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マクドナルドは“価格”を売り、スターバックスは“価値”を売る

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『ビジネスマン必読!1日3分で身につけるMBA講座』 発行部数:26011部
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こんにちは!『ビジプロ通信』ナビゲーターの安部です。


前回ご案内した創業スクエアでのブランド戦略講座ですが、早々に満席となり、
現在はキャンセル待ちの状況だという連絡を主催者様からいただきました。

お申込みいただきましたみなさま、どうもありがとうございます!

また、キャンセル待ちとなってしまった方は申し訳ございません。m(_ _)m

この講座では3回にわたってブランドを築いていく方法をお伝えしていきます
ので、是非ともお楽しみにご参加いただければ幸いです。(^^)

今、鋭意コンテンツを作成中です!(笑)


それでは、今回のメルマガも張り切ってお届けしていきますので
最後までお付き合いの程よろしくお願い致します!m(_ _)m

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■ コラム:“MBAの視座・視野・視点”
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さて、今回の『コラム:“MBAの視座・視野・視点”』では、これまでの
連載をちょっとお休みして、不振からなかなか抜け出せないマクドナルドと
成長著しいスターバックスの背景について私なりに分析してみたいと思います。
ちょっと長いですが、是非とも最後までお読み下さいませ。(^^)


【スターバックスとマクドナルドの勢いの差はどこにあるのか?】


■ スターバックスがマクドナルドを抜いた日


5月9日にスターバックスの2014年3月期の決算が発表されました。

結果は昨今のコーヒーブームを受けて増収増益となり、
過去最高を記録する好決算となりました。

注目すべきは利益面でハンバーガー業界の“巨人”マクドナルドを
抜き去ったことでしょう。

経常利益を比較すると、マクドナルドの102億円に対して、スターバックスは
110億円、最終利益はマクドナルドの51億円に対してスターバックスの60億円
と、好調のスターバックスが不振に喘ぐマクドナルドを逆転したのです。
(マクドナルドの決算は2013年12月期)

今期に入ってもなかなか浮上のきっかけをつかめないマクドナルドに対して、
スターバックスはコーヒーブームに乗り好調を維持していますので、
今期は益々その差が開くことも予想されます。

“デフレ時代の勝ち組”と称され、まったく他を寄せ付けなかった
マクドナルドですが、今やスターバックスを始め、コンビニエンスストアなど
異業種からの全方位的な攻勢に遭い青息吐息の状況です。

なぜ、デフレ時代に破竹の勢いで快進撃を続けてきたマクドナルドは
景気が回復してきた今苦戦しているのか?、
そして、最近ではコンビニの安くておいしい本格的なコーヒーが
コーヒー市場を席捲していますが、なぜそのコンビニのコーヒーに
負けることなくスターバックスは業績を伸ばし続けることができるのか?

今回は“価格”と“価値”という視点から両社の勢いの差を
分析していくことにしましょう。


■ “価格”を売るマクドナルド


マクドナルドのビジネスの特徴として、『週替わりのクーポンを発行して
集客を図る』ということが挙げられます。

店頭で顧客の注文を眺めていると、実に多くの顧客がスマートフォンや
携帯電話の画面に映し出されたクーポンを提示して購入しているシーンに
出くわします。

この意味ではマクドナルドのクーポンを活用した集客は成功を収めている
ともいえるでしょう。

ただ、これは裏を返せば、顧客はクーポンがなければマクドナルドには
行かないということの表れでもあります。

クーポンには期間限定の割引価格を提供することで来店を促すという
メリットもありますが、クーポンによる集客は、頻繁に変わる価格に
「定価で買うのは馬鹿らしい」という気を顧客に起こさせる
デメリットもあるのです。

マクドナルドにとっては利幅を削ったクーポンを呼び水に、他の利幅の
大きな商品を追加で購入してもらい収益を調整する“マージン・ミックス”を
実現したいところですが、多くの顧客は、100円マックやクーポンで
割引された商品だけを購入するなど、おいしいところだけをつまむ
“チェリーピッカー”と化しています。

このような顧客の特徴は“価格”を買うところにあります。

購入の判断基準は『価格が安いか?』や『コストパフォーマンスが高いか?』
にあるのです。

ですから、“価格”を買う顧客には、“価格”が重要なのであって、
ブランドにはこだわりがあまりありません。

もし、他に安いもの、コストパフォーマンスの高いものがあれば
すぐに目移りして、購入先を変更してしまうのです。

マクドナルドの苦戦の原因は、自ら“価格”を売り、
価格に敏感な顧客を集めてしまったところにあるのではないでしょうか。

結果として、たとえばコンビニでよりコストパフォーマンスの高い
コーヒーが発売されるやいなや、多くの顧客がそちらに流れて、
顧客数の大幅な減少に悩まされることになるのです。


■ “価値”を売るスターバックス


“価格”を売るマクドナルドに対して、スターバックスは“価値”を
そのビジネスの中心に据えています。

たとえば、スターバックスが4月16日から期間限定で発売した
バナナフラペチーノは生のバナナをまるごと使用した価値ある一品ですが、
価格もトールサイズで610円とカフェで販売する商品としては
高額の部類に入ります。

一見、「そんな高い商品が売れるのか?」と思われがちですが、発売を
開始するやいなや話題が沸騰し、予想を上回る売上に各店舗で完売が続き、
5月11日の販売終了予定日を待たずして早々に販売終了になりました。

スターバックスの場合は、このような価値ある商品だけでなく、自宅や職場に
次ぐ“サードプレイス”というコンセプトを提案し、落ち着いてコーヒーを
飲む環境を併せて顧客に提供しているところに特徴があります。

スターバックスの提供する“価値”に魅了された顧客は価格に左右されること
なく、スターバックスが高い価値を提供し続ける限りは顧客であり続けます。

スターバックスの好業績の背景には、このような“価値”を求める顧客が
積み重なって顧客基盤が拡大していくという背景があるのです。


■ 価格から価値への転換を図り復活を遂げたリンガーハット


このようにビジネスでは“価格”を売るか、“価値”を売るかで、
集まる顧客の特徴が変わり、事業に大きな影響を与えますが、
ビジネスの軸を価格から価値に転換して成功した興味深い事例もあります。

それが、長崎ちゃんぽんのチェーン店を全国で展開するリンガーハットです。

リンガーハットは2005年、創業者である米濱氏が会長に退いて、後任に
日本マクドナルドで社長を務めた八木氏を招聘し、会社の未来を託します。

八木新社長はマクドナルドで培ったノウハウでリンガーハットを成長軌道に
乗せようと数々の改革に取り組みます。

そのうちの一つがクーポンの発行だったのです。

八木氏は、マクドナルドの成功法則をリンガーハットに持ち込み、
当時定価で450円だった長崎ちゃんぽんを100円引きの350円で食べられる
クーポンを乱発します。

このクーポンの発行で一時期は客足が伸びたものの、
価格だけではすぐに顧客に飽きられて業績は失速。

2009年2月期には最終赤字が24億円にまで達し、
リンガーハットは倒産の危機に直面します。

ここでマクドナルド出身の八木氏は引責辞任を迫られ、代わって創業者である
米濱会長が社長を兼任し、経営に返り咲くことになります。

米濱氏が業績を立て直すためにまず断行したのが“価格”を売る
クーポンの廃止でした。

『長崎ちゃんぽん=安物』という顧客の間に定着した悪いイメージを払拭し、
“価値”を提供することを決断したのです。

そこで米濱氏は招集した役員会で、ちゃんぽんに使用する野菜をすべて
国内産に切り替え、コストが上がった分は価格を引き上げて対応することを
居並ぶ役員の前で提案します。

当時はデフレ真っ只中で、値下げする企業はあれど、値上げする企業は
皆無に等しく、多くの役員は米濱氏の提案に激しく反対しました。

ただ、米濱氏は、リンガーハットを救うためには“価格”から“価値”への
ドラスティックな転換が必要不可欠だと主張し、
自分の信じた路線を強行します。

そうはいっても、本当に“価格”から“価値”への転換が成功するかは
実際に行ってみなければわかりません。

米濱氏は、“新生”長崎ちゃんぽんが販売される当日、店舗を視察し、
賑わっている店内や食べ終わって満足そうに出ていく顧客を見て
ようやく成功を確信したそうです。

そして、この“価格”から“価値”への転換が功を奏し、
リンガーハットはV字回復を成し遂げ、今でも成長が続いているのです。


■マクドナルドとスターバックス、両社の勢いの差は“価格”を売るか、
“価値”を売るか


“価格”で勝負しても、もちろん成功を収めることは可能です。

それはハンバーガー業界でいえばマクドナルド、牛丼業界でいえばすき家が
デフレ時代に快進撃を続けたことでも証明されています。

ただ、ビジネスの歴史を振り返ると、その成功は短期間で終わり、
苦境に立たされるケースがほとんどです。

“価格”で集めた顧客は、他に安い価格を提供する企業やコスト
パフォーマンスの高い商品などが現れれば躊躇なくブランドスイッチするなど、
安定的な顧客基盤となり得ないからです。

一方で“価値”に納得して購入した顧客は、価格などでは浮気をしない
ロイヤルカスタマーとなる可能性も高くなります。

大幅な顧客流出で業績がなかなか上向かないマクドナルドは“価格”を買う客
を集め、勢いに乗るスターバックスは“価値”を買う客を集める・・・
現在の両社の勢いの差は、この“価格”を売るか、“価値”を売るかに
あるのではないでしょうか。


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■ 編集後記:
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今週ようやく次の出版の原稿を書き終えました。

前作は完成までに2年以上かかりましたが、今回はおよそ3か月ほどでしょうか
・・・ペースは確実に速まっていますね。(笑)

これで1冊分肩の荷が下りたのですが、先週新たな出版社から企画の
ご提案をいただきましたので、また1冊増える予定です。(^^;

本を1冊書き終えると“燃え尽き症候群”で当分は原稿を書きたくないという
気分になるのですが、そうは言ってもいられない状況なので、
モチベーションを維持して新たな作品に取り組まなきゃいけないですね。

今度は頑張って1ヶ月ちょっとで書き上げられればいいなと思っています。
(笑)


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最後までお読みいただきましてありがとうございました。 m(_ _)m


今回のメルマガはいかがだったでしょうか?

ご意見やご要望があれば下記のフォームからお気軽にお寄せ下さいね!
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それでは、また次回あなたにお会いできるのを楽しみにしています!(^-^)


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『ビジネスマン必読!1日3分で身につけるMBA講座』(ビジプロ通信)

編集長: 安部 徹也

発行元:
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