相談の広場
最終更新日:2009年11月03日 17:33
顧問先から問い合わせを受けた案件です。顧問先が建設現場に向かう際に、公共機関を使用する場合と社有車を使用する場合があって、過去の労災の判例を見ると(ex:昭25.5.9基収32号)社有車を使用した場合は業務上の事故とみなし、公共機関は通勤災害とみなされるのでは?という質問です。社有車は各従業員の自宅を巡回し現場に行くのですが、社有車の数に限りがあって、やむなく公共機関を使用した場合は通勤になるのは従業員の補償の公平性を欠くので納得いかないとの考えです。経営者を満足させる回答が欲しいのでよろしくお願い申し上げます。
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> 顧問先から問い合わせを受けた案件です。顧問先が建設現場に向かう際に、公共機関を使用する場合と社有車を使用する場合があって、過去の労災の判例を見ると(ex:昭25.5.9基収32号)社有車を使用した場合は業務上の事故とみなし、公共機関は通勤災害とみなされるのでは?という質問です。社有車は各従業員の自宅を巡回し現場に行くのですが、社有車の数に限りがあって、やむなく公共機関を使用した場合は通勤になるのは従業員の補償の公平性を欠くので納得いかないとの考えです。経営者を満足させる回答が欲しいのでよろしくお願い申し上げます。
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労災者災害補償保険法における業務災害と通勤災害の認定についての基本的な相違は、事業主の支配下にあり、その管理下にあったかどうかによります。
巡回の社有車に乗り込んだ時点で会社の支配下に入っている場合と、自由意思があり本人の裁量でどういう公共機関を使用して(手段・方法で)建設現場に向かう場合とでの相違であります。
説明足らずとは思いますが、ご参考になればと思います。
A:労災保険の業務災害と通勤災害の違い。
○一部負担金「療養(補償)給付」
・業務災害⇒無。
・通勤災害⇒有。200円の自己負担が発生(原則)
○休業(補償)給付の待機期間(3日間)
・業務災害⇒事業主の補償義務有。
・通勤災害⇒事業主の補償義務無。
○解雇制限
・業務災害⇒有。休業中+30日間。
・通勤災害⇒無。
○年次有給休暇の要件である出勤率を算定する際に、
・業務災害での休業期間は「出勤」とされるが、
・通勤災害は「欠勤」扱いになる。
○平均賃金を算定する際も、
・業務災害での休業期間は、算定対象から除外されるが、
・通勤災害の休業期間は除外されずに低額になってしまう。
業務災害:仕事中に、仕事が原因で、被災すること。
また、仕事中ではなくても、「この仕事をしていなければ、こんな災害に遭うことはなかった」という業務起因性があれば、業務災害と認められることも。
例:
・アスベストを扱う仕事をしていたので中皮種になった。
・長時間労働による過労が原因で、睡眠中にくも膜下出血で死亡したなど。
通勤災害:通勤途上で、車にはねられる。・駅の階段で転ぶ、など、
通勤に「通常」伴う危険が現実化しそれにより被災すると通勤災害。
・通り魔にあってケガは、通勤に「通常」伴う危険ではない(原則)
ただし、その事件の社会的な影響や、類似の事件が起こっている頻度、地域性等により、通勤災害と認定される場合あります。
通勤のように、家と会社の往復であったとしても、それが、
・休日出勤するため、仕事の書類を、家に取りに戻るため、会社の通勤専用バスに乗っている間、に起こった事故は業務災害。事業主の指揮命令に基づくという、業務遂行性があるから。
出張中の行動も業務性。出張が、事業主の指揮命令に基づくから。
家から出張先までの間と、出張先から家までの間の移動は業務(原則)
藤田行政書士総合事務所
行政書士 藤田 茂
http://www.fujita-kaishahoumu.com/
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