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スーパー銭湯事業に係る減損会計の必要性等について

著者 困ったビジネスマン さん

最終更新日:2022年01月29日 06:32

 減損会計についての相談ですが、素人ですので、正確な質問になっていないかもしれません。

 当方はスーパー銭湯事業の担当役員です。
 スーパー銭湯事業は、コロナ禍以降、臨時休館・時短営業で不振にあえいでおり、2020年度、2021年度とも大赤字で、来年度(2022年度)も、重油等の原材料費の増嵩・経年劣化(1号店は17年経過、2号店は10年経過)に伴う修繕費の増嵩などにより、赤字の見通しです(当方だけでないと思いますが)。
 それ以降についてですが、今年度、コロナ影響がほぼゼロ(感染者ゼロが2か月程度)が継続した11月・12月の来館者・売上は、コロナ前に近い状況まで回復していましたので、2023年度以降は、コロナ前に近い来館者・売上を想定するとともに、原材料費等の高騰などを受け、料金値上げも視野に検討しております。これらは、当方の役員会で正式決定されました。
 なお、料金値上げに伴う来館の影響は、大手広告代理店のサンプリング調査(web調査)により、さほど影響はないものと想定しておりますので、値上げ効果はダイレクトで売上向上に寄与するものと考えています。

 そのような中、経理・財務担当役員から、減損会計の必要性の有無について質問等を受けました。
 当方は、そのような知識がないので、ネット等で調べたところ、次のような理解をしております。
・「使用価値」「正味売却価額」という価値概念がある。
・事業継続を前提とすると「使用価値」で判断する必要がある。
・今後のキャッシュフローにより現在価額を求める。
 この際、20年基準がある。
・キャッシュフローには、減価償却費を含むが、土地等の処分価額を含まない。

 ここで質問です。
1.コロナといった想定外の事象によるものであっても、減損会計は必要でしょうか。
  減損処理すると、事業の継続性について疑問符をもたれると思いますが、想定外事象の場合に特例措置のようなものはないのでしょうか。
2.「使用価値」に土地等の処分価額を含まないのはなぜでしょうか。
  事業が終了すれば、土地等は処分するか、転用するか、そのままにするかのいずれかですが、処分予定であれば、処分価額を含む必要があるのではないでしょうか。
3.もし、減損会計をしなかったら、どのような罰則があるのでしょうか。

 稚拙な質問で恐縮です。
 よろしくお願いします。

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Re: スーパー銭湯事業に係る減損会計の必要性等について

著者ヌケニンさん

2022年07月27日 18:35

貴社が減損会計の適用が強制される大会社(資本金の額が5億円以上等)であることを前提として,3つの質問について検討します。


1. コロナ等の想定外事象によるものであっても,減損会計は必要か。また,想定外事象についての特例措置はあるか。

まず,減損会計とは次のプロセスを踏む一連の会計処理を指します。このため,減損会計イコール減損損失を計上するということには必ずしもなりません。ですので,減損損失を計上するというところまでいかなくても,その過程の減損会計は要件を満たす場合には必要とされます。
また,後述する減損の兆候というもの自体が,基本的には想定外事象によるものであるため,特例措置は認められないかと思います。

減損会計のプロセス
減損会計の対象資産の把握と対象資産のグルーピング
…貴社のスーパー銭湯事業の場合には,スーパー銭湯の事業所ごとというのが一般的なグルーピングになるかと思います。
② 減損の兆候の把握
…対象となった資産又は資産グループについて,減損の兆候(※)があるかどうかを確認します。
③ 減損損失の認識の判定
…減損の兆候があることが認められた資産又は資産グループについて,将来キャッシュフローを見積もり,その総額が資産又は資産グループの帳簿価額を下回る場合には,減損損失を計上することを決定します。
④ 減損損失の測定
…減損損失の計上が決定された資産について,具体的に回収可能価額(使用価値又は正味売却価額のうち,高い方の額)を算定し,帳簿価額との差額を損失として計上します。

(※)減損の兆候とは,以下のような事象が認められる場合をいいます。
イ. 営業活動から生ずる損益等が,おおむね2期以上継続してマイナスとなる,又は,マイナスとなる見込みであること。
ロ. 事業再編,早期売却,転用,遊休等の,回収可能価額を著しく低下させる変化が生じる,又は,生じる見込みであること。
ハ. 材料等の高騰,販売量の著しい減少等,技術革新等による著しい陳腐化等,法改正や規制強化による事業環境の悪化等により,経営環境が著しく悪化する,又は悪化する見込みであること。
ニ. 市場価格が著しく下落(おおむね帳簿価額の50%程度以上下落)すること。

…貴社の場合,3期継続の赤字の見込みとのことですが,実績や調査等により2023年度以降黒字となることが合理的に見込めていますので,この段階で減損の兆候なしで終了となるかと思います。


2. 使用価値に土地等の処分価額を含まないのはなぜか。
寡聞にしてこの事例については不見当なのですが,回収可能価額算定の際に用いる使用価値は,将来キャッシュフローと将来正味売却価額の現在価値のため,一般的には含まれるかと思います。
キャッシュフローに減価償却費を含むというのは,間接法によるキャッシュフロー算定の際に,損益計算書上の利益に現金支出を伴わない費用である減価償却費をプラスするためです。自己所有土地等で売却可能な場合には,当然その見積額を含めるのが一般的かと思います。


3. 減損会計を適用しないことによる罰則はあるか。
減損会計そのものについての罰則はなかったと記憶していますが,減損会計の適用が強制される大会社が減損会計を適用しない場合には,会社法第976条7号の帳簿・決算報告等の不記載・虚偽記載等に該当することが考えられ,100万円以下の過料が科される場合があります。


以上,3つの質問について検討しましたが,減損会計の適用が強制される大会社というのはそもそも会計監査人(公認会計士又は監査法人)による監査が義務付けられているため,監査契約を結んでいる会計監査人に相談するのが一番かもしれません。

余談となりますが,会社法上の減損会計による減損損失は,原則的に法人税法上損金算入が認められる固定資産評価損には該当しないため,税務上は減損会計を適用するメリットは基本的にはありません。

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