなどを切々と訴える。

□ 交渉の前準備

まずサプライヤーに趣旨説明とコストダウンのお願いを通知することから始めることになる。そして「ここ数年の当該サプライヤーからの購入実績資料を作成」→「訪問のアポを取る」→「時候の挨拶・コストダウン交渉」→「後日回答をもらう約束を取り付ける」→「期限がきたら回答を督促」→「不満足回答に対して再交渉」と言うことになる。

いざ交渉の席に着くと前述したような泣き言がたくさん出てくるのが常だ。まずは泣き言をじっくり聞いてあげる姿勢を示すことが大事だ。

□ 支援の提案

くどいようだが、バイイングパワーをちらつかせ、威圧的に出ては失敗する。特に相手が中小企業の場合なら、「当方が支援できることは何かありませんか」とコストダウン活動への支援を願い出ることが大切になる。活動の結果、下がったコストの半分を還元してもらうという考え方を提案するのだ。そうすればサプライヤー側からの納得も得られやすい。

「コストダウンの支援をします。支援できることはありませんか」と言えば、相手としても支援を受入れるか自力で下げるか、二者択一の意思決定をするしかなくなるわけだ。「この図面では加工しにくい」、「組立しにくい」、「だからこうして欲しい」と言った提案も出てくる。それらに対して誠意を持って対応することだ。そのことにより、サプライヤー側も協力的になってくる。

したがってバイヤー側の担当者としては、「コストダウン技法」なる知的武装を図っておかなければならない。浪花節調で「社長、何とか下げてよ」とか「オレの顔を立ててよ」などとお願いするやり方は一世紀前のやり方だ。


3.品質・納期のカイゼンの交渉!

サプライヤーが品質問題や納期問題を発生させることは多い。その場合も文句を言ったり怒鳴ったりして「指導した」と思い込んでいる技術部門のスタッフは実際多い。

バイヤー側が被った迷惑だけを採り挙げて、「不良をなくせ」、「納期遅延をなくせ」と迫ってもサプライヤー側にそれだけの実力がない場合も多い。ここでは、わが社が被った迷惑だけを主張せず、「不良がなくなり、納期遅延がなくなると御社として経営がどれほど楽になるか、利益にどれだけ貢献するのか」を分かりやすく解くほうが説得力がある。

したがって、この場合も不良対策の進め方や生産管理のカイゼン法を指導・支援するというスタンスで臨めば、交渉は比較的スムーズに行く。育成して、いいサプライヤーに育て上げるという考え方だ。

支援を提案されれば、サプライヤーは、指導・支援を受入れるか自力でカイゼンするか、二者択一の意思決定をすることになるわけだ。

サプライヤーを育成するという考えは重要だ。いいサプライヤーをたくさん抱えていれば、それだけでも大きな経営資源になる。コマツは正にこの考え方でサプライヤーを育成している。



【3】編集後記

サプライヤー側が、無理な仕様や過剰品質を要求している例は多々ある。納期も自社の都合で無理を押し付けている例も多い。それが証拠に急がせて納入させた部品を長期間受付場所に放置しているセットメーカーも現にある。

バイヤー側は、サプライヤーに対して多品種少量、低コスト、高品質、JIT(Just In Time:丁度間に合う)納入などを要求する。このようなことを要求すれば、意欲のあるサプライヤーは成長するだろう。しかし、それにはサプライヤーに対するWinも用意することだ。そうでないとただの“いじめ”になる。

サプライヤーから品質のよいものを安く仕入れることでバイヤー側の企業は差別化も図れて販売力も上がる。そういう意味でもカリスマバイヤーを育成することは重要だ。

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp

= 長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=



次回に続く。

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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
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彩愛コンサルピアのHPは、
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