■企業のパワーアップ倍増作戦■
<仕事のできる人の集団作り戦略>
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シリーズ「
コンピテンシーが営業力・販売力を左右する!」
<第396回>[(第10話)「交渉力に優れたビジネスマンになるために!」]
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今話題の「会社を救う
コンピテンシー」とは何かと
コンピテンシーの導入の
必要性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「コンピ
テンシーが営業力・販売力を左右する!」と題して様々な角度から鋭く分析
した記事を紹介していきます。中小企業の経営者の方、管理者の方、
人事担
当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。
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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論
1.日本と海外のネゴシエーションの響きの差!
2.身近な人との交渉 (社内営業という位置づけ)!
3.顧客企業との交渉!
【3】編集後記
【4】彩愛コンサルピアからのお知らせ
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日本人気質として自分の意見をはっきりと相手に主張する行為を避けるきら
いがあるように思う。対立しがちな「交渉」を好まず、「交渉」を避けて問
題解決を図ろうとするわけだ。ほとぼりが冷めるのを辛抱強く待つ。つまり、
時間が解決してくれることを期待するのであろう。だがビジネスではそうは
いかない。
「交渉」とは相手とある事案について合意に至るために話し合うこと。掛け
合い、談判などとも言うともある。「交渉」とは、一口に言えば、ある願い
事を叶えることである。ビジネスは正に「交渉」そのものであり、話し合い
によりお互いに合意点に達することである。
しかし、上からの圧力などで無理やり合意させられて屈服、妥協、服従に終
わってしまい、腹立たしく思った経験を持っている人は多いのではないか。
今は圧力に屈して黙って相手の言うことを聞き入れることが美徳の時代では
ない。
相手を屈服させたり、逆に自分が屈服を強いられることは本来の「交渉」と
は程遠い。十分議論を尽くして最後はお互いにトレード・オフ(歩み寄り)
で合意点に達することがビジネスにおいては絶対に必要だ。「交渉」では敗
者はおらず、双方勝者でなければならない。
そこで今回は、ビジネスに携わる人全員にスポットを当て、「交渉力に優れ
たビジネスマンになるために」と題して、「交渉ごと成功のコツ」について
考察する。
【1】心に刻んでおきたい言葉
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長い時間をかけて合弁交渉したが、あなたは「ノー」という言葉を一度も使
わずにノーという主張を通してしまったことだよ。(現神戸製鋼所 当時の
犬伏泰夫社長に向かって)
トーマス・フィッシャー
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【2】メルマガ本論
[(第10話)交渉力に優れたビジネスマンになるために!]
1.上から目線の圧力は自分の首を絞める
「B to B」、つまり企業間取引においては力関係がものを言う。例えば量販
店は
棚卸のときに人手がほしい。新規店舗オープンの準備のときも人手がほ
しい。こんなときありがちなのがメーカーへの応援依頼だ。メーカーは、自
社の製品を売ってもらえるならと手弁当で手伝い要員を送り込む。
家電量販店などには違うユニホームを着たスタッフが多数いる。彼らの多く
はメーカーから販売促進や顧客の行動分析などの名目で送り込まれている。
しかし実際やっていることは店舗の販売の手伝いだ。昔はメーカーが強かっ
たが今は逆転している。量販店のほうが威張り散らす立場なのだ。
□ スーパーを切った豆腐メーカー
「スーパーに切られた豆腐屋は山ほどありますが、スーパーを切った豆腐屋
はうちが初めてでしょう」。
このように言っていたのは埼玉県春日部市の豆腐メーカー「篠崎屋」の樽見
茂社長だ。あるスーパーに納品に行ったとき、店員に「邪魔だ。どけ、豆腐
屋」と怒鳴られた。当然樽見社長は頭に来て切れた。「とびっきり旨い豆腐
を開発してこんなスーパーは切ってやる」と心に誓った。
この思いを実現し、高級豆腐の開発に成功し、高飛車なスーパーは切った。
直営店の多店舗展開も順調で、「三代目、茂蔵」のブランドも定着した。薄
利多売と決別したのである。
□ ダイエーを切った平田牧場の心意気
「平牧三元豚」のブランドで日本一旨い豚肉を提供するのが秋田県酒田市の
平田牧場だ。世界中の優秀な豚を集めて掛け合わせ、「平牧三元豚」を開発
したのだ。「平牧三元豚」は安さで勝負する一般のスーパーでは扱っていな
い。
かつて平田牧場の上得意はダイエーだった。ダイエーのバイヤーは人の顔さ
え見れば「負けてくれ」と値引きの要求ばかりだった。商品の品質など関係
ない。評価もしてくれない。ミソもくそもみな同じ扱いだ。
平田牧場の創業者、新田嘉一会長は頭に来て切れた。「明日から全ての納品
を止めさせてもらいます」とダイエーを切ったのだ。月、3,000頭もの豚を提
供していたと言うから痛手は大きい。新田会長は「生産者が弱いと食料は作
れなくなる」と言う持論を持っている。
力関係で、高飛車に出たり、無償での
労務提供を求めたり、強烈な値引きを
要求することは「交渉」でもなんでもない。上から目線での「弱いものいじ
め」以外の何者でもない。このような企業が未来永劫繁栄するとは思えない。
その証拠に多くの大手スーパーは売上げが伸びずに喘いでいるし、ダイエー
に至っては破綻を経験している。
2.日本と海外のネゴシエーションの響きの差!
ネゴシエーションは、日本では「根回し」とか「下打ち合わせ」的な意味合
いが強い。本打ち合わせ(本会議)がうまくいくように、あらかじめ根回し
をして関係者の了解を取り付けておこうと言うものだ。
頭のいい人に限って「根回し」を嫌うきらいがある。論理思考が強すぎて、
すばらしい提案を理路整然と説明するのだからみんな分かってくれて賛成し
てくれるはずだと思い込んでいるからだ。
確かにすばらしい提案を理路整然と説明してもらえば内容は分かる。分かっ
たからと言って賛成するとは限らない。利害関係が複雑に絡んでいる場合が
多く、「寝耳に水」と受け取る人の抵抗に合う。「根回し」はあまり響きの
いい言葉ではないが、事前に相談を持ちかけ、協力をお願いしておけば、不
利益を被る人への事前のケアもできるから抵抗を和らげることができるわけ
だ。
ネゴシエーションは諸外国ではズバリ、「交渉」、「折衝」を意味する。外
国人はビジネス本意に考えているので「論理思考」で押してくる。そして
「For You」、つまり“あなたのベネフィット”を列挙することも決して忘
れない。
国内、海外を問わず「交渉力」はビジネスマンとして必須の
コンピテンシー
である。
3.身近な人との交渉 (社内営業という位置づけ)!
身近な人との「交渉」は、外部のお客様との「交渉」ではないが、拡大解釈
して「社内営業」と考えることにしよう。身近な人との「交渉」が上手にで
きずに社外の人との「交渉」を上手にできるわけがない。社内営業において
は、大げさかもしれないが、まず上司との「交渉」、次いで他部門の人との
「交渉」と言うことになるだろう。
例えば、社内営業のシーンは、職場内の仕事の分担を決めるとき、自分の提
案を通してもらうとき、休暇をもらうとき、他部門の人に協力を求めるとき、
逆に他部門から協力要請を受けたとき、そして自分主催の会議を成功させた
いときなどが考えられる。
ここでは相手の「共感と支持を得る」ための
コンピテンシーを発揮する場面
だ。常日頃から自分が相手に対してどんな態度・対応をとってきているのか
も大きく影響する。
□ 自分の提案を通してもらう
通常は、「提案書」あるいは「企画書」と言う形で上司に提出するだろう。
しかし、ある日突然書類を提出しても、予期せぬ出来事に上司も戸惑うこと
になるだろう。
ここでもあらかじめのネゴが効果を発揮する。つまり、「課長、課長が前に
おっしゃっていた○○の問題について現在改善提案書にまとめているところ
です。素案ができましたら是非相談に乗って頂きたいのですが・・・」と言
った具合に前もってインプットしておく。
あらかじめインプットされている上司は、提案書を受け取ったとき「君、例
のヤツかね」と言うことで、素直に目を通してもらえる確率が高まる。
上司の性格や癖をよく掴んでいるなら、上司が指摘したり指導したいと思う
箇所を何箇所か文面の中にわざと用意しておくのもコツである。案の定上司
は、そこを得意げに指摘するに違いない。そこで「素直さ」なるコンピテン
シーを発揮し、「ご指摘ありがとうございます。早速訂正いたします」と答
えるのだ。素直でかわいい部下を演じるわけだ。
あとは予算やスケジュール、担当者を何人付けるかなどの細部についてすり
合わせて再提出すれば提案は見事に通ることになる。
まとめると、「上司との事前のネゴ」→「上司が指摘する箇所を提案書の中
に用意する」→「素直に『ご指摘ありがとうございます』と言う」→「細部
についてすり合わせる」→「修正版を再提出」となるわけだ。
□ 自分主催の会議を成功させたいとき
よく会議の開催通知だけを配布しておき、会議が始まってから資料を配布す
る人がいる。資料を読むのが先か
議長の話を聴くのが先かで、参加者は混乱
し、非効率な会議になるばかりか、反対勢力に猛反撃を受け、決定したい筋
書き通り進まないという例は多くの人が経験しているだろう。しかも反対意
見を唱えるのは決まって他部門などのキーマン・実力者なはずだ。
自分が主催する会議が重要な会議であればあるほど、会議開催通知に資料を
添付して事前に配布することだ。そして、きっと反対するかも知れないキー
マンや実力者には自ら足を運んで、会議の趣旨、これを決定することの意義
・効果を説明し、“是非あなたのご協力を頂きたい”旨のネゴをやっておく
ことだ。
ネゴされた人は、わざわざ自分に事前に説明しに来てくれたと言うことで
「分かった。でもここだけは賛成できないから、ここを直して欲しい。そう
すれば協力するよ」と言ってもらえる確率が高くなるわけだ。日ごろから他
部門の人の要請に対してもできるだけ協力的な態度をとっておくことも成功
の前提条件になる。
まとめると、「会議開催通知と資料を三日以上前に配布する」→「キーマン
や実力者には自ら足を運んでネゴしておく」→「指摘を受けたところは可能
な限り修正し誠意を示す」→「当日キーマンや実力者に賛意を示してもらう
」→「筋書き通り議事が進行する」となるだろう。かくして会議は成功裏に
終えることができるわけだ。
3.顧客企業との交渉!
営業マンはお客様と交渉をして成約にこぎつけなければならない。お客様は
企業の場合もあれば個人の場合もある。ここでは「B to B」の例で解説する
ことにする
お客様が企業の場合、靴をすり減らして訪問件数を稼いでも成約にいたると
は限らない。しかも非効率だ。
□ キーエンスの営業部隊の場合
センサーを使った測定器や設備を販売しているキーエンスでは飛び込み営業
は一切やらない。企業情報を集め、その企業がどんな問題を抱えているかを
あらゆる手段を使って調査し、提案書に纏める。そしてアポを取れた企業を
訪問するから門前払いは皆無に近い。
アポが取れているから小会議室か応接室に通さされる。痒いところに手の届
いた提案がキーエンスの強みだ。
□ 安川電機の営業部隊の場合
安川電機のロボット事業部門がロボットのシェア世界一になれたのは、「野
良犬営業」だった。用があってもなくとも毎日お客様の工場に張り付く。野
良犬が匂いを嗅ぎ付けるように開発部門や生産技術部門などを巡回する。す
ると「あ、ちょうどよかった。ねぇ、こんなロボット作れない」と相談を持
ちかけられる。直ぐに社に帰って、関係部門と打ち合わせをし、図面化して
持ち込む。自動車メーカーの生産設備のロボットはこうして軌道に乗せてい
った。
もちろん相手から相談を持ちかけられるのを待っているわけではない。自ら
もお客様の工場を回り、匂いをかいで提案のネタを探す。
キーエンス流営業も安川電機流営業も交渉のテーブル、つまりステージセッ
トを取る手段は異なるが、共通するのは提案営業から入り込んで交渉を纏め
ている点だ。
提案営業の切り口となるねた探しから是非トライしてみてほしい。
【3】編集後記
交渉力は、「誠意」に始まり「誠意」に終わると言っても過言ではないよう
に思う。実際、難しい交渉であればあるほど「ケツをまくりたい」場面に遭
遇するだろう。
相手の提案が賛成できない内容であれば「それは、最良の選択なのですか?」
と質問するのがコツだと神戸製鋼所の当時の犬伏社長はおっしゃっていた。
すると相手は、「最良の選択だ」と言い返すにはかなりの理論武装と説得力
を持たなければならなくなる。頭から「ノー」と否定せずとも「ノー」を押
し通す術、これを交渉の達人である犬伏氏から学んではどうかと思う。
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3223898301@jcom.home.ne.jp
= 長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
次回に続く。
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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
彩愛コンサルピア代表 下山明央
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3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
こちらから
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(協)さいたま総合研究所のHPはこちらから
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