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シリーズ「
コンピテンシーが営業力・販売力を左右する!」
<第399回>[(第13話)「全体最適を目指した連帯構築力
コンピテンシー!」]
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今話題の「会社を救う
コンピテンシー」とは何かと
コンピテンシーの導入の
必要性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「コンピ
テンシーが営業力・販売力を左右する!」と題して様々な角度から鋭く分析
した記事を紹介していきます。中小企業の経営者の方、管理者の方、
人事担
当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。
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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論
1.営業部門とバックヤード部門の連携力が弱い!
2.工場での生産キャパシティを制約理論で検証してみる!
3.個人の成果からチームの成果に切り替えた住宅販売会社!
【3】編集後記
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一昔前に制約理論というキーワードが流行ったことがあった。ゴールドラッ
ト氏の著書が世界的なベストセラーになったからだった。製造現場に深く関
係する理論だが、読者の約半数はホワイトカラーだった。制約理論は事務部
門や営業部門にとってもとても役に立つ著書だったのである。
制約理論「TOC」とは、「Theory Of Constraints」のことだ。一口に言っ
てボトルネックを抽出し、そのボトルネックを最優先で、全社を挙げて対策
を講じる必要性を説いている。ボトルネック以外の項目から対策しても企業
としての全体のパフォーマンスにさして効果がないからだ。
ボトルネックは読んで字のごとくビンの首だ。ビンの首は細くなっている。
ビンの首が細いままでは液体を入れるときも出すときもちょろちょろ、少し
ずつしか入れられないし、出せない。企業としてはまずこのボトルネックを
全社を挙げて改革しなければ、大きな効果は得られないと言うわけだ。
ボトルネック以外の小さな問題は解決しなくていいと言うことではない。日
々の仕事の中で当然改善していかなければならないことは言うまでもない。
そこで今回は、企業としての営業力を全体最適に向かわせるにあたり、その
場合のボトルネックを「連携力の弱さ」と捉え、「社内連携力強化」の重要
性について解説することにする。
【1】心に刻んでおきたい言葉
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ウチには優秀な営業マンはいない。だからチーム営業で売りまくる。
相澤堅二
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【2】メルマガ本論
[(第13話)全体最適を目指した連帯構築力
コンピテンシー!]
1.営業部門とバックヤード部門の連携力が弱い
多くの企業では、伝統的に営業部門とバックヤード部門(例えば生産部門な
ど)との連係が悪いという例が多い。お互いに誹謗しあって顧客満足(CS)
が置き去りになっている例さえ見受けられる。
市場の最前線で戦う「営業部門」と「バックヤード部門」の連係を強化しな
ければならないのは当然だ。特に開発・設計、生産管理、仕入れ・調達、営
業サポート部門との連携を強化し、営業力の「全体最適」を図ることが重要
だ。
□ ボトルネックと非ボトルネックの切り分け
ボトルネックは、前述したようにビンの首のことだ。ここを太くしなければ
元々太い胴体部分をいくら太くしても液体を入れたり出したりするときの単
位時間当たりの効率は変わらない。
しかし、ややもするとボトルネックを置き去りにしたまま、ボトルネックで
はない胴体部分の改善にエネルギーを注いでいる例が多い。まずはボトルネ
ックと非ボトルネックに切り分けることだ。
□ 真っ先に改革に着手すべきはボトルネック
トップが号令をかけて改革に着手すべきは、ボトルネックなのである。ボト
ルネックを改革すれば会社全体のパフォーマンスは一気に上がるからだ。
2.工場での生産キャパシティを制約理論で検証してみる!
3種類の部品を組み立てて商品が完成するシンプルな事例で解説する。
1日の生産可能数は、A部品が100個、B部品が80個、C部品が120個としよ
う。組立能力は3種類の部品さえあれば最大で120台可能ということになる。
今、この商品に対する市場の要求が1日90台ある。しかし、商品の出荷可能
台数は最大で80台に限定されてしまう。B部品が80個しかできないからだ。
□ 問題点
この事例では、ボトルネックはB部品と言うことになる。B部品にロスが生
じれば、商品の生産量はさらに落ちてしまい、80台を割り込むことになる。
A部品、C部品は非ボトルネックだ。この2つは少々のロスが生じても工場
全体のパフォーマンスには影響を及ぼさない。A部品、B部品、C部品をこ
のまま生産したのでは、市場の要求に応えられないばかりか、A部品とC部
品は在庫が増えてしまう。
□ 一緒に残業している例さえある
似たような現象は、多くの製造現場で構発生している。B部品を増産するた
めに多くの場合、残業でしのぐ。ところが、A部品やC部品の担当者も一緒
に付き合い残業している例がある。現場責任者(管理職)は一体何を管理し
ているのだろうか。
□ 問題の共有化を図る
まずは問題の共有化を図ることは大切だが、これがなかなかうまくいかない。
「私の問題は職場の問題であり、職場の問題は会社としての問題」という認
識が薄いのだ。
みんなで問題の共有化を図り、ボトルネックを特定し、非ボトルネックとの
バランスを取ることを真っ先に検討すべきだ。
□ ボトルネックから対策を
この事例では、B部品がボトルネックだからB部品の生産量を90個以上、例
えば92個程度に引き上げる対策が急務だ。市場の要求90台に対して2個は予
備を考えてのものである。この場合、非ボトルネックの余剰工数を活用する
か、生産技術的に改善してB部品の生産性を上げなければならないわけだ。
□ 非ボトルネックの扱い
非ボトルネックの工程は、時間が余っているわけだから余剰工数をボトルネ
ックの生産に投入するか他の仕事に振り向けることだ。そうすることで非ボ
トルネックであるA部品とC部品の在庫を低減できるわけだ。
□ ホワイトカラーの職場でも制約理論は応用できる
ホワイトカラーの職場でも生産現場をモデルに考えて業務プロセスを見直す
ことは重要だ。「特定の人」や「特定の業務」に負荷が集中し、停滞が発生
し、業務のスピードや効率を阻害している例が多いからである。
それにはムダを発見する目を養うことが重要だ。「もの探し」、「歩行」、
「運搬」もオフィスでは恒常的に発生している。「もの探し」、「歩行」、
「運搬」も仕事のうちと考えているようでは大きな改革は望めない。
3.個人の成果からチームの成果に切り替えた住宅販売会社!
営業マンの給料を
歩合制にしている会社は多い。たくさん売った営業マンは
ボードにバラの花がたくさん付き、売れない営業マンはバラの花が寂しい。
当然固定給は低く抑えられていて残りは歩合給なわけだから、バラの花がた
くさん付いた営業マンの給料は多い。
これがインセンティブとなり、みんなバラの花がたくさん付くように頑張る
だろうというのがトップの思惑だ。だがその読みは当たらない。
そのことに気付いて歩合給をやめた住宅販売会社が「びわこホームズ」だ。
営業部門をいくつかのチームに分ける。チームリーダーはいくつかのペアを
編成する。営業活動はペアで行い、チーム全体の成果の最大化を狙うわけだ。
営業活動はチームのメンバーで議論し、考える。自分たちのチームにとって
のボトルネックを見つけてそれをみんなで潰す活動は迫力がある。もう10年
も地域一番を継続しているそうだ。「個人営業からチーム営業への転換」が
重要ではないかと思う。
【3】編集後記
今の時代、大きなテーマは企業内の「全体最適」を狙うことだ。一つの部門
・特定の部門だけうまくいっていても企業全体としてのパフォーマンスが低
ければ何にもならない。部分最適に固執している時代ではないのだ。
SCM(Supply Chain Management)が叫ばれて久しい。企業の枠を超えて
「メーカー→卸・商社→小売→消費者・生活者」へ至る供給連鎖の在庫や物
流などの全てのムダをなくそうという壮大な考えだ。それには、まず自社内
の「全体最適」を図ることが急務である。
=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
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次回に続く。
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