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マグレガーとアージリスの人間観とは

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2006年6月5日発行 第1・第3週月曜日発行
メールマガジン:経営のパートナー VOL1
<経営学で企業を再生する>
【発行責任者】経営テクノ研究所 代表 舘 義之
【E-mail】tate@agate.plala.or.jp
【H P】http://www9.plala.or.jp/keiei-techno
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◆CONTENTS◆
VOL1.経営管理
●マグレガーとアージリスの人間観とは
●閑話休題「会津武士道に見る論理観」
■舘義之小冊子紹介
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●マグレガーとアージリスの人間観とは

 企業目標の達成は、経営者の任務です。その達成に必要な人事を効果的に
行なわなければなりません。すなわち、すべての従業員に「公平な機会」を
与える必要があります。人材の育成についても、欠かすことはできません。

 この信頼を育て、維持することに努力すべきであり、この信頼の上に立っ
てこそ、経営者が効果性を発揮することが可能となります。

 経営者が効果的であるためには、「人間観」を学ぶことも大切です。いい
古されている格言ですが、「企業は人なり」ということの意味する重要さを
噛みしめてほしいと思います。

 1966年、アメリカの心理学者であるダグラス・マグレガーは、「企業
の人間的側面」という著書で「X理論・Y理論」といった人間観を発表しま
した。

 X理論とは、人間は、
●人間は生まれながらの怠け者であり、積極的に働こうとしない。
●責任を負うことを嫌い、指導されることを好む。
●自己中心的で、組織の要求には無関心である。
という「性悪説」です。

 こうした人間を扱うリーダーは、「厳しい管理と統制、命令、強制」を行
わなければ、成果をあげることはできないという考え方です。

 Y理論とは、人間は、
●人間の本来は生産的で働く意欲を持っている。
●命令や強制を嫌い自発性を尊重すれば積極的に働く。
●責任感を持っており、自ら設定した目標には、積極的に行動を開始する。
という「性善説」です。

 このような人間を扱うリーダーは、自分で自分に命令して働く、という
「理解と信頼の管理」を行わなければ、高い業績はあげられないという考え
方です。

 そのための手段として、
1.権限の委譲
2.仕事に対する情報の提供
3.自由裁量
4.決裁基準の弾力的運用
5.参加
6.目標設定
7.業績評価
8.業績による昇給
9.利益分配
10.昇進
などがあります。

 従業員にやる気を持たせ、人を効率的に活用すめために経営者はどのよう
な手段を用いればよいか、この点について確固たる方針をたて、それを言葉
だけでなく行動をもって示さなければなりません。
 
 1978年、組織論学者であるクリス・アージリスは、人間行動を理解す
るうえで1つの理論をつくりたげました。

 アージリスによれば、1人の人間が未完熟の状態から成熟に至る過程には、
次の7つの変化が見出されますが、企業に入ると逆の成長になるというのです。

 そして、仕事に対する「やる気」は、7つの条件を無視することはできな
い、と説いています。

1.受動的状態から能動的状態へ
 生まれたては母親の世話が必要であるが、成長するにつれて自分で行動せ
よ、と教えられるのに、会社では、上司に従順さを求められる。 

2.依存から独立へ
 子供は、自ら生活力がなく親に依存せざるを得ないが、やがて自主独立に
考え行動できるようになったのに、会社では、忠誠心を求められる。

3.単能から多能へ
 知識や経験の乏しい子供の行動パターンは単純だが、やがて思考、行動も
多能化していくが、会社はマニュアルに沿って、単純化・専門化・標準化に
従えと言う。

4.浅い関心から深い関心へ
 社会の出来事や身のまわりの人に対して子供は、皮相的なとらえ方しかで
きない。しかし、長じてくるにしたがって自分で決めるようになれ、と躾け
られたのに、会社では、いちいち上司にお伺いをたてないと叱られる。

5.短期的展望から長期的展望へ
 目先の問題にしか目が向けられなかったものが、たとえば自分の将来計画
などを長期的観点にたって考えよ、と教えられてきたのに、会社では、とに
かく目の前の仕事を片づけろ、と指示される。

6.下位者から上位者へ
 子供は、絶対的下位者として出発する。やがて自我に目ざめるようになる
と他者との競争意識も芽生え向上心に燃え努力をし上位者を志向するように
育ってきたのに、会社では、縦社会の末端の一員にすぎないことを痛感させ
られる。

7.自己意識欠如から自己意識獲得へ
 子供は、無自覚な自己から出発し、やがて自己意識に目ざめ自己統制がで
きるようになったのに、会社では、上司による統制が日々行われる。

 アージリスは言います。
 「人に能力がなくて育たないのではない。能力を使いきれない組織のあり
方に問題があるのだ。人間を操作しようと思う前に、環境条件、特に部下に
とっては上司の存在のあり方を変えよ」と、述べています。

 このことから、やる気の出る組織は、
1.目標の達成
2.内部体制の維持
3.外部環境への適用
といった3つを統合的に実現させる組織変革が手がかりになる、としています。
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●閑話休題「会津武士道に見る論理観」

 バブル崩壊後に起きた政治・経済・官僚・マスコミなどの不祥事は、日常
生活の規範であった論理まで崩壊させてしまいました。

 そして、発覚すると大半は、『卑怯』な発言をします。「私のせいではな
い」とか、「知らなかった」とかを、しきりに言います。大人が子供を虐し
たり、殺したり、あるいはリストラや成果主義などで弱者をより弱者扱いに
します。これらは、すべて卑怯といえます。心が卑しすぎます。

 会津藩の家庭では、子供を外出させるとき、母親は子に向かってこのよう
に訓戒したといいます。

 「卑怯な振る舞いは絶対にしてはなりませぬぞ」

 弱い者いじめは、卑怯な振る舞い以外の何ものでもありません。当時の会
津の家庭ではとても考えられないことでした。

 もし、わが子が弱い者いじめをしたとなれば、母親は黙って短刀をこの前
に置き、立ち去ったといいます。

 子は清潔な下着と着物に着替えて、そのような振る舞いをした我が身を恥
じて切腹しました。これが武士道であり、いまの子供ではとても考えられな
いことだと思います。

 会津武士道に見る日本人の論理観は、生き残って受ける恥よりも、死を選
ぶ覚悟は、名誉を重んじていたかつての日本人の心そのものでした。

 経営者対する期待は、「いかにあるべきか」というよりも、『なすべきこ
とをなし遂げる』ことにかけられているのです。しかも、それだけではなく、
その遂行において、効果的であることを期待されているのです。

 また、成果を上げるために手段を選ばず、といったやり方ではいけない
のです。まず、経営者自身が、確固たる論理観を持って企業運営に当たらな
ければなりません。それが経営者としての使命なのです。そうでなければ市
場は、ますます離れていくことになります。
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