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~得する税務・
会計情報~ 第343号
【
税理士法人-優和-】
http://www.yu-wa.jp
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配偶者居住権の設定による
相続税節税の要点
1.配偶者居住権
平成30年の
民法改正により、令和2年4月1日以降の
相続から配偶者居
住権の設定が可能となりました。配偶者居住権は、配偶者の生存中は被
相続
人の所有していた建物に引き続き無償で居住できる権利です。同居や生計が
一であることは求められておらず、被
相続人の所有していた建物に配偶者が
居住していたことが要件となります。
相続財産を分けるにあたって、
相続が生じる前から住んでいた配偶者の住
まいは、配偶者がその住まいの権利を
相続しなかったとしても、引き続き住
むことができるような権利を認めたものです。
配偶者居住権は、
相続の生じた時点で、その住まいに住んでいた配偶者の
みに認められます。配偶者居住権の
登記が必要となり、
登記することで効力
が発生します。
登記は建物のみにされ、敷地となっている土地には
登記はさ
れません。
遺産分割協議、
遺言、
家庭裁判所の審判で設定することができます。
被
相続人と配偶者でないものとが建物を共有していた場合には、配偶者居
住権は設定できません。
配偶者居住権は、配偶者だけに認められた特別な権利のため、売却できま
せん。
また、存続期間は原則として配偶者の終身の間とされ、配偶者の死亡によ
って消滅し、
相続させたりすることはできません。
配偶者の生存中の
合意解除は可能ですが、その場合配偶者居住権相当額の
対価を支払うか、対価を支払わない場合は配偶者が配偶者居住権を所有者に
贈与したとして
贈与税がかかります。
配偶者居住権が消滅すると、通常の
所有権に戻ります。
2.節税の要点
夫婦と子1人で、自宅のみを
相続財産とした単純化した例でみてみます。
仮に先に夫の
相続が生じた場合に、自宅の
所有権を子が
相続し、配偶者で
ある妻が配偶者居住権と配偶者居住権に基づく敷地利用権を
相続します。
次に配偶者である妻の
相続が生じた場合に、配偶者居住権と配偶者居住権
に基づく敷地利用権は消滅するため、配偶者居住権と配偶者居住権に基づく
敷地利用権の
相続財産はないこととなります。
このような効果のある場合、
相続税が節税となるといわれております。
3.注意点
諸般の事情から、自宅を売却する可能性がある場合には、配偶者居住権を
合意解除により消滅させておかないと売却は困難となります。
合意解除には、上記のように対価の支払いか
贈与税の課税の問題が生じま
す。
4.評価等
令和元年度の税制改正で
相続時における配偶者居住権、配偶者居住権に基
づく敷地利用権の評価額の
算定方法が定められ、令和2年度の税制改正では、
それらの消滅等による
譲渡所得の計算における取得費の算出方法が明確化さ
れていますので、別途ご確認ください。
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発行者
税理士法人優和 埼玉本部 飯野浩一(
公認会計士・
税理士)
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E-MAIL:
saitama@yu-wa.jp
TEL:048(769)5501/ FAX:048(769)5510
〒349-0121
埼玉県蓮田市関山1-1-17
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配偶者居住権の設定による相続税節税の要点
1.配偶者居住権
平成30年の民法改正により、令和2年4月1日以降の相続から配偶者居
住権の設定が可能となりました。配偶者居住権は、配偶者の生存中は被相続
人の所有していた建物に引き続き無償で居住できる権利です。同居や生計が
一であることは求められておらず、被相続人の所有していた建物に配偶者が
居住していたことが要件となります。
相続財産を分けるにあたって、相続が生じる前から住んでいた配偶者の住
まいは、配偶者がその住まいの権利を相続しなかったとしても、引き続き住
むことができるような権利を認めたものです。
配偶者居住権は、相続の生じた時点で、その住まいに住んでいた配偶者の
みに認められます。配偶者居住権の登記が必要となり、登記することで効力
が発生します。登記は建物のみにされ、敷地となっている土地には登記はさ
れません。
遺産分割協議、遺言、家庭裁判所の審判で設定することができます。
被相続人と配偶者でないものとが建物を共有していた場合には、配偶者居
住権は設定できません。
配偶者居住権は、配偶者だけに認められた特別な権利のため、売却できま
せん。
また、存続期間は原則として配偶者の終身の間とされ、配偶者の死亡によ
って消滅し、相続させたりすることはできません。
配偶者の生存中の合意解除は可能ですが、その場合配偶者居住権相当額の
対価を支払うか、対価を支払わない場合は配偶者が配偶者居住権を所有者に
贈与したとして贈与税がかかります。
配偶者居住権が消滅すると、通常の所有権に戻ります。
2.節税の要点
夫婦と子1人で、自宅のみを相続財産とした単純化した例でみてみます。
仮に先に夫の相続が生じた場合に、自宅の所有権を子が相続し、配偶者で
ある妻が配偶者居住権と配偶者居住権に基づく敷地利用権を相続します。
次に配偶者である妻の相続が生じた場合に、配偶者居住権と配偶者居住権
に基づく敷地利用権は消滅するため、配偶者居住権と配偶者居住権に基づく
敷地利用権の相続財産はないこととなります。
このような効果のある場合、相続税が節税となるといわれております。
3.注意点
諸般の事情から、自宅を売却する可能性がある場合には、配偶者居住権を
合意解除により消滅させておかないと売却は困難となります。
合意解除には、上記のように対価の支払いか贈与税の課税の問題が生じま
す。
4.評価等
令和元年度の税制改正で相続時における配偶者居住権、配偶者居住権に基
づく敷地利用権の評価額の算定方法が定められ、令和2年度の税制改正では、
それらの消滅等による譲渡所得の計算における取得費の算出方法が明確化さ
れていますので、別途ご確認ください。
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