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シリーズ「
コンピテンシーをレビューする!」
<第377回>[(第35話)「安さと決別、質で勝負する
稀有なスーパー北野エースに学ぶ!」]
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今話題の「会社を救う
コンピテンシー」とは何かと
コンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「
コンピテンシー
をレビューする!」と題して様々な角度から鋭く分析した記事を紹介していきま
す。中小企業の経営者の方、管理者の方、
人事担当者の方に是非ともお読みいた
だきたいと思います。
===========================
今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論
1.村上龍氏、「こんなスーパー見たことない」!
2.デパートや商業施設から次々ラブコール!
3.「自分で好きなようにやりなさい」と言ってあるから!
【3】今日のまとめ
【4】編集後記
===========================
食品スーパーの時代の変遷を見てみよう。戦後神戸の主婦の店として創業したの
がご存知、ダイエーだった。「いい物をドンドン安く」をキャッチフレーズに店
舗数を増やした。三越を抜いて小売業での売上げ高トップに躍り出たときは飛ぶ
鳥を落とす勢いだった。だが、このとき既にダイエーは凋落の道を歩み始めてい
た。
イトーヨーカドーやイオンに追い抜かれ、破綻した。イトーヨーカドーやイオン
も決して勝ち組とは言えないような気がする。規模は小さいが元気なスーパーが
地方の勝ち組になり、中央にまで津波のように押し寄せる勢いなのだ。
今回紹介する北のエースは1962年に伊丹市で普通のスーパーとして産声を上げた。
屋号は「新鮮館」。ピーク時には250店舗を運営し売上げは250億円に達した。し
かし、安さが“売りの”スーパーは競争が厳しく、たちどころに落ち目になった。
今も6店舗だけ残っているが経営は苦しいと言う。
そこで二代目の北野秀雄氏は2002年に関東に打って出た。これまでのスーパーと
は一線を画し、生鮮食品を一切扱わず、地方の珍しい加工食品やレトルト食品を
集め、珍しさと質で勝負することにし、千葉県市川市に1号店をオープン、次い
で2店舗追加し、3店舗出店してみた。だが、パッとせず2店舗は直ぐに閉店に
追い込まれた。
北野秀雄氏が落ち込んでいたところに東武デパートから誘いがかかり、「池袋東
武」に出店したところ、評判を呼びたちまち火がついた。今、北海道から沖縄ま
で50店舗運営するまでに急成長し、売上げも200億円を突破している。
そこで今回は「安さと決別、質で勝負する稀有なスーパー北野エースに学ぶ!」
と題して、「他社が真似できない超個性派スーパー」を作った北野秀雄氏が採っ
たマネジメントについて解説する。
【1】心に刻んでおきたい言葉
***********************************************************************
北野エースでは、ポリシーやコンセプトは私が決めるが、後は自分で好きなよう
にやりなさいと言うことになっていますから。
北野秀雄
***********************************************************************
【2】メルマガ本論
[(第35話)安さと決別、質で勝負する稀有なスーパー北野エースに学ぶ!]
1.村上龍氏、「こんなスーパー見たことない」!
北野エースの北野秀雄社長がテレビ東京のカンブリア宮殿に採り挙げられたとき、
キャスター役の村上龍氏が思わず「こんなスーパー見たことない」と言った。
□ 感動を売るスーパー!
食品スーパーなのに生鮮食品は扱っていない。コンセプトは「地方の食品メーカ
ーと共存共栄」だ。例えば、レトルトカレーはブックスタイル(本棚スタイル)
で陳列されている。しかもカレーだけで350種類もある。
ドレッシングは195種類、お酢は70種類もある。圧倒的な品揃えと言わざるを得
ない。値段も高からず安からず、リーズナブルだ。例えば、食べるオリーブオイ
ルは840円、味付けのゆばは330円という設定である。
しかも毎日商品が入れ替わるから「売り場の鮮度」は高い。お客様は買うものが
なくともつい立ち寄ってしまう。立ち寄れば、つい何かを買ってしまうという構
図だ。
お店のスタッフはよく勉強していて商品知識が豊富だ。自分で試食もしているか
らお客様の質問にも的確に答えることができる。しかもお客様との対話から「親
密性」が生まれる。リピーターが生まれる大きな要因だ。
□ 品切れはご法度!
品揃えの豊富さが売りだからこそ、「品切れはご法度」だ。せっかく買いに来て
くれたお客様をがっかりさせてはならないからだ。品切れが起こりそうな場合、
店長が近隣の別の店舗に行って直ぐに該当する商品を持ち帰り、補充するルール
になっている。
お客様の「リクエスト」に応えて商品を仕入れるルールも確立している。お客様
のリクエストがあればあまり売れない商品でも取り揃える。他の商品と抱き合わ
せて買って頂けるから問題はないと考えているのだ。
北野社長は「お客様の言うことは全て正しい。だから基本的にお客様の言うこと
を聞きなさい」と社員に言っている。
2.デパートや商業施設から次々ラブコール!
デパートや商業施設から是非出店してほしいとラブコールが掛かるのがホビーの
殿堂「ユザワヤ」だ。いまや北野エースもあっちこっちからラブコールが掛かる。
池袋の東武デパートが始まりだった。浅草の松屋にも出店している。こちらは下
町ということもあり、年配の客層が多い。そのため特に菓子類がよく売れる。中
でも「満腹どら焼き」は売れ筋の定番だ。
大宮駅のエキュート大宮店は
通勤のお客様が立ち寄るから惣菜や弁当がよく売れ
る。川崎の商業施設ラゾーナに出店しているラゾーナ店はワイン好きの主婦が多
いからワインコーナーを充実させている。
一駅違えば客層がまるで違う。変幻自在の個性的な店舗作りは北野エースのお家
芸だ。
□ 仕入れは店長の重要な仕事
北野エースは、非効率だが標準化の逆をいっている。店舗によって売れる商品が
違うからお客様に合わせて品揃えをする。一般のスーパーのように本部が纏めて
仕入れて価格を下げるやり方とは違うのだ。店長や副店長は感性を働かせて仕入
れた商品を責任を持って売る。みんな必死だ。
では、北野エースのバイヤーたちは何をしているのだろうか。
3.バイヤーと店舗責任者との真剣勝負の商談会!
地方の知られざる商品は山ほどある。それを発掘してくるのが主な仕事になる。
本部の商談室では月に一度、バイヤーと店舗責任者との真剣商談会が開催される。
バイヤーは自分が発掘してきた商品を店舗の責任者に売り込むわけだ。店舗責
任者は試食し、これなら売れると思ったものを仕入れる。
北野社長は「仕入れの基準なんて簡単ですよ。自分が食べておいしいものを売
りなさい。まずいものは絶対に売るな」と、ただそれだけを説いている。
ニッチという大手ができない発想・戦略・隙間で生きていこうと考えて、質で勝
負する北野秀雄社長のマネジメントで「仕事のできる人の集団作り」が進んで
いるのだ。
【3】今日のまとめ
1.安さと決別、質で勝負する稀有なスーパー北野エースに学ぶべき点は多い
こと。
2.北野エースは、地方の知られざる商品を発掘してリーズナブルな価格で販
売していること。
3.品揃えが豊富で毎日商品が入れ替わり、お客様を飽きさせないことこと。
4.仕入れは各店舗の責任者が行い、責任を持って販売すること。
5.月に一度、バイヤーと店舗責任者の真剣勝負の商談会が開催刺され、店舗
責任者は売れると思ったものを仕入れること。
6.「自分の好きなようにやりなさい」と権限を委譲されているから、みんな
モチベーションが高く「仕事のできる人の集団作り」が進んでいること。
コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒
3223898301@jcom.home.ne.jp
【4】編集後記
どこにでもある、“ありきたりなスーパー”は自然淘汰されていく運命にある。
どのようにして「差別化」を図り、個性を作っていくかが成功のカギになる。
北のエースは、村上龍氏に「こんなスーパー見たことない」と言わしめるだけ
のことはある。稀有なスーパーである。
長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
次回に続く。
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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから
3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
こちらから
http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/
(協)さいたま総合研究所のHPはこちらから
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稀有なスーパー北野エースに学ぶ!」]
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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「コンピテンシー
をレビューする!」と題して様々な角度から鋭く分析した記事を紹介していきま
す。中小企業の経営者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読みいた
だきたいと思います。
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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論
1.村上龍氏、「こんなスーパー見たことない」!
2.デパートや商業施設から次々ラブコール!
3.「自分で好きなようにやりなさい」と言ってあるから!
【3】今日のまとめ
【4】編集後記
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食品スーパーの時代の変遷を見てみよう。戦後神戸の主婦の店として創業したの
がご存知、ダイエーだった。「いい物をドンドン安く」をキャッチフレーズに店
舗数を増やした。三越を抜いて小売業での売上げ高トップに躍り出たときは飛ぶ
鳥を落とす勢いだった。だが、このとき既にダイエーは凋落の道を歩み始めてい
た。
イトーヨーカドーやイオンに追い抜かれ、破綻した。イトーヨーカドーやイオン
も決して勝ち組とは言えないような気がする。規模は小さいが元気なスーパーが
地方の勝ち組になり、中央にまで津波のように押し寄せる勢いなのだ。
今回紹介する北のエースは1962年に伊丹市で普通のスーパーとして産声を上げた。
屋号は「新鮮館」。ピーク時には250店舗を運営し売上げは250億円に達した。し
かし、安さが“売りの”スーパーは競争が厳しく、たちどころに落ち目になった。
今も6店舗だけ残っているが経営は苦しいと言う。
そこで二代目の北野秀雄氏は2002年に関東に打って出た。これまでのスーパーと
は一線を画し、生鮮食品を一切扱わず、地方の珍しい加工食品やレトルト食品を
集め、珍しさと質で勝負することにし、千葉県市川市に1号店をオープン、次い
で2店舗追加し、3店舗出店してみた。だが、パッとせず2店舗は直ぐに閉店に
追い込まれた。
北野秀雄氏が落ち込んでいたところに東武デパートから誘いがかかり、「池袋東
武」に出店したところ、評判を呼びたちまち火がついた。今、北海道から沖縄ま
で50店舗運営するまでに急成長し、売上げも200億円を突破している。
そこで今回は「安さと決別、質で勝負する稀有なスーパー北野エースに学ぶ!」
と題して、「他社が真似できない超個性派スーパー」を作った北野秀雄氏が採っ
たマネジメントについて解説する。
【1】心に刻んでおきたい言葉
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北野エースでは、ポリシーやコンセプトは私が決めるが、後は自分で好きなよう
にやりなさいと言うことになっていますから。
北野秀雄
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【2】メルマガ本論
[(第35話)安さと決別、質で勝負する稀有なスーパー北野エースに学ぶ!]
1.村上龍氏、「こんなスーパー見たことない」!
北野エースの北野秀雄社長がテレビ東京のカンブリア宮殿に採り挙げられたとき、
キャスター役の村上龍氏が思わず「こんなスーパー見たことない」と言った。
□ 感動を売るスーパー!
食品スーパーなのに生鮮食品は扱っていない。コンセプトは「地方の食品メーカ
ーと共存共栄」だ。例えば、レトルトカレーはブックスタイル(本棚スタイル)
で陳列されている。しかもカレーだけで350種類もある。
ドレッシングは195種類、お酢は70種類もある。圧倒的な品揃えと言わざるを得
ない。値段も高からず安からず、リーズナブルだ。例えば、食べるオリーブオイ
ルは840円、味付けのゆばは330円という設定である。
しかも毎日商品が入れ替わるから「売り場の鮮度」は高い。お客様は買うものが
なくともつい立ち寄ってしまう。立ち寄れば、つい何かを買ってしまうという構
図だ。
お店のスタッフはよく勉強していて商品知識が豊富だ。自分で試食もしているか
らお客様の質問にも的確に答えることができる。しかもお客様との対話から「親
密性」が生まれる。リピーターが生まれる大きな要因だ。
□ 品切れはご法度!
品揃えの豊富さが売りだからこそ、「品切れはご法度」だ。せっかく買いに来て
くれたお客様をがっかりさせてはならないからだ。品切れが起こりそうな場合、
店長が近隣の別の店舗に行って直ぐに該当する商品を持ち帰り、補充するルール
になっている。
お客様の「リクエスト」に応えて商品を仕入れるルールも確立している。お客様
のリクエストがあればあまり売れない商品でも取り揃える。他の商品と抱き合わ
せて買って頂けるから問題はないと考えているのだ。
北野社長は「お客様の言うことは全て正しい。だから基本的にお客様の言うこと
を聞きなさい」と社員に言っている。
2.デパートや商業施設から次々ラブコール!
デパートや商業施設から是非出店してほしいとラブコールが掛かるのがホビーの
殿堂「ユザワヤ」だ。いまや北野エースもあっちこっちからラブコールが掛かる。
池袋の東武デパートが始まりだった。浅草の松屋にも出店している。こちらは下
町ということもあり、年配の客層が多い。そのため特に菓子類がよく売れる。中
でも「満腹どら焼き」は売れ筋の定番だ。
大宮駅のエキュート大宮店は通勤のお客様が立ち寄るから惣菜や弁当がよく売れ
る。川崎の商業施設ラゾーナに出店しているラゾーナ店はワイン好きの主婦が多
いからワインコーナーを充実させている。
一駅違えば客層がまるで違う。変幻自在の個性的な店舗作りは北野エースのお家
芸だ。
□ 仕入れは店長の重要な仕事
北野エースは、非効率だが標準化の逆をいっている。店舗によって売れる商品が
違うからお客様に合わせて品揃えをする。一般のスーパーのように本部が纏めて
仕入れて価格を下げるやり方とは違うのだ。店長や副店長は感性を働かせて仕入
れた商品を責任を持って売る。みんな必死だ。
では、北野エースのバイヤーたちは何をしているのだろうか。
3.バイヤーと店舗責任者との真剣勝負の商談会!
地方の知られざる商品は山ほどある。それを発掘してくるのが主な仕事になる。
本部の商談室では月に一度、バイヤーと店舗責任者との真剣商談会が開催される。
バイヤーは自分が発掘してきた商品を店舗の責任者に売り込むわけだ。店舗責
任者は試食し、これなら売れると思ったものを仕入れる。
北野社長は「仕入れの基準なんて簡単ですよ。自分が食べておいしいものを売
りなさい。まずいものは絶対に売るな」と、ただそれだけを説いている。
ニッチという大手ができない発想・戦略・隙間で生きていこうと考えて、質で勝
負する北野秀雄社長のマネジメントで「仕事のできる人の集団作り」が進んで
いるのだ。
【3】今日のまとめ
1.安さと決別、質で勝負する稀有なスーパー北野エースに学ぶべき点は多い
こと。
2.北野エースは、地方の知られざる商品を発掘してリーズナブルな価格で販
売していること。
3.品揃えが豊富で毎日商品が入れ替わり、お客様を飽きさせないことこと。
4.仕入れは各店舗の責任者が行い、責任を持って販売すること。
5.月に一度、バイヤーと店舗責任者の真剣勝負の商談会が開催刺され、店舗
責任者は売れると思ったものを仕入れること。
6.「自分の好きなようにやりなさい」と権限を委譲されているから、みんな
モチベーションが高く「仕事のできる人の集団作り」が進んでいること。
コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒
3223898301@jcom.home.ne.jp
【4】編集後記
どこにでもある、“ありきたりなスーパー”は自然淘汰されていく運命にある。
どのようにして「差別化」を図り、個性を作っていくかが成功のカギになる。
北のエースは、村上龍氏に「こんなスーパー見たことない」と言わしめるだけ
のことはある。稀有なスーパーである。
長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
次回に続く。
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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
彩愛コンサルピア代表 下山明央
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