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組織統合、業務統合の前にチームワーク力を磨け!

     ◆◆コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆

    <第241回>組織統合、業務統合の前にチームワーク力を磨け!

==■「ペリカン便と統合したゆうパックの遅配はチームワーク力で防げた」■==

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人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れとなり、
成果に結び付けられない人が実に多いのです。

仕事のできる人とできない人の決定的な違いは「行動特性の差」に現れます。コンピテ
ンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・管理者・社員
の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す学生さんにも是非ともお読みいただ
きたいと思います。

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<今回のメニュー>
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【1】岡田ジャパンの好成績はチームワーク力!
【2】会社でもシステム更新後や組織改革後にトラブルは付き物!
【3】有能なリーダーの存在と事前のシミュレーションがトラブルを防ぐ!
【4】編集後記

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平成22年7月1日付けで郵便事業会社の宅配便「ゆうパック」は日本通運のペリカン
便を吸収して再スタートを切った。ところが初日から遅配が大量に発生し、6日間で
34万個以上も遅配する大混乱となった。

インターネットのブログなどに寄せられた内部告発と思われる書き込みが現場の混乱
振りを物語っている。たとえば「ケーキはドロドロ状態だ」、「アイスの箱の蓋が割
れてドライアイスが漏れ出していた」、「作業中に喧嘩する職員が多数いる」など。
ゆうパックとペリカン便の職員同士の内輪もめで現場のモチベーションも相当落ち込
んだ様子だ。

ペリカン便を扱っていた職員は当然ゆうパックの作業に不慣れで未入力が大量に発生
したようだし、逆にゆうパックを扱っていた職員はペリカン便の作業に不慣れである
ことは否めない。お互いのシステムに対する理解度が不足し、それを補うためのチー
ムワークも最悪だった。さらにお中元で取り扱う荷物の量がピークの時期で混乱に拍
車をかけた。

一般の会社でも新しいシステムを導入したり更新したときは必ずといっていいほどト
ラブルが起こるし、組織改革と称して組織を大幅に変更したときにも必ずといってい
いほどトラブルが起こることは経験的に分かっている。ましてや今回の場合は異なる
会社の組織統合なのだから事前の準備を慎重かつ入念に行う必要があったのにそれを
怠ったか極めて不十分だったものと推測される。

そこで、今回はペリカン便と統合したゆうパックの遅配を例に「チームワーク力」な
コンピテンシーの重要さに迫ってみる。



【1】岡田ジャパンの好成績はチームワーク力!

プロ野球のオールスター戦はセリーグの一勝一引き分けで終わった。ここ数年セリー
グのほうに分がある結果だ。それがセパ交流戦となるとパリーグのチームが俄然強さ
を発揮する。選手個々の実力もチームワーク力もパリーグが上回っているからに違い
ない。オールスター戦はお祭りで交流戦は公式戦だから本気度が違うということだろ
う。

サッカーWカップでは前評判をよそに岡田ジャパンは大活躍だった。異なるチームか
ら選手をかき集め、日本代表チームを結成しているからチームワーク力を発揮するの
は難しい。

フランスの代表チームは予選で一勝も挙げることができず去っていったがチームワー
クが完全に崩壊していた様子が克明に報じられた。

いつも渋い顔ばかりしている岡田監督だが着実に日本代表のチームワーク力を磨いて
いた。決勝まで進んだ強豪オランダに1点しか与えなかったのもチームワーク力の賜
物だ。ベスト16で終わったがあそこまでがんばれたのはチームワーク力のお陰と言
っていい。



【2】会社でもシステム更新後や組織改革後にトラブルは付き物!

会社で何か新しいシステムを導入すると必ずといっていいほどトラブルが起こる。シ
ステムを更新したときも同様だ。

例えば航空会社がシステムを更新したとき長時間にわたってシステムがダウンする。
銀行のオンラインシステムも同様だ。

事前にシステムが正常に動くことを確認し、担当者への教員訓練も行っている。それ
でもトラブルは起こる。システムのバグ出しをもっと入念にやったり、担当者への事
前の教育訓練をもっと時間をかけて入念に行うことが大事だ。しかし、システムを作
る人とオペレーションする現場の人たちとのチームワーク力はもっと大事だ。彼らの
チームワーク力が発揮されれば事前に問題が発見されて解決される確率が高まるから
だ。

「連帯構築力」や「チームワーク力」なるコンピテンシーを如何なく発揮できる状態
を作ることだ。



【3】有能なリーダーの存在と事前のシミュレーションがトラブルを防ぐ!

しからばどのようにして「連帯構築力」や「チームワーク力」を発揮できる状態にも
って行けばよいのだろうか。それには有能なリーダーの存在が勝敗を分けることにな
る。

例えば今回のゆうパックとペリカン便の組織統合なら、ゆうパックからリーダーを、
ペリカン便から副リーダーを選出する。そして二人のリーダー同士が仲良しになって
移行計画の叩き台を作る。その叩き台を基に双方のメンバーに下ろして詳細のアクシ
ョンプランに落とし込む必要があった。

そこからシステムをゆうパックに統合して一本化する。ペリカン便の職員にゆうパッ
クのシステムに慣れてもらう実地訓練を行う。このプロセスが十分検討されないまま、
形式的な説明会だけで、しかもシステム二本立てで業務をやり始めたところに問題が
あったわけだ。シミュレーション不足のまま突っ走ってしまったわけだ。さらには取
り扱う荷物の量が比較的少ない時期に統合すべきことは言うまでもない。今回のよう
なお中元の時期ではリスクが大きすぎるからだ。

生い立ちの全く異なる組織の職員が一緒になって働くということは実際大変だ。お互
いに他責化、つまり責任のなすりあいで物事がスムーズに進まない。これも想定され
ることであり、事前に対策しておかなければならないことはいうまでもない。



【4】編集後記

今、「全体最適」というキーワードがだいぶ使われるようになった。多くの会社は
「部分最適」の中で仕事をしている。自分の課、自分の部の顔が立つことが最優先だ。
他の課や部が困っていても対岸の火事を見ているようなスタンスだ。

そうではなくどうすれば会社全体のパァフォーマンスを最大にできるかを常に考えて
仕事をすることが大事だ。それには「連帯構築力」、「チームワーク力」なるコンピ
テンシーの発揮が大事であることは言うまでもない。



次回に続く
次回は、「頭に来て大立ち回りを演じる前に規律性を磨け!」を解説します。

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        彩愛コンサルピア代表 下山明央

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