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挑戦志向なるコンピテンシー発揮の威力!

      ◆◆コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆

   <第279回>事例で学ぶ「コンピテンシー」レビュー編<その6>!

     ==■「挑戦志向なるコンピテンシー発揮の威力!」■==

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人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れとな
り、成果に結び付けられない人が実に多いのです。
事例で学ぶ「コンピテンシー」と題して分かりやすく解説していきます。
コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・管
理者・社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す学生さんにも是非とも
お読みいただきたいと思います。

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<今回のメニュー>
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【1】JR九州は自ら挑戦する風土をみんなで創った!
【2】「挑戦志向」なるコンピテンシー定義付けと行動基準!
【3】賢人のことば!
【4】「挑戦志向」なるコンピテンシー発揮の威力!
【5】今日のまとめ
【6】編集後記

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行動特性を変えてみてください。きっと昨日までの自分とは違った自分に出会います。
そして成果に貢献できます。あなたも会社も大きく成長できるのです。



【1】JR九州は自ら挑戦する風土をみんなで創った!

1.「指示待ち」からまず脱皮しよう!

多くの会社では今でも「指示待ち社員」は多い。老舗の大企業や官僚的な会社に多い
のはうなずける。これは企業文化によるところが大きい。余計なことを言うと頭を押
さえつけられる。余計なことをやろうものなら頭を叩かれる。正に「出る杭は打たれ
る」の例えの通りだ。

だがJR九州は全く違う。1987年に国鉄から分割民営化されたが2003年までは赤字続
き。だが、2004年に初めて黒字浮上した。現社長の唐池恒二氏の功績は大きい。唐池
氏が2009年に社長に就任してからは改革が益々加速している。ご存知のように2011年
には九州新幹線が全線開通した。博多駅も新ビルになった。

単なる箱物だけではなくソフト面での改革が大きかった。唐池社長のフィロソフィは
「お客様の声は財産だ。お客様の声を生かそう」だ。その心は「安全とサービス」で
ある。例えば、安全は守るものではなく自ら創り出すもの。鉄道は輸送産業ではなく、
「安全産業」とまで言い切る。これが全社員の心を一つにする源泉になっているのだ。

2011年1月に社員研修センターに「安全創造館」をオープンした。一年間に全社員
(約8,000人)が研修に参加する。安全意識は大いに高まった。ヒヤリ・ハットの事案
は全て上がってくる。そしてことごとく適切な対策が施されるから誰もヒヤリ・ハット
を隠蔽する者などいない。他のJRとここが大きく違う点だ。


2.サービス力コンテストで挑戦意欲を醸成する!

2003年に「新・感・動作戦」をキックオフした。当時サービス部長に就任した唐池氏
は「39条訓」を制定している。当時、お客様を「お客様」と呼べる社員は1割もいな
かったと言う。せいぜい「お客さん」、仲間内では「客」と呼ぶのが通例だった。

現在、39条訓を基に覆面モニターが年二回ほど調査をし、200の駅のランク付けをやっ
ている。そして全駅長を集めた大会でランクを発表する。当日、会場の受け付けて配
られる席順がズバリランクの順番だ。各駅は、駅長が中心となりサービス向上のため
のメニューを開発して実行する。挑戦意欲を掻き立てているのだ。

社員の主体性を引き出す地道な努力で安全性とサービスが向上し、JR九州の多角化
推進の大きな力にもなっている。飲食事業、船舶事業、農業、リソート開発事業、バ
ス事業なども軌道に乗った。社員の「挑戦志向」が醸成されていなければできること
ではない。



【2】「挑戦志向」なるコンピテンシー定義付けと行動基準!

「挑戦志向」とはどのように定義すればよいのだろうか。自分流に定義を考えてほし
い。

1.「挑戦志向」の定義付けの例

例えば「斬新なテーマや高い目標に強烈な達成意欲を持って取り組むこと」と決める
のもいいだろう。

一見、やる気はありそうなのだが、ちっとも行動を起こさない人は多い。政治屋は典
型的な例だ。ビジネスマンはそのようなことでは困る。困るというよりも会社に居場
所がなくなってしまうだろう。


2.行動基準の例

挑戦とは、「戦いを挑むこと」だ。「挑戦志向」は、「意識が、やらなければならな
い何ものかに向かうこと」だ。

□ 与えられた仕事や目標に使命感を持って取り組んでいる

□ 与えられた目標よりも一段高めに目標を設定して取り組んでいる

□ リスクを軽減するための情報を収集し、行動計画に盛り込んでいる

□ できない理由を考えるのではなく、どうすればできる化を常に考えている

といった行動基準を決めて、いくつかを選択して実行するのもいい。

定義付けと行動基準を決めて実行すれば、もう昨日までの自分ではなくなるわけだ。



【3】賢人の言葉

1.星野仙一氏の言葉

星野仙一氏は「挑戦志向力」の大切さを説いています。

<挑戦しなければ失敗もない。失敗もなければそれを糧に成長することもない。>

私は、「失敗」は行動派の人間に付いて回る宿命だと思っている。ユニクロを運営す
るファーストリテーリングの柳井会長は「一勝九敗」という著書を出されている。10
の事案に挑戦したら9つは失敗があって当然という経験値があるからなのだろう。

「失敗」が人を成長させると心得ている経営者の元で働く社員は本当に幸せだ。



【4】「挑戦志向」なるコンピテンシー発揮の威力!

前述したように新しいこと、難しいこと、革新的なことに挑戦する人は少ない。余計
なことをやって失敗するよりは指示されたことを指示された通りやるほうが安泰だか
らだ。

「挑戦志向」は、企業文化と社員の「挑戦志向」なるコンピテンシーが融合すること
が源泉となる。減点主義の会社では挑戦者は育ちにくい。

経営者や幹部は、加点主義の文化を確立してほしい。挑戦的な行動を起こしたなら加
点、失敗したら減点、つまりプラスマイナスゼロだ。加点無しで、減点ばかりでは社
員はやる気が湧かない。当たり前のことだ。減点主義の会社では「お伺い型のイエス
マン」を増殖するだけだ。

コンピテンシーの導入は「仕事のできる人の集団作り」が目的だから企業文化の改革
もコンカレント(同時並行)に進める必要があるということだ。



【5】今日のまとめ

1.「挑戦志向力」のある社員は、社員自身のの努力にもよるが、それにもましてそ
  の会社の企業文化にも依存していること。

2.官僚的な会社や減点主義の会社では、「挑戦志向力」の高い社員は生まれにくい
  こと。

3.企業文化の改革にもコンカレントに取り組む必要があること。



【6】編集後記

ブラザー工業は家庭用ミシンの老舗メーカーだったが華麗に変身して生き残ってきた
強い会社だ。

小池利和社長は、「失敗はブラザーの歴史の中では事業を変革する原動力。会社が傾
くほどの失敗でなければどうってことはない」と言っておられた。

だからこそ「多角化戦略」が成功を収めてきた。製造業ではなく「創造業」という企
業文化を持っている稀有な会社だ。



次回に続く


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        彩愛コンサルピア代表 下山明央

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