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再春館製薬所西川通子会長の会話力伝授法!

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     シリーズ「優れた経営者のコンピテンシーを学ぶ!」


   <第315回>[(第13話)「再春館製薬所西川通子会長の会話力伝授法!」

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「優れた経営者の
コンピテンシーを学ぶ!」と題して様々な角度から鋭く分析した記事を紹介して
いきます。中小企業の経営者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読
みいただきたいと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論
1.商品を絞り込んで瀕死の再春館製薬所を再建!
2.返品の山で倒産の危機に!
3.ほどよい利益できらりと光る会社を目指す!
【3】今日のまとめ
【4】編集後記

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「初めてのお客様にはドモホリンクルはお売りできません」で始まるテレビCM
はすっかりおなじみになった。テレビ通販華やかな時代になったが元はといえば
再春館製薬所が初めてではなかったかと思う。

リピーターの顧客数は26万人、ドモホルンリンクルは30年以上売れ続けてい
るメガヒット商品だ。電話は一日7千件、マーケティング部の500人のオペレー
ターが電話接客し、一日1億円をたたき出す。

テレビ通販では相手の顔が見えない。言葉のやり取りから全てを知り、悟って成
約にこぎつける。それゆえに返品の山ができてしまった苦い経験も持つ。そのと
きは正に倒産の危機でもあった。

その時の事件を教訓に「聞き取る訓練」に心血を注いだ西川通子社長(当時)は
「言葉の開発」、「会話の開発」を声高に叫び社員教育に力を入れてきた。

今回は西川通子会長の「会話力伝授法」なるコンピテンシーに迫ってみる。



【1】心に刻んでおきたい言葉

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お客様から“ありがとう”と言われる売上げが本当の売上げです。

                           西川通子

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【2】メルマガ本論

[(第13話)テレビ通販の雄、再春館製薬所西川通子会長の会話力伝授法!]

1.商品を絞り込んで瀕死の再春館製薬所を再建!

平成21年9月、再春館製薬所の西川通子会長がテレビ東京のカンブリア宮殿
に出演したとき、村上龍氏から「どこで経営学やマーケティングについて学ば
れたのですか」と質問を受けた。

「何も学んでなんかいませんよ。ただのおばちゃんですよ。母親ですよ」とさ
りげなく答えたのが印象的だった。

元々警備会社の社長をやっていたとき倒産寸前の再春館製薬所を見てくれない
かとの依頼が舞い込んだ。いろいろな商品があったがその中でドモホルンリン
クルという30歳以上の女性の肌を整える基礎化粧品が目に留まった。この商
品一点に絞れば再建できるのではとの思いから社長を引き受けることにした。

社長に就任したとき年商7千万円だったものをたった7年で100億円企業に育て
上げるという離れ業をやってのけた。テレビ通販と強引ビジネス双方の威力だ
った。


2.返品の山で倒産の危機に!

ところが19993年、返品の山ができた。金額にしてざっと7千万円分だ。マーケ
ティング部の女性たちは強引な勧誘、そしてお客様が承諾していないのに「使
ってみればよさが分かります」などといって強引に商品を発送していたのだっ
た。

苦情が多く寄せられていたこと、消費者協会などにも苦情がたくさんあったこ
とを西川社長(当時)は知っていたが止められなかった。100億突破したとたん
に120億を目指そうと顧客満足には目もくれず自社の売上げ利益を追求したのだ
った。

今熊本の本社工場に当時返品されたダンボールの山が収められた部屋がある。苦
い思い出を処分しないのは、二度とあのような不祥事を起こしてはならないとい
う戒めのためだ。

そして西川社長(当時)は、三ヶ月間顧客に電話することを禁止する決定を下し
た。他の役員は会社が潰れると猛反対したが聞き入れなかった。そして三ヶ月間
社員教育に全力を傾注した。「お客様からありがとうといわれる売上げが本当の
売上げだ」と信念を持って社員に説いた。

顧客との会話で相手の真意を聞き取る訓練に重点を置いた。「言葉の開発」、
「会話の開発」を旗印に相手の立場に立つ。そして顧客起点の「対話力」なる接
コンピテンシーを磨かせた。さらに全てのお客様に詫び状を発送し、不祥事を
謝罪したのだった。


3.ほどよい利益できらりと光る会社を目指す!

今年商は262億円まで増えた。マーケティング部のオペレーターは総勢500人。
10人ほどのチームが編成されていてチームリーダーが顧客との会話の様子をウ
オッチングし、リアルタイムにフォローしたり指導する体制が確立している。

「程よい利益で小さくともきらりと光る会社を目指す。だから会社を大きくしよ
うとは思わない」と言う。社長業を息子にバトンタッチし、会長に退いた今、西
川会長は社員満足度の充実に意を注いでいる。社内には自前の託児所、そして手
作りのおかずが揃う社内食堂、花壇の手入れにも余念がない。

「熊本では女性の力を生かした会社が勝つんですよ」と。熊本に限らずこれは真
理だ。



【3】今日のまとめ

1.テレビ通販が繁栄する時代になったがその火付け役は再春館製薬所であるこ
  と。

2.強引なビジネスに走ってしまい、顧客の不信から返品の山を築く大失態をや
  ってしまったこと。

3.三年がかりで社員教育をやり、テレビ通販を再開して再び上昇気流に乗った
  こと。

4.聞き取る訓練に重点を置き、「言葉の開発」、「会話の開発」に意を注ぎ
  「会話力」を伝授し、接客コンピテンシーを磨かせていること。

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp



【4】編集後記

「大男、総身に知恵が回りかね」という教訓がある。例えば今の日本航空がいい
例だ。規模ばかり大きくてムダだらけ。資金をいくらつぎ込んでも砂漠に水を注
ぐようなものだ。

「小さくともきらりと光る会社」。そのような会社ばかりなら顧客も働く社員も
幸せになれるのに。そんな思いがしてならない。

<この記事はテレビ東京の2009年9月放送のカンブリア宮殿も参考にしています。>

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=



次回に続く。

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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
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