◆事例:
懲戒解雇の定めがない会社での解雇
遅刻や欠勤が多い者がおり、再三注意しても改まる様子がありません。先週
も
無断欠勤が続いたので
懲戒解雇しようと考えています。当社の
就業規則には
懲戒解雇の定めがないのですが、
懲戒解雇できますか。
◇回答----------------------------------------------------------------
就業規則に
懲戒解雇事由の定めがない場合、
懲戒解雇はできません。普通解
雇として取り扱わざるを得ません。従って解雇予告または予告手当の支払が必
要になります。
■解説----------------------------------------------------------------
懲戒解雇は解雇予告なしに即時解雇ができることから、制裁の中でも最も重
い処分です。このため会社の恣意的な濫用を防ぐ観点から、監督署による解雇
予告除外認定を受けるべき等の制限がかけられています。
なお、この認定は、
労働者を保護する必要のない程度の悪質・重大な事由に
限って行われます。必ずしも
就業規則に定められた事由があればすんなり認定
されるわけではありません。
そうは言っても、
就業規則に
懲戒解雇の定めがない場合は、そもそも認定を
受けることが飛躍的に難しくなるのはもちろんですし、基準や根拠のない処分
となるため後々のトラブルの種ともなります。
懲戒解雇は会社が行う制裁の一種です。制裁は基準法に定められた「相対的
記載事項」に該当し、
懲戒解雇をはじめとした制裁の定めをする場合には、そ
の種類と程度に関する事項を
就業規則に定めなければなりません。
この定めがなく、あるいは定められていない事由によって制裁を科すことは
許されず、もし強行した場合は解雇権の濫用とされ無効となってしまいます。
制裁といえば、例えが悪いですが刑法も同じ考え方で規定されています。
「こういうことをしたら、こういう罪になるよ。刑罰は懲役○年!」がその内
容ですね。刑法に書いてなければ刑法では罪を問えないのです。
また、この手の問題でもめれば、本人は監督署にタレ込む確率が極めて高く
なります。状況によっては会社に
就業規則等の提示を求められたりもします。
懲戒理由が
就業規則に載っていなければ、規定不備とか言われ、会社が不利
になるのは目に見えてます。除外認定どころの話ではなくなりますね。
くどいようですが、
懲戒解雇を含む制裁措置を行う場合は、必ず
就業規則に
記載しましょう。但し、ありとあらゆる全ての事由を入れる必要はありません。
一般的には、多くても20~30項目を羅列しているようですが、最後の1項目に
「その他、上記に準ずる・・・」の条文を入れておく方法もよく見られます。
なお、
懲戒解雇としては効力がなくても、
普通解雇としては有効とされるこ
ともありますが、解雇に至る経緯により取扱いが異なってきます。
これについては、別の機会を予定します。
最後に、10人未満の事業所では
就業規則の作成義務がありませんが、作成し
ておかないと制裁ができないことはいうまでもありません。
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遅刻や欠勤が多い者がおり、再三注意しても改まる様子がありません。先週
も無断欠勤が続いたので懲戒解雇しようと考えています。当社の就業規則には
懲戒解雇の定めがないのですが、懲戒解雇できますか。
◇回答----------------------------------------------------------------
就業規則に懲戒解雇事由の定めがない場合、懲戒解雇はできません。普通解
雇として取り扱わざるを得ません。従って解雇予告または予告手当の支払が必
要になります。
■解説----------------------------------------------------------------
懲戒解雇は解雇予告なしに即時解雇ができることから、制裁の中でも最も重
い処分です。このため会社の恣意的な濫用を防ぐ観点から、監督署による解雇
予告除外認定を受けるべき等の制限がかけられています。
なお、この認定は、労働者を保護する必要のない程度の悪質・重大な事由に
限って行われます。必ずしも就業規則に定められた事由があればすんなり認定
されるわけではありません。
そうは言っても、就業規則に懲戒解雇の定めがない場合は、そもそも認定を
受けることが飛躍的に難しくなるのはもちろんですし、基準や根拠のない処分
となるため後々のトラブルの種ともなります。
懲戒解雇は会社が行う制裁の一種です。制裁は基準法に定められた「相対的
記載事項」に該当し、懲戒解雇をはじめとした制裁の定めをする場合には、そ
の種類と程度に関する事項を就業規則に定めなければなりません。
この定めがなく、あるいは定められていない事由によって制裁を科すことは
許されず、もし強行した場合は解雇権の濫用とされ無効となってしまいます。
制裁といえば、例えが悪いですが刑法も同じ考え方で規定されています。
「こういうことをしたら、こういう罪になるよ。刑罰は懲役○年!」がその内
容ですね。刑法に書いてなければ刑法では罪を問えないのです。
また、この手の問題でもめれば、本人は監督署にタレ込む確率が極めて高く
なります。状況によっては会社に就業規則等の提示を求められたりもします。
懲戒理由が就業規則に載っていなければ、規定不備とか言われ、会社が不利
になるのは目に見えてます。除外認定どころの話ではなくなりますね。
くどいようですが、懲戒解雇を含む制裁措置を行う場合は、必ず就業規則に
記載しましょう。但し、ありとあらゆる全ての事由を入れる必要はありません。
一般的には、多くても20~30項目を羅列しているようですが、最後の1項目に
「その他、上記に準ずる・・・」の条文を入れておく方法もよく見られます。
なお、懲戒解雇としては効力がなくても、普通解雇としては有効とされるこ
ともありますが、解雇に至る経緯により取扱いが異なってきます。
これについては、別の機会を予定します。
最後に、10人未満の事業所では就業規則の作成義務がありませんが、作成し
ておかないと制裁ができないことはいうまでもありません。
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