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顧客価値の切り口を見出せるビジネスマンになるために!

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      シリーズ「コンピテンシーが営業力・販売力を左右する!」

<第391回>[(第5話)「顧客価値の切り口を見出せるビジネスマンになるために!」]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の
必要性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「コンピ
テンシーが営業力・販売力を左右する!」と題して様々な角度から鋭く分析
した記事を紹介していきます。中小企業の経営者の方、管理者の方、人事
当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論
1.顧客(個客)価値の切り口を知ろう!
2.顧客(個客)価値発見のイロハ!
3.驚きと感動(デライト)を与えるメニューを開発する!
【3】編集後記

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多くの企業が「顧客のニーズを掴み、顧客の求める商品・サービスを提供す
れば顧客の支持が得られる」と異口同音に言う。全く正しいセオリーだ。し
かし、「言うは易く、行うは難し」で実現できていない企業は多い。実現で
きた企業が「勝ち組」になっているわけだ。

真夏の夜空に次々打ち上げられる花火は美しい。それを見るためにたくさん
の観客が集まってくる。しかし、花火の打ち上げが終了すると観客は去って
いく。

花火は「顧客価値」だったのだ。顧客価値を提供できなくなった企業は衰退
の坂道を転げ落ちる。何だかシャープを連想せる。「花火=液晶薄型テレビ」
と言うことか。

今こそ全てのビジネスマンは「価値創造力」コンピテンシーを磨く必要があ
る。

そこで今回は、広く営業マンや販売スタッフ、あるいは開発部門のスタッフ
にスポットを当て、「顧客価値の切り口を見出せるビジネスマンになるため
に!」と題して、「顧客価値を見出せるビジネスマンになるために常日頃か
ら磨いておくべきコンピテンシー」について考察する。



【1】心に刻んでおきたい言葉

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企業の成長も産業振興も付加価値を生み出すことでしか望めない。

         御手洗冨士夫

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【2】メルマガ本論

[(第5話)顧客価値の切り口を見出せるビジネスマンになるために!]

1.顧客(個客)価値の切り口を知ろう!

いく通りかの「価値」の切り口があるように思う。この場合当然のことなが
ら顧客(個客)に軸足を置いて検討する必要がある。


□ 普遍的価値

「普遍的価値」とは、どんなお客様にもあまねく共通する価値である。例え
ば、代表的な価値は「品質、価格、納期(Q、C、D)」であろう。「商品
の品質」、「サービスの質」は誰にとっても大切な価値になる。しかも値段
は安いに越したことはない。「約束した納期が守られる」、「欲しいときに
直ぐに手に入る」ことも誰にとっても大切な価値になる。加えて特に営業マ
ンや販売スタッフは、「心地よい接客マナーやビジネスマナーを発揮してく
れる」ことなどが重要な価値になる。


□ 変化する価値

「変化する価値」とは、その時代と顧客先法人企業の事情、あるいは一人ひ
とりの「個客」のライフスタイルの変化に応じてめまぐるしく変化する価値
だ。

法人の場合であれば、「要るものを要るとき要る数だけ、ちょうど間に合う
ように納入して欲しい」というニーズがあれば、それに応えることが顧客価
値の創造と提供ということになる。これをJIT(Just In Time)納入と言
う。

小売の店舗であれば「ちょっと贅沢、ちょっとこだわりの商品」、「安全、
安心な商品」、「私だけの仕様の私好みの商品」と言ったニーズがあれば、
それに応えることが個客価値の創造と提供ということになる。例えば、「ち
ょっと贅沢、ちょっとこだわり」なら食品スーパーで言えば“クイーンズ伊
勢丹”や“成城石井”が当てはまるだろう。実際他店よりも10~20%ほど高
いが、個客のニーズに応えた品揃えになっている。

特に変化する価値は、一人ひとりの「個客」が特有のモノサシをもって評価
するから掴むのが難しく、「行動分析」が欠かせないファクターになる。


□ 既成の価値

「既成の価値」とは、既にある価値、わが社が従来から提供している価値で
ある。前述の「普遍的価値」と重複もするだろう。メーカーであれば、「品
質、価格、納期(Q、C、D)」などだが、近年特に大企業でも大きな品質
問題が多発している。コストカットと効率化一辺倒で顧客第一主義の原点を
忘れているように思えてならない。いわゆる「品質保証のドーナッツ現象」
だ。

かつて、小売各社はレジで精算し、「個客」に商品を引き渡せば販売の終点
だったが多くのスーパーや一部の百貨店は宅配サービスをすることが既成の
価値になってきている。


□ 新しい価値

「新しい価値」とは、概ね二つに分かれる。一つ目は「個客が認識している
価値」で二つ目が「個客が認識していない価値」だ。

「個客が認識している価値」とは、例えば「ちょっと贅沢、ちょっとこだわ
り」や「安全、安心、健康、生産者の顔が見えるトレーサビィリティ」など
が考えられる。これらのキーワードを念頭に置いて個客に「驚きと感動(デ
ライト)」を与えられるような商品やサービスを提供することだ。デライト
は重要なキーになる。

「個客が認識していない価値」とは、「激安と高級の錯綜現象」がある。あ
るときは激安志向で、あるときは高級志向と言うわけだ。クラスターマーケ
ティングの時代は客層をいくつかの郡に分類できたが、個客がそのときの気
分によって変身するからやりにくい。

「私だけのもの、私を主張できるものがほしい」、「驚きと感動(デライト)
に巡り会いたい」、「私を大切なパートナーとして扱って欲しい」などが考
えられる。個客が商品やサービスに遭遇してみて「自分が求めていたのはこ
れだ」と気づく価値で、「ワンツウワン・マーケティング」の領域なのだ。

2.顧客(個客)価値発見のイロハ!

顧客(個客)価値発見は一筋縄ではいかない。多くの企業は苦労しながら顧
客(個客)価値の発見に努力している。


□ 野良犬営業型

格別用もないのに営業マンや開発スタッフが顧客先法人企業にいつも顔を出
すのが「野良犬営業」だ。野良犬営業部隊は臭覚、嗅覚が発達している。顧
客先法人のいろいろな部署の人を掴まえては挨拶して雑談に持ち込む。雑談
をしているとつい「リップサービス」で重要な情報をゲットすることがある。

あるいは「ああ、いいところにきてくれた。こんなのできる?検討してみて
くれない?」と案件が飛び込むことがある。

安川電機のロボット営業部隊は、こんなやり方で自動車各社の溶接ロボット
などを次々受注し、やがてロボットのシェアで世界一になれたと言われてい
る。


□ 家庭訪問型

P&Gは洗濯用洗剤、台所用洗剤、ヘアケア製品、脱臭剤など生活関連商品
を扱うグローバル企業だ。花王やライオン、エステーにとって大変な強敵だ。

理科系の女性開発スタッフがペアを組み、アポを取って一般家庭を訪問する。
P&Gの製品を使っているかどうかは問題ではない。主婦にインタビューし、
対話の中から商品やサービスに対する不満やニーズを拾う。持ち帰って商品
開発に生かすから不満を解消し、ニーズにジャストフィットした商品が開発
できる。

事務用品メーカーのプラスの子会社アスクルは、分厚いカタログを顧客法人
企業に配布し、注文が来れば明日までに届けることで有名だ。開発スタッフ
が悩みを抱えればドライバーと一緒に法人企業を訪れる。企業を訪問するこ
とで不満やニーズが把握できるからだ。


□ 顧客の行動分析型

個客がどんな行動パターンを経て商品を選択し、購入しているか、あるいは
購入せずに立ち去っているかをつぶさに分析する企業も多い。

ドラッグストアや食品スーパーの社長を務めた経験があり、現在セブン&ア
イフードシステムズ(ファミリーレストランなどを運営)社長の大久保恒夫
氏は個客の行動を分析して商品陳列の棚割を決めた。どのような陳列、配置
にすれば個客の視覚に飛び込み、個客が手にとってバスケットに入れるかが
勝負の分かれ目になるのだ。

大手書店の例だが、店内での「個客の動線と行動パターン」をつぶさに観察
するとアドレス表示やジャンル分け、並べ方が見えてくるそうだ。背表紙し
か見えない陳列では引っこ抜かなければ手にとって見ることもできない。平
積み、表紙の見える置き方に変えただけでも2割以上売上げがアップした実
績があると言う。

「個客の行動分析」から売れるためのディスプレーが見えてくるわけだ。


□ 宅配プラス便利屋型

滋賀県に平和堂という地場スーパーがある。お店まで買い物に来るのが困難
な個客に対しては電話やFAXで注文を受け、宅配サービスする。コールを
受けるスタッフは元スーパーの社員で、一人ひとりの個客の顔と名前を知っ
ている。注文のとき、「調理方法を教えて」と頼まれれば親切に教え、さら
にはメモにしたためて商品の中に入れてあげる。

宅配スタッフは届けるだけではなく、どんな困りごとでも受け付ける。重い
物は台所まで運んであげる。電球の玉を交換してあげる。「雨漏りを直して」
と言われれば後日職人を連れて行って修繕してあげる。一帯の個客は全部リ
ピーターとして取り込まれるのは当然だ。


研究すれば顧客(個客)価値発見の方法はまだまだたくさんあるはずだ。


3.驚きと感動(デライト)を与えるメニューを開発する!

商品、サービスに驚きと感動を与えるメニューをふんだんに盛り込むことが
重要であることは誰でも理解している。どのようにして驚きと感動を与える
か、それが問題だ。

ハウステンボスは破綻し、何人かのプロ経営者が再建に乗り出したがうまく
いかなかった。   なぜディズニーランドは繁栄し続けてハウステンボス
が破綻したのだろうか。一口に言ってハウステンボスはリピーターが少なく、
ディズニーランドは多くのリピーターに支えられているのだ。

ではなぜディズニーランドにはリピーターが多く訪れるのだろうか。それは、
「いつも新しい何かが待っている」、「いつも驚きと感動がある」と言うこ
とに尽きる。一度行った人々に「また来たい」と思わせる「モノ」や「コト」
があると言うことだ。この「モノ」や「コト」が個客にとっての価値なのだ。
「ベネフィット」と言ってもいいだろう。

しかし、HISの創業者である澤田秀雄氏が社長に就任して一気に潮目が変
わった。佐世保市役所に乗り込み、10年間固定資産税の免除を要請し、飲ん
でもらった。いつ行っても新しい何かに出会えるように数々のアトラクショ
ンやイベントを用意した。アトラクションやイベントは幹部ではなく社員た
ちが企画する。今は四季を通じで“出し”が変わる。黒字を経験したことの
なかった負け犬根性の社員たちの意識改革も進んだ。構内の整備は業者を使
わず社員たちが率先して行うようになった。草取りもペンキ塗りも時間を見
つけてやるようになった。

社員の意識が変われば今までできなかったことができるようになるから不思
議だ。社員みんなの行動特性が変わり、「仕事のできる集団」が形成された
のである。



【3】編集後記

今や百貨店は「デパ地下頼み」になっているように思えてならない。各ジャ
ンルの専門店に押されて顧客(個客)を奪われているのだろう。

栃木県佐野市のプレミアムアウトレットを視察して、デパート不振の原因を
見たような気がした。20~30歳代の女性にターゲットを合わせた100店舗以上
の専門店が軒を連ねている。にもかかわらず家族連れの多いには驚く。中に
はお弁当を持ってきている家族連れもいた。散歩気分でお店を見て回り、子
供の洋服や靴を買う。そしてお金を出すのはおじいちゃんかおばあちゃんだ。
家族で半日以上も楽しく遊べる。

キーワードは「家族」だ。栃木と埼玉ナンバーの車で全体の60%、東京ナン
バーも10%くると言う。大都会から約2時間かけて郊外に遊びを兼ねてお買
い物に出かけるわけだ。

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp

= 長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=



次回に続く。

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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
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