◆◆
コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆
<第307回>事例で学ぶ「
コンピテンシー」レビュー編!<その34>
==■「冷静さなる
コンピテンシー発揮の威力!」■==
===================================
人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れと
なり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。
事例で学ぶ「
コンピテンシー」と題して分かりやすく解説していきます。
コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・
管理者・社員の皆様、そして求職中の
離職者の方や就職を目指す学生さんにも是非
ともお読みいただきたいと思います。
===================================
<今回のメニュー>
=================================
【1】パニック状態に陥る!
【2】「冷静さ」なる
コンピテンシーの
定義付けと行動基準!
【3】賢人のことば!
【4】「冷静さ」なる
コンピテンシー発揮の威力!
【5】今日のまとめ
【6】編集後記
=================================
行動特性を変えてみてください。きっと昨日までの自分とは違った自分に出会いま
す。そして成果に貢献できます。あなたも会社も大きく成長できるのです。
【1】パニック状態に陥る!
1.パニック状態に陥る
突然、想定外の出来事が起こる。そんな時は誰もが冷静にはなれない。一人だけ冷
静を装えばむしろ異人・変人と思われるだろう。
□ 社員同士が口論、一人が転倒して死亡!
現役時代、長野県の子会社の取引先に板金プレスメーカーA社があった。短納期に
もかかわらずとてもよく対応してくれる優良ベンダーだった。
ある日、「オレが先だ」、「いやオレのほうが先だ」と社員同士が口論し、生産に
使用する治工具を奪い合っていた。興奮した二人はすっかり冷静さを失った。治工
具を奪い合っているうちに一人が足を滑らして転倒した。そして後頭部を機械のエ
ッヂの部分にぶつけてしまった。打ち所が悪く救急車を呼ぶ間もなく心配停止とな
り、病院で死亡が確認された。
普段はとても仲のよい同僚同士だった。一時会社中がパニック状態になった。暴行
傷害事件とし扱われ、
保釈後口論の相手は会社を辞めた。懺悔の気持ちだったのか
もしれない。
二人共仕事熱心。金属加工工場だけに床が滑りやすかった。二人が担当する部品は
どちらも納期が急がれていた。想定外の最悪の事態が起ることがあるものだ。
□ ブリヂストン栃木工場で大火災、当事者が自殺!
今からおよそ10年前の9月、ブリヂストン栃木工場で大火災が発生した。
床の穴を金属板でふさぐべく溶接作業をしていたため、溶接の火花が引火性の高い
発泡剤に飛び散り火災に至ったのだった。ブリヂストンほどの大企業だけに火気を
扱うときの作業マニュアルも緊急事態発生時のマニュアルも当然整備されていたが
機能しなかったのだ。
火気使用の作業時は防火シートで養生をすることになっていたし、万が一火災が生
じても(初期)消火活動マニュアルも整備されていた。しかし、防火シートの養生
がないまま溶接作業を実施し、火災が発生しても作業者は慌てふためき、冷静さを
失い、初期消火すらできなかった。次々発泡剤に燃え移り、大火災になったのであ
る。
数日後、溶接作業に関わっていた当事者が自殺するという痛ましい事故だった。半
年ほど経って、担当
役員や工場長らに軽い処分が下された。世間を騒がせたから処
分なしというわけには行かなかったのだろう。出勤停止2~3日では頭も冷やせない
のではないかと思われる。
「社員同士が口論、一人が転倒して死亡!」は全くの想定外の事故だが、「ブリヂ
ストン栃木工場で大火災」は想定される事故だ。いずれにせよトラブルが発生する
と人間は冷静さを失う。我々は、そのことをしっかり心に刻んでおかなければなら
ない。
【2】「冷静さ」なる
コンピテンシーの
定義付けと行動基準!
「冷静さ」とはどのように定義すればよいのだろうか。自分流に定義を考えてほし
い。
1.「冷静さ」の
定義付けの例
例えば「困難やトラブルに遭遇してもあわてることなく、うろたえることなく、た
ちどころに対応策を考え、実行に移すこと」と決めるのもいいだろう。
大トラブルが発生すれば誰もがパニック状態に陥りやすい。そのようなときこそ、
筋道を立てて冷静に考え、最良の応急措置を考えて即座に実行することが求められ
るわけだ。
原因追究と恒久対策は後でゆっくり考えればいい。まずは最良の応急措置を採り、
被害及び損失を最小限に食い止めることが優先されるべきだ。
2.行動基準の例
<行動基準の例>
前述のブリヂストンの例のように想定内の事故でも人間はパニックに陥りやすい。
□ トラブルに遭遇してもマニュアルに沿って最良の応急措置を取る
□ 最悪、皮を切らせて肉を切るといった措置もよしとする
□ とっさに対応策を複数考え、最小限の被害で収まる対応策を実行に移す
□ 想定されるトラブルに対し複数の対応策を見出すトレーニングをしておく
□ 種々のトラブルに対する即応力訓練をやっておく
田舎では、かつて「あわてる乞食はもらいが少ない」とよくお年寄りが言っていた。
今の時代、乞食は見かけなくなったが、民家の玄関先に立ち物乞いをする乞食こそ
冷静だったというわけだ。茶飲み茶碗一杯の米を布袋に入れてもらってもあわてて
直ぐには帰らない。気の毒に思った家人から何かまた追加の品がもらえるかも知り
ないからだ。
上記のいくつかを組み合わせて行動基準にしてもかまわない。
定義付けと行動基準を決めて実行すれば、もう昨日までの自分ではなくなるわけだ。
【3】賢人の言葉
矢野 龍氏は「冷静さ」の大切さを説いていた。
<前進することは大切ですが、そこには冷静さも大切ですね>
「猪突猛進」と言うことわざがある。例えば「改革、改革」と叫ぶ経営者は多い。
このような会社に限って改革は遅々として進まないものだ。叫ぶ前に改革を前進さ
せるためにはどうすればいいかを冷静に考える必要があるはずだ。
まず、マインドイノベーション、つまり「意識改革」を推進させなければならな
い。「意識改革」をなおざりにして業務内容や仕組みをいじっても実行されない恐
れがあるからだ。このことは、冷静に考えれば分かるはずだ。
【4】「冷静さ」なる
コンピテンシー発揮の威力!
「やることが早い」と言うことは人に誇れる長所だ。なぜなら、もたもたしていて
なかなか行動に移さない人が多いからだ。いくら保有能力が高くとも行動に移さな
ければ成果はゼロだ。
上司に「大至急やってくれ」と言われると「冷静さ」を失い、「ハ、ハイ。分かり
ました」と言ってやり始める。結果は散々な出来だ。これでは仕事のできる人とは
言えない。
上司に定型業務以外の仕事を指示されたなら、目的、趣旨、背景などをよく理解し
なければ着手できないはずだ。上手に質問をして納得的に理解することが重要だ。
そうすればどれほどの難しい仕事なのかが理解でき、どれくらいの時間がほしいの
かも申し出ることができるだろう。
困難な状況にあってもトラブルを抱えていても落ち着いていて物事に動じない冷静
な判断と行動が大切だ。あわて癖があると少しでも心当たりのある人は、「冷静さ」
を意識して事に当たることだ。これまでのような勘違いや思い込みによるミスが激
減するに違いない。
是非、「冷静さ」なる
コンピテンシーを磨いてほしい。
【5】今日のまとめ
1.「やることが早い」と言うことは人に誇れる長所ではあるが、「猪突猛進型」
の人がいること。こういうタイプの人は散々な仕事の結果になる場合が多いこ
と。
2.定型業務以外の仕事を指示されたなら、目的、趣旨、背景を納得的に理解して
から取り掛かることが大切であること。
3.困難な状況やトラブルに出会っても冷静に筋道を立てて考え、即座に最良の対
応策を考えて行動に移せるように自分を磨くこと。
【6】編集後記
兵庫県高砂市で山陽電鉄の特急列車が大型トラックの荷台部分に衝突し、暴走・脱
線する事故が発生し、15人が怪我をした。車載用の大型トラックが踏み切りを通過
しようとした際、踏み切りの先にある信号が赤になり、車がつながていて前に進め
なかったのだ。
冷静に考えれば踏切を渡りきれないことが分かるのに、無理やり突っ込んでしまっ
た。さらに最悪なのは遮断機にトラックの荷台部分が引っ掛かった。遮断機を外そ
うと荷台を下ろしたため、80センチの高さに設置してある障害物検知装置が作動し
ないため、列車は緊急停止できなかったのである。
冷静な判断力のあるドライバーなら踏み切りに突っ込むことは決してしなかっただ
ろう。
================================
次回に続く
次回は、「賢人の優れた
コンピテンシーをベンチマークする」シリーズを解説します。
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<第307回>事例で学ぶ「コンピテンシー」レビュー編!<その34>
==■「冷静さなるコンピテンシー発揮の威力!」■==
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人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れと
なり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。
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コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・
管理者・社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す学生さんにも是非
ともお読みいただきたいと思います。
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【1】パニック状態に陥る!
【2】「冷静さ」なるコンピテンシーの定義付けと行動基準!
【3】賢人のことば!
【4】「冷静さ」なるコンピテンシー発揮の威力!
【5】今日のまとめ
【6】編集後記
=================================
行動特性を変えてみてください。きっと昨日までの自分とは違った自分に出会いま
す。そして成果に貢献できます。あなたも会社も大きく成長できるのです。
【1】パニック状態に陥る!
1.パニック状態に陥る
突然、想定外の出来事が起こる。そんな時は誰もが冷静にはなれない。一人だけ冷
静を装えばむしろ異人・変人と思われるだろう。
□ 社員同士が口論、一人が転倒して死亡!
現役時代、長野県の子会社の取引先に板金プレスメーカーA社があった。短納期に
もかかわらずとてもよく対応してくれる優良ベンダーだった。
ある日、「オレが先だ」、「いやオレのほうが先だ」と社員同士が口論し、生産に
使用する治工具を奪い合っていた。興奮した二人はすっかり冷静さを失った。治工
具を奪い合っているうちに一人が足を滑らして転倒した。そして後頭部を機械のエ
ッヂの部分にぶつけてしまった。打ち所が悪く救急車を呼ぶ間もなく心配停止とな
り、病院で死亡が確認された。
普段はとても仲のよい同僚同士だった。一時会社中がパニック状態になった。暴行
傷害事件とし扱われ、保釈後口論の相手は会社を辞めた。懺悔の気持ちだったのか
もしれない。
二人共仕事熱心。金属加工工場だけに床が滑りやすかった。二人が担当する部品は
どちらも納期が急がれていた。想定外の最悪の事態が起ることがあるものだ。
□ ブリヂストン栃木工場で大火災、当事者が自殺!
今からおよそ10年前の9月、ブリヂストン栃木工場で大火災が発生した。
床の穴を金属板でふさぐべく溶接作業をしていたため、溶接の火花が引火性の高い
発泡剤に飛び散り火災に至ったのだった。ブリヂストンほどの大企業だけに火気を
扱うときの作業マニュアルも緊急事態発生時のマニュアルも当然整備されていたが
機能しなかったのだ。
火気使用の作業時は防火シートで養生をすることになっていたし、万が一火災が生
じても(初期)消火活動マニュアルも整備されていた。しかし、防火シートの養生
がないまま溶接作業を実施し、火災が発生しても作業者は慌てふためき、冷静さを
失い、初期消火すらできなかった。次々発泡剤に燃え移り、大火災になったのであ
る。
数日後、溶接作業に関わっていた当事者が自殺するという痛ましい事故だった。半
年ほど経って、担当役員や工場長らに軽い処分が下された。世間を騒がせたから処
分なしというわけには行かなかったのだろう。出勤停止2~3日では頭も冷やせない
のではないかと思われる。
「社員同士が口論、一人が転倒して死亡!」は全くの想定外の事故だが、「ブリヂ
ストン栃木工場で大火災」は想定される事故だ。いずれにせよトラブルが発生する
と人間は冷静さを失う。我々は、そのことをしっかり心に刻んでおかなければなら
ない。
【2】「冷静さ」なるコンピテンシーの定義付けと行動基準!
「冷静さ」とはどのように定義すればよいのだろうか。自分流に定義を考えてほし
い。
1.「冷静さ」の定義付けの例
例えば「困難やトラブルに遭遇してもあわてることなく、うろたえることなく、た
ちどころに対応策を考え、実行に移すこと」と決めるのもいいだろう。
大トラブルが発生すれば誰もがパニック状態に陥りやすい。そのようなときこそ、
筋道を立てて冷静に考え、最良の応急措置を考えて即座に実行することが求められ
るわけだ。
原因追究と恒久対策は後でゆっくり考えればいい。まずは最良の応急措置を採り、
被害及び損失を最小限に食い止めることが優先されるべきだ。
2.行動基準の例
<行動基準の例>
前述のブリヂストンの例のように想定内の事故でも人間はパニックに陥りやすい。
□ トラブルに遭遇してもマニュアルに沿って最良の応急措置を取る
□ 最悪、皮を切らせて肉を切るといった措置もよしとする
□ とっさに対応策を複数考え、最小限の被害で収まる対応策を実行に移す
□ 想定されるトラブルに対し複数の対応策を見出すトレーニングをしておく
□ 種々のトラブルに対する即応力訓練をやっておく
田舎では、かつて「あわてる乞食はもらいが少ない」とよくお年寄りが言っていた。
今の時代、乞食は見かけなくなったが、民家の玄関先に立ち物乞いをする乞食こそ
冷静だったというわけだ。茶飲み茶碗一杯の米を布袋に入れてもらってもあわてて
直ぐには帰らない。気の毒に思った家人から何かまた追加の品がもらえるかも知り
ないからだ。
上記のいくつかを組み合わせて行動基準にしてもかまわない。
定義付けと行動基準を決めて実行すれば、もう昨日までの自分ではなくなるわけだ。
【3】賢人の言葉
矢野 龍氏は「冷静さ」の大切さを説いていた。
<前進することは大切ですが、そこには冷静さも大切ですね>
「猪突猛進」と言うことわざがある。例えば「改革、改革」と叫ぶ経営者は多い。
このような会社に限って改革は遅々として進まないものだ。叫ぶ前に改革を前進さ
せるためにはどうすればいいかを冷静に考える必要があるはずだ。
まず、マインドイノベーション、つまり「意識改革」を推進させなければならな
い。「意識改革」をなおざりにして業務内容や仕組みをいじっても実行されない恐
れがあるからだ。このことは、冷静に考えれば分かるはずだ。
【4】「冷静さ」なるコンピテンシー発揮の威力!
「やることが早い」と言うことは人に誇れる長所だ。なぜなら、もたもたしていて
なかなか行動に移さない人が多いからだ。いくら保有能力が高くとも行動に移さな
ければ成果はゼロだ。
上司に「大至急やってくれ」と言われると「冷静さ」を失い、「ハ、ハイ。分かり
ました」と言ってやり始める。結果は散々な出来だ。これでは仕事のできる人とは
言えない。
上司に定型業務以外の仕事を指示されたなら、目的、趣旨、背景などをよく理解し
なければ着手できないはずだ。上手に質問をして納得的に理解することが重要だ。
そうすればどれほどの難しい仕事なのかが理解でき、どれくらいの時間がほしいの
かも申し出ることができるだろう。
困難な状況にあってもトラブルを抱えていても落ち着いていて物事に動じない冷静
な判断と行動が大切だ。あわて癖があると少しでも心当たりのある人は、「冷静さ」
を意識して事に当たることだ。これまでのような勘違いや思い込みによるミスが激
減するに違いない。
是非、「冷静さ」なるコンピテンシーを磨いてほしい。
【5】今日のまとめ
1.「やることが早い」と言うことは人に誇れる長所ではあるが、「猪突猛進型」
の人がいること。こういうタイプの人は散々な仕事の結果になる場合が多いこ
と。
2.定型業務以外の仕事を指示されたなら、目的、趣旨、背景を納得的に理解して
から取り掛かることが大切であること。
3.困難な状況やトラブルに出会っても冷静に筋道を立てて考え、即座に最良の対
応策を考えて行動に移せるように自分を磨くこと。
【6】編集後記
兵庫県高砂市で山陽電鉄の特急列車が大型トラックの荷台部分に衝突し、暴走・脱
線する事故が発生し、15人が怪我をした。車載用の大型トラックが踏み切りを通過
しようとした際、踏み切りの先にある信号が赤になり、車がつながていて前に進め
なかったのだ。
冷静に考えれば踏切を渡りきれないことが分かるのに、無理やり突っ込んでしまっ
た。さらに最悪なのは遮断機にトラックの荷台部分が引っ掛かった。遮断機を外そ
うと荷台を下ろしたため、80センチの高さに設置してある障害物検知装置が作動し
ないため、列車は緊急停止できなかったのである。
冷静な判断力のあるドライバーなら踏み切りに突っ込むことは決してしなかっただ
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