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多能工化で少数精鋭の社風を作る!

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     シリーズ「よい社風の確立で仕事のできる人の集団を作る!」

    <第427回>[(第4話)「多能工化で少数精鋭の社風を作る!」]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要性に
ついて、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは「よい社風の確立で仕事ので
きる人の集団を作る!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介して
いきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、人
事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】全員が多能工で特急受注もこなせるプレスメーカー!
【3】パートさんが多能工で職場は非定員制のスーパー!
【4】人を動かせるリーダーの育成がカギを握る!
【5】編集後記

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「多能工」は古くて新しいキーワードではないかと思う。「多能工」に相対するキー
ワードは「単能工」だ。

かつて家電品などの少品種多量生産はベルトコンベアで生産された。懐かしい光景が
思い浮かぶ。例えば長いベルトコンベアに100人の組立工を並べて部品を数点ずつ
組み付けてもらい、最終工程で完成品となる。組立工は「単能工」でもよかった。一
つの工程をマスターしてもらえば役に立ったのだ。もし病気その他で休んだ場合は班
長がラインに入る。

ベルトコンベアの組立工は毎日同じ作業を繰り返すから単調で余計なことを考える必
要もない。人間性が疎外され、ただの「ロボット人間」になってしまう。このような
生産方式は海外にシフトされ、国内に残ったのは多品種少量生産品だ。

多品種で少量の製品を効率よく生産するため、「セル生産方式」が導入された。一人
で最初の工程から完成品までを担当する。頭を使って工夫しなければ隣の組立工に負
けてしまう。全ての工程をマスターしなければならないから「多能工」だ。だが、誰
でも「多能工」になれるわけではない。上手に「多能工」に育てるには人を上手に動
かせるリーダーの存在が不可欠だ。

「多能工」がたくさん育っている会社は元気溌剌で、オーラ全開のやる気集団の社風
が育まれていく。



【1】心に刻んでおきたい言葉


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経営者がきちんとチャンスを与えれば、社員のモチベーションはいくらでも高まる。


       松浦元男

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【2】全員が多能工で特急受注もこなせるプレスメーカー!

秋田県鹿角郡小坂町に「株式会社カミテ」と言うプレスメーカーがある。経営者の姓
が「上手」さんだから「カミテ」と言うわけだ。中小企業だから人数は30前後だ。
しかし、この会社は各方面(厚生労働省など)から何度となく表彰を受けている。社
員に優しい斬新な経営をやっているからだ。ちなみに現社長は「上手康弘氏」だ。

金型を作り、金型でプレス部品を生産する。カミテでは事務部門の人も「多能工」だ。
現場が忙しければ誰もが現場に入れる。事務の仕事は明日に延ばしても何とかなるが
製品は納期を遅らせるわけには行かない。全員が「多能工」だからマシンの数が足り
なくとも男性は一時的に「二直勤務」や「三直勤務」も可能だ。顧客企業は大助かり
だ。

工場敷地内に保育所もある。0歳からの保育だけでなく、小学校低学年の児童保育も
やっている。結婚し、子供が生まれても辞めないでそのまま働いてもらえる環境を整
えているのだ。親の介護で早退したければいつでもどうぞだ。誰かが代わりにカバー
できるからだ。

せっかく教育訓練して「多能工」に育てた。ずっと働き続けられる環境を整備し、働
いてもらう。いつ自分がフォローしてもらう立場になるか分からない。だからフォロ
ーする立場になってもみんな笑顔で快くフォローしてあげる。社員同士の絆は固く結
ばれている。これがフレンドリー企業・カミテの社風なのである。



【3】パートさんが多能工で職場は非定員制のスーパー!

埼玉県を中心にドミナント展開している「ヤオコー」と言うスーパーがある。

午前中から午後の2時ごろまではお惣菜の部署や肉・魚の加工とパッキングの部署は
猫の手も借りたいほどだ。だからこの時間帯は多くのパートさんが投入される。3時
ごろからは売り場が込み始める。品だし・補充が忙しい。今度は売り場が猫の手も借
りたい。お惣菜や肉・魚の部署から売り場に“自働的”に人が移ってうまく対応する。
“自動的”ではなく“自働的”と言うのがミソだ。つまり自ら進んで働くと言うこと
だ。

ポイントは次のようになる。

□ 「多能工化」の促進

□ 「職場定員制」ではなく「職場非定員制」を導入

□ できる仕事を増やしたい気持ちにさせるリーダーのマネジメント

お惣菜と言ってもたくさんのアイテムがある。それを一つひとつマスターしてもらう。
魚の下ろし方から刺身の作り方も同様にたくさんのアイテムがある。マスターした仕
事の欄に丸印が増えていくのはなんとも言えない快感だ。

職場は原則「非定員制」だ。固定する人をあらかじめ決めておいてもいい。非定員の
人は、「リーダー、あそこが手薄なので私、あそこに入ります」と自己申告して忙し
い職場に自ら異動する。リーダーはいちいち指示する必要がないから助かる。

誰でもが最初から「多能工」になりたい人ばかりではない。だから、できる仕事を増
やしたい気持ちにさせるマネジメントが必要だ。これがリーダーシップの醍醐味だ。
そのようなマネジメントが得意なリーダーを会社として育てなければならない。



【4】人を動かせるリーダーの育成がカギを握る!

管理職(リーダー)になったはいいが、人を動かすことが苦手な人は多い。これは悲
しいことだ。ザルで水を汲み取ることはできない。水は何らかの容器で汲み取るのだ。
それと同じように部下の心は双方向コミュニケーションで汲み取るのだ。

「ゆっくりでいいですよ」。「一つずつでいいですから」。「合格です。すばらしい
ですね」。「次、何に挑戦しますか」。リーダーがパートさんの心に点火することに
成功すれば、モチベーションは一層高まるのだ。

ヤオコーでは、カイゼン発表会もある。社長や幹部の前でパートさんが発表する。お
褒めのコメントを頂く。いくつかの賞も用意されている。金賞でももらえば気持ちは
「やったー」だ。ここでもやる気集団の社風が培われる。



【5】編集後記

いくつもの仕事をマスターした人は会社にとってかけがえのない人財だ。あっさり辞
められては困る。ずっと働いてもらうためには安心して働ける職場環境の整備も重要
な課題だ。「カミテ」はそのことをよく理解していて、全社員に「多能工」になって
もらい、工場の敷地内に保育所まで設けた。休憩時間や昼休みは我が子を抱いて、ス
キンシップを図り、また仕事に精励できるのである。誰が見てもすばらしい企業だ。

「非定員制」、「自働化」と言うキーワードも大事なので覚えておくとよい。


=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=


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次回に続く。


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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
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