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◆私的利用を引き起こす背景
◆職務専念義務違反
◆抜き打ち検査とプライバシーの問題
◆職場マネジメント
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
私的利用を引き起こす背景
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
パソコンで仕事をしていると、外形上はパソコンの画面に向かい、キーボードをたたくとい
う、一律の動作になります。そうすると、ゲームをしたり、業務外のサイトにアクセスしてい
たりというプライベートな行為や、極端な場合ネット
オークションに参加していたり、株取引
などで副業をしたりしていても、外形からは区別できません。
さらにセキュリティー上、パスワードで本人以外は端末を起動できなくしているなど、周囲
からの秘匿性が高いことも私的利用を引き起こす背景であると思われます。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
職務専念義務違反
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
私的利用が
就業時間中に行われたのであれば厳しく言えば、職務専念義務違反です。
昨今は職場のパソコンがインターネットに接続していることが当然となり、ビジネス上の情
報収集および伝達の手段として不可欠となっています。そこで、職務専念義務との関係で、イ
ンターネットの私的な利用がどこまで許されるかが問題となります。
ただ、会社の電話を私的に利用することがあるのと同様、業務に支障がない範囲であれば、
実務上は私的利用をある程度は容認せざるを得ない場面もあることは事実です。
この点、電子メールに関しては、私用メールの許容範囲が議論されています。たしかに、電
子メールには私用か業務上かの区別を問わずに受信するという特性もありますし、現代のコミ
ュニケーションの意義を考えれば、私用メールを一律に禁止するということは妥当ではないで
しょう。結局は、社会通念上相当といえる合理的な利用の範囲が、各社の企業文化の中で模索
されることになります。
これに対し、インターネットのホームページの閲覧については、見る側の能動的な行為であ
り、そこに
労働者の意思が存します。また、
勤務時間中に見なければならない必要性・緊急性
が必ずしもあるわけではありません。さらに、インターネット上には業務に必要な情報だけではなく、無益または社会的に有害な情報も含まれていることは事実です。
そもそも、会社の設備なのですから、その設備管理権からも、その使用を制限できます。従
ってインターネットの閲覧については、
使用者はその裁量で厳しく使用を制約することが可能
です。事実、一部の会社においては、問題となっているホームページに対するアクセスを制限
しているところもあります。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
抜き打ち検査とプライバシーの問題
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
私的利用を調査しようとするとプライバシーの侵害にならないか、という問題が出てきま
す。
判例では一般論として調査が、
・企業の円滑な運営上必要かつ合理的なものであること
・その方法、態様が行き過ぎた支配や拘束ではないこと
・社会的に許容しうる限度内であること
としています。(日経クイック情報事件 H.14 東京地)
アクセスログを採取することがプライバシーに反するのではとの疑問が生じるかもしれませ
ん。しかし、会社の設備である以上、その使用に関する記録を会社が採取することは当然で
す。アクセスログの不用意な開示に関してプライバシーが問題となることはあり得ますが、採
取およびその適切な使用が直ちに違法となることはありません。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
職場マネジメント
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
実務上はネットワークの利用に関する規定を定めて原則として私的利用を禁止するとともに
その中で、必要ある場合には抜き打ちでパソコンのメールやファイルをチェックすることがあ
る旨を明示し、周知徹底させておくことが有効であると思われます。
それでもインターネットの不適切な利用が生じた場合には、会社が明示した方法で把握した
事例を不適切な利用実例として匿名で事案を紹介するなどし、適切な利用に関する啓発活動を
積み重ていくのが良いでしょう。
それにもかかわらず、悪質な利用実例が見いだされた場合は、個別に口頭で注意し、それで
も繰り返した場合に初めて戒告処分をとることを検討します。
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◆ブログ「
社労士パルの日記」は
http://paharumi.blog.ocn.ne.jp/paharumi/ ◆
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◆職務専念義務違反
◆抜き打ち検査とプライバシーの問題
◆職場マネジメント
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私的利用を引き起こす背景
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パソコンで仕事をしていると、外形上はパソコンの画面に向かい、キーボードをたたくとい
う、一律の動作になります。そうすると、ゲームをしたり、業務外のサイトにアクセスしてい
たりというプライベートな行為や、極端な場合ネットオークションに参加していたり、株取引
などで副業をしたりしていても、外形からは区別できません。
さらにセキュリティー上、パスワードで本人以外は端末を起動できなくしているなど、周囲
からの秘匿性が高いことも私的利用を引き起こす背景であると思われます。
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職務専念義務違反
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私的利用が就業時間中に行われたのであれば厳しく言えば、職務専念義務違反です。
昨今は職場のパソコンがインターネットに接続していることが当然となり、ビジネス上の情
報収集および伝達の手段として不可欠となっています。そこで、職務専念義務との関係で、イ
ンターネットの私的な利用がどこまで許されるかが問題となります。
ただ、会社の電話を私的に利用することがあるのと同様、業務に支障がない範囲であれば、
実務上は私的利用をある程度は容認せざるを得ない場面もあることは事実です。
この点、電子メールに関しては、私用メールの許容範囲が議論されています。たしかに、電
子メールには私用か業務上かの区別を問わずに受信するという特性もありますし、現代のコミ
ュニケーションの意義を考えれば、私用メールを一律に禁止するということは妥当ではないで
しょう。結局は、社会通念上相当といえる合理的な利用の範囲が、各社の企業文化の中で模索
されることになります。
これに対し、インターネットのホームページの閲覧については、見る側の能動的な行為であ
り、そこに労働者の意思が存します。また、勤務時間中に見なければならない必要性・緊急性
が必ずしもあるわけではありません。さらに、インターネット上には業務に必要な情報だけではなく、無益または社会的に有害な情報も含まれていることは事実です。
そもそも、会社の設備なのですから、その設備管理権からも、その使用を制限できます。従
ってインターネットの閲覧については、使用者はその裁量で厳しく使用を制約することが可能
です。事実、一部の会社においては、問題となっているホームページに対するアクセスを制限
しているところもあります。
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抜き打ち検査とプライバシーの問題
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私的利用を調査しようとするとプライバシーの侵害にならないか、という問題が出てきま
す。
判例では一般論として調査が、
・企業の円滑な運営上必要かつ合理的なものであること
・その方法、態様が行き過ぎた支配や拘束ではないこと
・社会的に許容しうる限度内であること
としています。(日経クイック情報事件 H.14 東京地)
アクセスログを採取することがプライバシーに反するのではとの疑問が生じるかもしれませ
ん。しかし、会社の設備である以上、その使用に関する記録を会社が採取することは当然で
す。アクセスログの不用意な開示に関してプライバシーが問題となることはあり得ますが、採
取およびその適切な使用が直ちに違法となることはありません。
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職場マネジメント
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実務上はネットワークの利用に関する規定を定めて原則として私的利用を禁止するとともに
その中で、必要ある場合には抜き打ちでパソコンのメールやファイルをチェックすることがあ
る旨を明示し、周知徹底させておくことが有効であると思われます。
それでもインターネットの不適切な利用が生じた場合には、会社が明示した方法で把握した
事例を不適切な利用実例として匿名で事案を紹介するなどし、適切な利用に関する啓発活動を
積み重ていくのが良いでしょう。
それにもかかわらず、悪質な利用実例が見いだされた場合は、個別に口頭で注意し、それで
も繰り返した場合に初めて戒告処分をとることを検討します。
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