━━☆━━━━━━━ グローバル企業は「e-ディスカバリー」への対応を ━━━━━━━━
┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏ C O N T E N T S┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏
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┏┏ ◇ はじめに
┏┏ ◇ e-ディスカバリー
┏┏ ◇ 訴訟前の社内文書破棄が証拠隠滅に
┏┏ ◇ 今後の企業の
情報マネジメント
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はじめに
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最近の経済新聞で、アメリカでの民事訴訟でe-ディスカバリーに関する判決の記事を読みまし
た。
5月に、
特許訴訟の二審を担当する米連邦巡回
控訴裁判所(CAFC)が下した判決で、『訴訟の当
事者である企業は、訴訟準備を始める以前から、裁判で証拠に
採用される可能性のある文書を
保存しておく義務がある』というものです。
日本企業が米国で
特許侵害や製造者責任などを問われ訟えられるケースが増えていることを考
えると、組織内での文書の大半は電子化されている昨今、「e-ディスカバリー」対応はグロー
バル企業にとってリスク回避の為の一つの課題となりつつあるのではないでしょうか。
国際的に、日本企業は訴訟対応能力が低いと見られているようです。
e-ディスカバリーによる機密情報入手を狙って、米国に本社を置かない企業がわざわざ米国の
裁判所で、競合する日本企業を提訴するケースすらあると聞きます。
開示内容に思わぬ漏れがあると、米国の裁判所から制裁を受けて不利な立場に陥りかねませ
ん。訴訟に備えた保存ルールの整備を。
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e-ディスカバリー
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アメリカでは、e-ディスカバリー(電子証拠開示手続き)と呼ばれる制度が導入されていま
す。
2006年12月にアメリカ合衆国連邦民事訴訟規則(FRCP)が改正されて、民事裁判におけるデジ
タル証拠の開示が法制度として認められ、米国訴訟における電子証拠の開示がより明確・詳細
に義務付けられました。
本格的な審理開始前に行われる「証拠開示」制度で、特に電子的な証拠の開示を行うことを意
味します。米国ではとにかく「事実」と「証拠」が重要で、「それに関係するものを全部開示
してください」という動きになります。
原告、被告双方が必要とする証拠の提示を相手方に求めることができ、裁判所が提出を命じた
文書を提出しなかったり、故意か否かを問わず文書を破棄したりすると、不利な立場に立たさ
れることになります。
情報化が進んだことで、裁判の証拠は電子メールや
設計図面データなどの形で、組織内のパソ
コンやサーバーに存在することが多くなっています。そこで電子版のディスカバリーを「e-デ
ィスカバリー」と呼ぶようになりました。
e-ディスカバリーは米国の制度ですが、当然日本企業にとっても無縁ではありません。米国に
進出したり米国企業と取引があったりする企業であれば、いつでも米国の訴訟に巻き込まれる
リスクがあるわけですから。
日本の本社にあるパソコンやサーバーもe-ディスカバリーの対象になるのです。
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訴訟前の社内文書破棄が証拠隠滅に
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
5月の米連邦巡回
控訴裁判所(CAFC)が下した判決
DRAM関係の
特許を取得した半導体メーカー「ラムバス」が世界中で
特許を争った訴訟のな
かの一つ、二審で、訴訟以前に社内で実施した文書の廃棄が証拠隠滅にあたるかどうかが焦点
でした。
「ラムバス」は自社の
特許が有効だと訴訟で認めてもらう戦略を98年2月までに立案。訴訟に
役立つ文書を保存するように
従業員に指示した上で、99年8月に約300箱分の社内文書をシュ
レッダーで廃棄してしまった。
取締役会は同年9月に訴訟を起こすことを決め、2000年1月に
最初の訴訟を始めたという。
CAFCは判決で『文書を保存する義務が生じるのは、訴訟が合理的に予想できた時期』としたの
です。
このことは、日本企業も含め少なくともアメリカにシェアを持ちあるいは、事業展開している
企業は、早い時期から文書の保存・廃棄を分けるルールを定めておく必要があることを意味す
るといえるでしょう。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
今後の企業の
情報マネジメント
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
実際に訴訟になった場合は、膨大なデータから訴訟に関連した証拠だけを抽出することが必要
になります。例えば「半導体メモリー」の
特許訴訟なら関連するキーワードで社内のデータを
検索して抽出することになるのでしょう。
抽出作業は膨大なので、米国にあるe-ディスカバリーの専門業者に作業を依頼する手もありま
すが、日本語データの扱いに慣れていない業者も多いので、作業を丸投げするのも危険です。
抽出がうまくいかなかったり、訴訟に関連しない情報まで不用意に開示してしまう可能性があ
るからです。
対応を誤ると日本企業が持つ豊富な技術情報などが流出してしまう危険すら出てくるわけで
す。
まずは日ごろから「電子メールは3カ月保管」といった保管ルールを現場で決めておき、その
通りに運用していくことでしょう。
文書に残す必要のないものが残っていたり、逆に文書で残しておきたいことが残っていなかっ
たり、その辺の判断は難しいですが、
情報マネジメントで重要なのは、いかに情報をコントロ
ールし、有事の際にはきちんと対処できるように備えておくことです。
あと、証拠集めをはじめ、開示する為の情報は特定部署で一元管理するべきでしょう。
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ECK >>> ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┛┃┏━┳━┛ ̄ ̄ ̄ ┃ 社労・暁(あかつき) ┃
┃┣━┫ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┗┣━┫
┓ ┗┳┛
http://www18.ocn.ne.jp/~akatukip/
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┏┏ ◇ e-ディスカバリー
┏┏ ◇ 訴訟前の社内文書破棄が証拠隠滅に
┏┏ ◇ 今後の企業の情報マネジメント
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はじめに
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最近の経済新聞で、アメリカでの民事訴訟でe-ディスカバリーに関する判決の記事を読みまし
た。
5月に、特許訴訟の二審を担当する米連邦巡回控訴裁判所(CAFC)が下した判決で、『訴訟の当
事者である企業は、訴訟準備を始める以前から、裁判で証拠に採用される可能性のある文書を
保存しておく義務がある』というものです。
日本企業が米国で特許侵害や製造者責任などを問われ訟えられるケースが増えていることを考
えると、組織内での文書の大半は電子化されている昨今、「e-ディスカバリー」対応はグロー
バル企業にとってリスク回避の為の一つの課題となりつつあるのではないでしょうか。
国際的に、日本企業は訴訟対応能力が低いと見られているようです。
e-ディスカバリーによる機密情報入手を狙って、米国に本社を置かない企業がわざわざ米国の
裁判所で、競合する日本企業を提訴するケースすらあると聞きます。
開示内容に思わぬ漏れがあると、米国の裁判所から制裁を受けて不利な立場に陥りかねませ
ん。訴訟に備えた保存ルールの整備を。
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e-ディスカバリー
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アメリカでは、e-ディスカバリー(電子証拠開示手続き)と呼ばれる制度が導入されていま
す。
2006年12月にアメリカ合衆国連邦民事訴訟規則(FRCP)が改正されて、民事裁判におけるデジ
タル証拠の開示が法制度として認められ、米国訴訟における電子証拠の開示がより明確・詳細
に義務付けられました。
本格的な審理開始前に行われる「証拠開示」制度で、特に電子的な証拠の開示を行うことを意
味します。米国ではとにかく「事実」と「証拠」が重要で、「それに関係するものを全部開示
してください」という動きになります。
原告、被告双方が必要とする証拠の提示を相手方に求めることができ、裁判所が提出を命じた
文書を提出しなかったり、故意か否かを問わず文書を破棄したりすると、不利な立場に立たさ
れることになります。
情報化が進んだことで、裁判の証拠は電子メールや設計図面データなどの形で、組織内のパソ
コンやサーバーに存在することが多くなっています。そこで電子版のディスカバリーを「e-デ
ィスカバリー」と呼ぶようになりました。
e-ディスカバリーは米国の制度ですが、当然日本企業にとっても無縁ではありません。米国に
進出したり米国企業と取引があったりする企業であれば、いつでも米国の訴訟に巻き込まれる
リスクがあるわけですから。
日本の本社にあるパソコンやサーバーもe-ディスカバリーの対象になるのです。
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訴訟前の社内文書破棄が証拠隠滅に
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
5月の米連邦巡回控訴裁判所(CAFC)が下した判決
DRAM関係の特許を取得した半導体メーカー「ラムバス」が世界中で特許を争った訴訟のな
かの一つ、二審で、訴訟以前に社内で実施した文書の廃棄が証拠隠滅にあたるかどうかが焦点
でした。
「ラムバス」は自社の特許が有効だと訴訟で認めてもらう戦略を98年2月までに立案。訴訟に
役立つ文書を保存するように従業員に指示した上で、99年8月に約300箱分の社内文書をシュ
レッダーで廃棄してしまった。取締役会は同年9月に訴訟を起こすことを決め、2000年1月に
最初の訴訟を始めたという。
CAFCは判決で『文書を保存する義務が生じるのは、訴訟が合理的に予想できた時期』としたの
です。
このことは、日本企業も含め少なくともアメリカにシェアを持ちあるいは、事業展開している
企業は、早い時期から文書の保存・廃棄を分けるルールを定めておく必要があることを意味す
るといえるでしょう。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
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実際に訴訟になった場合は、膨大なデータから訴訟に関連した証拠だけを抽出することが必要
になります。例えば「半導体メモリー」の特許訴訟なら関連するキーワードで社内のデータを
検索して抽出することになるのでしょう。
抽出作業は膨大なので、米国にあるe-ディスカバリーの専門業者に作業を依頼する手もありま
すが、日本語データの扱いに慣れていない業者も多いので、作業を丸投げするのも危険です。
抽出がうまくいかなかったり、訴訟に関連しない情報まで不用意に開示してしまう可能性があ
るからです。
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す。
まずは日ごろから「電子メールは3カ月保管」といった保管ルールを現場で決めておき、その
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文書に残す必要のないものが残っていたり、逆に文書で残しておきたいことが残っていなかっ
たり、その辺の判断は難しいですが、情報マネジメントで重要なのは、いかに情報をコントロ
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