◆◆
コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆
<第323回>賢人の
コンピテンシーをベンチマークする!<その16>
==■「社員が輝き、お客様が喜ぶJR九州に変えた唐池社長の人間力!」■==
===================================
人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れと
なり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。
「賢人の
コンピテンシーをベンチマークする」と題して分かりやすく解説していき
ます。
コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・
管理者・社員の皆様、そして求職中の
離職者の方や就職を目指す学生さんにも是非
ともお読みいただきたいと思います。
===================================
■忙しい人はとりあえず流し読みして下さい。後でゆっくり読み直していただくと
理解が一層深まります。(
コンピテンシー宣教師より)■
<今回のメニュー>
=================================
【1】唐池恒二氏の持論は「安全とサービスは自ら創るもの」!
【2】唐池恒二氏はカードを次々切るやり手!
【3】客、お客さん、お客様の違いを徹底指導!
【4】多角化で九州の魅力を売り込め!
【5】賢人から学ぶべきこと!
【6】編集後記
=================================
賢人と呼ぶにふさわしい人は、すばらしい「行動特性」を持って行動している。だ
からすばらしい仕事の結果を出すことができるのだ。我々は賢人の
コンピテンシー
をベンチマークしない手はないのだ。
【1】唐池恒二氏の持論は「安全とサービスは自ら創るもの」!
JR北海道の相次ぐ事故や不祥事。今年になってからだけでも大きな不祥事は10件
を超える。トップはすっかりお詫び記者会見にも慣れてしまったようだ。
トップが記者会見するに当たって、現場の事実をほとんど把握していない。例えば
貨物列車の脱線事故。直接原因はレールの幅が規格以上に広がっていたことだ。規
格以上に広がっていて修理せずに放置してある個所の数が記者会見するたびに増え
ていく。現場任せ、外注任せで「いつまでに修理せよ」という指示はどこからも出
ない。
万年赤字で予算が取れない。それだけではない。国鉄時代から引きずっている「企
業体質」問題が暗い影を落としている。
JR九州も分割民営化の1987年からずっと赤字だった。しかし2004年に黒字転換に
成功した。鉄道事業だけでは限りがある。グループを挙げて多角化に挑戦してきた。
2009年に社長に就任した唐池恒二氏は2011年に「安全創造館」を社員研修センター
の中に設立した。年間8千人の社員がここで安全に関する研修を受講する。これま
での鉄道事故の反省をし、学ばせるのだ。
唐池恒二氏は「鉄道は安全産業」と位置付ける。そのことは決してブレない。安
全意識は眠りやすい。だから自分たちの行動で作っていくものと考えているのだ。
電車の運転者から「民家の屋根が反射し信号が見にくい」と提案が出されれば、
すぐさま反射防止の対策を講じる。だから会社と社員たちの「信頼」は厚い。J
R北海道との大きな違いだ。
【2】唐池恒二氏はカードを次々切るやり手!
現社長の唐池恒二氏は京都大学法学部を卒業後国鉄に入社。その後分割民営化に
伴いJR九州に入社した。営業畑を歩み、「集客術」を学んでいく。流通部門の
管理職を務め、子会社JR九州フードサービス
株式会社の社長を歴任する過程で
サービスとはどうあるべきかを学ぶことになる。
その後JR九州に戻り鉄道事業の本部長を務めるなどして2009年6月に社長に就
任した。2011年にはパル出版から「JR九州・唐池恒二のお客さまをわくわく
させる発想術─世界から集客」という著書を出している。
唐池恒二氏は社長になる前からたくさんのカードを切ってきた。例えば「ゆふ
いんの森」や「阿蘇BOY」等の特急列車、博多─釜山間の高速船「ビートル」
の運航企画にも参加している。さらにはJR九州が運営する炭焼き創菜料理店
「うまや」の東京進出にも一役買っている。黒字化に大いに貢献しているのだ。
【3】客、お客さん、お客様の違いを徹底指導!
唐池恒二氏が社長に就任当時、社員間での会話は「客」と言う単語が飛び交っ
ていたと言う。たまに「お客さん」という単語が飛び交えばいいほうだったそ
うだ。
「お客さん」という呼び方を「お客様」と変えるだけで雰囲気はガラリと変わ
る。例えば定期券をきちんと見せてくれなかったお客様を呼び止めるときがあ
る。「お客さん、ちょっと」と呼び止めるか「お客様、ちょっとよろしいでし
ょうか」と呼び止めるかによってお客様が受ける印象は全く違う。後者のほう
がお客様は素直に定期券を再提示してくれるからトラブルにはならない。
今では社員のほとんどが「お客様」とお呼びするようになったと唐池恒二氏は
おっしゃる。
【4】多角化で九州の魅力を売り込め!
2012年に九州新幹線が全線開通した。新幹線はただ早く目的地に着けるという
利点だけではつまらないし集客にはあまり貢献しない。
在来線にユニークな列車を走らせ、集客できる仕組みを作った。例えば指宿に
行く列車は「玉手箱」と名付けた。浦島太郎の雰囲気を味わいながら指宿温泉
に向かってもらう仕掛けだ。新幹線と在来線をうまく融合させ、集客に結びつ
ける作戦だ。
そのほか不動産開発事業、外食産業、ホテル事業、船舶事業、リゾート開発、
ドラッグストアと多角化のタネは尽きない。
「ニーズ+誠実な商い」が唐池恒二氏のコンセプトだ。調査の結果、ニーズが
あると思えば誠実な商いを仕掛けることで本業以外のビジネスで稼ぐ作戦が功
を奏している。
【5】賢人から学ぶべきこと!
唐池恒二氏は2006年のJR西日本・福知山線の脱線事故で106人が亡くなられた
事故に多くを学ぼうとしている。前述したように「鉄道事業は安全産業」と自
ら位置付け、社員研修センター内に「安全創造館」を設立して全社員へ安全の
教育を徹底している。
博多駅のようなジャンボな駅もあれば過疎地の小さな駅もある。しかし、駅同
士でCS(顧客満足)を競うコンテストを毎年開催している。寸劇を入れて駅
員たちが自分たちの駅のCSへの取り組みを発表する姿には心打たれる。主役
は社員たちだ。
社員が主役の会社では社員がみんな輝いている。責任感が高く
モチベーション
だって高く維持されている。
唐池恒二氏のことを学べば学ぶほど「人間力」のすばらしさを感じる。感じる
だけでなく、少しでもマネをしたい気持ちにさせてくれる。
【6】編集後記
JR北北海道の幹部および社員の皆様もJR九州から学んでほしいと切に願う。
どこかの国の内戦のように一つの会社の中でいがみ合っている場合ではない。
負のスパイラルから脱して正のスパイラルに一日も早く転換することだ。それ
には今の組織ではムリだ。唐池恒二氏のようなリーダーを迎えなければJR北
海道の潮目は変わらないのではないかと思う。
================================
次回に続く
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
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人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れと
なり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。
「賢人のコンピテンシーをベンチマークする」と題して分かりやすく解説していき
ます。
コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・
管理者・社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す学生さんにも是非
ともお読みいただきたいと思います。
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■忙しい人はとりあえず流し読みして下さい。後でゆっくり読み直していただくと
理解が一層深まります。(コンピテンシー宣教師より)■
<今回のメニュー>
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【1】唐池恒二氏の持論は「安全とサービスは自ら創るもの」!
【2】唐池恒二氏はカードを次々切るやり手!
【3】客、お客さん、お客様の違いを徹底指導!
【4】多角化で九州の魅力を売り込め!
【5】賢人から学ぶべきこと!
【6】編集後記
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賢人と呼ぶにふさわしい人は、すばらしい「行動特性」を持って行動している。だ
からすばらしい仕事の結果を出すことができるのだ。我々は賢人のコンピテンシー
をベンチマークしない手はないのだ。
【1】唐池恒二氏の持論は「安全とサービスは自ら創るもの」!
JR北海道の相次ぐ事故や不祥事。今年になってからだけでも大きな不祥事は10件
を超える。トップはすっかりお詫び記者会見にも慣れてしまったようだ。
トップが記者会見するに当たって、現場の事実をほとんど把握していない。例えば
貨物列車の脱線事故。直接原因はレールの幅が規格以上に広がっていたことだ。規
格以上に広がっていて修理せずに放置してある個所の数が記者会見するたびに増え
ていく。現場任せ、外注任せで「いつまでに修理せよ」という指示はどこからも出
ない。
万年赤字で予算が取れない。それだけではない。国鉄時代から引きずっている「企
業体質」問題が暗い影を落としている。
JR九州も分割民営化の1987年からずっと赤字だった。しかし2004年に黒字転換に
成功した。鉄道事業だけでは限りがある。グループを挙げて多角化に挑戦してきた。
2009年に社長に就任した唐池恒二氏は2011年に「安全創造館」を社員研修センター
の中に設立した。年間8千人の社員がここで安全に関する研修を受講する。これま
での鉄道事故の反省をし、学ばせるのだ。
唐池恒二氏は「鉄道は安全産業」と位置付ける。そのことは決してブレない。安
全意識は眠りやすい。だから自分たちの行動で作っていくものと考えているのだ。
電車の運転者から「民家の屋根が反射し信号が見にくい」と提案が出されれば、
すぐさま反射防止の対策を講じる。だから会社と社員たちの「信頼」は厚い。J
R北海道との大きな違いだ。
【2】唐池恒二氏はカードを次々切るやり手!
現社長の唐池恒二氏は京都大学法学部を卒業後国鉄に入社。その後分割民営化に
伴いJR九州に入社した。営業畑を歩み、「集客術」を学んでいく。流通部門の
管理職を務め、子会社JR九州フードサービス株式会社の社長を歴任する過程で
サービスとはどうあるべきかを学ぶことになる。
その後JR九州に戻り鉄道事業の本部長を務めるなどして2009年6月に社長に就
任した。2011年にはパル出版から「JR九州・唐池恒二のお客さまをわくわく
させる発想術─世界から集客」という著書を出している。
唐池恒二氏は社長になる前からたくさんのカードを切ってきた。例えば「ゆふ
いんの森」や「阿蘇BOY」等の特急列車、博多─釜山間の高速船「ビートル」
の運航企画にも参加している。さらにはJR九州が運営する炭焼き創菜料理店
「うまや」の東京進出にも一役買っている。黒字化に大いに貢献しているのだ。
【3】客、お客さん、お客様の違いを徹底指導!
唐池恒二氏が社長に就任当時、社員間での会話は「客」と言う単語が飛び交っ
ていたと言う。たまに「お客さん」という単語が飛び交えばいいほうだったそ
うだ。
「お客さん」という呼び方を「お客様」と変えるだけで雰囲気はガラリと変わ
る。例えば定期券をきちんと見せてくれなかったお客様を呼び止めるときがあ
る。「お客さん、ちょっと」と呼び止めるか「お客様、ちょっとよろしいでし
ょうか」と呼び止めるかによってお客様が受ける印象は全く違う。後者のほう
がお客様は素直に定期券を再提示してくれるからトラブルにはならない。
今では社員のほとんどが「お客様」とお呼びするようになったと唐池恒二氏は
おっしゃる。
【4】多角化で九州の魅力を売り込め!
2012年に九州新幹線が全線開通した。新幹線はただ早く目的地に着けるという
利点だけではつまらないし集客にはあまり貢献しない。
在来線にユニークな列車を走らせ、集客できる仕組みを作った。例えば指宿に
行く列車は「玉手箱」と名付けた。浦島太郎の雰囲気を味わいながら指宿温泉
に向かってもらう仕掛けだ。新幹線と在来線をうまく融合させ、集客に結びつ
ける作戦だ。
そのほか不動産開発事業、外食産業、ホテル事業、船舶事業、リゾート開発、
ドラッグストアと多角化のタネは尽きない。
「ニーズ+誠実な商い」が唐池恒二氏のコンセプトだ。調査の結果、ニーズが
あると思えば誠実な商いを仕掛けることで本業以外のビジネスで稼ぐ作戦が功
を奏している。
【5】賢人から学ぶべきこと!
唐池恒二氏は2006年のJR西日本・福知山線の脱線事故で106人が亡くなられた
事故に多くを学ぼうとしている。前述したように「鉄道事業は安全産業」と自
ら位置付け、社員研修センター内に「安全創造館」を設立して全社員へ安全の
教育を徹底している。
博多駅のようなジャンボな駅もあれば過疎地の小さな駅もある。しかし、駅同
士でCS(顧客満足)を競うコンテストを毎年開催している。寸劇を入れて駅
員たちが自分たちの駅のCSへの取り組みを発表する姿には心打たれる。主役
は社員たちだ。
社員が主役の会社では社員がみんな輝いている。責任感が高くモチベーション
だって高く維持されている。
唐池恒二氏のことを学べば学ぶほど「人間力」のすばらしさを感じる。感じる
だけでなく、少しでもマネをしたい気持ちにさせてくれる。
【6】編集後記
JR北北海道の幹部および社員の皆様もJR九州から学んでほしいと切に願う。
どこかの国の内戦のように一つの会社の中でいがみ合っている場合ではない。
負のスパイラルから脱して正のスパイラルに一日も早く転換することだ。それ
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