相談の広場
いつも参考にさせていただいております。
こちらでもよく出てくる質問ですが、
制服の着替えと労働時間についてご指導下さい。
私の勤務先の勤務時間は、9時から18時です(休憩1時間)。
女性のみ制服があります。
ほとんどの女性は余裕を持って早めに出社し、
制服に着替え、掃除などをして9時には仕事に取り掛かれる状態です。
ただ一部の社員は9時ギリギリに出社し、制服に着替えて10分くらい過ぎた後自分の席につきます。
帰りも定時の10分くらい前に更衣室に入り、18時になった瞬間に会社を出ます。
判例では制服と私服に着替える時間も勤務時間になるようですので、
こちらの社員の方が正解なのでしょうが、更衣室では着替えるだけではなく
スマホを見たりなどして時間をつぶしているようです。
ブラック企業が話題になり、労働時間についての知識を持っている社員も
増えてきているため、迂闊なことは言えなくなってきました。
皆様の会社ではどのように運用されていますでしょうか?
ご指導宜しくお願い致します。
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こんばんは。
1.
通説・行政解釈では労働時間とは「労働者が使用者の指揮監督のもとにある時間」と定義されています(労基局・労働法上366頁)
判例においても「労基法上の労働時間に該当するか否かは労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かによって客観的に定まる」と述べられています(三菱重工業事件 最一小判平12.3.9)
すでにご存じの通り、使用者から制服等の着用を義務づけられ、所定の更衣室等で着替えることが求められている場合には判例では労働時間であると判断されています(三菱重工業事件 最一小判平12.3.9)
2.
スマホなどを見ている時間は労働時間であるか否かという問題ですが、似たような事例として「喫煙時間は労働時間にあたるのか」という論争が昔からありました。
これは判例にて、
「休憩時間とは,労働者が労働時間の途中において休息のために労働から完全に解放
されることを保障されている時間であるところ,仮に控訴人が本件店舗内の
更衣室兼倉庫で喫煙していたとしても,店内で何かあればいつでも対応できる状態
であったから,休息のために労働から完全に解放されていることを保障されているとは
到底いえず,休憩時間とはいえない。」( 療養補償給付不支給決定処分取消等請求控訴事件 大阪高判平21.8.25)
と判断されています。
3.
着替える時間・スマホを見ている時間は労働時間であるか否かという問題は、
突き詰めていくと「お茶を飲む時間は~」や「トイレに行く時間は~」、「それらを許可制にすると~」という誰も得をしない論争につながってしまいます。
法律や判例を元に労働者の行為を制限することはもちろん可能ですし、使用者にとっては有益になることもありますが、場合によってはとても残念な職場になってしまいますので、qazさんが問題に思う行為に関しては労使間において十分に話し合いをすることが大切だと思われます。
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