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流通・外注段階でのコスト・ダウンのあり方

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経営テクノ研究所
2014年5月19日第1・3週月曜日発行
発行人:舘 義之http://www9.plala.or.jp/keiei-techno/
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★★経営のパートナー★★経営学で企業を再生する
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<目次>
★流通・外注段階でのコスト・ダウンのあり方
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★流通段階でのコスト・ダウンのあり方
1.販売は輸送コストに注意せよ
 ドラッカーが「流通は、経済の暗黒大陸」と言ったように、流通コストを
正確に把握している企業は少なく、せいぜい運送、倉庫業者への支払運賃、
料金額と包装材料購入費程度であり、コストの現状という入り口から既に真
暗なのです。

 アメリカでは、製品価格の50%が生産コストで他の50%が流通コスト
であり、輸送コストは、流通コストのほぼ半分くらいといわれています。

 日本の場合でも、製品価格の40%が生産コストで他の60%が流通コス
トで、輸送コストは、そのうちの半分にも及んでいる、といわれています。

 こうした実態を見ると、輸送のロスを回避することが利益を生み出す1つ
の重要なポイントになってきます。

 売上納品は、だいたいどの企業でも月末がピークになる傾向があります。
これは、経理の「締め」の関係もありますが、それと関係のないところでも、
その状況は変わりません。その最大の理由は、販売活動自体の慣習的・慢性
的な偏りです。

 そのために、どのようなロスが発生しているかを例示してみます。
(1)月末ピークに合わせて車を保有しなければならない
(2)月末ピーク時だけでは傭車できず、月初から丸がかえで遊ばさなけれ 
   ばならない
(3)輸送効率を上げるために高速料金が多額になる
(4)深夜、宿泊など余分な手当が必要になる
(5)積み残し防止に高額の特別車が必要になる

 このようなロスをなくすためには、販売活動自体を抜本的に平準化させる
か、あるいは客先に在庫スペースがあれば、委託在庫方式をとるようにしま
す。

2.納期遅れはコスト高に直結する
 納期遅れ、客にせかされて、航空便を使う、トラックの定期便を待ちかね
て特別車を仕立てたりします。自家用に1個だけ乗せて空車同様の状態で深
夜の高速を走ります。

 こんなことは日常茶飯事というような感覚でいる会社も決して少なくあり
ません。これも1つの大きな輸送コスト高の元凶です。

 輸送コストは、このように輸送部門外の内部管理の問題も解決しなければ、
輸送部門だけでは、どうしょうもない面もありますし、また、輸送業務を外
部に委託している企業が多いこともあって、内部コストと比べて間接的な受
けとめ方は大幅な運賃値上げなどになるため、問題が潜在化してしまうこと
が多いのです。

 その意味で、輸送コストの大きさ、コストに占める比率にもよりますが、
(1)輸送機関
(2)デポ
(3)車有車の活用度
(4)売上納品のピーク状況
(5)内部管理問題
(6)傭車トラックの操業度
(7)配送経路
(8)配送スケジュール
などの多角的観点から総合的な調査・検討を加える必要があります。

★外注段階でのコスト・ダウンのあり方
1.単価切下げ要請から転換せよ
 いまだに半期、または1年ごとに何%という単価切下げを親企業が強制的
に押しつけていたり、外注先へ出向いての工程分析、時間測定、加工費率の
推定などを行ったりしていますが、こんなやり方は、もう古いといえます。
これでは、たいしたコスト・ダウンはできません。

 そうではなく、親企業と分工場という関係で独立経営体としての立場を尊
重しながら、経営革新、体質改善への努力を刺激し、共栄とコスト・ダウン
への相互協力という体制をつくる、それが最も大きなコスト・ダウン成果を
上げる道なのです。その方策例を挙げれば次の通りです。

(1)売価値下がりに伴うコスト・ダウン負担は、企業も外注も平等に担い
   ます。その事情を十分説明すれば外注も納得し協力するはずです。

(2)外注の技術力強化、管理水準高揚のアドバイス、指導を行ない、生産
   性・収益性の向上を図り、その見返りとしてコスト・ダウンに協力し 
   てもらいます。
 
   
 たとえば、
目標管理の強化
●QCの強化
●IE・VEの強化
●作業能率管理の強化
●工程管理の強化
などのコンサルティング・アプローチを行います。
 
(3)外注先の品質保証体制を整備させ検査コストを減らします。

(4)操業変動のリスクを回避するために外注先の多角経営化をすすめます。

(5)2社発注を1社にしぼるなどして、スケール・メリットを生み出し、
そ の見返りを受けます。
(6)親企業の不手ぎわによる外注ロスを減らします。

たとえば、
●複数の新製品立ち上がりを一時的に集中させて外注を大混乱させるロス
●生産計画の見通しを誤り過大負荷にするロス
●型・治具・専用機などを埋没コスト化させるロス
●設計変更・新製品などで品質基準を明示せず量産後に発生させるロス
などです。

2.外注支援コストの早期削減を図れ
 外注支援コストとは、外注先に対する経営指導、技術指導、管理面の指導
などに関連して発生する親企業の出費のことをいいます。

 外注にすれば、本来、自分でやらなければならないことを親企業が肩がわ
りしているのだから、これ幸いとよりかかります。しかし、外注先も小とい
えども、一国一城でもあり、それなりの力を持つことが双方にとって望まし
いのです。

 当初は、外注の力をつけるためにアドバイス、指導、援助をすることが必
要ですが、早く外注に自分でやれるだけの力をつけさせ、外注支援コストを
削減できるような指導のやり方をしなければなりません。

 その1つの方法としては、時限指導・支援という取決めを行います。
 
 たとえば、
●2年間は指導するが、その後は自律的にやってほしい
●それができない外注先には、仕事を出さない
というような形でやることを考えるのです。
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★舘 義之のポジション
 人事・IE・VE・マーケティングコンサルタント
 人事・IE・VE・マーケティングの三輪で企業体質の仕組みを構築して、
厳しい経営環境の中で勝ち残っていく会社にすることを第一に支援します。
舘 義之への問い合わせstudy@agate.plala.or.jp
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