『
総務の森』コラムをご覧のみなさま
こんにちは!
合同会社5W1Hの高野潤一郎と申します。
プロフィールとバックナンバーは、こちらからご覧いただけます。
→
http://www.soumunomori.com/profile/uid-97755/
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HR総研様の『
人事白書2014』の2箇所(育成関連および
人事
戦略関連)で、弊社サービスをご紹介いただきました。
→
https://www.hrpro.co.jp/hks_kyosan.php
併せてご覧いただければ幸いです。
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本コラムでは、弊社配信の無料ニューズレター第100号(2011年8月
11日配信)で公開した記事の一部をシェア差し上げます。
今回のタイトルに興味をお持ちいただけた方は、是非、お役立てく
ださい。
<以下、抜粋記事となります。その旨、予めご了承くださいませ。
なお、システム上、本コラムでご紹介できない『図表』などを含
めた『全文』は、後述のリンク先より、無料で、何の登録手続き
もなく、ご覧いただけますので、ご安心ください。>
============================================================
(前略)
弊社の勉強会や研究会では、建設的な「脱線」が毎度のごとく発生
することもあって、ただ書籍を独学しているのとは異なる価値が得
られるという側面からも、参加者のみなさまに評価いただけており
ます。
今週開催した朝の研究会「C研」の脱線内容は、先日公開した無料
動画(
http://www.youtube.com/Jun5W1H )のいくつかの内容とも関
連しておりましたので、今回のニューズレターご購読のみなさまに
も「お裾分け情報」としてお届けしようと思います。
■今週のC研内容と、関連の深い動画
「最強組織の法則」などで知られるピーター・センゲさんや、「万
物の歴史」などで知られるケン・ウィルバーさんなどが推薦されて
いる、「私たちの話し方は、どのように、私たちの働き方を変える
ことができるのか?」という書名の英文テキストを現在採り上げて
いるC研では、今週は、下記のような話題について議論していまし
た。
●「ヒトは積極的に意味を創り出し、現実を形作り、経験を体系づ
けてまとめる」という、現代の「構成主義」の基礎を成す哲学上
の識別に関する話
●個人の言語、内的言語に関して、第1~4欄から成る「概念グリ
ッド」を各自の事例で埋めた上での話
●「抑圧」は、目的/意味のある忘却という話
●大前提を見ることと、大前提を通して見ること
→動画「ヒトの活動 と 知覚フィルター」
(
http://youtu.be/1WkdJE1n_xM )に関連
●変容(変革)を生むための学習には、「挑戦」と「支援」の絶妙
な調合が不可欠
→動画「特徴3:システマティック(体系的な)」
(
http://youtu.be/wqghK205wSU )に関連
●第5の言語:「継続して、敬意を伝える」 [思いやりを示す]
=「感謝」[適切な評価](相手に、私たちが受け取った価値につ
いて伝える) +
「称賛」[敬服、感嘆](相手の世界に入り込んで、教えられた
り刺激を受けたりしたこと、あるいは、相手の行動や選択によ
って何らかの形で自分が高められたと感じたことを伝える)
*間接的 → 直接的
*非特異的 [一般的] → 特異的な[具体的な]
*限定的な [属性的] → 非限定的な[非属性的]
→動画「特徴2:タイプ分けではなく、パターン検出」
(
http://youtu.be/YKjW51MNBS8 )に関連
●「継続して、敬意を伝える」 [思いやりを示す] とは、相手を褒
めたり、おだてたりすることではないし、相手の人となりについ
て肯定的なレッテルを貼ることなどでもなくて、変容(変革)の
促進に役立つ「私たちの経験についての、純粋で中立的な情報」
を相手に与えることによって、「支援」の質を高めることを指し
ている。
→動画「特徴4:フィードバックとコメントを区別」
(
http://youtu.be/cUokee86gNc )に関連
「大前提を見ることと、大前提を通して見ること」の話と関係が深
いので、私は、図表1「メタ・コーチング(R)を構成する7つのモ
デル」の1つである、「マトリクス・モデル」の話を補足していま
した。
(このテキストでは、「これは○○ではないか」という仮説を「前
提」と呼び、証拠等は乏しいかもしれないけれど、真実であるとし
て疑うことのない前提を「大前提」と呼んで区別しています。)
■マトリクス・モデルを用いた、精聴(≠傾聴)の事例紹介
今回のニューズレター記事を読み進める上では、マトリクス・モデ
ルの詳細について理解していただく必要はなく、下記の「定義」と
図表2「マトリクス・モデル概要」に軽く目を通していただければ、
先に進めるようになっています。
図表1:メタ・コーチング(R)を構成する7つのモデル
------------------------------------------------------------
定義:マトリクス・モデル / (The) Matrix Model
私たちの個性・態度・認識の本質を構成する8個のマトリクスが別
のマトリクスに埋め込まれているというモデル(3つのプロセス・
マトリクスと5つのコンテンツ・マトリクス)で、人間の機能を理
解するための"全体論的"な"フレームワーク"を指す。
"ニューロ・セマンティクス"(NS、神経意味論)の分野において、
ヒトの機能を理解しようとする全体論的な(思考、感情、行動、感
情…はお互いに密接に影響を与え合っているとする)フレームワー
クとして活用するモデル。
発達心理学が基礎となっており、メタ・コーチングでも「自身」
「ステイト」「力(能力)」「時間」「他者」「世界」「意味(価
値)」「意図(目的)」といったマトリクスを用いる。
マトリクス・モデルを用いることで、意味を形成する際のクライア
ント特有のパターンを見つけて働きかけ、クライアントの心-身体-
感情システムの変容や強化を促進する。
[ 弊社用語集より転載 ]
------------------------------------------------------------
(図表1と図表2は、次の図表3「マトリクス・モデルを使った、
精聴練習の事例」をご覧いただく際の予備知識として示しただけ
ですので、詳細は別として、おぼろげながらマトリクス・モデル
ってこういう感じのものらしいなぁとイメージされる程度で大丈
夫です。)
図表2:「マトリクス・モデル概要」
この辺りをC研の参加者に解説したところ、「このマトリクス・モ
デルをどうやって使うのか?」といった質問をいただきました。
そこで、例えば、「自己開発コーチングを実施する際に、クライア
ントの慣れ親しんだ思考パターンを検出するのに利用する」とお答
えし、(その時にはまだマス目が空欄のままで)図表3「マトリク
ス・モデルを使った、精聴練習の事例」を紹介しました。
C研では充分に解説する時間が取れなかったため、C研終了後に、
マトリクス・モデルを使った「精聴」練習の事例(マス目の空欄を
埋めた例)を探しました。
すると、「前提を疑う」といった話も登場する事例として、アート・
ディレクターの佐藤可士和さん が話されているNHKのテレビ番
組(2年くらい前の放送?)を見ながら取ったメモがあったので、
それを図表3としてお示しします。
図表3:マトリクス・モデルを使った「精聴」練習の事例
<注意>
マトリクス・モデルを用いた、この「精聴」練習の目的は、コーチ
ングの場面において、「クライアントの個性・態度・認識のパター
ンを認識する」能力を高めるのに役立てることです。(そのため、
ここでは、コーチングを実施するのに必要な情報かどうかといった
判断を行うことは狙っておりません。)
コーチングでは、必要に応じて、クライアントのパターン(知覚フ
ィルターの機能の仕方)を認識することによって、クライアントが
望む結果を得るコーチングを実施するために役立てます。
※「精聴」に関しては、動画「特徴5:セラピーには傾聴、コーチ
ングには精聴」(
http://youtu.be/1WkdJE1n_xM ) で解説してい
ます。
精聴の練習にはさまざまなやり方が可能であり、今回ご紹介した
マトリクス・モデルを用いる方法ばかりではないことに、併せて
ご注意ください。
【 マトリクス・モデルを用いた精聴練習の特徴 】
------------------------------------------------------------
・特定領域の「詳細内容(コンテンツ)」について情報収集するた
めの聴く練習ではなく、話し手の慣れ親しんだ「情報処理パター
ン(プロセス)」に氣づくための聴く練習(…モデリングや自己
開発コーチングに有効)であること
・「情報処理パターン(プロセス)」を検出するために聴くので、
話の内容があちこちに飛んでも、論理展開に違和感を覚えても、
その流れを邪魔しないようにする(相手の意識の自然な流れを追
う)というのが基本姿勢であること
------------------------------------------------------------
■「聴く」練習についての話
図表3について解説を加えながら説明したところ、C研参加者で、
保険のセールスパーソンを対象に営業教育をご担当されている方か
ら、「ウチでも、聴く練習というのはいろいろやっているのですが、
何をどのようにどの程度聴くかという基準もありませんし、マトリ
クス・モデルを用いた精聴のような演習というのも、良さそうだな
ぁと感じました」といった趣旨のコメントをいただきました。
私は、「営業など場面ごとの目的に応じて、さらに表をカスタマイ
ズすると良いかもしれませんね」「こういった表を使って聴くこと
にすると、話し手の関心事や感情を無視して、空欄のマス目を埋め
ることに一生懸命になる人が出てきますが、それでは本末転倒です
ので、事前に練習の狙いなどについて充分理解してもらうことが必
要となります」などと申し上げていました。
■「コーチング的会話」と「コーチング」のギャップは大きい
以前、夜の勉強会では、「意識すれば、『コーチング的(要素を取
り入れた)会話』ができるという人を増やすのは数日間の企業研修
でも可能だけれど、企業内の数日間の集合研修だけで本物の『コー
チング』ができるコーチを育成するのは、実際問題として極めて困
難だ。」という話が出ていました。
…例えば、図表3のような精聴の例だけ採り上げてみても、「研修
参加者の大半に、こういった聴き取りができるようにするには、
時間もコストも相当かかる。社内研修で、練習方法だけを解説す
ることにして、後は自主的な練習を積んでくれと言っても、効果
を期待することは難しいだろう。」といったコメントでした。
もちろん、新人・若手・中途
採用者などには、(自己開発コーチン
グではなく)パフォーマンス・コーチングのアプローチだけ学んで
もらえれば充分だという考え方もあっていいと思いますし、選抜さ
れた経営幹部候補や次世代リーダーに絞って、集中的かつ断続的に
コーチング研修をするといった取り組み方であれば有効だと考えて
います。
勉強会でのこういった会話も踏まえて、2010年09月01日配信のニュ
ーズレター「コーチングと外科手術; 9/10夜 汐留/新橋イベント
続報」では、
・ある有名なコーチが「コーチングを広めるには、内容を簡単にし
ないといけない。だから、コーチングの理論的な枠組みは不要で
す。」とおっしゃっているのを聞いたことがあり、私は、発言者
が「コーチングを広めないといけない」「コーチを増やさないと
いけない」という前提をお持ちで話されたものと解釈したこと
・コーチを外科医、クライアント(コーチングの利用者)を患者だ
と譬えて、「『解剖学の本を100冊読んだことがありますし、
手先は結構、器用な方なので、私にあなたの脳外科手術をお任せ
ください』と笑顔で言われても、なかなかその外科医に自分の手
術を任せたいとは思えないことからもお分かりいただけるように、
外科手術という行為がいくら素晴らしいものであっても、全員が
外科医を目指す必要はありませんし、目指されても患者の身にな
って考えると困ってしまうという場合もあり得る」という私の考
え
をお伝えしていましたし、
また、2011年08月06日配信のニューズレター「ノーベル経済学賞と、
社内コーチの限界」では、
・「現状認識を変えないままで、現実を変えようとする」パフォー
マンス・コーチングでは、「コーチは指示・命令をしてしまいや
すく、クライアントは受け身になりやすい」という傾向がある
・「現状認識を変えた上で、現実を変えようとする」自己開発コー
チングでは、「コーチは認識を変えるような質問を発し、クライ
アントは主体的に考えて行動するようになっていきやすい」とい
う傾向がある
と、社内コーチの限界についても指摘しておりました。
今現在、私は、「コーチング的要素を取り入れた会話」と「コーチ
ング」のギャップは大きいと考えていますが、みなさんはどのよう
にお感じになり、それを踏まえて何をお考えになったでしょうか?
(後略)
============================================================
冒頭でご案内差し上げましたように、本記事の『全文』は、下記
よりご覧いただけます。上記抜粋記事をご覧になった上で、詳細
についてお知りになりたい方は、是非ご活用くださいませ。
●ニューズレター第100号
マトリクス・モデルを用いた「精聴」の事例
→
http://5w1h.hatenablog.jp/entry/100(ブログ版)
→
http://www.5w1h.co.jp/newsletter/no100.pdf(PDF版)
============================================================
出典を明記していただき、『著作権法』で認められる『引用』の
範囲を超えなければ、許可なしで部分引用可能です。
また、内容を改変せず、元のままの形(あるいは上記リンク先)
であれば、お知り合いなどに転送していただいて構いません。
============================================================
以上、何か少しでも、『
総務の森』コラムをご覧のみなさまの
お役に立てることがあれば幸いです。
お忙しいところ、目を通していただき、ありがとうございました!
高野潤一郎@
合同会社5W1H
P.S.1
● 【 早割:7月18日(金)まで 】 9月13日(土)スタート
合同会社5W1H流『コーチング学習プログラム』
http://www.5w1h.co.jp/pl/clp.html
~「自らを制約から解放し、
境界を超えていく能力」
「自ら適切な課題を設定する能力」を高めるのに有効!~
「参加者の声」は、こちら↓からご確認いただけます。
http://www.5w1h.co.jp/pl/clp.html#comments
P.S.2
●6月28日(土)~29日(日)
7月24日(木)~25日(金)
「フレームワーク質問力(総論)」セミナー
http://www.5w1h.co.jp/pl/saimf.html
●6月13日(日)ほか: 月に一度、日曜朝の「教養醸成の会」
http://www.5w1h.co.jp/pl/CGG.html
●8月9日(土)~10日(日)
2日間「コーチング漬け」体験
http://www.5w1h.co.jp/pl/two_days_coaching.html
P.S.3
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いただけたようでしたら、下記もご覧になってみてください。
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「自律共栄の納得人世」の実現に向け、
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合同会社5W1H
代表 高野 潤一郎 [ 博士(先端科学技術) ]
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た。
●「ヒトは積極的に意味を創り出し、現実を形作り、経験を体系づ
けてまとめる」という、現代の「構成主義」の基礎を成す哲学上
の識別に関する話
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ッド」を各自の事例で埋めた上での話
●「抑圧」は、目的/意味のある忘却という話
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=「感謝」[適切な評価](相手に、私たちが受け取った価値につ
いて伝える) +
「称賛」[敬服、感嘆](相手の世界に入り込んで、教えられた
り刺激を受けたりしたこと、あるいは、相手の行動や選択によ
って何らかの形で自分が高められたと感じたことを伝える)
*間接的 → 直接的
*非特異的 [一般的] → 特異的な[具体的な]
*限定的な [属性的] → 非限定的な[非属性的]
→動画「特徴2:タイプ分けではなく、パターン検出」
(
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●「継続して、敬意を伝える」 [思いやりを示す] とは、相手を褒
めたり、おだてたりすることではないし、相手の人となりについ
て肯定的なレッテルを貼ることなどでもなくて、変容(変革)の
促進に役立つ「私たちの経験についての、純粋で中立的な情報」
を相手に与えることによって、「支援」の質を高めることを指し
ている。
→動画「特徴4:フィードバックとコメントを区別」
(
http://youtu.be/cUokee86gNc )に関連
「大前提を見ることと、大前提を通して見ること」の話と関係が深
いので、私は、図表1「メタ・コーチング(R)を構成する7つのモ
デル」の1つである、「マトリクス・モデル」の話を補足していま
した。
(このテキストでは、「これは○○ではないか」という仮説を「前
提」と呼び、証拠等は乏しいかもしれないけれど、真実であるとし
て疑うことのない前提を「大前提」と呼んで区別しています。)
■マトリクス・モデルを用いた、精聴(≠傾聴)の事例紹介
今回のニューズレター記事を読み進める上では、マトリクス・モデ
ルの詳細について理解していただく必要はなく、下記の「定義」と
図表2「マトリクス・モデル概要」に軽く目を通していただければ、
先に進めるようになっています。
図表1:メタ・コーチング(R)を構成する7つのモデル
------------------------------------------------------------
定義:マトリクス・モデル / (The) Matrix Model
私たちの個性・態度・認識の本質を構成する8個のマトリクスが別
のマトリクスに埋め込まれているというモデル(3つのプロセス・
マトリクスと5つのコンテンツ・マトリクス)で、人間の機能を理
解するための"全体論的"な"フレームワーク"を指す。
"ニューロ・セマンティクス"(NS、神経意味論)の分野において、
ヒトの機能を理解しようとする全体論的な(思考、感情、行動、感
情…はお互いに密接に影響を与え合っているとする)フレームワー
クとして活用するモデル。
発達心理学が基礎となっており、メタ・コーチングでも「自身」
「ステイト」「力(能力)」「時間」「他者」「世界」「意味(価
値)」「意図(目的)」といったマトリクスを用いる。
マトリクス・モデルを用いることで、意味を形成する際のクライア
ント特有のパターンを見つけて働きかけ、クライアントの心-身体-
感情システムの変容や強化を促進する。
[ 弊社用語集より転載 ]
------------------------------------------------------------
(図表1と図表2は、次の図表3「マトリクス・モデルを使った、
精聴練習の事例」をご覧いただく際の予備知識として示しただけ
ですので、詳細は別として、おぼろげながらマトリクス・モデル
ってこういう感じのものらしいなぁとイメージされる程度で大丈
夫です。)
図表2:「マトリクス・モデル概要」
この辺りをC研の参加者に解説したところ、「このマトリクス・モ
デルをどうやって使うのか?」といった質問をいただきました。
そこで、例えば、「自己開発コーチングを実施する際に、クライア
ントの慣れ親しんだ思考パターンを検出するのに利用する」とお答
えし、(その時にはまだマス目が空欄のままで)図表3「マトリク
ス・モデルを使った、精聴練習の事例」を紹介しました。
C研では充分に解説する時間が取れなかったため、C研終了後に、
マトリクス・モデルを使った「精聴」練習の事例(マス目の空欄を
埋めた例)を探しました。
すると、「前提を疑う」といった話も登場する事例として、アート・
ディレクターの佐藤可士和さん が話されているNHKのテレビ番
組(2年くらい前の放送?)を見ながら取ったメモがあったので、
それを図表3としてお示しします。
図表3:マトリクス・モデルを使った「精聴」練習の事例
<注意>
マトリクス・モデルを用いた、この「精聴」練習の目的は、コーチ
ングの場面において、「クライアントの個性・態度・認識のパター
ンを認識する」能力を高めるのに役立てることです。(そのため、
ここでは、コーチングを実施するのに必要な情報かどうかといった
判断を行うことは狙っておりません。)
コーチングでは、必要に応じて、クライアントのパターン(知覚フ
ィルターの機能の仕方)を認識することによって、クライアントが
望む結果を得るコーチングを実施するために役立てます。
※「精聴」に関しては、動画「特徴5:セラピーには傾聴、コーチ
ングには精聴」(
http://youtu.be/1WkdJE1n_xM ) で解説してい
ます。
精聴の練習にはさまざまなやり方が可能であり、今回ご紹介した
マトリクス・モデルを用いる方法ばかりではないことに、併せて
ご注意ください。
【 マトリクス・モデルを用いた精聴練習の特徴 】
------------------------------------------------------------
・特定領域の「詳細内容(コンテンツ)」について情報収集するた
めの聴く練習ではなく、話し手の慣れ親しんだ「情報処理パター
ン(プロセス)」に氣づくための聴く練習(…モデリングや自己
開発コーチングに有効)であること
・「情報処理パターン(プロセス)」を検出するために聴くので、
話の内容があちこちに飛んでも、論理展開に違和感を覚えても、
その流れを邪魔しないようにする(相手の意識の自然な流れを追
う)というのが基本姿勢であること
------------------------------------------------------------
■「聴く」練習についての話
図表3について解説を加えながら説明したところ、C研参加者で、
保険のセールスパーソンを対象に営業教育をご担当されている方か
ら、「ウチでも、聴く練習というのはいろいろやっているのですが、
何をどのようにどの程度聴くかという基準もありませんし、マトリ
クス・モデルを用いた精聴のような演習というのも、良さそうだな
ぁと感じました」といった趣旨のコメントをいただきました。
私は、「営業など場面ごとの目的に応じて、さらに表をカスタマイ
ズすると良いかもしれませんね」「こういった表を使って聴くこと
にすると、話し手の関心事や感情を無視して、空欄のマス目を埋め
ることに一生懸命になる人が出てきますが、それでは本末転倒です
ので、事前に練習の狙いなどについて充分理解してもらうことが必
要となります」などと申し上げていました。
■「コーチング的会話」と「コーチング」のギャップは大きい
以前、夜の勉強会では、「意識すれば、『コーチング的(要素を取
り入れた)会話』ができるという人を増やすのは数日間の企業研修
でも可能だけれど、企業内の数日間の集合研修だけで本物の『コー
チング』ができるコーチを育成するのは、実際問題として極めて困
難だ。」という話が出ていました。
…例えば、図表3のような精聴の例だけ採り上げてみても、「研修
参加者の大半に、こういった聴き取りができるようにするには、
時間もコストも相当かかる。社内研修で、練習方法だけを解説す
ることにして、後は自主的な練習を積んでくれと言っても、効果
を期待することは難しいだろう。」といったコメントでした。
もちろん、新人・若手・中途採用者などには、(自己開発コーチン
グではなく)パフォーマンス・コーチングのアプローチだけ学んで
もらえれば充分だという考え方もあっていいと思いますし、選抜さ
れた経営幹部候補や次世代リーダーに絞って、集中的かつ断続的に
コーチング研修をするといった取り組み方であれば有効だと考えて
います。
勉強会でのこういった会話も踏まえて、2010年09月01日配信のニュ
ーズレター「コーチングと外科手術; 9/10夜 汐留/新橋イベント
続報」では、
・ある有名なコーチが「コーチングを広めるには、内容を簡単にし
ないといけない。だから、コーチングの理論的な枠組みは不要で
す。」とおっしゃっているのを聞いたことがあり、私は、発言者
が「コーチングを広めないといけない」「コーチを増やさないと
いけない」という前提をお持ちで話されたものと解釈したこと
・コーチを外科医、クライアント(コーチングの利用者)を患者だ
と譬えて、「『解剖学の本を100冊読んだことがありますし、
手先は結構、器用な方なので、私にあなたの脳外科手術をお任せ
ください』と笑顔で言われても、なかなかその外科医に自分の手
術を任せたいとは思えないことからもお分かりいただけるように、
外科手術という行為がいくら素晴らしいものであっても、全員が
外科医を目指す必要はありませんし、目指されても患者の身にな
って考えると困ってしまうという場合もあり得る」という私の考
え
をお伝えしていましたし、
また、2011年08月06日配信のニューズレター「ノーベル経済学賞と、
社内コーチの限界」では、
・「現状認識を変えないままで、現実を変えようとする」パフォー
マンス・コーチングでは、「コーチは指示・命令をしてしまいや
すく、クライアントは受け身になりやすい」という傾向がある
・「現状認識を変えた上で、現実を変えようとする」自己開発コー
チングでは、「コーチは認識を変えるような質問を発し、クライ
アントは主体的に考えて行動するようになっていきやすい」とい
う傾向がある
と、社内コーチの限界についても指摘しておりました。
今現在、私は、「コーチング的要素を取り入れた会話」と「コーチ
ング」のギャップは大きいと考えていますが、みなさんはどのよう
にお感じになり、それを踏まえて何をお考えになったでしょうか?
(後略)
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冒頭でご案内差し上げましたように、本記事の『全文』は、下記
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についてお知りになりたい方は、是非ご活用くださいませ。
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マトリクス・モデルを用いた「精聴」の事例
→
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●6月28日(土)~29日(日)
7月24日(木)~25日(金)
「フレームワーク質問力(総論)」セミナー
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●6月13日(日)ほか: 月に一度、日曜朝の「教養醸成の会」
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●8月9日(土)~10日(日)
2日間「コーチング漬け」体験
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P.S.3
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代表 高野 潤一郎 [ 博士(先端科学技術) ]
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